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「お姉はん、お兄の恋人?」
「そう。うちの保安要員じゃあ、いくら人数そろえようとも勝てはしないわ。日向君、『ティンダロス・ハウンド』って知ってる」
『0。フェイズ1完了。フェイズ2へ移行する』
『そう、だが3つの頭が統一された意思を持っているわけではない。それぞれが別の意思を持ち、動こうとする。それが俺たちケルベロスだろ』
「……ケンスケ。久々にぶちぎれたで。もう止められへん」
「『ウイッチ』が動き出した…」
−EVANGELION SIN−
5.Cerberos 中編
NERV本部内医務棟 集中治療室
「碇ゲンドウはどこにいる!」
部屋の中では、リツコがシンジに取り押さえられていた。床には医師一人と看護士四人が気絶していいる。
リツコは壁に叩き付けられたショックで、呼吸困難に一時陥っていたが、徐々に回復していた。
「私が、そう簡単に口を割る女にみえて?」
シンジはその言葉を聞くと、フッと笑い、リツコの鳩尾へ軽く拳を当てる。その途端、リツコは意識を失い、床にへたり込む。
それからシンジは部屋の周囲を見渡し、監視カメラを見つけ出すと、床に転がっていた万年筆をレンズに向かって投げつける。万年筆はカメラのレンズをいとも簡単に貫通した。
「……」
シンジはその後、机や機材を積み上げ、天井近くにある排気ダクトの金網を外す。
NERV本部 保安部第4監視室
碇シンジの覚醒とともに、ここは慌ただしくなっていた。
モニターにはシンジの立ち回りが、映し出されていた。
「C01から03は、医務棟集中治療室へ急行せよ。例の少年が暴れている。至急取り押さえられたし!」
『了解』
オペレーターは保安要員に命令を送っていた。
一方モニターでは、シンジがリツコを気絶させていた。それからシンジはあたりを見渡しはじめる。カメラを見つけると、床に落ちていた、万年筆を拾い上げる。そしてそれをカメラに向かって投げつけてきた。モニターはブラックアウトし、何も映し出してはいない
「EYE04よりC01へ、監視カメラが破壊された。至急急行せよ」
『了解。今、医務棟に到着した。これより集中治療室へ向かう』
モニターの一つに保安要員3人が廊下を走っている姿が映っていた。
『C01からEYE04へ 今到着した。……どうやら少年は通気ダクトへ逃げ込んだようだ。これより01と02両名が追跡に入る』
「了解。なお少年への発砲は禁止。できれば無傷で取り押さえられたし」
NERV本部医務棟 集中治療室
3人の保安要員は治療室の窓から、中を覗き込む
中には7人の男女が気絶し、倒れこんでいた。シンジの姿はない。
部屋の一角に、机や機材を積みあげ、足場にしているのが見えた。
「どうやら通気ダクトに逃げ込んだらしいな」
3人はうなずきあうと、自動ドアを開け、慎重に中に入っていく。
中は、シンジが暴れたせいか、無残なほど機材は破壊されていた。
「すごいもんだ。…あれは赤木博士か」
一人が赤木リツコを見つけ駆け寄る。いつも白衣姿のリツコが白衣を着込んでいないことに多少疑問をいだいた。
「息はしている。大丈夫だ」
「C01からEYE04へ 今到着した。……どうやら少年は通気ダクトへ逃げ込んだようだ。これより01と02両名が追跡に入る」
一人が通信を入れる
『了解。なお少年への発砲は禁止。できれば無傷で取り押さえられたし』
「03はここを頼む。我々は追跡に入る」
「了解した」
二人が足場を登り、ダクト内に入っていく。残った一人は、通信機のスイッチを入れ、人を呼ぼうとする。
「ン!?」
不意に背後で、人の気配を感じた保安要員は後ろを振返ろうとする。その瞬間、後頭部に打撃が加えられ、昏倒した。
「………」
シンジであった。リツコの白衣を着こみ、倒れている看護士のまん中で気絶したふりをしていたのだ。足場を組んで、ダクトに逃げ込んだように見せかけて。
シンジは倒した保安要員の服と装備を奪い、それを着込む。リツコの白衣からIDカードを奪うと、部屋から出て行った
第三新東京市 第一小学校校門前
赤いランドセルを背負った10歳ぐらいの女の子が、校門の前で誰かを待っていた。
髪型はポニーテールで、ドジャースのキャップをかぶり、活発そうなイメージの女の子である。
名前は「鈴原ユズミ」、トウジの妹であった。
「お兄、遅いなあ…」
足元の石を蹴って、退屈を紛わしていた。
「………おーい、ユズミ!」
向うから、ユズミを呼ぶ声が聞えてくる。ユズミは声のした方を見ると、兄のトウジが急いで駆けつけてくるのが見えた。その後ろにはヒカリが必死について来ているのが見える。
