議長は壁面のディスプレイに映る使徒の予想針路と、その線上にある第三新東京市を見る。
「頼むぞ、野分君・・・・あまり時間は無いぞ・・」
ネルフ本部、13番非常用通路
12:35
何事にも聡いシンジがその”気配”に気付かぬ筈がなかった。
「・・・・・・綾波」
アスカとレイはこんな厳しい顔をしているシンジをはじめてみる。
「?」
「発令所に行く他のルートは?」
そう言いながらバックパックを床に降ろし荷をほどく。
「すこし戻ったところの脇道から14番非常通路に出られるわ」
「それじゃ二人ともかさばるけどコレを身につけて」
そう言ってシンジは取り出したモノを二人に渡す。
「シンジ・・・何コレ?」
ベストのようなそれをみて首をかしげるアスカ。
「防弾チョッキさ」
「え?」
「さ、ここで説明してる暇はないんだ・・・制服の上からでいいからそれをつけて」
二人は悪戦苦闘しながらなんとか防弾チョッキを身につける。
シンジはその間に自分の装備を調える。
ベルトとハーネスを取り出して装着。
ホルスターに入ったSOCOMをベルトに通し腰に下げる。
ハーネスに手榴弾等をくくりつける。
腰の後ろに鞘に収められた大型のコンバットナイフを差す。
そして最後にコンパクトに折り畳まれた短機関銃を取り出す。
小松達が使ったMP5よりも洗練された印象を与えるH&K UMP(※)。
シンジは折り畳まれていた銃床を伸ばし、ハーネスから弾倉を取り出して装着し、遊底を前進させ初弾を装填する。
バットケースはそのまま担ぎ、UMPを抱えて立ち上がる。
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
アスカとレイは何も言わずそれを見つめる。
『・・・・・・来た!』
シンジの研ぎ澄まされた聴覚が、何かが近づいてくると警告を出す。
「アスカ、綾波・・・・1,2,3で走って14番非常通路に行くんだ、綾波・・道筋は大丈夫だね?」
レイはコクンとうなずく。
「ま、待ってよシンジ!アタシだって戦うわ!」
仲間外れにされるのはたまらないと思ったか、アスカが抗議する。
「ムリだよ」
「なんでよ!」
シンジは前方を見据えたまま、
「相手はプロだよ・・・・そして目的はたぶん、僕達だよ」
「アタシ達?」
「説明は後で!いくよ!1・・・・2・・・・」
駄々をこねたアスカもダッシュの態勢にはいる。
レイは今にも飛び出していきそうだ。
「3!」
弾かれたように走り出す二人の少女。
「いたぞ!こっちだ!」
通路の向こう側から怒声が聞こえる。
シンジはくるっと振りかえるとUMPを撃ちはじめる。
軽快な射撃音と共に45ACP弾が雨霰とそそがれる。
「伏せろ!」
50mぐらいまで迫ったデルタはその場で全員が伏せる。
ロクな遮蔽物がないこの場所ではそうするしかないだろう。
シンジは敵兵の頭を下げさせたことを確認すると、自らも後退する。
「シンジ!早く!」
「碇君!」
曲がり角でアスカとレイが待っている。
角に飛び込んで体勢を立て直したシンジは再び射撃する。
軽快な連続射撃音。
反撃してくるデルタ。
「逃げるよ!」
シンジはそれだけいうと二人を走らせる。
「綾波!この道は発令所までどれくらいかかる?」
大荷物を抱えながら全力疾走するシンジ。
ポジションはアスカとレイをカバーできる後方にとり、撃ち尽くしたUMPの弾倉を捨て、新たな弾倉を装着する。
「走って5分ぐらい」
全力疾走中とは思えない落ち着いたレイの声。
「じゃあ発令所まで一気駆けだ!」
「オッケー!」
ネルフ本部、13番非常用通路
12:36
デルタ・フォース第3小隊
「クソッタレ!一体どうなってやがる!」
小隊長が吐き捨てる。
やっと目標Aを発見したと思ったら銃弾の洗礼である。
それでも仕事はきちんとこなす。
分隊のひとつに目標をつかず離れず追跡させてある。
また、別の分隊を挟撃させるために先回りさせている。
小隊長は自嘲気味につぶやく。
「デルタのモットーに真っ向から反してるな・・・・」
”奇襲、速攻、勝利”
「小隊長、ちょっとよろしいでしょうか」
彼に、小隊でもっとも古参の兵士が声をかける。
「なんだ?」
ヴェテランの意見を聞かない指揮官は愚か者だ。
「サブマシーンをぶっ放していた人間ですが・・・」
