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GREAT FALL

前編

 

 

−−−時に2020年−−−

 

SCENE1

 宇宙船エンターブラウザ号

 

「結論から申し上げます」

 感情を感じさせない声音で年の頃14歳ほどの少女(の姿を摸したアンドロイド)が分析の結果を報告する。

「傍受した無線その他の分析結果から、我々は西暦2020年の地球圏に迷い込んでしまったものと思われます」

「そうか・・・」

「艦長? 何かご不審でも?」

「いや、またぞろパラレルワールドにでも迷い込んでしまったのではないか、と思っていたのでね。

 過去の地球か・・・タイムパラドックスが起きぬよう一層留意せねばならんな・・・」

「その心配はありません。どうやらこの地球は我々の歴史と異なる時間軸上に存在している、つまり、やはりパラレルワールドの地球なのです。

 私の説明不足から艦長に無用の心配をお掛けしましたことをお詫びいたします」

「・・・いや、気にせんでいい」

「しかし艦長、パラレルワールドだからと言って彼らの歴史に干渉するわけには」

「無論だ。しかしライター・・・」

 フユツキ・ピカドンは頭痛を堪えるような顔になった。

「これでどうやって干渉せずに済ませられると言うのかね?」

 アンドロイド・レイダーとリョージ・ライター副長は黙ってディスプレイを見やった。

 二人(?)の視線の先には、彼らの乗艦の予測進路が表示されていた。

 時空渦に巻き込まれた際の事故により動力を失い漂流するエンターブラウザ号は地球の重力に捕えられ、大気圏に突入する運命にあった。

 

 

 

SCENE2

 特務機関ネルフ新本部棟 第二ホール 大忘年会会場

 

「メリークリスマス!」

 スマートな長身に似合う粋なスーツにトンガリ頭巾、ワルダーの如き憂い顔の仮面を着けた、ぶっちゃけて言えばガーゴイルのコスプレをした冬月副司令が乾杯の音頭を取る。

「「「「「んメリィィークリスマァス!」」」」」」

 一斉にワイングラスやシャンパングラス、カットグラスやジョッキ、あるいは烏龍茶が満たされたコップを掲げる参加者達。

 宴が進むにつれ、アルコールとその場のノリが参加者からストレスと羞恥心を奪い取ってゆく。

 やがてステージ上で芸を始める猛者達に、さらに会場を満たす混沌と狂乱の度合いが増す。

 体色に合わせた白いバニーガール姿のレイを従えた伊吹科学部主任補佐が手品(?)を披露したまではいいが、さすがにウエットスーツにプロテクターの第三使徒が初号機とプロレスを始めたのには辟易した反応が、とくに在りし日々の労苦を知っている古参の職員からあがった。

 日頃は目立たないサードインパクト後からの新人とのギャップがちらりと覗く。

「やれやれ・・・おうアスカ、シンジはおらへんのか?」

 鸚鵡の代わりに温泉ペンギンを連れた眼帯に義手、杖に義足の海賊に「似合わないわねえ」と、まずケチを一つつけてから答える。

「いないけど・・・アンタねぇ、あいつがその足のこと、未だにウジウジ気にしてるの知ってるでしょぉ? なんでわざわざ木の義足なんてしてんのよぉ」

 どうやらアスカ嬢、未成年の身で酒が入っているのか、やたらとからみぐせが酷い。

「アホ、せやさけワシがちっとも気にしてへんとこ見せたるんやないか」

「ま、いいけどねぇ。どっちみち入試間近の浪人生がこんなとこに来る訳ないじゃない」

「そうだね・・・碇の奴、つくづく本番に弱いからなあ・・・」

 しみじみと言う野戦服。

「あんたはあんたでかわりばえってもんがないのよ! 野戦服なんてしょっちゅう着てるでしょ。こういう時こそ普段着ないようなねえ・・・」

「何や、人のケチばっかりつけよって。そう言うおまえかて何やそのカッコは。羽根まで付けよって、妖精ってガラかい、このケンカ番長が。おどれにゃ長ランと木刀が似合いや」