「お兄!、大声で呼ぶなちゅうて、いつも言うとるやない」
駆けつけてきたトウジに、指をさして、怒るユズミ。トウジは息を切らさず平然と立っていた。後ろのヒカリは息も絶え絶えで、ゆっくり深呼吸していた。
「すまんすまん。次から気をつけるさかいな」
トウジは顔の前で両手を合せ、ユズミに謝っていた。ようやく息も整ってきたヒカリはその兄妹の様子に小さく笑ってしまう。
「なんや、いいんちょ。なにがおかしいんや?」
トウジはヒカリの小さな笑いに気づいたのか、その理由を尋ねてきた。
「あの鈴原も妹さんには、頭が上がらないようね」
また小さく笑うヒカリ。
「いや、なんや、そのなあ…」
バツが悪いのか、トウジは頭をかいていた。
「お姉はん、お兄の恋人?」
「えっ、わわわ、そそそそ」
ヒカリは柚美のいきなりな質問にうろたえてしまう。
「そんなんじゃあらへん。この人はわいのクラスの委員長なんや。いきなし失礼やど」
トウジは真面目くさって柚美を叱る。その言葉を聞いてヒカリとユズミははため息を吐いてしまう。
「なんや、二人とも、ため息なんぞついて」
「別に…」
「なんもあらへん」
ヒカリとユズミは顔を合せて小さく笑いあう。トウジはその二人の様子に首を傾げてしまう。
「お姉はん。ほんま鈍感なお兄やけど、見捨てんといてな」
「ええ、そのことは十分、分かってるから大丈夫よ」
二人は握手をかわした。
「鈴原ユズミ、いいます」
「洞木ヒカリよ、よろしくね。ユズミちゃん」
「よろしゅう、ヒカリ姉はん」
トウジは何か納得できないまでも、二人をみて安心する。
「まあ、ええわ。ユズミ」
「なんやお兄」
「わいはしばらく出かける。お前のこと、いいんちょに頼んどるさかい、おとなしゅうしとるんやで」
「お兄……」
ユズミはトウジのことを心配そうに見てしまう。
「そないな顔すんな。心配あらへん」
「うん…」
「鈴原?」
兄妹の様子を見てヒカリはトウジに話しかけた
「ん、なんや、いいんちょ」
「何をするのかは聞かないわ。でもユズミちゃんに心配かけてまでやらなくちゃいけないことなの?」
「ああ、もう決めたことや」
「そう…」
ヒカリはトウジの真剣な表情を見て、何も言えなくなってしまう。
「ヒカリ姉はん。うちは大丈夫さかい。それにお兄は頑固やから一度やると決めたら、うちにも止められへんのや……」
ユズミはヒカリに心配かけまいと必死に笑みを見せる。
「ユズミちゃん…」
「ユズミ…」
『ブーン』
トウジの携帯が振動を始めた。
「はい、すずは…」
『トウジか!』
電話の主はケンスケのようだ。
「どないした。ケンスケ」
『SINの奴、もう動きはじめた。俺らも早くしないと…』
「わあった。急いで向かうわ。まっとれ」
「……お兄、ちょっと貸して」
「な、なんやユズミ」
トウジの携帯を無理矢理奪うとユズミが電話に出る。
「ケン兄!」
『その声はユズミちゃんか』
「ケン兄。今から言うことちゃんと聞いてや…。うち、なんか嫌な予感するんや」
『!』
「ユズミ!」
「なんかはわからへん。でも嫌な感じがするわ」
『……わかったよ。十分気をつけるよ』
「特にSIN兄のこと考えると、嫌な感じなんや」
『心配するな。SINのことは俺たちに任せておけ。3人で無事に帰ってくるさ』
「『あんた達なんかに任せておけない! 私も一緒に行くわ!』って、アスカ姉はんなら言うはずやけど、うちは足手まといやけんな。お兄らのこと待っとるさかい、ちゃんと帰ってきてや」
「大丈夫や。わいを信じろ」
トウジはユズミの頭に右手をのせ、ちょっと乱暴に頭をなでる。
『そのとおり。約束は必ず守るよ』
「うん」
ユズミはトウジに笑顔を見せる。
ヒカリは3人の会話に入り込めないでいたが、ユズミの笑顔を見てほっとする。
「鈴原! ユズミちゃん、泣かすようなことしたら、どうなるかわかってるんでしょうね」
「いいんちょ。わいがユズミ、泣かすようなこと、する思うとんのか?」
「相田君もわかってるの?」
ヒカリはユズミの持つ携帯に口を近づけて、ケンスケに話しかける。
『委員長!?』
「二人とも返事は!」
「ハイ! この鈴原トウジ。妹ユズミを泣かすようなことはいたしません!」
『ハイ! 相田ケンスケ。ユズミちゃんを泣かすようなことはいたしません!』
トウジはその場でヒカリに対し敬礼し、ケンスケは電話の向うで敬礼していた。
「よろしい! ……ユズミちゃん。お兄さん達の誓いを聞いたよね」
「うん」
「破ったら、何してもらおうか?」