「ああ、こちらから見ていても見事なあしらいだな・・・・攻めどき、退きどきを心得てる・・・・癪に障るのはたしかだが」
「ええ・・・そうなんですが・・・私の目にはあれは子供にしか見えませんでした」
「なに?」
「つまりですね・・・これはトラップやその他ではなく、目標Aが・・・」
「ガキが武装してるってことか」
「おそらく」
小隊長は腕を組んで考える。
『捕獲目標であるAが武装していると考えた場合・・・』
つまり彼らの仕事が100倍もやりにくくなったことを暗示している。
彼らは敵を撃滅するためにここにいるわけではないのだ。
こんなことは訓練段階では想定してもいなかった。
『周囲の障害を排除して銃を突きつけたらホールドアップ・・・・考えが甘かったかな』
だが、もう計画の変更は出来ないし、退きかえすことも出来ない。
「よし・・・連中を袋小路まで追い込んで降伏勧告といこう・・・いまはそれぐらいしか考え付かんな」
「了解・・・反撃はどうします?・・今さっきは咄嗟のことで何人かが反射的に打ち返してしまいましたが」
「もちろん威嚇にとどめる・・・商品を傷物にしたら俺が大佐から大目玉だ・・・・ただし」
「ただし?」
「本当にやむを得ない場合は・・・抵抗の排除を許可する」
「了解」
ネルフ本部、通路
12:35
佐藤は中村を引き連れて通路を歩いていた。
ネルフ本部のセンサー類がまったく使用できないため手探りで捜索するしかないのだ。
オメガは一部を除いて2人一組のペアで捜索を行っていた。
《指揮所からバッドカルマ》
インカムが彼を呼び出す。
「こちらバッドカルマ」
《緊急事態です!本庁(防衛庁)から連絡ヘリが飛んできました》
「本庁から?・・・一体なんだ?」
《エライことですよ・・・・現在熱海方面から未確認移動物体がここに向けて接近中だそうです》
「なんだとぉ!?」
《本庁の中央指揮所は当該物体を使徒と判断しました》
「クソが・・・・・ネルフには連絡したのか?」
《こっちはそれどころじゃないですよ・・・・1人で5人分の仕事をこなしてるんですよ?》
「了解・・・・連絡はこっちでやる・・・バッドカルマ以上」
インカムを切って振り返る。
「中村ぁ!」
「はい!」
「おめぇひとっ走りしてネルフの連中に使徒が接近中だって伝えてこい」
「えぇ!?・・・自分ひとりで、ですかぁ!?」
ごめすっ!
コークスクリューブロー、炸裂。
「このド阿呆!てめえは幼稚園児か!」
「そんなこと言っても・・・・」
頬を押さえながら泣き言を言う中村。
佐藤は額に青筋を浮かべながらAKM(※)を構える。
「ここで命令不服従により銃殺刑になるか、走るか・・・・・どっちだ」
「はははは走りますっ!!」
「だったらさっさと行け!!」
「はいいいぃ!」
文字通り脱兎のごとく駆け出す中村。
「ったく・・・・」
そして佐藤はしばし考える。
『あまりにもタイミングが良すぎる・・・・・偶然と片づけてしまえばそれまでだが・・・・』
そこまで考えて佐藤は軽く頭を振る。
「そんなことは後で考えればいいな・・・・今はやるべき事をやるか」
ネルフ本部、第1発令所
12:40
鼻血を垂らしたままの中村が発令所にたどり着いたときには、そこは喧噪に包まれていた。
「ケージに接近している敵は抑えられません!」
「ケージにいる作業員を退避させなさい!」
ハンドマイクを持ったリツコがあちこちに指示を飛ばしている。
「あのー・・・・」
「野分一佐に連絡はとれないの?」
「聞いてきます!」
通信装置があらかたダメになっているので、職員が伝令代わりに第2発令所へ走る。
果たして、彼の言葉はだれも聞いてくれない。
「すいませーん・・・・」
この喧騒の中では蚊の鳴くような声だ。
「念のために発令所にいる全員に武器を渡しなさい!ここが落ちたら終わりよ!」
「了解!」
「ごめんくださいー・・・・」
リツコはキッと振り返る。
「なに!?」
「いや、えーと・・・あのですねぇ・・・・」
「報告は簡潔明瞭に!あなたそれでも軍人?」
「いや、軍人ではなく自衛官で・・・・・・・」
ばきゃっ!
リツコ、幻の右炸裂。
「用件があるならとっとと言いなさい!!」
「はいいいぃぃ!なんか使徒がここに接近中らしいです!」
がすっ!
