「は・・・。」
気付くと、僕は眠ってしまっていた。今は日本史の授業中。先生がせわしく黒板の前を動き回っている。
腕時計を見ると、ん・・・・・14時・・・35分だ。まだ5分しか寝ていない。
僕は書くことの多い社会科の授業が嫌いだ。書くだけの単純作業に頭がぼーっとしてくる。だからよく居眠りしてしまう。最近はシンクロテストも多く、疲れが溜まっているのでなおさらだ。このままだとみんなが全部使うはずの30枚30行の大学ノートが1/4も書き込まれずに一学期が過ぎるだろう。
それにしてもさっきの夢はなんだったんだろう・・・。何でも叶う とか。現在が変わる とか。
・・・・・・まぁたかが夢だから良いか・・・・。気にすることはない。しかしその変な夢のせいで、僕の貴重な睡眠を妨げられてしまった。なんか腹が立つ。
しかし、そんな時にも睡魔は容赦なく襲ってくる。僕はまた夢の世界に入り・・・・・・
「ツン・・ツン・・」
・・・・・かけた。
「シンジ、起きなさいよ。」
「シンジ・・・・シンジ・・・・起きなさいってば・・・・。」
アスカが僕の睡眠を邪魔するようだ。いらいらして・・・
「っるさいな!アスカっ!」
と顔を上げて言うと、老教師が僕の目の前に立っていた。
「碇っ!何をしてる!255ページの3から読めと言ったろうが!」
「は・・・・はいっ」
あわてて教科書を開く。
・・255ページの・・・・・・・3からだから・・・・・
「えっと・・・・・・・・セカンドインパクトは、大質量隕石の衝突によって起こり、世界各国に多大な被害を及ぼしました。日本も例外ではなく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・となり、日本国民にも多くの死傷者が出たのです。」
「・・よろしい。座りなさい。」
座りながらふと前を向くと、アスカが「間抜けねぇ・・」という顔をしていた。
「起こしてくれてありがと・・・。」
と小声で言うと、アスカはすぐ黒板を向いてしまった。
教科書の朗読で眠気が飛んでしまい、その後寝ようとも思えず黒板をノートに写すこともなくぼーっと窓の向こうを眺めていた。
外は土砂降りだ。雷も鳴っている。みんなの勉強する姿が窓につまらなく映っていた。
キーーーーンコーーンカーーーンコーーン
「起立、礼っ」
授業が終わった。僕は軽く礼をして、そのまま帰りの準備をしようとする。すると、突然不意にアスカが声をかけてきた。
「ねぇ、シンジ」
「何?」
「今日、シンクロテストでしょ。だからシンジ忘れてるんじゃないかと思って。授業中もぼーっとしてたしね。」
「忘れてないよ。でも珍しいね、アスカがそんなこと言ってくれるなんて。」
「今日は特別なのよ。なんかアタシとシンジだけでテストらしいのよね。詳しくは知らないんだけど。」
「ふーーん。零号機修理中なのかな。」
「ファーストの事なんて知るわけ無いでしょ。とにかく、今日はそう言うことだから。しっかり待ってるのよ。」
「は?待ってるって?」
「アンタ、バカァ?今日土砂降りでしょ。こんな雨の日に、乙女一人で歩かせるってーの?アンタも一緒に行くのよ。」
「なんだよ、それ。理由なってないよ。」
「い・い・か・ら。とにかく教室で待ってること。アタシ週番なんだから。」
「わかったよ。」
相変わらず、アスカは強引だ。まぁ、それがアスカっぽいところなんだけど。
みんな帰った誰もいない教室。ここには僕と週番のアスカしか居ない。僕が何気なく近くの椅子に座ろうとすると。
「何アンタ、くつろいでんのよ。」
「何って、アスカの事待ってるんだよ。」
「はぁ?アンタも手伝うのよ。今日は相田が休みでアタシ一人なんだから。」
「あ、そう。」
「「あ、そう」じゃないわよ。理解したなら、早く手伝いなさい。」
「はいはい。」
薄汚れた黒板を消しながら、ふと、さっきの変な夢のことを考えていた。なんか気になる。しかも時間がたつ事に記憶がはっきりしてくる。なんだろう。
僕はあなたの思うことなら何でも叶えてあげられるのに・・・・。 とか言ってた。誰が言ってたんだっけ?うーーん・・。
バンッ!
「アンタ、何ボケボケっとしてんのよ。全然終わって無いじゃない。」
一瞬何事かと思ったが、日誌で叩かれたようだ。確かに、黒板の半分も終わってない。
「あ・・・・・、ごめん。」
「もう、はやくやんなさいよ。10分もそうやってたわよ。」
「ごめん。」
「あーーーー、ごめんごめんってうるさい。謝る気持ちがあるなら早くやって。こっちは全部終わったから。」
「ごめ・・・・・わかったよ。」
つまらない授業があって、アスカに怒鳴られて・・。
最近は使徒も来ない。僕は今日も平凡で平和な一日だと思っていた。
しかし、あと後数時間で起こる出来事で、今日という日は平凡なんかではなくなるのだ。
選択肢:1
何故こんなとこに更新かというと・・・・・。
前の文があまりに未熟で、情けなさ過ぎたのです(爆)。もう多少の加筆ではダメだという事で完全改訂公開となりました。ついでに題名も改めました。はぁ、凄く疲れました。これも全部自分のせいなんですがね。改訂部分はストーリーはほとんど変えずに、文中の表現等の変更を目指しました。それでもだいぶ削って、骨組みのみになった時点で改めて肉付けしたんで、もう完全に別物ですね・・・・・・・。ストーリーというより、コンセプトだけ同じといった方がいいでしょうか。まぁ、そう言うことです。多分前のバージョンの方が良かったという方もいるかもしれませんが(居ない可能性の方が高いけど・・。)あれではつじつまが合わなくなって来るんで、申し訳ありません。あのまま凍結というよりは相当良い解決策だとは思うのですが、本当に申し訳ありません。しかもなんか、学園エヴァではなくなってる・・・・・。これは本編エヴァです。
それにしても、ブランク長かったです。もう前の書き方が思い出せない。まぁいいか。
ジェネシスQに「鏡の国のアスカ」という小説のパートがあったと思いますが・・・・。僕はあの小説の存在を知らなかったんです。まぁ更新日の違いから判断していただければありがたいのですが、あれを見てビビリました。「ヤバイ、だぶってるかな」と。でも、僕はジェネQ行ったことがなかったんですよ。信じてください。ということで、今回の改訂のきっかけになったんです。「僕が本当に書きたかったのは、こうじゃないんだ」と。まぁ、完結すれば解りますけどまだ第壱話なんでねぇ・・・・。あんまり明かすことは出来ないんです。とりあえず、分岐による複数の完結があるので、次回はスイッチに従って読んでみて下さい。
BGM:「ヴェル・エール〜空白の瞬間の中で〜」 by MALICE
MIZER
内容ですが、なんかシリアス色が増した気はしますね。一応。こんな駄文ですが、感想くれるとありがたいです。 「ヴェル・エール〜空白の瞬間の中で〜」を聞いたことのない方は聞いてみてください。この小説を書く上でかなりの影響を受けています。
この文章がセピア色なのも意味があります。まぁ、ふふふ・・・。