「あはっ! ヒカリ姉はん、うまいわあ。どないしよっかなあ」
ヒカリとユズミは二人であーでもない、こーでもないと話し込みはじめた。
「いいんちょぉ。ユズミぃ」
『委員長…、ユズミちゃん…』
トウジとケンスケの二人は情けない声を上げる。
「くすくすくす。お兄、ケン兄、気いつけてな」
『じゃあね。ユズミちゃん。トウジのことなら心配いらないさ。この俺がついてるからね』
「ああ、行ってくるで。ほな、いいんちょ、ユズミのこと頼むわ」
「ええ、まかせて」
携帯は切れ、それをポケットにしまうと、トウジは街の方へ走り去っていく。
ヒカリとユズミは、その後ろ姿を見えなくなるまで、見送っていた。
NERV本部ケイジ
NERVの施設はそのほとんどが、インテリジェンス化されており、警備に人員を割いてはいない。
それゆえに、NERVの施設への侵入は難しいが、フリーパスともいえる赤木リツコのIDカードを手に入れたシンジを阻む扉は無かった。
シンジは堂々と正面からNERV本部へ入り、ケイジまでやってきた。
「ここが妥当か…」
拘束具に固定されLCLに浸っているEVA初号機の前で、呟く。
「保安部の人間がケイジに何かようかね……。子供?」
シンジに作業をしていた中年の整備員が話しかけてきた。シンジは保安要員の制服を着ていたのだ。
「……運が無かったな」
そう言い放つと、シンジは整備員の鳩尾へ軽く前蹴りを放った。
「ぐ、げほっ、ぐほ」
整備員は悶絶し、床でのた打ち回っている。
「「「な、なんだ」」」
騒ぎを聞きつけた他の整備員が集まってきた。
「お、おい大丈夫か」
一人の整備員が床で悶絶している整備員へ駆け寄ってくる。
『ぶんっ』
シンジはすかさずその整備員に左回し蹴りを側頭部へ入れる。
『ドゴッ!!』
「う、うわああ
二人目の整備員は、蹴りの衝撃で手すりを飛び越えLCLの中へ落ちていった
「な、何をするんだ」
整備員達はシンジの行動に戸惑い、うろたえてしまう。
「……何を、か。答える義務はないな」
シンジはそう呟きながら、自然体で構え直す。
「保安要員を呼べ!!」
「貴様!」
体格のいい整備員がシンジに飛び掛かってきた。柔道経験者のようだ。シンジの襟を掴み取ろうとする。が、掴んだ瞬間に、その整備員は膝から崩れ落ちる。
『ドスッ!』
シンジの左拳がいち早く相手の右脇腹を打ち抜いたのだ。
「な、何をしたんだ!」
「馬鹿な、ノーモションだと!」
周りを固め始めた整備員たちがざわめく。
「下がっていてもらおう。ここからは我々の仕事だ」
整備員たちを押しのけ、スタンロッドを構えた保安要員が到着した。その数十四、五人といったところか。
「碇シンジ、大人しくしたまえ。この人数に勝てはしない」
保安要員のリーダー格の一人がシンジに話しかけてきた。
「能書きはそれだけか」
「ほう、勝てるとでもいうのかね。いいだろう。おい」
4人の保安要員が一歩踏み出してきた。
「………」
「痛めつけてやれ。殺さない程度にな」
「了解」
そういうと、一斉に4人はスタンロッドを振りかざしシンジに攻撃してきた。
シンジは無防備に立っているだけであった。
『へっ、口ほどにもないな』
保安要員の一人はそう思った。
『『『『ぶんっ!』』』』
シンジに当たるはずの4本の電磁警棒は空を切った。
「な!?」
シンジは保安要員の背後にいつのまにか回り込んでいたのだ。一人目の後頭部に掌打を入れ、すぐさま二人目の懐に飛び込み、喉元へ貫手を入れる。
残りの二人は、シンジの速さに戸惑ってはいたが、なんとか回復し、シンジの背後から電磁警棒を当てようと振り下ろす。が、それも空を切り、一人は受け止められる。
シンジは受け止めた腕を引きつけ、そのまま脇に肘を打ちこみ、すぐさまもう一人の右脇腹に前蹴りを放つ。
『『『『ドサッ!』』』』
4人の保安要員は、シンジの一撃ずつで昏倒した。
「どうした? 痛めつけてくれるのではないのか?」
シンジは保安要員のリーダー格にたずねた。
「……ええい、一斉にかかれ!!」
その言葉と同時に残りの保安要員は、一斉に攻撃を始めた。
『ドゴッ!』
『ドスッ!』
『ブンッ!』
シンジは一見無防備にみえるが、乱れぬ正中線、安定した姿勢を保ち、歩くときのスキ、ブレを無くすことで、保安要員たちのスキを見出していた。
逆に保安要員たちはスキのないシンジに圧迫され、反射的に打ち込んでいってしまう。
シンジの制空圏に侵入した保安要員たちは、吸い込まれるように打拳を叩き込まれていった。
歩く事で、緩急自在、動きを止めず、それゆえに背後をとられる危険を無くし、常に先の先、後の先を取りうる姿勢を保つことができる。シンジが行っているのは、一対多数のための攻防一体の歩法であった。