タイソンもかくやと言わんばかりの右フックが鼻先に命中。
「そういうことは先に言いなさい!!!」
「すいませんん!!」
リツコは振り返り、指令席を見上げてハンドマイクを口に当てる。
「指令!使徒が現在こちらに向かってきています!!」
その声を聞いた発令所の面々は凍り付く。
電力がない現状ではエヴァの発進準備さえままならない。
皆がそれを知っているのだ。
「冬月・・・・ここを頼む」
ゲンドウはそう言って立ち上がる。
「碇!?」
「私はケージでエヴァの発進準備を進める」
「まさか・・・・手動でか!?」
「緊急用のディーゼルがある」
「しかし今ケージには敵がいるぞ?」
「敵の目に付かないところだけでも準備を進める」
「パイロットもいないんだぞ・・・・」
ネルフ本部、エヴァンゲリオン格納用ケージ
12:36
デルタ・フォース第1小隊
「これがエヴァンゲリオンか・・・・」
ケージに突入した第1小隊の面々は、まずその巨大さに圧倒された。
「小隊長・・・・コイツを全部吹き飛ばすにゃあ手持ちのC4だけじゃムリですよ!」
「・・・・・・・今、先任軍曹が予備の爆薬をこっちに持ってきてる・・・・」
「もう到着しましたよ」
小隊長が振り返ると、本部班に詰めていた軍曹が大荷物を抱えて立っていた。
「早かったな、軍曹」
「なに、大したことはありません・・・・ですがこりゃ大仕事ですな」
軍曹は傍らにあるエヴァンゲリオン 「持ってきた爆薬と合わせても全てを爆破するのは不可能ですな」
「それには同意せざるを得ないな・・・・軍曹、この化け物で重要な部分、どこだかわかるか?」
「見当もつかないですが・・・・それじゃマズイですね」
「マズイな」
「・・・・あれはなんでしょう?」
軍曹は上を見上げてある一点を指差す。
「どれだ?」
「あのクレーンで吊られている筒状の奴です」
筒状のモノ 「・・・・わけがわからんな」
「形状から見て、内部に差し込まれるのでは?」
「・・・・・・決まり、かな?」
「あれなら手持ちの爆薬でも十分に破壊可能です」
「よし、それなら3機全てに対してあの筒状の物に爆薬を仕掛ける・・・・余ったらどこか重要そうな部分に仕掛けろ」
「了解」
「第1小隊は全員爆薬のセットにかかれ!本部班の者は周辺の警戒だ!気を抜くなよ!」
「了解」
おびただしい量のプラスチック爆薬が仕掛けられていく。
これが一斉に起爆した場合・・・・
それでもエヴァ自体は耐えられるだろう。
A・T・フィールドが無くても装甲兼用の拘束具がかなりのダメージを減殺してくれるはずだ。
だが、周辺の設備はそうはいかない。
特にエントリープラグなど、手榴弾を投げ込まれるだけで使用不能になるだろう。
予備のプラグもあるにはあるが・・・それを引っぱり出すのに果たしてどれくらいの時間がかかるか・・・・
「急げよ!」
それを聞いた軍曹が小隊長に近寄り、小声で話しかける。
「どうしたんです?・・・・時間にはまだ余裕がありますよ?」
「・・・・イヤな予感がするのさ」
「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか」
「なに、抵抗が無さ過ぎるのさ・・・・ここに来るまでお義理のような防御が1回あったきり、俺達の任務では陽動だが、ネルフでもっとも重要であるはずのコイツの警備状態に至っては全くなしだぞ?・・・・疑ってかかるのが当然だろう」
「確かに・・・・」
「だったら手早く仕事を片づけちまうのが一番いいだろう」
ネルフ本部、14番非常用通路
12:43
「シンジ!通路が分かれてるわ!」
アスカの言ったとおり、道が左右に分かれている。
「綾波!どっち?」
「左よ」
シンジはそれを聞いて左へ進もうとしたが・・・・
「よし!この先だ・・・挟撃するぞ!」
左側の通路からそんな怒声が聞こえてきた。
「!・・・・クソッ!・・・・綾波、右は何処へ通じてる?」
「地上よ」
「・・・・仕方がない、いったん地上に出て別な入口を探そう」
シンジ達はきびすを返して右側の通路に飛び込む。
「段々上り坂になってる・・・・」
「地上が近いってこと?」
前を走るアスカが振り返りながらたずねる。
「たぶん」
「・・・・見て・・・・・」
レイが立ち止まり前方を指さす。
「ゲート!地上よ!」
アスカが重く分厚い鋼鉄製のドアに駆け寄る。
「・・・・・・・」
シンジはUMPを後ろに向けて警戒する。
「うーん!!重いぃー!・・・レイ、手伝って!」
それに答えてレイはアスカの隣に陣取って力一杯ドアを押す。
「「んんんー!!!」」
硬質の、金属同士がこすれるイヤな音がして、徐々にドアは開き、半分ほど開くとダンパーが効いてがばっと勢いよく開く。
その途端、でっかい杭のようなものが目の前に落ちてくる。
「「きゃぁ!」」
アスカとレイは後ろにのけぞって倒れ込む。
すると、そこに汁の碗のような使徒の本体が見えてくる。
「「「!!」」」
