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空白の瞬間の中で
クウハクノトキノナカデ
  
第弐話 嘘と疑惑 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

僕は窓を眺めて、ふと思い出した話をした。

「アスカ、雨の日の幽霊って知ってる?」

「えっ・・・」

アスカの顔が一瞬こわばった気がした。

「知らない?あのねぇ今日みたいに土砂降りで雷なんかが鳴ってる日なんかに、なんだけど」

「しっ、知らないわよ!!」

「!!!?」
 

僕はアスカがあんまり強く否定するので驚いてしまった。アスカは恐いものが苦手なんだろうか。それとも・・・。
 

アスカの思いもしない大声が二人きりの教室にいやに響いて、僕らは気まずくなってしまった。
 
 
 

沈黙に耐えきれず先に口を開いた。

「変なこと言ってごめん・・。」

「あ・・・・・アタシも・・大声だして・・悪かったわね。」

「うん・・・・。あの・・・なんか、僕まずいこと言ったかな・・?」

「な、なんでもないのよ。」
 

やはりどもっている。まぁ、慌てぶりから何か隠しているのだろうけど、追求したら余計に気まずくなるだけだろうし、この場でのこれ以上の検索は避けた方がいいと思った。

「あ、あのさ、そろそろテストに行かない?」

「そ、そうね。」

よかった。何とか話をそらせたな・・・・・・・・・ほっ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

外は相変わらず土砂降りだ。

アスカはこないだ駅前のデパートで買ったという真っ赤な傘を差していた。僕の2,3メートル先を早足で歩いている。

終始無言で・・。何か考え事でもしてるのかな・・・と思ったその時、

アスカの隣を大きなトラックが過ぎ、水たまりの泥水を大きくがはじいてアスカの制服にかけていった。
 
 
 
 
 
 

あれ・・・・?

アスカが反応しない・・。

いつもなら「アンタ何処見て運転してんの?おかげで制服ドロドロじゃない!」とか文句いって・・・・・・・・・・・・・まぁ最終的には僕に当たってくるはずなのに、何も言わず、ただ早足であるいているのだ。

そんなアスカが気味悪く思えてきた。

さっきの反応といい、心ここにあらずという態度といい、何か隠してるんだろうか。
 
 
 
 

そんなこと考えていると、NERV本部に着いた。
 

いつものようにエレベーターを降りて、更衣室に行く。プラグスーツに着替える。そして待機室へ・・・・・。行くと、アスカがいた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?

今もう一人いたような・・・・・・。・・・・・・・・目の錯覚かな?今顔色の悪そうな女性がアスカのすぐとなりに立ってたような気がしたんだけど・・・・・・。

多分疲れてるんだな。最近テストが多いし。

無理に考えを完結させると、呼び出しアナウンスに無言で先に行ってしまったアスカを追って待合室を出た。
 
 
 
 
 
 
 

一方変わって発令所

「LCL注水・・・・・・・・・・・・完了」

「セカンドチルドレン、サードチルドレン、エントリー準備整いました。」

マヤの威勢のいい声が響く

「わかったわ、ではテスト開始。今日は大事なテストだから。何かあった場合はすぐ報告して。」

リツコはいつもの手順で素早くテストの準備を行っていく。

「解りました・・・・・・・シンクロテスト開始します。」
 
 

あまりの異常にマヤが驚嘆の声を上げる。

「先輩、これ・・・・。」

「アスカ、シンクロ率がかなり低いわね。−45%よ。どうしたのかしら。」

「原因として思考ノイズが、非常に多く混じっていることが考えられます。」

「神経、思考パターン共に一定しません。」

「計器に異常は?」

「認められません。計器は全て正常に作動中です。」

「危険ね・・・・すぐにテストを中止させて。アスカには本部に待機命令を出しておいて。あと、帰る前に精密検査。」

「シンジ君の方は異常なしね。シンクロ率は67.89%、まずまずね。彼にも本部に待機命令を。アスカと一緒に会議室に来るようにも言って置いて。」

「解りました。」

「ふたりとも、あがっていいわよぉー。」
 
 
 