…ほどなくして、保安要員たちはリーダー格を一人残して、シンジに打ち倒された。
「な、なんだと、貴様いったい…」
NERV本部 指令塔第一発令所
『ブー、ブー、ブー』
ミサトが第一発令所に入ってくると、警報が鳴り響いていた。
「何事?」
ミサトは日向マコトの背後まで来ると、彼にたずねる。
「葛城一尉。おはようございます」
日向は後ろへ振返り、ミサトに挨拶をする。
「挨拶はいいわ。なにがあったの?」
「はい、ケイジで碇シンジくんですか、彼が保安要員と整備員相手に暴れています」
「SINが?」
「SIN?」
「ああ、彼のことよ。彼が認めた相手に名乗り、呼ばせる名前よ」
「なるほど…」
「で、どうなの?」
「はい、モニターをまわします」
サブウインドウの一つに映し出された、シンジと保安要員たちの立ち回り。
「あちゃあ、やっぱりこうなったか…」
「かれこれ3、40人は相手にしてますけど、こっちは一撃も入れることすら出来てませんね」
「で、死者は?」
「0です」
「0? 一人もいないの?」
「はい。一撃で倒されていっていますが、死に至る怪我を負った保安要員は一人もいません」
「へええ、腕を上げたわね、SIN」
「葛城一尉?」
「日向君、敵を殺して倒すのと、殺さないで倒すのとどっちが難しいかわかる?」
「それは……」
「殺さないで倒す方が、遥かに難しいわ。まして多数を相手してるのよ、SINは」
「……手加減されてるということですか?」」
「そう。うちの保安要員じゃあ、いくら人数そろえようとも勝てはしないわ。日向君、『ティンダロス・ハウンド』って知ってる」
「ま、まさか、彼がそうなんですか?」」
「ええそうよ。SINのコードネームよ」
「あの14歳の少年が『ティンダロス・ハウンド』だとは、誰も思いませんね」
「その名が知れ渡ったのは10歳の頃よ。確か…」
「あの、葛城一尉、その『ティンダロス・ハウンド』とはなんなんですか?」
自分の席で二人の会話を聞いていた伊吹マヤ
「そうねえ、彼のコードネームでね、裏の世界じゃあ、有名よ。特に悪党どもにはね」
「どういうことですか?」
「たった一人で、ある企業のね、私設軍隊を殲滅したの。この地上からね。痕跡すら残してはいないわ。完膚なきまでにね」
「それって……」
「その企業の名前は言わないわ。知らない方が身のためよ、マヤちゃん」
マヤは息を呑んだ。
「誰がそう呼びはじめたのかは知らないけど、邪悪な魂を持つ人間を狩り、その命を食らい生きる魔獣。たしかクトゥルー神話かしらね。よくは知らないんだけど。それからよ、彼が『ティンダロス・ハウンド』を名乗りはじめたのは」
ミサトはサブウインドウの向うで戦い続けているシンジを見ながら、話した。
誰もが口をつぐんでしまう。
「葛城一尉、じゃあ彼は…」
「思っているとおりだと思うわ。SINはNERVを潰すつもりよ」
「そんな簡単にいきますか? 葛城一尉」
日向はミサトに聞いた。
「あら簡単だわ。目的がNERVなら、目標となるモノは二つよ」
「二つですか?」
「そう、二つ。一つは碇司令。もう一つは…」
「綾波レイ。ファーストチルドレン。我々NERVが有する唯一のEVAのパイロットですね」
「その通り。頭を潰された組織はいずれ自滅するわ。そして、一番重要なレイを確保できれば、NERVが存在する理由は無くなる」
「……」
「マヤちゃん。信じられないって顔ね。」
「だって簡単に言いますけど、司令はここの一番奥にいるわけだし、レイちゃんには、ガードの人間がついてるんでしょう」
「SINなら簡単よ。どうやってかは知らないけど、かれはここに侵入してきた。それにガードの人間である保安要員と諜報部の連中じゃあ相手にならないのは、今見てる通りね」
「…彼は何故。私たちは…」
「自分たちのやってることを正当化することだけはやめなさい。私たちのやってることはどうしようもなく愚かなことなの」
「ですが…」
「言いたいことはわかるわ。誰かがやらなくてはいけないこと。たとえ愚かな行為だとわかってはいても。それを自覚した上で自分の信じた道を行けばいいの」
「………」
「私たちには全てが終ったときに、審判は下されるわ。その審判が死だとしても覚悟しなくてはいけない。その覚悟が無いのなら、NERVをやめなさい。それがあなたのためよ」
「葛城一尉…」
「葛城さん」
二人はいつにまして真剣な表情のミサトにちょっと驚いていた。
「かといって、SINの行動が正しい行為だとはいえないわ。そのことは彼自身わかっているの。SINはこう言ったわ」