シンジはドアに駆け寄ると、二人があれほど手こずったドアをいとも簡単に閉める。
「な、なによアレ!?」
さすがにちょっとびびったのか、アスカが声を詰まらせながらいう。
「使徒・・・・・・こんな時に!」
だが、使徒に来る時を考えろと言っても聞くわけが無い。
「・・・・これだと・・・発令所よりも、直接ケージに行ったほうがいいか・・・・」
どちらに行くにせよ、地上には出られない。
「引き返すしかないか・・・・」
と、シンジがそんなことを考えた時、来た方向の廊下から怒鳴り声が聞こえてきた。
「ガキども!降伏しろ!抵抗しなければ危害は加えない!」
「シンジ・・・・」
「碇君・・・・」
不安そうなまなざしを向けるふたり。
「二人とも、ここで待ってて」
「「え!?」」
「大丈夫、すぐに戻ってくるよ」
そういうとシンジはUMPを床に置き、バットケースを開き、中からオリーブドラブに塗られた”筒”を取り出す。
「じゃ、行ってくる」
二人が答えを返す間もなく、シンジは走る。
残された二人、特にアスカは放置された短機関銃と、シンジが走り去った方向を見る。
「レイ・・・・シンジを助けに行くわよ」
レイは驚きもせずにうなずく。
アスカはシンジが置き去りにしたUMPを拾い上げる。
「行くわよ!」
「・・・・・・・」
やはり黙ってうなずくレイ。
14歳の少女にはあまりにも不似合いな物を抱えて、シンジの後を追う。
二人は気付いていなかった。
彼女達の行動はシンジが”もっともとって欲しくない行動”だということに。
危険性とは別の次元で。
12:45
デルタフォース第3小隊
「小隊長・・・・・」
「どうした?」
全員が通路の奥に銃を向ける中で、一人の兵士が声をあげる。
「そこのコンテナの陰・・・・なにかいます」
30mほど先にある、通路の3分の1を塞ぐような形になっている鋼鉄製のコンテナのことだ。
「・・・・・・・・おい!そこにいるのはわかってるぞ!怪我をしたくなければ降伏しろ!」
小隊長が奥に向けて怒鳴る。
だが反応はない。
「ったく・・・・このままじゃ埒があかんな・・・・・」
そういって視線をコンテナから外したのが彼の命取りになった。
「小隊長!!!」
再び視線を戻した彼が見たのは・・・・
コンテナの陰から身を乗り出すようにして”筒”を担いでいるシンジの姿だった。
「!!」
何らかのアクションを起こす間もなく、”筒” デルタの隊員達は反撃よりも身を守ることを考えた。
そして、それが彼らの敗北を決定的にした。
30mをあっという間に飛翔してきた物体は、ちょうど小隊のど真ん中で爆発。
隊員の半数はこれで吹き飛ばされた。
だが、デルタの隊員たちも歴戦の猛者だ。
戦友が吹き飛ばされていく中でも反撃しようと銃を構える・・・・・・・・が、
ドドン!
ドン!ドン!
ドドン!
30mを駆け抜けてきたシンジに正確な2連射を浴びせられて沈黙する。
ボディアーマーを着ているだろうと予想し、すべて頭部に叩きこむ。
6人ほどをSOCOMで倒したシンジだが、6人目に銃弾を送りこんだところでスライドがオープンし、弾倉の弾が尽きたことを知らせる。
残るは3人。
シンジは反射的にSOCOMから手を離し、右手を腰の後ろに回して一挙動で手近にいた敵の心臓にナイフを突きたてる。
残る二人は銃を向けて撃とうとするが、流れるような動きのシンジを捉えられない。
飛び散る血しぶきが無ければ演舞と見まがう動きだ。
そうこうするうちにシンジはもう一人に駆け寄り、脇腹から心臓に向かって突き刺す。
「ぐぇ!!」
奇怪なうめき声をあげて兵士は倒れる。
残るは小隊長ひとり。
小隊長はそれだけ吐き捨てると、いつの間にか下を向いていた銃口を持ち上げる・・・・
だが、シンジにそれを向けることは出来なかった。
彼の目に映るシンジの姿が一瞬ゆらめいたと感じ、何かが光るのが見え・・・・・・・・
次の瞬間、彼は喉元に氷よりも冷たい冷気を感じた。
痛みは全くなかった。
だが、視界が段々と紅く染まり、それと共に意識を保つのがつらくなる。
「かはっ!」
『・・・やっぱり・・・CIAと組んだのが失敗の元だよなぁ・・・・・』
そして倒れた。
首から鮮血を吹き出しながら。
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
荒い呼吸音だけが凄惨な場を支配する。
その瞳に浮かぶのは・・・・・後悔、戸惑い、逡巡、etc・・・・・
今までいろんな事をしてきたとはいえ、もちろん人を殺したことなどない。
その彼を一直線に行動させたのは、自分の身の安全よりも・・・・守るべきものの存在。
それがなければシンジはトリガーを引くのを躊躇したかもしれない。
自分の後ろには絶対に守るべきもの。
自分の前には敵。
選択権のない分岐点に彼は身を置いたのだ。
そして、彼の行動の結果が・・・・
足元に転がる16個の死体だ・・・・・・
ガシャン!