「んですってぇ!」

「あらあら、あいかーらず仲がいいわねあんたたち」

「何でよっ(ですねん)!」

「テレなくてもいいじゃない、ツッコミまでハモっちゃって。お似合いよん」

 いつものようにビールを片手にケタケタ笑っている、X星人(女)に扮したミサトが無責任にあおる。たしかに「ケンカするほど仲がいい」という言葉はあるが・・・ちゃんと恋人のいるトウジ相手にそれはなかろう。

 それを、もはや彼の血肉となった感のあるデジタルカメラで取っていたケンスケだが、ふとその背景に奇妙な物が映り込んでいることに気付いた。

「・・・そうか・・・分かった、すぐに行く」

 船長服を着込んだ碇司令がひそひそと電話をかけている。

「ん・・・?」

「どうかしたの?」

「いえ、何でもありません」

 そう言いながらも好奇心の強いケンスケは、海江田艦長やムラマツキャップ、スーパーガールとバットレディーの間をくぐり抜けて会場から抜け出すネモ船長の後を尾行るべくその場を離れた。

 

 

SCENE3

 新第一発令所前

 

 ネルフの全機能を統括していた旧第一発令所は第拾四使徒によって破壊されていた。

 この発令所はマギシステムの移設と同時に新本部棟に造られたものである。

 人為的に使徒を覚醒させていたゼーレの消滅によって天文学的に小さな確率でしか使徒との戦闘が起こらくなった今となっては、使う者とて居ないはずの、予算の無駄遣いと陰口をたたかれた部屋にネモ船長に扮した碇司令は入っていった。

 自動ドアの電源さえ切られているのか手動で開けたドアを、面倒なのか開け放しのまま放置してしまうゲンドウ。これもまた以前のネルフならありえない無用心な光景である。そこから内部をのぞき込むケンスケ。

 照明すらともらぬ中、一つだけモニターの明かりを受けるオペレーター席があった。

「例の作戦の結果です」

「まったく、無茶をしてくれる」

「何これ? 作戦前と作戦後で質量の変化無し?」

「は、やはりこの宇宙船は生きているようです。何らかのフィールドで完全にガードされています」

「まさか・・・」

「いえ、A.T.フィールドではないようです。サハクィエルを相手に同じ事をしてますが、奴とは違い、こちらは素直に軌道を変更してくれました。作用反作用の法則から逃れることが出来ない以上、通常の・・・と言う言い方は変ですが、バリアーの類でしょう」

(・・・・何の話だ?)

「バリヤーだかフィールドだかを張っている以上、まだ乗組員が生きているという事だろうに、何故我々の呼びかけに応えない」

「不明ですが、呼びかけに応じない以上、友好の意志ナシと判断して良いのではないでしょうか」

「むしろ攻撃の意思アリと判断した方がいいのかもしれない・・・この巨体が落ちてくるだけでも充分な脅威ですもの。確実に核の冬が来て今度こそ人類は滅びる・・・これが無人船なら確実に兵器。たとえ有人船でも、落下の衝撃から乗組員を守る手段があるとしたら?」

「いささか非効率的な攻撃のように思うが・・・・」

 ケンスケは、4人ともこちらに気付く様子がないのをいいことに発令所の中に入り込んだ。

 

SCENE4

 新第一発令所

 

