UNNERV/1217/1952/
「アスカぁー・・・朝だよー」
台所から声を上げるシンジ。
しかし反応はない。
シンジはそれ以上声を上げることなく、エプロンを外して当然のようにアスカの部屋にはいる。
するとそこには布団にくるまったアスカが可愛い寝息を立てている。
そして儀式が始まる。
シンジはベッドの枕元にしゃがみこみ、アスカの長い髪をすくって髪の中から耳が見えるようにする。
「アスカ。朝だよ」耳に口元を近づけてそっと囁く。
だが、眠れる姫君は起きない。
シンジはそれを確認すると、さらに口元を近づけて息を吹きかける。
「ふぅー・・・・」
眠っているはずのアスカの体がビクビク震えているのがわかる。
『ふふふっ!・・・・アスカ、起きてるのがわかるよ?』
震えていてもまだ起きる気はないようだ。
「アスカー・・・まだ起きないのー?」
やっぱりアスカは起きない。
「ふーん・・・・起きないんだー・・・」
シンジはニヤリと笑うと再びアスカの耳に唇を近づける・・・・
「ひゃうっ!!」
狸寝入り中だということを忘れて、アスカが声を上げる。
シンジはアスカの耳にKissの雨を降らせているのだ。
もはやアスカは顔中を上気させている。
Kissが一通り終わるとシンジは舌を出してアスカの耳をゆっくりとねぶっていく・・・・
まるで味わうかのように・・・・
アスカは狸寝入りしていることなど完全に忘れてあえぎ声を上げている。
堪能し終わったとばかりに舌が離れる。
「おはよ、アスカ」
アスカは目を開けて潤んだ瞳をシンジに向ける。
「感じてるところも可愛いよ、アスカ」
「・・・・ばか・・・・」
「だぁー!やってられるか!バカヤロゥ!!」
向かいのマンションから一部始終を監視していたヒラ諜報部員A氏。
「なんでオレはこんなトコでこんなことしなきゃならねぇんだぁ!!!!」
かなりブチ切れているらしい・・・・
「くそっ!」A氏はおもむろに携帯電話を取り出してプッシュする。
しばらくして相手が出た。
「もしもし!主任ですか?・・・・ええ、私です」
そして彼は大きく息を吸い込む。
「辞めさせて下さい・・・・いや、辞めますんでよろしくお願いします」
電話の向こうでは説得を試みているようだが・・・・独身男には刺激がキツ過ぎるモノを見てしまった彼の決意は固い。
「そんなにアイツらが大事なら主任自らやられたらどうです?・・・・どっちにしろ私はもう耐えられません。それでは」
「ふう・・・・ダメか・・・・辞職者はこれで何人目だったかな?・・・・」
”主任”と呼ばれたB氏が受話器をおろしながらため息をつく。
「トータルで22人目です」側に立つ秘書とおぼしき女性が即答する。
「まったく・・・・これでは3ヶ月以内に諜報部は活動不能になるぞ」
エージェントの教育は一朝一夕にできるものではない。
特にネルフではエージェント一人にパイロットの教育と同じくらいの金を使っている。
その金を掛けた連中に片っ端から辞められては諜報部もたまったものではない。
B氏はひとしきり考えた後、おろした受話器を再びとる。
「ああ、そうだ・・・私だ・・・・局長に繋いでくれ」
お昼も近い第壱中学校。
シンジとアスカのクラスは体育の授業だった。
「あと5周!」
体育教師の檄が飛ぶ。
中学生が最も嫌うモノの一つ、1500m走。
「ほーらシンジ!シャキッとしなさい!」
ちなみに女子は800mで、既に走り終えている。
トラックの内側に座り込んだアスカから声を掛けられると、シンジは苦しいながらも微笑み返す。
女子からはアスカに、男子からはシンジにそれぞれ恨めしそうな視線が飛ぶが二人はそんなことには全く気付かない。
やがて先頭集団がゴールし、シンジもゴール。
が、
走り終えて気が抜けたのか、シンジは小石に躓いて転んでしまった。
「!」
アスカの動きは・・・それはそれは素早かった。
回りにいたクラスメートが