「ミサト、昨日アスカ何か変わったこと無かった?」

「かわったこと・・?無かったわねぇー。昨日はいつも通りだったわよ。」

「そう・・・・・。とにかくアスカの精神が不安定であることが考えられるわね。今日は早めに切り上げてアスカの悩みでも聞いてあげてちょうだい。」

「あら、リツコ似合わない事言うのね。」

「私はそんな冷酷じゃないわよ。それにパイロットの精神を気遣うのは、兵器がエヴァである以上当然の事よ。それにあなたも知ってるでしょ。新プロジェクト。」

「ええ、2人乗りの件ね」

「そうよ。あのときの新記録98.27%が実戦で常に出せれば、使徒との戦闘もずっと楽になるしね。」

「わかったわ、アスカとは今夜話してみるから、ってことで今日締め切りの残業の期限延ばしといてくんない?」

「・・・・・しょうがないわね。期限は十分余裕あったはずだけど・・・・・。まぁいいわ・・・、2日だけ伸ばしてあげるから。」

「やった! やっぱり持つべきものは親友よね。」
 

微笑み会う親友達。しかし
 
 

『『それにしても・・・・アスカ、どうしたのかしら・・。』』

二人とも、表情とは裏腹に真剣に心配していた。
 
 
 
 

待機室。
 

アスカが目の前に座っている。やはり元気がない。シンクロ率が低かったせいだろうか。でも、その前から元気なかったし・・・。言わなきゃいけないこともあるし。・・普段はアスカが僕の2倍も3倍も喋ってくれるので良いが、いざ喋ってくれないと、コミュニケーションが取りずらい。

僕が何とか話しかけようとして

「ア、アスカ?」

と、呼んだ。どもってしまったけど。

「何?」

「あのさ、シンクロ率悪かったみたいだけど、気にしない方がいいよ。」

あぁ、僕は何を言ってるんだ。これじゃ余計にまずいじゃないか。

「あの、思考ノイズがあったって言ってたし・・。」

慌てて付け足した。

「あ、そうだったんだ・・・・。次からは頑張らないとだめね。」

え・・・?そうだった?

なんであんなにシンクロ率にこだわってたアスカが・・・・?

リツコさんにシンクロ率を聞いてなかったのか?

なんか変だ。さっきから。なんか引っかかる。

「うん・・・。」

予想外の答えに動揺を隠しきれず、僕は、ただ返事を返すことしかできなかった。

「あの・・、この後会議室に集合だって・・・。」

「あ、わかった。シンジ先に行ってて。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

選択肢:3

「・・・・・・うん。」

「・・・アスカが行くまで待ってるから」
 

 
 


NEXTは2つの選択肢で選んでください。
ver.-2.00 1998+07/15 公開
ver.-1.00 1997-08/28 公開
ご意見・感想・誤字情報などは asuyoba@cmpk.or.jp までお送り下さい!
  

あとがき

第弐話です。この話では新たに3人が登場しましたね。今後、オリキャラは出さない方針ですが、出さざる得なくなるかも。とりあえず物語の分岐で、第壱話は大きな分岐点ですが、どちらに進んでも後悔をさせないようにはします。ストーリーは大きく違うんですけどね。元ネタわかる人もいるかな。(こちらの分岐だけですが。)わかったらメールを。パクリにはならないとは思うんですが。近くなるかも。何か特典を上げられたらいいなぁと思っています。大したことじゃないんですが。
 
BGM:「ヴェル・エール〜空白の瞬間の中で〜」 by MALICE MIZER 

なんかさらにシリアス色が増した気はしますね。一応。

こんな駄文ですが、感想くれるとありがたいです。 「ヴェル・エール〜空白の瞬間の中で〜」を聞いたことのない方は聞いてみてください。この小説を書く上でかなりの影響を受けています。(本当に?)



 大家様、ここで感想お願いします。
完全改訂なので、改めて感想お願いします。一度公開したものを変更ということは自分勝手な行動であると解っています。
しかし、とてもあれでは続かないので・・・・。本当に申し訳ありません。大家様にお手数おかけします。

<2>

 アス呼ばさんの『空白の瞬間の中で』第弐話B、公開です。




 シンクロ率が落ちたアスカ。
 それをちっとも気にしないアスカ。


 な、何が起こっているのでしょうか!?


 様子のおかしいアスカ・・・

 これは大事の予感。





 さあ、訪問者の皆さん。
 次はどっちを選ぶ?
 感想メールも忘れずに!




<1>




 アス呼ばさんの『僕とアスカ、二人きり』第2話、公開です。


 分岐するんですね(^^)

 上を行くか、
 下を選択するか。

 片1方が「シンジxアスカ」ですから、迷うなぁ(^^;


 この世界はいったい何なのか?
 どうして二人だけごここに?
 抜け出す方法は?


 謎だらけの展開です。
 答え・ヒントが何処に隠されているのでしょうね。


 さあ、訪問者の皆さん。
 感想メールをアス呼ばさんの元に届けましょう!


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