何かが床に落ちる音がし、シンジは激しく肩を震わせる。
そしてゆっくりと振り返る・・・・
「!」
そこにはUMPを取り落として立ち尽くすアスカと、呆然とするレイがいた・・・・・
彼女達はシンジを見ている。
返り血を顔にまで浴びた彼を。
瞳に畏怖を浮かべて。
彼女達は、血の臭いの立ちこめる凄惨な光景に思考能力を奪われていた。
それ以外に考えてはいない。
考えられない。
だが、彼女達よりもさらに怯えた表情をする人間がいた・・・・・・・・・・・
シンジだ。
ネルフ本部、第1発令所
12:40
デルタフォース本部班
「大佐・・・・・・・」
「なんだ?」
「第3小隊との連絡が取れません」
「・・・・・・・第2小隊は?」
部下はその問いに黙って首を振ることで答える。
『・・・・・・・失敗、だな・・・・』
事態を冷静に見つめることも指揮官の重要な責務のひとつだ。
「撤収だ!・・・・第1小隊と合流して退路を確保する!」
「了解!」
しかし、
「おいおい、他人の家に土足で上がり込んで”ハイさよなら”は無いだろう?」
大佐や兵士達がその声に反応したときは遅かった。
出入り口から銃火がきらめき、兵士達を次々に打ち倒していく。
だが、大佐に弾は当たらなかった。
突然わき起こった嵐が同じような唐突さで終わり、大佐が恐る恐る目を開けると、彼以外の人間は銃弾の餌食になっていた。
そして目の前には、暗色の戦闘服に身を包んだ日本人が立っていた。
「・・・貴様・・・」
「おっと、恨み言はナシだぞ・・・そっちだってそれ相応のことをやってるだろうが?」
「・・・・・・・・・」
大佐は内心の動揺を押し隠して答える。
「我々は軍人ではない・・・・」
「悪いがネタは上がってるんだ・・・君らが合衆国陸軍の正規将兵であり、極秘任務のためにいったん軍籍から離脱していること」
大佐は背筋が寒くなってくるのがわかった。
「原潜に乗り込んでサン・ディエゴを出航したことも掴んでいるよ」
「・・・・・・・・」
「まあ、唯一わからなかったのが君らの戦術だったんだが・・・・教科書どおりなんで助かったよ」
「貴様・・・・何者だ?」
「!・・・・死神、か」
「お初にお目にかかる」
ユウジはからかうような口調でそう答える。
「失敗も道理か・・・・・・・だがまだカードはある」
「ほう?」
ユウジがにやりと笑う。
「ここの大深度地下施設に小隊の一つが小型の反応弾を仕掛けている・・・・」
「ふむ」
ユウジの表情から余裕が失われることは無い。
「小さくても爆発威力はメガトンクラスだ・・・・ここは蒸発するぞ」
「ふん・・・・第4議定書違反だな?」ユウジはからかうような口調を崩さずにいう。
「”第4の核”か?・・・・フォーサイスは前世紀の作家だぞ?」大佐もそれに応じる。
「で?」
「・・・・我々が日本国外に出るまでの安全、それに加えて適格者の内1名を引き渡してもらいたい」
「断る」
間髪入れずにユウジは答えた。
「なに?」
「聞いてみればどうだ?・・・その仕掛けている小隊とやらに」
それを聞いた大佐はイヤな予感がしてきた。
それでも確かめるためにインカムのマイクを引き寄せる。
「本部班から第4小隊・・・・応答せよ」
しかし、返ってくるのは空電のみ。
「第4小隊!応答しろ!」
大佐は必死に呼びかけるが反応は無い。
すると、ユウジは銃口を向けたまま先ほどまでデルタの連絡に使われていた無線機に近寄り、周波数を変更する。
「D・Dからオメガ1」
こちらはすぐに反応が返ってきた。
「こちらオメガ1、感度良好」
「どんな按配だ?」
「敵部隊、おそらく小隊規模を迎撃、捕虜多数を確保しました」
「ごくろうさん・・・負傷者はネルフの病院に連れていってやれ」
「オメガ1了解」
大佐は顔面蒼白状態だ。
打つ手全てにおいて先を読まれているのだから無理も無い。
「我々をどうするつもりだ?」
「さて、どうするかね?・・・・さっきは”捕虜”と言ったが、君達にハーグ陸戦法規は適用されない・・・どっちかと言えば正体不明のテロリストってとこだろうな」
「・・・・・・・・・・」
「悪いようにはしないさ・・・・ま、君達には選択肢は無いんだが」
「・・・・・・・・・・」
「恨むんなら、こんな馬鹿げた計画を思いついた奴を恨むことだな」
ネルフ本部、エヴァンゲリオン格納用ケージ
12:45
デルタ・フォース第1小隊
「セット!」
「セット!」
あちこちから準備が完了したことを告げる声が上がる。
「よし!撤収だ!急げ!」
小隊長は皆を急き立てるようにして出口へ向かわせる。
彼の手には、この場所に破壊をもたらす点火器が握られている・・・
「軍曹!本部班との連絡は?」
「ダメです、まったく繋がりません」
「一体どうなってるんだ・・・・他の小隊とは?」
「ダメです」
「軍曹、意見を聞きたい」
「引き際が肝心ではないでしょうか?・・・・もっとも、既に引き返し不能点を越えているかもしれませんが」