「オペレーション・ファイアークラッカーに使用されたNN爆雷の総量は五百メガトンに相当します。

 アフリカ上空100キロでの爆撃の結果、本来の目的であった「巨大隕石」の破壊には失敗したものの、その軌道を大気圏外に押し戻しました。

 しかし、軌道速度には至らず・・・こちらを見て下さい。最新のシミュレーションの結果です」

「もう少し時間を早めてくれ」

「はい。オーストラリア上空で宇宙船は再び大気圏に突入します。そしてそこから地球を一周して最終的には・・・・」

 大宴会の仮装ではなく制服を着込んだ青葉一尉(やっと名前が出た・・・)がコンソールを操作すると、宇宙船を表すフリップが移動し、日本列島の真上に来て止まる。

 そして近畿を中心に海にまではみ出すような大きな円が広がった。

 その周りに様々な数値が重ねられる。

「直撃か」

「はい。推定総質量10億トン以上の宇宙船、いえ小天体の落下の衝撃は文字通りのフォースインパクトです。こんどこそ人類滅亡は回避不能でしょう」

「・・・でぇぇ!」

 ケンスケはあまりの事に思わず悲鳴を上げてしまう。

「な、何だ君は、どうしてこんな所に!」

「あなたは・・・確かフォースチルドレンの友人の」

「誰であれ秘密を知られた以上、生かして返すわけには行かんな」

「ひ、ひいぃ!」

「碇・・・おまえが言うと冗談にならん」

「ここは部外者以外立入禁止だ。大人しく宴会に戻るならよし、でなければ警備部の手に委ねることになるぞ」

「す、済みません。つい・・・」

「赤木君、ご苦労だが彼がちゃんと会場に戻れるかどうか見てやってくれないか」

「分かりました」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・よりにもよって京都市内か」

「ええ・・・そう言えば副司令は昔京都大学の助教授をなさってたとか」

「うむ。あの町にはいろいろと思い出が有ってな・・・」

 

 

 

SCENE5

 ネルフ職員宿舎6号棟 6階6号室

 

「やー炬燵はいいよなあ。なんていうか日本人の心の故郷って感じがするよなあ」

「へーっへっへ、なぁにいってんのよセカンドインパクト後世代が。でもホントに落ち着くわねー」

 5年前のサードインパクト以来、地球は寒冷化していた。

 成層圏にまで漂うチリが太陽光を遮るために起こった、所謂「核の冬」と呼ばれる現象である。

 その結果、日本列島は亜熱帯から冷帯に近い気候に移行してしまったのである。

 現在では米さえも自給することが出来なくなったが、皮肉なことに農家の多くがハウス栽培の野菜中心に切り替えたために、それらの農作物の自給率は逆に上昇していた。

 現在ではネルフがそのオーバーテクノロジーを駆使して作った新種の寒さに強い稲が出荷され始めたが、すでに日本人の食生活が変化している以上、かつてのように余るほどの米を国が買い上げて、それを安値で消費者に売るなどという異常な状態に帰る事はもうないだろう。

 しかしその原因になったのはサードインパクトによって巻き上げられた土砂であるのだが、それだけの質量が何処からもたらされたのか、サードインパクトの時の記憶を持つ人も物理的な痕跡も皆無なために未だ不明のままである。

「何といっても炬燵にミカンに煎餅! この黄金の三点セットがそろえばまさに無敵だね!」

「ブランデーにピーナッツってのも捨て難いわよぉ。あ、あたし達まだ未成年だっけ、きゃっははははは」

「この掘り炬燵っていうのがまたいい味出してるよなー」

「お前等、ちっとは遠慮せえや」

 規模の拡大にともなって新設されたこのネルフの職員寮にはたとえ独身者用であっても掘り炬燵があり、またその他にも床下収納スペースなどの設備の整ったリビング、キッチン、それにセパレートのトイレ、バスから構成される、かなり恵まれた環境であった。

 碇シンジは浪人を機に、受験勉強に専念したいからと言う理由で寮に越していた。

 しかし、実態はそれを口実に生活不適格者二名の飼育から逃れたと言うのが近いだろう。

 けれどようやく手に入れた安息の地にも魔の手は容赦なく迫ったのだった。

「・・・」

 無言でお茶を入れるシンジの背中に哀愁が漂っていた。

「す、すまんのシンジ」

「・・・いいけどね、別に」

「きゃはははは、なぁにしけた面してんのよぉ。せっっっっかくこのアスカ様が来てやったんだから、少しはウレシそーにしなさいよねっ!」

「・・・アスカ、だいぶ飲んでるね・・・はい、お茶」

 したたかに酔ったアスカは絡み上戸を通り越して笑い上戸になっていた。

 ケンスケは酒を飲むのは始めてではないのだが、(よくある話だが)その場のノリにつられ自分の酒量以上に飲んでしまい、レイはレイでミサトに進められるままに飲んだ結果、初めてのアルコールに無表情に酔っていた。