『俺には戦うことしかできない。人を傷つけることになる。そのことを正当化するつもりはない。自分のやるべきこと、出来ることを行なう。ただそれだけだ。』
「自分が正しいかどうかは自分ではわからないものよ。だから正当化したくなるのはわかるわ。でもね。本当に自分の行為に誇りをもっているのなら、正当化する必要なんてないわ。」
「わ、わたし…」
「誇りですか…」
二人は押し黙る。自分の行為に誇りなど感じたことはなかったのだ。自分たちのNERVの行為は正しいと、思い込んでいた。いや思い込ませていたのだ。それゆえにミサトの言葉は重い。重過ぎた。
「SINがNERVを潰そうとするその理由は、おそらくレイのことだと思うわ」
ミサトはSINの戦う姿を見ながら、話す。
「どうしてですか?」
マヤはまだミサトの言葉から立ち直ってはいないが、ミサトの言葉に再び、顔を上げる。
「簡単なことよ。ここにいる限り、あの娘は人形として扱われるわ。人間としてのあの娘は必要ないから…」
ミサトは言葉を止める。
「保護者の私にしてもそうね。結局、あの娘を戦いの道具としてしまうもの。レイが人として生きていくためにはNERVは邪魔な存在よ」
「葛城さん…」
「そ、そんな…。それは誤解です」
マヤはミサトの言葉を必死で否定しようとする。
「私はレイちゃんをあの娘を人形、戦いの道具なんて思っていません」
「マヤちゃん。心で思っていなくても、やってることはそのものよ。たった14歳の女の子に戦わせて、いい大人の私たちが後ろで見ているだけだものね」
「………」
うな垂れるマヤ。
「ま、そんなとこに、あの娘を置いといて見てみぬしてられるほど、薄情な人間じゃないのよ。SINっていう少年わね」
「それでも、NERVにたった一人で立ち向いますか? それも正面から…」
モニターの向うでは、数十人相手に戦っているはずのシンジだが、息一つ切らさず、そして相手は吸い込まれるように打拳を受けていた。その様子はシンジが舞を舞っているかのように見える。
「それは……」
『プシュゥゥゥ』
ドアが開き発令所に、青葉シゲルが入ってくる。
「葛城一尉。ここにいましたか。あれ、マヤちゃん、どうしたの」
落ち込んでいるマヤを見て話しかける青葉。
「ちょっちね…」
「葛城一尉。またいじめたんすか?」
「あのね青葉君。人聞きの悪い事言わないでくれる。で、何かわかった?」
ミサトは青葉の言葉に苦笑をもらす
「あまり詳しい事までは仕入れられませんでしたが、大体は」
「じゃあ聞かせて」
「ケルベロス、最近派手に動いてますね。裏の世界じゃあ、一躍有名になってますよ」
「派手に動いてるって…」
「ええヨーロッパを中心にメガコーポ所属の研究機関を潰してまわっています」
「研究機関?」
「はい、表向きは医療関係などの研究機関なんですけど、影では遺伝子操作を利用した生体兵器開発を行っていたみたいですね」
「なるほどね…」
「あとNERVドイツ支部を壊滅させたのも、ケルベロスの仕業らしいです」
「じゃあ、EVA2号機の暴走による施設損壊という報告は嘘なわけね」
「はい…」
「あそこはNERVとは名ばかりで、確か…」
「惣流グループの研究施設です」
「2号機パイロットが惣流グループの一人娘だったわね」
「NERVの資金源の一つでもあります。ですから2号機の実験はあちらで行なわれていました…」
「そう…。ほんと派手に動いているわね。で、正体は?」
「コードネームだけですが…。表立って動いているのは3人だけです。『ディンゴ・ド・ノワール』、『ハウリングウルフ』、そして『ティンダロス・ハウンド』…」
「な、それって…」
二人の会話を黙って聞いていた日向が驚愕の声を上げる。
『ズゥゥゥゥン!』
発令所いやNERV本部内に爆発音が鳴り響いた。それと同時にNERV本部内の明かりが消えた。
『ズゥゥゥゥン!』
もう一つ、爆発音が鳴り響く。
「電源設備を破壊したのね」
ミサトは回復しない明かりに、呟く。
20秒ほどで、再びNERV本部に明かりが点く。
「電源設備、正副ともに使用不可能。予備に切り替わっています」
日向はミサトに報告する
『ビー、ビー、ビー!!』
「こ、これは……」
マヤは驚愕の声を上げる。
「どうしたの?!」
「保安部サブコンピューター、ハッキングを受けています」
「保安部メインバンクにアクセス確認。パスワード走査中」
「……パスワードクリア!」
「保安部のメインバンクに侵入されました」
『プシュッ!!』
発令所のドアがロックされた。
「本部内セキュリティシステム乗っ取られました」