「ふん・・・軍籍を離れた時に引き返し不能点は越えてるさ・・・・だが、もっともな意見だ。我々だけでも無事に退却できることを祈ろう」
「よし、行こう」
準備の出来た者から順に撤収させ、最後に小隊長と軍曹が走り去り、ケージには誰もいなくなる。
すると、入れ替わりにSOCOMを構えたシンジが周囲を警戒しながら反対側の入り口から入ってきた。
少し距離を空けてアスカとレイも入る。
「な、なんだこれ!?」
シンジの目に、おびただしい量のプラスチック爆薬が飛び込んでくる。
ありとあらゆるところに仕掛けられている。
選択肢は二つ。
一つ目は、いったん退避して、爆薬が撤去されてからエヴァの発進準備に入る。
二つ目は、このままエントリーを進め、別働隊が敵から点火器を奪い取る。
共に欠点を含んだ選択だ。
前者は使徒の侵攻に間に合わなくなる恐れがあり、後者はチルドレンが危険にさらされる。
「各機の発進準備を再開しろ!急げ!」
頭上から聞き覚えのある声が聞こえる。
振り仰ぐとそこには作業員に指示を飛ばすゲンドウがいた。
言葉も残さずに。
彼は怖かったのだ。
今、彼女達の目を見るのが。
「シ、シンジ!?」
追いかけようとするアスカをレイが引きとめる。
「碇君は敵を追っていったのよ・・・・私達は私達に出来ることを」
「出来ることって何よ!?」
「忘れたの?・・・使徒がここに来るのよ?」
言われるまでアスカはすっかり忘れていた。
「でも、動力もなしでどうやって?」
「わからない・・・・でもなにか対処はしているはず。上に行くわ」
アスカはそれでもシンジを追っていきたかったが、さっきの情景を思い出して足を踏み出せないでいた。
そうこうしている内に、レイは上に行くために歩き始めた。
彼女も内心ではアスカと同じだった。
心の奥底に刻まれた恐怖感が、彼女に現実的な対応を取らせる。
彼女達はシンジを避けていたのだ。
エヴァに乗り込み戦い、アスカに至っては豊富な知識を持っているとはいえ、二人とも意識は14歳の少女。
それ以上でも以下でもない。
敵の血液で自らを染めたシンジに恐怖感を抱くのは致し方ないことだ。
誰もこの点で彼女達を責めることは出来ない。
だが、彼女達が無意識にしたことはシンジを精神的に追い詰める・・・・・・・・
ネルフ本部、通路
12:49
デルタ・フォース第1小隊+α
第1小隊 小隊長は先任軍曹と相談の上、事前の計画はすべて破棄されたと判断。
その上で新たな脱出経路上を進んでいた。
なんとかしてジオフロントを脱出し、第三新東京市に潜伏。
夜陰に乗じて出撃基地でもある原潜「オハイオ」まで戻るのだ。
今日の24:00まで「オハイオ」は出撃地点で待機していることになっている。
間に合わなければその時はその時。
小隊長はそう考えていた。
この状況下、最善を選ぶことなど出来ようはずも無い。
ならば選ぶべきは次善、ということだ。
だが、彼らを待つのは過酷な運命。
大きめの連射音が響き、最前列にいた兵士が何名か崩れ落ちる。
「敵弾!」
全員がその場に伏せ、前方の兵士達は果敢に反撃する。
「軍曹!反撃だ!」
「了解!・・・・おい!ロケットを使え!」
軍曹の声に答えて、兵士の一人がシンジが使ったものと同じロケット 他の兵士達はロケットの後方噴射を浴びぬように真後ろを避けるように布陣する。
そしてロケットが発射されようとしたその瞬間、AKMから放たれた7.62ミリ弾がロケットを担いだ兵士の心臓を貫く。
ちなみに、ボディアーマーや防弾チョッキに軍用小銃弾を防ぐ力は無い。
心臓の鼓動を強制的に停止させられた兵士はそのまま後ろに倒れ、その衝撃で発射ボタンに掛けられていた手に力が加わり・・・・発射。
66ミリロケット弾は僅かな時間で天井に着弾。
爆風と破片がデルタを襲う。
その地獄の中でさえ前方の敵から的確な射撃を浴びせられ、比較的軽傷だった兵士達も次々に沈黙していく。
小隊長も額から血を流していた。
「軍曹、無事か?」
蚊の鳴くような声で小隊長が呼びかける。
「無事、とは言いかねますな」
見ると、軍曹は右太腿にかなり深い傷を負っている。
おそらく動脈が切断されているのだろう、出血が激しい。
彼は細いザイルを取り出して太腿の付け根をきつく縛っている。
「進退極まった・・・・かな?」
「認めたくは無いですが・・・・」
「ふむ・・・・」
そうつぶやくと、小隊長は点火器を取り出す。
「最後に派手な花火を打ち上げるか」
その時だった。
後方から拳銃のものらしい銃声が聞こえて小隊長の手を撃ちぬき、点火器を取り落とさせた。
「ぐあっ!」
「小隊長!」
点火器は床に転がり、小隊長は苦悶の表情を浮かべながらも逆の手でそれを拾い上げようとする・・・・
しかし、後方から走ってきた人影はそれを蹴って遠くにやると、彼らに向けて拳銃を突きつける。
「軍曹・・・・どう思う?」
「なにがです?」
「俺にはコイツは子供にしか見えないんだが」