「あれ? なんで綾波のだけ湯飲みなんだ? ひょっとして夫婦茶碗かぁ? イヤーンな感じ!」

 雪うさぎのイラストの描かれたトレイから炬燵の天板に移されたのは、3つの紙コップと、そして大小一組の湯飲みだった。

 別にそれがレイの前に置かれたからと言ってどうということはなし、言った当人はただのジャブのつもりだったが、それがテンプルを直撃するラッキーヒットになる。

「あ、いや、それはたまたま二つしか湯飲みがなくって、だから、その」

 てきめんに狼狽えるシンジ。

 アスカはそれを不機嫌そうに(しかし酔っているせいか、子供っぽく頬を膨らませた顔からはあまり険悪な印象は受けない)横目で睨んでお茶を飲もうとしたが・・・

「きゃあ!」

「だ、大丈夫?」

「熱いじゃない! 紙コップで熱いお茶出すなんて、気が利かないわねバカシンジ!」

 そう言いながらアスカはひょいと手を伸ばして自分の紙コップとシンジの湯飲みを取り替えようとした。

 その手を容赦なくはたくレイ。

「何をするのよ」

「いいじゃない、男なんだから少しぐらい熱くっても平気でしょ?」

 かなり無茶なことを言っているが、別に酔っぱらっているからという訳ではなく、素面でもアスカはこんな調子である。

 しかし彼女の言うことももっともで、普通こんな時は女の子に優先的に湯飲みを回すものであろう。それに実際のところ、シンジは熱湯玉露入りの紙コップを平然と(自炊で慣れているせいか?)配っていた。

 しかし、レイはその茶碗にはこだわりがあるのだ。

「ダメ。この湯飲みは碇君と一緒に選んだのだもの」

「「「おぉぉぉおお!」」」

 どうやらマジだったらしい夫婦茶碗にどよめく3人。

「い、いやそのぉ・・・」

「って、ゆーことはーっ!?」

 いきなり奇声を上げて洗面所へ駆け込んだアスカに、シンジ達はすわ悪酔いか、と考えてしまった。

「ア、アスカ大丈夫?」

「あんなにガバガバ飲むから・・・」

「大丈夫かいな? 一人で吐けるか?」

「お掃除が大変・・・」

 勘違いであることはすぐに知れた。

 アスカの異様なほど朗らかな声が隣近所まで響きそうな勢いで上がる。

「きゃっははは、やっぱりーっ! 歯ブラシもコップも二つずつぅ!」

 それも片方が、片方がである。

「な、何ーっ!」

「イヤーンな感じぃ!」

「し、しまった・・・」

「なんやなんや、センセは勉強しにここに来たんちゃうんかい」

「本当は綾波と同棲するためだったんだな?」

「「ど、同棲だなんて、そんな」」

「時々泊まりに来るだけだよ」

「ただ朝御飯をいっしょに食べるだけよ」

 天然か故意か判然としないが、火に油を注ぎまくる似た者夫婦。

「う、裏切りもーん! 一人だけさっさと童貞切りよって、なんちゅう友達がいのないやっちゃ」

「いや、だから、まだそこまでは・・・」 

「これってそそうよねぇー」

 そそう。

 ああ何と恐ろしい響き!

 酒の席でうっかり先輩のコップに注ぐビールをほんのちょっとこぼしてしまったり、口を滑らして後輩の女の子にセクハラ紛いな事を言ってしまったり、イッキに失敗したりすると、たちまち周囲から上がる「そっそーお、そっそーお」の掛け声、突き出されるビールの中ビン! そして流れるリンダリンダのメロディー、ただし歌詞は「ビンだビンだ」である。

 宴会の華、酔っ払いの生み出した悪趣味の極み、ビンごとイッキ!