「ルイス?」とか、
「薬をキめたベン・ジョンソン?」などという意味不明のつぶやきを漏らすほどだった。
それはともかく。
「大丈夫?シンジ?」
「ん、大したこと無いよ」
そうは言ってもシンジの両の手のひらはすりむけて微かに血も出ている。
「先生!保健室に行って来ます!」
アスカの声が聞こえたのか、体育教師は手をひらひら振って答えた。
「行こ、シンジ」
そして場所は変わって保健室。
「すいませーん・・・・あれ?」
中に入った二人だが、中に養護教諭はいない。
「んもう!こんな時に!」
「いいよ、アスカ。コレぐらいだったら消毒するだけで大丈夫だよ」
「じゃ、消毒液ね」
アスカが救急箱をあさり、小振りなプラスチックのボトルを持ってくる。
どちらかというと、うがい薬として有名な”イ○ジン”。
病院などでは消毒液として”イソ○ン”の業務用大ボトルが使われている。
「シンジ、手洗って」
「ん」
シンジが流し台で手を洗う。
「じゃ、そのままね・・・・」
アスカはボトルの蓋を開けると、シンジの手に盛大にかけたあと、ガーゼに含ませて丁寧に拭いていく・・・・
「こんなモンかしらね」
「そうだね」
「意外と手早く終わっちゃったわね・・・・」
ちょっと何かを考えるアスカ。
「あ、そーだ」ニンマリと笑うアスカ。何か思いついたらしい。
「?」
「シンジ、手を出して」
「???・・・・はい」
シンジは手のひらが見えるように両手をアスカの方に突き出す。
「んふふー・・・」アスカはシンジの手を取ると口元に持ってくる。
「んっ・・・・アスカ・・・・汚いよ」
「んむっ・・・・ふぅ・・・・」
アスカはシンジの抗議にまったく耳を貸さず、傷口に舌を這わせている・・・・
「・・・・くすぐったいよ・・・」
アスカはシンジの手をしっかりと掴んで、
「だぁーめ。逃がさないんだから」
アスカの愛の消毒は、傷のない所にまで及んだ為、終わるまでたっぷり30分を要したという・・・・
「ふむ・・・・これは若い者には耐えられんだろうな」
その情景の一部始終をライブ中継で見ていた”局長”のC氏はおもむろにつぶやいた。
実のところ彼も目の前のテーブルをひっくり返したい衝動に駆られていたが、そこは年の功。なんとか抑えていた。
「はい、ウチの部署では彼らの監視を始めてから辞職者が急増しています」
”主任”のB氏が補足説明する。
「うむ、レポートは読ませて貰った・・・・なにか解決策は?」
「それにつきましてはこちらのレポートをご覧下さい」
B氏が10枚ほどの紙束を差し出す。
「どれどれ・・・・」
しばらくは両者の息づかいと紙をめくる音だけが場を支配した。
5分ほど後、読み終えたらしく、C氏がレポートをテーブルに投げ出す。
「確かにこれなら効果的だろうが・・・・私の一存では決定できんことだ・・・・部長を通して指令に掛け合わんとな」
「しかし・・・・指令まで上がると、おそらくストップがかかるでしょう」
「おい、何年諜報で飯を食ってきたんだ?・・・・敵を騙すにはまず味方から、というだろう?」
「・・・・・・・・わかりました、こちらはその線で話を進めます・・・・部長の方には」
「ああ、そっちはワシがやる」
「お願いいたします」
神ならぬ身の彼らには知る由もないが・・・・
彼らは狐を避けるために虎と相対することを選択したのだ・・・・
夕食時の葛城家。
テーブルにはシンジとアスカ。
ミサトは帰ってきていない。
ってゆーか、ミサト自身が最近は帰宅恐怖症になっているという噂も聞く。
だから最近この時間はいつも二人きりだ。
「「いただきます」」
シンジの創意工夫の手料理をアスカは満足そうに食べる。
最近はアスカもシンジに習いながら料理をするようになった。
理由は・・・・
言うまでもないか。
「やっぱ日本人は和食よねぇー!」やはりアスカが満足そうにうなずきながらいう。
