めぞんEVA、50万ヒット突破記念SS
リっちゃんと愉快な下僕たち
潔癖性崩壊編
「るん、るるん、るん...」
上機嫌の伊吹マヤ嬢。その足取りも軽い。
それもそのはず、普段から彼女が「Netscape Enhanced Communicator
ver.9」のBookmark(「お気に入り」なんて言ってあげない
:-P)に登録していた「めぞんEVA」が500万ヒットを達成したのだ。他人ごとながら、うれしいと言えばうれしい。
開設がセカンドインパクト前だというから、かれこれ20年近くやっている計算になる。ページの管理者さんも感無量であろう。多分。
「るん...」
しかし、1つだけ悲しい事もあった。普段から彼女が愛用していた「Asuka N○vel Link」が突然「凍結」になってしまったのだ。その存在の重要さに改めて気付いたマヤ。これ無しでLASをいかに探すか、彼女の最近の悩みのタネある。
ま、それはよしとして。
今日もシンクロテストが無事終了。いつも通り手を繋いで帰っていくシンジとアスカ(笑)をまぶしそうに見つめ、赤木リツコの研究室へデータ類の書類を届けに行くマヤなのであった。
「あの二人もすっかり仲良くなったわねぇ...」
先程の二人のかーなーりアツアツな様子を思い出してなぜか顔を赤らめるマヤ。
言っておくがこのSSはLASではない、と思う、多分。
プシュッ
リツコの研究室に足を踏みいれるマヤ。
「せんぱーい.....あら?いないのかしら...」
最近あまりリツコの姿を見ない。今回のシンクロテストもリツコ不在の為、冬月の立ち会いの下で行った。どうやら冬月はリツコがいないのをすでに知っていたようだ。
「うーん...どこ行っちゃったのかしら、センパイ...」
困惑した表情で机の上に目をやると、なぜか知らないが少し大きめのウサギのぬいぐるみが置いてある。実に自然に置いてあったので、一瞬気付かなかったほどだ。
「きゃ、かわいいっ!!」
小動物には目がないマヤ。そっと持ってみる。
その瞬間、「カチッ」という音がして、突然ウサギが喋りだした。というより、中に仕込まれたテープが流れただけなのだが。どうやら、前回の音声認識技術を利用して、マヤの声が聞こえたときだけ動作するようになっていたらしい。
『モシモシ、ワタシウサチャン、パパハリビアデタイサヲシテルノ。カンケイナイケド』
実に懐かしいネタを一発かますウサギ。
「ちょっ...な、なにこれ?」
その後、ピーという発信音が鳴って、リツコの声が流れ出した。
『....マヤ?38番通路を通って、512-Bのゲートから入ってきてちょうだい。ロックは自動的に解除されるようになってるわ』
「センパイの声だわ!」
『...あと、このテープは自動的に消滅するから』
「ヒッ.......!!!」
あわてて机の下に潜り込むマヤ。
「...............??」
いつまで経っても衝撃が来ない。
『....なんて冗談を真に受けて机の下なんかに潜り込んじゃだめよ。早く来なさい』
「なっ....!!」
「もう...センパイったら...ブツブツ...」
通路をずんずん進むマヤ。本来この辺はリツコが全て管理している区画で、一般職員はまったく入れない場所でもある。
ゲートが幾つかあったが、備え付けのカメラがマヤと認めるや、すぐさま開いた。
「一体、この奥で何をしているというの...?」
なんだか前回と同じ様な展開になってきたが、今回はきちんと照明もついているので問題ない。
幾つかの分岐とゲートを越えて、ようやく目的の部屋にたどり着いた。
「ここね....」
プシュッ
という音を立て、あっさりその扉が開いた。
「何ここ....?」
中は少し薄暗い。それでいて部屋の隅は明るい。部屋の中央にリツコの白衣の背中が見えた。
部屋はかなり大きい。
「センパイ!」
その声にゆっくりと振り向くリツコ。
「あぁ、マヤ、来たのね」
「一体どうしたんですか?こんな所で何を...?」
「しーーーーっ」
「え?」
「あまり大きい声を出すと、邪魔になるわ」
「え?え?」
「そこを見てご覧なさい」
指差された方向を見ると、何人かの男が何かを真剣に見ている。
「何やってるんですか?あの人たち....ああっ!」
「しーーーーーーーーーーっ」
マヤの口を押さえるリツコ。
マヤが驚くのも無理はない。男たちの目の前には、なぜか公園のセットがあり、そこにはさっき帰ったはずのアスカとシンジの姿があったのだ。
しかもセットのベンチに腰掛け、モジモジとして、いかにも出来たてのカップル、といった感じだ。
「シ、シンジ君が何であんなところに?」
「あれは、ホログラムよ」
「え?」
言われてみれば、二人の姿が少し透き通っている。
「で、あの人たちは...?」
そこまで言った時、男たちの中の一人が、突然声を発した。
「そうか、よし!来た!これだ!」
そう言うと突然手元にあったノートパソコンに何やら文字を打ち始めた。
「彼らは、LAS書きの人達よ」
「えっ!?」
「ああやってホログラムをLASを書く補助としているの。情景描写もしやすいでしょ」
「そ、そうなんですか」
「そう。つまりここはLASの生産工場」
「は、はぁ....」
「1回2時間3万円ポッキリよ」
突然謎の言動を発するリツコ。金取ってるんか、こら。
「LAS書き...ってことは...」
「あぁ、今来ているのは確か...めぞん何とか...って人達かしら」
これはびっくり。
「他にも来てるんですか?」
「あぁ、夜は...どこだったかしらね...なんとかの穴...だったかしら」
こらこら。
「というわけで、背景のプログラミングの人手が足らないのよ。手伝ってちょうだい、マヤ」
「ふ、不潔....」
「あら、これを見てしまってから、「やめる」なんて言わないわよね?」
にっこり。
う〜ん、らぶりぃ
「....は、はい...」
すでに半泣きのマヤ。
こうして潔癖性のマヤさんは、純愛からよごれまで、数多くのLAS誕生の手伝いをしたそうです。
めでたしめでたし(笑)
今回の出番は少なかったけど、
頑張れ、リっちゃん!
戦え、リっちゃん!
そして補完への道は...「つづく」(マジ!?)
あ・と・が・き
えっと、めそん50万ヒット突破、おめでとうございます!!
すごいっすね〜。50万ですか。エヴァ小説関連のページでは文句無しでトップクラスですよね〜。我々も小説の質の向上に努めたいと思います...って言ってるそばからこんなおバカなSS出しちゃって。ダメすぎ。
今回、マヤさん中心の話になっちゃいましたね。ま、いいや。
あと、この話はフィクションですので、「俺の事か、コラ!?」って人もあんまり怒らないでね(^^;;
今回のBGM−CD:「TOKYO TECHNO TOWER」
さんごさんの『リっちゃんと愉快な下僕たち』第4回、公開です。
う〜ん、見てみたい(^^;
出来ることなら”夜の部”を(爆)
繁栄しているLAS小説。
こんな所にもサポーターがいたんですね。
リツコさんが力を入れてくれているんです、
LAS作者さんは心強いですよね(^^)
う・・・でも・・・・
リツコさんがLASにはまる様な事になったら・・
LAS作家は”改造”されるかもしれない(爆)
チョッチ怖い(^^;
さあ、訪問者の皆さん。
毎回記念小説をお送り下さるさんごさんに感想メールを送りましょう!