「私も同じですよ」
「はっ!ヤキがまわったってことか」
と、彼らがそんなことを話していると、目の前の子供 「抵抗しないでください・・・・もう、殺したくはないんです」
流暢な英語で。
「だとさ・・・・軍曹、意見は?」
「まあ、やれるだけのことはやったと思います。ここで降伏しても軍法会議にはならんと思いますが」
「おいおい、忘れたか?俺達は今軍人じゃないんだぞ?」
「ああ、そうでしたね」
そういうと二人はこのような状況下で声をあげて笑い始める。
シンジはそれを見て向けていたSOCOMの銃口を下に降ろす。
その一部始終を、途中から傍観者と化していた佐藤が見ていた。
そして彼はインカムの回線を開く。
「バッドカルマからオメガ各位・・・・・・・・ゲームオーヴァー・・・・・・以上」
「あー!カッコ悪いぃ!」
車両用通路を匍匐前進するエヴァの姿は確かにカッコイイとは言えまい。
外部バッテリーを装着した零号機と弐号機は、自力で起動すると、使徒がいるポイントまで這って進むしか方法が無かった。
ちなみに零号機がパレットライフルを持っている。
「もうすぐよ」
レイの静かな言葉どおり、2機のエヴァはやがて大きな縦穴に出た。
ネルフの一部において”土建屋使徒”と呼ばれている第五使徒が巨大シールドで空けた穴だ。
予算が不足しているお陰で全面復旧が遅れている。
一番上と一番下の装甲板だけが新型に入れ替えられている。
そしてその縦穴を2機が登っていく。
「ったくもう!登りづらいわねぇ!」
アスカが愚痴った次の瞬間、頭上から得たいの知れない液体が降ってきて、弐号機の腕を焼く。
「!!」
アスカは反射的に液体を避けようとするが、直下には零号機がいる。
液体はなおも降り注ぎ、弐号機のあらゆるところを焼いていく・・・・
「レイ!そのまま撃って!」
その叫びにレイは迅速に答えた。
両手両足を突き出している弐号機の脇からパレットライフルを出して射撃。
縦穴を瞬時に駆け上ったいくつものタングステン弾芯は液体を落とすためだろうか、A・Tフィールドを解いていた使徒をカンタンに貫通する。
使徒はその場で崩れ落ち、活動停止。
そして弐号機も力尽きて落下。
だが、ライフルを放り出した零号機が見事にキャッチする。
「任務だから」
「味も素っ気も無いわね!」
彼女達はその会話ほど明るい表情をしているわけではない。
どちらかと言えば暗い表情だ。
彼女達は頭の中にこびりつく先ほどの出来事をなるべく考えないように、わざと明るい態度をとっていた。
何かを忘れるように。
「さて、今回の俺達の仕事はこんなモンかな?」
「協力に感謝する」
ネルフ司令公室には兄弟には見えない兄弟がいた。
「なに、大したことをしたわけじゃないからな」
「今後は諜報部で捕虜の取調べにあたる」
「”向こう”との交渉はどうするんだ?」
椅子に腰掛けるゲンドウに対し、ユウジはゲンドウが肘をつくデスクに腰を下ろしていた。
「言い逃れ出来ない証拠を集めてからにしようと思うが・・・」
ゲンドウがそう言うと、ユウジは芝居がかった仕草で人差し指を立てて左右に振る。
「今回の場合は向こうに混乱から回復する余裕を与えないことが重要だ・・・手持ちの証拠だけで向こうに乗り込んで、あとは交渉術、というよりも脅迫術次第ってとこかな」
「混乱を利用して最大限の成果を得る・・・・骨の髄まで軍人だな」
ゲンドウは彼にしては珍しいことにわずかな微笑を浮かべている。
「軍人じゃないさ、あくまで”自衛官”だぜ?日本政府はいまだに公式見解で軍隊の保有を認めてはいない」
「質量ともに世界第2位の”準”軍隊組織か?」
「ま、俺としちゃどっちでもいいんだが」
「お前から電話があって”防衛大に入る”と言ってきた時は驚いたものだがな」
「あの頃は就職難でね、出来の悪い高校生は行くところがなかったのさ」
ユウジも笑みを浮かべている。
ゲンドウはそれを見て椅子から立ちあがる。
「後を冬月に任せて私はすぐに発つ」
「それがいい・・・・案外、アニキがここにいるよりも冬月先生に任せた方がいいんじゃないか?」
「普段からこまごました事は任せているさ」
「なんだ、じゃあアニキいらねぇじゃんか」
そういうと、二人は声をあげて笑う。
「お前はどうする?帰るのか?」
ゲンドウが笑いを収めてユウジにたずねる。
ユウジはデスクから降り、床に足をつける。
「帰るさ・・・・アフターケアが終わったらな」
シンジはジオフロントが一望できる展望台に来ていた。
アスカとレイの出迎えもせずにここに足を運んだ。
先ほどと同じように、怖かったのだ。
二人からおびえた目で見られるのが。
「こんなところにいたか」
シンジはその声に答えて振りかえる。
そこには彼の予想通り、制服に身を包んだユウジが立っていた。
「先生・・・・」
「なんだなんだ、シケたツラしてるなオイ」
ユウジはシンジの隣に来て、ジオフロントを眺める。