「あれ?・・・アスカ日本人だっけ?」
意地悪くシンジがたずねる。
「んもう!・・シンジのイジワル!」
「はははは!」
独身男性ならこれだけでゲロを吐くような状況である。
だが、まだ続きがある。
「「ごちそうさまでした」」
食事をすべて平らげた二人は食器を流しに持っていく。
「あ、アスカ!」
「なに?」
「目をつむって」
「ん」
アスカは言われたとおりに目をつむる。
するとシンジはアスカの口元に付いていたご飯粒を舐め取ってしまった。
「きゃうっ!」アスカはかなりビックリしたらしい。
「ごはんつぶ、ついてたよ」シンジがにっこりと微笑みながらいう。
「んもう!ビックリするじゃない!」顔を真っ赤にして言うセリフではない。
「はは、ごめんごめん」
「あ、シンジ」
「ん?」
「ごはんつぶ、シンジにもついてるわよ」
「え、どこ?」
「動かないで、取ってあげるから・・・・」
そういうとアスカはシンジの顔を両手で優しく包み込む。
「目、つむって・・・・」
シンジの目が閉じられたことを確認すると、アスカは自分の方にシンジの顔を引き寄せる。
シンジの顔、どこを探しても飯粒などはついていない。
アスカはまずシンジの唇の端っこにKissする。
「ん・・・ふぅ・・・」
そしてそのまま唇を舐めていく。
「むうう・・・・・・」
そこから上へ上がってほっぺたをペロペロ舐める。
「随分、ごはんつぶついてるんだね・・・・」
「そぉーよ、顔中ごはんつぶだらけよ・・・・」
無論、シンジも本気で言っているわけではない。
次は耳からうなじにかけて。
なすがままになっているシンジはさっきから甘い吐息を出している。
アスカはひとしきり舐め終えて、満足するとシンジの唇に軽くKissする。
「ごちそうさま、シンジ」
「あの二人は毎日こんなことをやっとるのかね?」
「左様です・・・諜報部員、特にあの二人を監視する部局の人間の辞職率が高い理由がお判り頂けたと思います」
ネルフ諜報部を預かるD氏は深いため息をつく。
すでに目の前にいるC氏からライブ映像を混ぜた現状説明を受けた。
「部長、現状ではウチの局では極端な人員不足に陥っています。他の部局からの応援要員すら辞職する始末です」
「新人教育や中途採用と、辞職者・・・・どちらが多い?」
「圧倒的に辞職者です」
「リミットは?」
「そう遠くない時期、としか申し上げられません」
「で、対応策は?」
「こちらに・・・」
そういってC氏はB氏が作成したレポートを差し出す。
「ふむ・・・・しかしこりゃちょっと強引すぎないか?」
「これ以外の方法では現状を変えられないと考えます」
「・・・・碇指令がこんなプランにOKを出すと思うか?」
「・・・部長。お忘れかもしれませんのでお教えしますが・・・・我々は諜報部です」
それを聞いたD氏は露骨にイヤそうな顔をする。
「碇指令をペテンにかけるつもりか?」
C氏はわざとらしく笑う。
「そんな人聞きの悪い・・・・指令への報告書の書式をちょっと変えるだけですよ」
「・・・・・・・・」
「よくお考え下さい・・・・このままでは我々はいかに莫大な予算があろうと活動不能になります・・・・緊急事態なのですよ」
「・・・・・・・・・・・」
「そうでなくてもは最近はMI6(英国国外諜報部)がちょっかいをかけてきています・・・・このままでは彼らの跳梁を許すことにもなります」
「・・・・・・・・わかった」D氏が重々しく口を開く。
「では?」
「・・・・諜報部の正式計画として承認する」
「ありがとうございます」C氏は用は終わったとばかりに立ち上がる。
「着手はいつだ?」
C氏は出ていこうとした歩みを止めて、
「明日です」
シンジとアスカは学校に行くためにマンションを出たのだが、シンジが忘れ物を取りに戻った。
アスカはマンションの前でシンジを待っている。
諜報部の面々がこの絶好の機会を逃すはずがない。