「そそうったって、ここには酒なんてあらへんやないか」

「ちっちっち・・・甘いなトウジ!」

 ケンスケは部屋の隅に丸めて置かれた、おそらくは戦自の放出品であろうボア付きのコートを引き寄せた。

 その内ポケットからまるで魔法のようにウイスキーのボトルが取り出される。

「じゃああああん!」

「ああ! お前宴会場からがめてきたんかい!」

「それにしてもセンス無いわねえ、ジョニーウォーカー? いっそナポレオンでも持って来ればいいのに」

 どうセンスが無いのかわからないが、そう言いつつアスカもやたらうれしそうに二本の日本酒を取り出す。

「おまえらなあ・・・」

 トウジは呆れたように呟いた。

「ちょっとやめてよ! それで一気飲みさせる気?」

「なあに言ってんのよ、ワクのくせに」

 ザルならまだ水滴が引っかかる物もあるが、ワクにはそれさえも全然無いと言う意味である。

「碇ならこれ位軽いだろ?」

「だから僕は受験生なんだーっ!」

「浪人生やろ」

「あうぅ・・・」

「碇君をいじめないで」

「じゃファースト! 代わりにあんたが飲むのよ」

「わかったわ」

「お願いだから勉強させてよ・・・」

 泣き言を言うシンジ。

 もちろん、誰もそんなものなど聞いちゃいなかった。

「なあに、あんな物が落ちてくるんじゃどうせ受験どころじゃなくなるさ」

「落ちる!」

 その一言に過敏に反応するシンジ。

「あ、いや、そうじゃなくって」

「うぐぐぐぐ・・・」

「あっちゃー・・・」

「ぷぷぷ、バッカねー、落ちるとか滑るとか言うんじゃないわよ、ただでさえ」

すぱんすぱーん!

「どアホ! 思いっきりゆうとるやんけ」

「・・・神経無いのね、あなたたち」

「わ、悪かったわ・・・」

「・・・で、なにが落ちてくるって・・・?」

 コキュートスに封じられた魔王サタンの呪詛のような不吉な響きを伴ってシンジの声が絞り出される。

「い、いや、だからぁ・・・」

 ケンスケはビビリながらも発令所で見たことを(誇張を交えながら)つぶさに話した。

 

 

 

「推定質量十億トンの宇宙船だあ!?」

「ああ、なんでも使徒ではないらしいんだけど、NN弾頭も通用しない化け物なんだってさ」

「なによそれ! あたしたちが散々苦労して使徒を倒したってのに、今度は宇宙人!? ふざけんじゃないわよ!」

 どうやら笑い上戸が一気に吹っ飛んでしまったらしいアスカが素に戻る。

「いや、俺に言われても・・・」

「ふん! 十億トンがなによ、サハクィエルと同じにA.T.フィールドで叩き返してやるわ! 行くわよ!」

「・・・どこへ?」

「あんたバカァ!? 出撃するに決まってるでしょ!」

「ちょっと待て! 出撃ったって・・・」

「ほらグズグズしてんじゃないわよバカシンジ!」

「冗談じゃない! 僕は受験勉強をしなくちゃならないんだ!」

「あ、あんたねえ・・・人類存亡の危機に大学だぁ?」

「だから何! そんなの関係ないよ!」

「そ、それでもサードチルドレン!? あんたみたいなのがなんでトップエースなのよ!」

「なりたくてなった訳じゃないよ! 使徒まがいの化け物(エヴァのことらしい・・・)と相性がいいなんて、何が羨ましいんだよ!」

 その言葉は、アスカの逆鱗を剣山で逆撫でした。

「あんた・・・もういっぺん言ってみなさいよ・・・」

 ドスの利いた声で言うアスカ。完全に目が据わっている。

「い、いやその・・・」

 あまりの迫力に硬直するシンジ。

「ちっと落ち着けやアスカ。シンジは凍結中の初号機の専属パイロットや。何も出撃することなんてあらへんやないか」

「・・・そうね、行くわよ」

「おう。シンジ、えらい邪魔して済まんな」

「いいよ、別に」

「アホトウジっ! そんなヤツほっときなさいよ!」

「だから俺の話を聞けえ! 