マヤと日向と青葉は次々と状況を報告していく。
「MAGIのカウンタープログラムは?」
「やっています…。アクセス拒否されました…」
「逆探は?」
「逆探、確認できました。衛星です。緊急通信設備のレーザー受信機へ衛星軌道上から送ってきています。衛星名はArk−S」
「このコードは…。MAGIに侵入するつもり…。MAGIへ侵入開始しました」
発令所のミサトを除いて全員に衝撃が走り抜けた。
『なんか嫌な予感がするわね…』
NERV本部ケイジ
「な、なんて奴だ…」
「これだけの人数相手に、息一つ切らすこともない…」
「ば、化け物か…」
保安要員と整備員たちの、シンジにたいする呟きであった。
あれから、どんどんとNERV本部内から応援部隊がやってきてはいたが、結局、行動不能者を増やすだけであった。
一方、シンジの方は息一つ切らしてはいない。かれこれ、50人以上、倒してきている。それにもかかわらずなのだ。化け物といわれても仕方のない事であろう。
「く、くそーーーー!!」
保安要員の一人が、乱戦にも関わらず、ベレッタM92Fをかまえ、発砲しようとした。シンジの圧倒的な戦闘能力に対する恐れと苛立ちから…。
が、かまえたベレッタM92Fからは銃弾は発射されなかった。かまえるという隙をついて、シンジは懐に入り、ベレッタM92Fを構えた両腕をはねあげ、鳩尾に右肘を叩き込んでいたのだ。そのあまりの速さに周りの保安要員たちは何がおこったのか、判る者はいなかった。
『トサッ』
その保安要員は膝から崩れ落ちた。
「…………」
シンジは何も言わず、黙って周りに対して視線を向ける。
「くっ」
「お、おい、どうする…」
「どうするって…」
その圧倒的ともいえる強さに保安要員たちは恐怖を感じていた。
シンジから発せられる
闘気の強さに威圧されていた。
それにより誰も冷静な判断が出来ていない。相手は一人なのだ。間合いを開け、いっせいに発砲するか、催涙弾。スタングレネードなど戦闘力を奪う武器を使うべきなのだ。が、頭でわかってはいるが、シンジからの闘気に圧倒され、無謀な接近戦を仕掛けてしまう。
シンジと彼らの違い。それは経験。戦場という生死の狭間で生き抜いてきたシンジ。兵士とはいえ、対人戦そのものになれていないNERVの保安要員。その差は大きい。
数の力というのは、戦いにおいては絶対的ともいえる。が、その数の力を一人で遥かに凌駕する人間もまた存在する。人間の戦いの歴史の中でそういう人物は幾多も存在している。シンジがそういう者かどうかはわからない。が、彼と戦って勝てるとしたら、数よりも質を重視するべきなのだ。
シンジにとって、NERV保安要員たちは所詮雑魚にすぎない。雑魚がいくら集まろうとも無駄なのだ。
そして無駄ともいえる戦いをしているシンジの行動に意味はあるのだろうか…
『ズゥゥゥゥン』『ズゥゥゥン』
2回の爆発音の後、ここケイジもまた明かりが消え、闇が支配した。
保安要員と整備員たちは一気にパニックに陥っていた。シンジからの威圧による精神的ストレスにあるはずのない爆発音と停電。このことが引き金になったのだ。
『10』
シンジは時を心の中で数え始めた。その暗闇の中、周りを遠巻きに囲む保安要員たちの中へ突っ込む。
『9』
『8』
そのことが、騒ぎに拍車をかけていた。保安要員たちは同士討ちを始めてしまっている。シンジは乱闘の中をすりぬけ、あるいはなぎ倒し、入り口の一つへ進んでいく。
『7』
入り口は我先に逃げようとごった返している。その中をあの歩法ですり抜けていくシンジ。廊下ではドミノ倒しになった整備員たちと保安要員たちがうごめいていた。
『6』
シンジは廊下を走りぬける。ほぼ最後尾にいたはずのシンジであったが、いまや先頭にいた。
『5』
『4』
『3』
『2』
シンジの走り抜けた後から隔壁が次々と降りていく。その絶妙ともいえるタイミングに後から走ってくる者たちを遮っていく。
『1』
シンジの目の前で隔壁が降りていっている。シンジは隔壁の下へと体を飛び込ませた。スライディングの要領でクリアする。その背後で隔壁が降りきった。
『0。フェイズ1完了。フェイズ2へ移行する』
NERV本部非常用通路
人気のない非常用通路へ鈴原トウジは降り立った。ここまで保安要員、セキュリティ当の妨害もなく順調に来ていた。
「なんやおもろないの…」
トウジはそう呟きを漏らす。
『おいおい、正面から行ったって蜂の巣になるだけだぜ。SINがNERVの目を引き付けてくれてるから、ここまで来れたんだ』
トウジが身につけているヘッドセットにケンスケの通信が入る。