道路の両方から黒塗りの乗用車が5〜6台猛スピードで走ってきたかと重うと、アスカの目の前で急停車する。
そして車からスーツを着込んだ屈強な男達が降りてくる。
呆気にとられるアスカ。
「セカンドチルドレン・・・・惣流さんだね」
一番最後に車を降りたB氏がアスカに問い掛ける。
「なによ!アンタら諜報部でしょ?」
「その通りだ。緊急事態が起こったので迎えに来た・・・・さあ、車に乗ってくれ」
「イヤよ・・・・シンジと一緒に行くわ」
「コトは一分一秒を争うのだ・・・・サードについても今上に迎えに行かせてる・・・・議論しているヒマはないんだ・・・・乗ってくれ」
なにか胡散臭いモノを感じたが、緊急事態と言われれば嫌も応もない。
アスカを飲み込んだ黒塗りのリンカーンは弾かれたように発車して瞬く間に見えなくなる。
「さて・・・あとは色ボケのガキをあやすだけだな」
B氏は自分と共に8人の部下を残らせた。
もしサードがゴネるようなら実力を持って排除するつもりなのだ。
「おい、オマエら・・・・手加減はしろよ」
背後に控える男達はポキポキと骨を鳴らしている。
彼らもシンジとアスカによって精神的なダメージを受けたクチなのだ。
そうこうしているうちにシンジがマンションの入口から出てくる。
「あれ?・・・・アスカどこ行ったのかなあ?」回りをきょろきょろ見渡すシンジ。
「セカンドは本部へ行った」
始めて気付いたかのようにシンジはB氏を見る。
「そしてここには二度と帰ってこない」
B氏は慌てふためくシンジを予想していたのだが・・・・シンジは不気味なまでに落ち着いている。
「なぜです?」
「君が知る必要はない」
「とうさ・・・いや、指令はなんと言っているんです?」B氏の目の前まで来たシンジが静かにたずねる。
「指令も承認済みだ」
「・・・・なら、僕が何を言っても無駄、ということですね」
「その通りだ」
「じゃあ僕の返事はこれしかないですね」
「?」
B氏はシンジの姿が一瞬見えなくなった。
次の瞬間B氏は後頭部に凄まじい衝撃を受けて地面に倒れ伏した。
回りの諜報部員が何もできないほどの早業だった。
人間の脚はここまで上がるのか、というほど高く上がった左ハイキック。
回りの諜報部員が、
「フグ?」とか、
「いや、アーツだろう」という意味不明のつぶやきを漏らすくらいである。
しかしそこは経験を積んだプロ集団。あっという間にシンジを取り囲んだ。
「坊主・・・・悪く思うなよ・・・・やれっ!」リーダー格の男が掛け声をかける。
シンジは、
「ふん・・・」
鼻を鳴らしただけだった・・・・
3分後
「つ、強い・・・・」
「ガキに負けるとはヤキが回ったか・・・・」
死々累々・・・・8人の男達は無様な姿で地べたに這いつくばっている。
当のシンジは息ひとつ切らしていない。
シンジは気絶しているB氏に近づくと、容赦なく張り手を食らわせてたたき起こす。
B氏が苦しそうに起きあがると・・・・そこには般若がいた。
「ひいいぃい!!!」
「アナタには選択肢が二つあります・・・・一つはアスカをどこに連れていったか話すコト・・・・もう一つは、言わなくてもわかりますよね」
B氏は見た。
悪魔の微笑みというものがどんなモノかを。
そして一つの文字が彼の頭に浮かんできた。
『死』
彼がアスカをネルフ本部へ行かせたのをゲロったのは5秒後のことだった・・・・
シンジは本部に乗り込んでいた。
行く手に立ちふさがる者はことごとくねじ伏せた。
普段は温厚、穏和を絵で描いたようなシンジだが・・・・アスカが絡むとそのタガは簡単に外れる。
彼の足元には愚かにも彼を阻止しようとした武装兵士がダース単位で倒れている。
そして一つの部屋に行き着く。
そこには諜報部長のD氏と”局長”のC氏がいた。
ハッキリ言って両者共に顔面蒼白状態である。
アスカの姿はない。
「アスカは!」
年寄り二人は大げさにビビる。