宇宙船が落ちてくるのは3週間も先だぁ!」

「は?」

「ほぇ?」

「え?」

「・・・」

「あ、あんたバカァ!? それを先に言いなさいよ!」

「惣流が聞かなかったんだろ!」

「自分のはっきりしない態度を棚に上げて人のせいにする気!? そうゆう大事なことはもっとハッキリ言いなさいよ!」

 随分と迂闊なことだが、やはり(シンジ以外)皆アルコールが入っていて頭が正常に機能していないのだろう。

「はあ・・・なんか気が抜けてもうたわ・・・飲むで!」

「そうだね、僕も勉強する気分じゃなくなっちゃったよ」

「私、氷とコーラ取ってくる」

 結局、そのまま全員が酔いつぶれるまで、台所にあった料理用の(安物の)日本酒とワインまで動員した二次会が決行された。

 

 

地球滅亡まであと25日

はたしてネルフは、チルドレンは、そしてエヴァは!

 


中編
ver.-1.10 2001!06/26  公開
ver.-1.01 1998+08/08 公開
ver.-1.00 1998+07/17 公開
感想随時受付中t2phage@catnip.freemail.ne.jp



 何てことだッ! フロッピーのデータが消えているッ! いや、読み出せないのかッ!? エクスプローラーには54キロバイトしか出てこないのにプロパティには1380ある!
 自分のホームページで公開予定だったプロジェクトエヴァンゲリオンも、シ者再来の外伝も、7割まで出来上がっていたアフタージェネシスのCパートも、ついでに授業のレポートも全部、全部、ずぇええええんぶ二進数の海の藻屑になってしまったぁ!
 
がーんがーんがーんがーん
「エリ エリ レマ サバクタ二(我が神、我が神、どうして私をお見捨てになったのですか)

(天の声)「そんなもの書いてる暇があったら前期試験の勉強をしなさい」

 しくしくしく・・・・
 ・・・ともあれ、今は後書きを書かねば・・・
 とりあえず問答形式で予想される突っ込みにフォローをいれておきましょう。

 

 
「不思議の海のナディアなんて見たこともねえのにネモ船長とかガーゴイルなんて出すんじゃねえよ。大体ワルダーってなあ何者だ?」
 
03
 普通は知りませんね。
 僕も小学校のころ見た「昔懐かしの特撮」(ゲストのデーモン閣下の異様に詳細な解説が秀逸だった)で見ただけだからはっきりとは覚えてないけど・・・
 ま、ガーゴイルみたいな顔をした怪人のことです。
 その御面相でヒロインの人造人間と文通(敵味方を超えた愛って奴ですか)していたのが妙に印象に残ってます。
 
 
「洞木ヒカリはどうしたのよ」
 
03
 いや、決して忘れていたわけでも、そんなに沢山のキャラクター書ききれないと言う理由でもありません!
 トウジは参号機改のパイロットだから、ケンスケはネルフに勤めている父親の代理で忘年会に出ていたという設定なんです。
 
 
 
 ま、フォローはこの辺にしておきましょうか。
 それにしても、エヴァの同人誌がだんだん少なくなって来ましたね・・・
 ぼくはコミックマーケットに行ったことは無いんですが、ファンロードと言う雑誌の同人誌紹介のコーナーでも今月は一つしかありませんでした。
 投稿ハガキもエヴァのネタが減ってきてるし・・・
 寂しいなあ・・・
 せめてメゾンはいつまでも活気の有る所でありますように・・・
 
                  ちょっとブルーな03;プリーチャー












 03;プリーチャーさんの『GREAT FALL』前編、公開です。





 重要な、機密バリバリの会議に潜入・・・


 途中で気付かれたとはいえ、
 彼の力は素晴らしい。


 相田ケンスケ。


 時代の諜報界のホープだ!



 ”常に迷彩服”などの奇行を自覚さえすれば・・・



 相田ケンスケ、相田ケンスケをよろしく〜





 さあ、訪問者の皆さん。
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