「わあっとる。SINだから蜂の巣にならんこともな。言うてみただけや」
トウジは苦笑を漏らす。肩にスリングでつらしているH&K MP5Kがトウジに緊張をもたらしている。
『この感じはいつになってもなれへんもんや』
腰のホルダーにはCZ75が装備されていた。
「で、わいは綾波を保護すればええんやな」
『ああ、それが一番重要なんだ。3人でNERVを相手にするんだからな』
「しかしなあ」
『気に入らないのはわかる。だけどな、他に手はない。SINを助けるためだ』
「………」
『トウジ。自分が正しいと思うことをすればいい。止めはしないぜ。それゆえのケルベロスなんだからな』
「3つの頭を持つ狼…」
『そう、だが3つの頭が統一された意思を持っているわけではない。それぞれが別の意思を持ち、動こうとする。それが俺たちケルベロスだろ』
「ああその通りや。わかったぜ。わいはわいの思うたとおりにする」
『了解。好きにしてくれ。こっちもこっちで動く』
トウジは軽い笑みを漏らす。
「わいら、ほんまバラバラやな…。あのお嬢様が怒るのも無理ないで」
『まあね、仕方ないさ。俺たちは馴れ合うためにチームを組んだんじゃない』
「せやな。ケンスケ…」
『なんだよ』
「綾波をさらうんは、NERVやなくSINを押さえるためなんやな…」
『………』
「バックアップ頼むで…。わいはSINと違うて、虚弱体質なんやからな」
『なにいってんだよ』
通信機の向うでケンスケは苦笑をもらしていた…
トウジは足を止める。
「……ケンスケ」
『トウジ、どうし………』
トウジの目の前には、血の雨が広がっていた。保安要員、NERV職員たちがバラバラに切り刻まれている。肉片があたりに飛び散り、元の人数がわからないほどだ。
トウジは足元に転がっていた、手首を手に取る。そして切り口を見る。
「ケンスケ、この切り口、わい見たことあるわ」
『あいつらだ…』
トウジは手首を再び、床に戻す。
「ああ。間違いあらへん」
『トウジ!! 急げ。あいつらの狙いは綾波だ!』
トウジは血の海のなかを駆け抜ける。
『やられた。俺たちはおとりにされたんだ。俺たち、いやSINならNERV相手に騒ぎを起こす。その騒ぎを待っていたんだ』
「………」
『俺たちの動きを読んで、この策を考えついた奴はよっぽどの策略家かペテン師だぜ』
「ケンスケ、わしらの居場所を知っとんのは…」
『ああ、あのアルバイトも、この時のためのものだ。EVAの情報よりも俺たちが、いやSINがここに居るという事が本来の目的だったんだ。くそっ!』
「SINに連絡は?」
『いまやってる……。だめだ、つながらない。トウジ、俺はSINへコンタクトを何とかする。バックアップは出来そうもない』
「ああ、こっちは大丈夫や。心配すんな」
トウジは通路の先にバラバラ死体がさらに転がっているのを見つけた。
「……ケンスケ。久々にぶちぎれたで。もう止められへん」
トウジは、淡々と喋ってはいたが、体は怒りで震えていた。
『止めないよ。全員殺すさ…』
NERV本部指令塔第一発令所
「は、速い!! メルキオールに接触!」
「駄目です。防壁次々と突破されていきます!」
『ビービービー』
「メルキオール、陥落!」
「バルタザールに接触確認!! メルキオールはカスパーへ接触はじめます」
オペレーター3人は自席のライトテーブルを操作しながらミサトへ報告を入れていく。
「MAGIを自閉モードへ!」
「ハイ!! ……駄目です! 入力受け付けません!!」
『ビービービー』
「バルタザール、乗っ取られました!!」
「カスパーは?」
「メルキオールに牽制されて身動き取れません」
「まるで、詰め将棋ね。完璧だわ」
ミサトはクラッキングの手際の良さに感心してしまう。
「先輩なら…」
マヤが思わず、呟く。
「バルタザール、メルキオールに接触開始しました」
「どういうこと?!」
「カスパーはバルタザールに接触しています…」
メインモニターにはMAGIの3対のコンピューターの現状が映し出されていた。
「MAGI、外部との接触を放棄していっています」
最初に乗っ取られたメルキオールは赤で表示され、バルタザールは青、カスパーは緑で、3基ともお互いに牽制しあいまったく身動きできないようになっていた。
「3すくみってやつね。やるじゃない…」
ミサトは思わず感心してしまう。
「感心してる場合じゃありません!!」
マヤは思わずミサトにあたってしまう。
「そうね。でもわたしじゃあお手上げよ。一番は物理的放棄がいいんだけどね。それは無理な話だものね」
『プシュゥゥゥ』
「当たり前よ!!」
「リツコ!!