「し、指令の所です」C氏が情けない声音で答える。
「・・・・今回のこと、父さんも知っているんですね?」
「は、はいぃー!」
シンジはそれを聞くときつく歯を食いしばる。
が、元の笑みに戻ると二人に向き直る。
・・・・悪魔の笑みを二人も拝むことになる・・・・
「でも・・・あなた方も同罪ですよね」
ゆっくりとシンジが近づく・・・・・
「「ひいいいいいぃぃぃぃ!!!!!!」」
・・・・・合掌・・・・・・
「アスカぁ!」
指令公室、通称ゲンドウ・ルームに飛び込んだシンジが見たのは・・・・
いつもはゲンドウが”あの”ポーズをとるデスクでアスカが暢気にお茶をすすっている所だった。
ゲンドウの姿はどこにも見えない。
「あ、シンジぃ・・・遅いじゃない」
ちょっとガクッとなるシンジ。
どうやらアスカはこの鈍くさい陰謀については知らされていないようだ。
『それなら心配させる必要はないか・・・・』
と、そんなとき、デスクの上の電話が鳴る。
素早くシンジが取る。
「もしもし?」
《シンジ君か?・・・・碇はいるか?》
電話の向こうは冬月のようだ。
「いえ、こっちにはいませんが・・・・」
《そうか・・・・まったく・・・・いきなり電話を掛けてきたと思ったら、「しばらく留守にする。後は頼む」だからな・・・・》
『逃げたな・・・・』
シンジ、鋭い。
《すまなかったね、こっちで探してみるよ》
「見つかったら僕にも居場所を教えてくれませんか?」
《?・・・かまわんよ》
「それじゃお願いします」
静かに受話器を置く。
「さ、アスカ・・・・学校行かなきゃ」
「へ?・・緊急事態じゃないの?」
「んー・・・なんかもう、解決しちゃったらしいよ」
シンジはデスクを回り込んで椅子に座るアスカの前でひざまずく。
「さ、姫様・・・参りましょう」
アスカは笑ってシンジのおふざけに付き合う。
「うむ、苦しゅうない」
そしてアスカが差し出した右手をシンジは思いっきり引っ張る!
「きゃあ!」
アスカはシンジの上に覆い被さるようにして倒れてしまう。
そしてシンジは間髪入れずにアスカを抱きしめてその唇を奪う。
「んん!?・・・・・ん・・・うむぅ・・・」
ちょっとびっくりしたアスカだが、すぐにシンジの首に腕を回す。
軽い、ついばむようなKissから始まって、最後にはお互いの唇を食べてしまいそうなディープKissへ。
それでは飽きたらずにお互いの首筋、うなじ、頬・・・あらゆる所にKissをする。
シンジもアスカも顔を真っ赤にして、体は火照っている。
「・・・・学校、行きたくなくなっちゃったわ」アスカが潤んだ瞳と共にぽつりとつぶやく。
「僕も・・・・・」
「サボっちゃおうか?」
「うーん・・・・たまにはいいかな?」
「じゃあさ、家でゆっくりしよ?」
「家で?」
「そ、家で”ゆっくり”するの♪」
シンジはすべてわかったとばかりに一つうなずく。
「じゃあ・・・・今日は家でゆっくりしましょうか。奥さん」
「そうしましょ、だんな様♪」
その後、ミサトに学校を休んだことがバレて、こってりと絞られるのだが・・・それはまた別の話。
あとがき
どーも、P−31です。
「サードチルドレン監督日誌 Vol5」をお届けします。
今回はVol4の最後になにげなく書いてしまった一文の為にこんな長いものを書く羽目になってしまいました(笑)
それはさておき・・・・
今回は”舌”にこだわってみました(爆)
ひょっとしたら、大家さんに突っ返されるかも・・・・という恐怖感と共に書きました(笑)
それと、以前メールで「この二人は一線を越えているんですか?」という質問がありました。
ノーコメント(笑)
みなさん好き勝手に御想像ください。
さて、「監督日誌」の本年の更新はこれが最後となります。
技量未熟なもの書きのたわごとにお付き合い頂いて感謝しております。
また来年も「監督日誌」をよろしくお願いします。