「・・・・後悔してるのか?」
その問いには答えないシンジ。
「・・・・・わかりません・・・・」
「数えてきたよ・・・16人だ」
シンジは顔を大きく歪める。
「まさかとは思うが、”殺す必要は無かったんじゃないか?”とか考えてるんじゃないだろうな?」
「・・・・・・・いけませんか?」
「・・・・・・・・・・・」
「そんな連中を、殺さずに制圧することが可能だと思うか?」
「わかってます・・・わかってますけど・・・・」
「それにお前がそんなだったらお嬢ちゃん達を守れたのか?」
「・・・・・・・・・・・」
ユウジは横を向き、シンジと向き合う。
「それだけじゃないだろ?」
それを聞いてシンジはうつむく。
「見られたのか?お嬢ちゃん達に」
静かに、重々しくシンジはうなずく。
「ナイフファイティングで・・・・返り血を浴びたところを・・・」
それに対するユウジの答えは意外なものだった。
「それがどうした?」
「?」
訝しげにユウジを見る。
「お前はお嬢ちゃん達を守るために戦い、やむを得ず連中を殺す羽目になった・・・・これをわからないような子達じゃないだろうが?」
「でも・・・・」
ユウジはそこで後ろへ振り向き、展望台の入り口に立つ人影を見る。
「後はお前が直接聞け」
ユウジはきびすを返して出口に向かう。
出口に立つ少女達とすれ違う時。
「後は頼むよ・・・あいつも結構まいってる、抱きしめて頭を撫でてやってくれ」
と囁いた。
「シンジ・・・・」
「碇君・・・・」
アスカとレイは前を向く。
シンジを精神の煉獄から救うために。
同時に自らが現実と向き合うために。
この希望も絶望も無い世界において自分の存在証明を確認するために。
あ・と・が・き
みなさまこんにちわです。
P−31です。
第11話Dパートをお届けします。
・・・・やっと終わりましたよ、ハイ。
長かった・・・・などと言うとまるで最終回みたいだ(笑)
4部構成の11話、区切りをつけることが出来ました。
いきなりの黒バックで驚かれたかもしれませんね。
ひょっとしてダークになるのか!?とか(笑)
大した意味はありません。
シンジの心の中はこんな色だ、ぐらいの意味合いです。
え?使徒があっさり過ぎる?
いいんです。
本編でもあっさり風味な使徒だったんですから(笑)
ちなみにユウジはんのコールサイン”D・D”は、”Devil Device”の略です。
さて、佳境に入ってきた「It’s a Beautiful World」
これから先は本編と違ってくると思います。
どこらへんから分岐していくのか私にもまだわかりません(笑)
よろしければこれからもお付き合い願います。
大家さんのご好意により、今まで作中に出てきた”武器”に関することを別項にまとめました。
(※)のマークが入っている武器についての薀蓄が書いてあります。
見たい方はこちらをどうぞ!
少しマニアックなんで興味の無い方は見ても面白くないと思います。
それでは12話でお会いしましょう。
初号機を見上げてつぶやく。
チェーンで吊られたエントリープラグは電力がないため手動クレーンで挿入位置まで差し込まれていた。
ネルフ本部、14番非常用通路
M72A2ロケットランチャー(※)から白煙が上がり、黒っぽい物体が彼らめがけて飛んでくる。
「・・・・・・・化け物が!!」
デルタフォース
「・・・・・・・・まあいいさ、”第1特殊任務分遣隊”の諸君!ようこそ日本へ!」
JGSDF
「おっと、自己紹介がまだだったな・・・・俺は日本陸上自衛隊、一等陸佐・・・・野分だ」
「了解」
それを確認すると、シンジはアスカとレイをその場において駆け出す。
もっとも、本部班の半数が加わっているので増強小隊とでもいう規模になっている は、侵入したときよりもさらに速く移動していた。
M72A2ロケットランチャーの発射準備を整えて肩膝をついて構える。
シンジが話し掛ける。
「サンキュー、レイ」
や
「何人殺ったんだ?」
部隊の中の部隊
「正気の沙汰じゃないな、相手をなんだと思ってるんだ?・・・・”Force of Force”、戦って勝つのが仕事の職業軍人だぞ?」
(※)マークについて。
P−31さんの『It's a Beautiful World』第11話Dパ−ト、公開です。
無事撃退!
・・・無事・・・
やぁ、、シンジ達、えらいごっつぅ大変でしたよね。
直にヒトと対したって事もそうだけど、
それをね、殺さなきゃって事になっているのがね・・
それを見ちゃったってのものもね、
それを見られたってものもね、
重いし辛いなぁ(;;)
ちゃんとフォローできる人がいて良かったよね。
良かった。
めっちゃくっちゃきっついけど、
3人で、3人そろってで、乗り越えていけると良いなぁ
大丈夫だと信じたいっす〜
さあ、訪問者の皆さん。
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