入ってきたのは赤木リツコであった。白衣を着ておらず、左手を鳩尾に持っていっていることを除けばいつもどおりである
「どうしたのよ、いったい」
「彼にね、当て身をくらったの」
リツコはマヤに席を替わってもらうと、一息つく。
「自業自得よ……」
「そうね。で、状況は?」
「見てのとおり。3すくみでどうしようもないってわけ。って、あんた、どうやってここまで…」
ミサトはリツコを見る
「フフフフ」
リツコは不敵な笑みをうかべる。
『やばっ、きれてるわね』
ミサトはその笑みが親友の怒りを示すことを身をもって知っていた。
「相手は?」
「は、ハイ。衛星の一つです。静止衛星軌道からレーザー通信を使用しています」
「衛星名は?」
「Ark−S
「…完成していたの。Ark System…」
「なによそれ…」
「相田周治博士が設計したスーパーコンピュータよ。簡単に言えばMAGIが民主制ならArkは君主制といえるわ…」
「そう…勝てるの?
「誰に言ってるの?」
「そうね、じゃあここをまかすわ…」
ミサトは左脇下から、CZ75を取り出し、スライドをひき、チャンバーに送り込む。
「ミサト?!」
「嫌な予感がするのよ。レイのところに行ってくるわ…」
「じゃあ、これを持っていきなさい」
リツコはミサトにポケコンを渡す。ポケコンにはIDカード型の接続コードが伸びていた
「ありがと」
ミサトはにっこりとリツコに微笑んで、発令所を出て行く。
「『ウイッチ』が動き出した…」
日向はミサトの後ろ姿を見て呟く
「さてと、始めるわよ…」
To be continued
5.Cerberos 後編
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ver.-1.00 1998 1/30公開
ご意見・ご感想は
takasan@mail.interq.or.jp まで!!
後書き兼座談会
タカ:ども、大変お待たせしました。2ヶ月ぶりの更新です(苦笑)
アスカ:さて、作者。覚悟は良い(にっこり)
タカ:あのアスカ、その右手に持ってるのは何かな?(ーー;)
アスカ:ただの日本刀よ。気にしないで
タカ:気にする。気にする
レイ:アスカ、殺してはだめ。殺さない程度に痛みつけるの
アスカ:あらファースト、どうしてよ!!
レイ:殺してしまえば、私たちの出番はもうないもの
アスカ:あんた、出番なかったの?
レイ:一行も無かったわ
アスカ:どれどれ……ほんとね。あんたの出番まったくないわね
レイ:そう、だから殺してはだめ。続き書ける程度に痛みつけるの
アスカ:OKよ。
レイ:覚悟は出来た?
タカ:おい二人とも…うぎゃあああああ
アスカ:これは罰なのよ。私を出さなかったことのね
レイ:長い間待たせたあげく、中途半端で終らせたこともよ
アスカ:じゃあ、もう2、3発入れておくわ
シンジ:あーあ、作者あんなにしちゃって、出番減る一方なのに
アスカ:なにか言った、シンジ?
シンジ:なーんにも言ってないよ(ぶるぶると首を振る)
レイ:………(黙って作者を踏みつけている)
シンジ:まあこの3人はほっといて、お礼を作者に代わり申し上げます。秋月さん、感想メール毎度ありがとうございます。お互いがんばっていきましょう(続き楽しみにしてます)。今井大輔さん、感想と催促のメールありがとうございます。なんか約束より大幅に遅れましたが何とか更新できました。卒論無事に終りましたか? 白銀久遠さん、催促のメールありがとうございました。作者は貴方のメールを見てやる気を復活させていました。とってもありがたかったです。河田秀一郎さん、感想と催促のメール&綾波レイのCGありがとうございました。あのCGはお気に入りの一つです。貴方のHPも楽しく拝見させていただいております。がんばってください。
レイ:これが河田さんのCG。
レイ:浴衣、着るの初めて…。
アスカ:私のは?
シンジ:アスカ、無理言っちゃだめだよ。
アスカ:なによ、シンジ。
シンジ:河田さんは「会員制EVAルーム」のほうでCGと小説を投稿なされています。ぜひ見に行って見てください。作者御奨めの一つです。あとHPのはhttp://www.oka.urban.ne.jp/home/m8848/にありますので見に行って見てください。ここにある小説も御奨めです。
レイ:河田さんどうもありがとう…
シンジ:さて、二人とも
レイ:わかったわ
アスカ:仕方ないわね
アスカ:長い間お待たせしてどうもすみませんでした。作者にかわってお詫び申し上げます。これからはペースを元に戻すと言ってはいますがあまり期待しないでください。
レイ:こんな拙い文章ですがお読みいただきありがとうございました。感想、催促、苦情、誤字脱字指摘などなどございましたら、メールをお送りくださいませ。
アスカ、レイ:次回、5.Cerberos 後編 お楽しみに…
タカ:うううう、なんとか一週間で書き上げます
タカさんの『EVANGELION SIN』5.中編、公開です。
進入、
戦い、
誘導、
おとり、
駆け引き。
シリアスな時が過ぎます。
トウジの妹などはホッとする時間、
その次に来る思い時間を際だたせます。
さあ、訪問者の皆さん。
新年一発目のタカさんに感想メールを送りましょう!