マルドゥック機関の報告書によって選ばれた最初の被験者、ファーストチルドレン。
エヴァンゲリオンプロトタイプ専属パイロット。過去の経歴は白紙…か。)
ここは学校、男子はバスケ、女子は水泳である。
試合に出ていない男子は女子のいるプールサイドを見ている。
「皆…ええ乳しとんなぁ…」
しみじみとトウジが呟く。
(これがあの彼女とはね…)
「お、センセ。熱心な目で何見とんねん?」
(日に日に波動が強くなってくる、覚醒は近いな…)
「センセ!」
トウジに呼びかけられ、少し焦るシンジ。
「え、あ、何?」
「いや…何熱心な目で見とったんや?」
「うん、綾波をね…」
「あ、綾波の胸…綾波のふともも…」
ケンスケとトウジが一緒になってにじり寄ってくる。
「綾波のふ・く・ら・は・ぎィ〜。」
「違うって。彼女の笑顔見た事無いなって思ってさ…」
「あぁ?そういや、あいつの笑ったとこ見た事無いなぁ…」
「笑顔どころかあの表情以外見た事無いよ。」
「同じエヴァのパイロットやろ?それでも見た事ないんか?」
「どうなんだ?」
「…見た事無いんだ。」
ネルフ第6ケイジ
シンジは初号機のチェックをしながら、
同じくで正面の零号機のチェックをしているプラグスーツ姿のレイを見ている。
そこにゲンドウが歩み寄っていく。
内容は聞こえないが楽しそうに見えるレイと、優しい微笑みを向けるゲンドウ。
(もう殆ど覚醒しかかってるな、後は何かのきっかけだけか…)
そこへレイとの話を終えたゲンドウがやってきた。
「シンジ、初号機の調子はどうだ?」
「ん?ああ、父さん。うん、いい感じだね。だんだん良くなってきてるよ。」
「そうか…、あまり無理はするなよ…。」
「解ってるよ。それより父さん、さっき綾波と何話してたの?」
「ああ、零号機の再起動実験の事をな…」
「そっか…無事に終わるといいね。」
「ああ…そうだな…」
葛城家
「なによぉ、これぇ。」
悲鳴にも似たリツコの声。
「カレーよ。」
間髪入れず答えるミサト。
「相変わらずインスタントな食事ねぇ。」
「お呼ばれしといて文句を言わない。」
リツコの分にカレーをかけているシンジ。
「ミサトさんは?」
「んふふ…じゃ〜ん。」
カップラーメンを差し出すミサト。
「これにかけちゃって、ドヴゥァッと。」
「…本気ですか?」
「やあねえ。いけるのよ。これ。」
「…………」
黙ってカップラーメンにカレーをかけるシンジ。
「最初からカレー味のカップ麺じゃこの味は出ないのよ〜。」
そう言ってさっさと食べ始めるミサト。
リツコとシンジは同時にスプーンを取り、同時に口にくわえる。
そして、筆舌しがたい味に一瞬硬直する。
「…これ作ったの、ミサトね。」
「…僕が作っておけば良かった…」
「それ、どういう意味? シンちゃん?」
「いえ、別に…。ところでリツコさん。」
「なに?」
「これ、もう少し強化してパレットガンの弾頭に詰め込む事は出来ます?」
ピクッと片眉を上げるミサト。
「…いいアイデアね、今度やってみるわ。」
「それ、ど〜ゆ〜意味かしらァ?」
ミサトはこめかみを痙攣させながらも、笑顔で尋ねる。
はっきり言ってかなり恐い。
その時隣の部屋からなにかドサッと言う音が聞こえてくる。
ミサトから逃げるようにシンジが覗くと…
「うわああぁぁぁ! ペンペン!!」
ペンペンが倒れていた。
「ミサトさん! ペンペンがミサトさんの調合したカレーを食べて倒れてますよ!!」
「あら? お口にあわなかったかしら?」
(対使徒兵器とまではいかなくても対人兵器としてはかなりの効果が期待できそうね…)
このやり取りを聞きながらリツコはかなり恐い事を考えていた。
「シンジ君。やっぱり引っ越しなさい。がさつな同居人の影響で人生棒にふること無いわよ。」
「もう慣れましたから。」
「そうよ、リツコ。人間の環境適応能力をあなどってはいけないわ。」
「そうですね、せいぜい反面教師にさせてもらいますよ。」
「そう? それならさぞかし立派な大人になれるでしょうね。」
ミサトのこめかみにでっかい青筋が浮かぶ。
「それにセキュリティーカード貰ったばかりですからね、また手続きするの面倒ですし。」
「あ、忘れるところだったわ。シンジ君、頼みがあるの。」
自分のバッグの中を探り出すリツコ。
やがて、一つのカードをシンジに差し出す。
「綾波レイの更新カード。渡すの忘れちゃって。明日、本部に来るときに届けてくれないかしら?」
「いいですよ。」
カードを受け取り、レイの写真に思わず見入るシンジ。
その様子を二人はニヤニヤしながら見ている。
「どうしちゃったの? レイの写真をまじまじと見たりして。」
「…え?」
「ひょっとしてシンちゃ〜ん。」
「…違いますよ。」
「相変わらず冷静ねェ。からかいがいのない…」
「ミサトと正反対ね。」
「んがぁ…」
「リツコさん。綾波ってどんな娘ですか?」
「いい娘よ。とても。あなたのお父さんと似て、とても不器用だけど。」
「なにがですか?」
「生きることが。」
「父さんは…なんて言うのかな?一つ目的を見つける或いは決めたら、突っ走る所があるんですよ。
だから周りからは不器用に見られがちですけど、あれで結構ちゃっかりした所があるんですよ。
だから父さんと一緒にするのはどうかと思うんですが…」
シンジの言葉にリツコは一瞬、硬直した。
翌日
シンジはレイのマンションにやってきた。
マンモス団地と呼ばれている場所である。
いや、呼ばれていたと言った方が正しい。
都市建設に従事した人々が住んでいたマンション街だが、今では人の気配はまるでない。
道路を挟んだ反対側のマンションの大半は壊されている。
今でも、どこからかマンションの取り壊される音が響いてくる。
そんな中にあるマンションの一室がレイの部屋だった。
(こんな所に一人で住んでるのか…)
インターホンは何度押しても鳴らないし、呼んでも返事がない。
(いないのかな?いや、確かに気配はあるな、鍵も掛かってないようだし…仕方ない、中に入るか。)
とりあえずドアを開けて覗き込む。
「綾波。いないの?」
解ってはいるが一応聞いてみる。
殺風景な部屋の中。
とても女の子…いや、人が住んでいるとは思えない。
「…こんなところに…住んでいるのか?」
シンジは吸い込まれるように中に入る。
部屋の奥には冷蔵庫があり、その上には一つのメガネが置いてあった。
「…父さんの?」
メガネを手に取ると、後ろでカーテンを引く音が聞こえた。
振り向くと、バスタオルを羽織っただけのレイがいる。
シンジは驚きもしない。
「やあ。」
右手を上げ、一言挨拶をする。
レイが歩み寄ってくる。
「…………?」
レイはシンジの手の中にあるメガネを引ったくるように奪う。
そして、服を着ながら、
「なに?」
と、静かに聞いてきた。
「カードを届けに来たんだ。リツコさんが渡すのを忘れたからって言ってたからね。」
レイの裸にうろたえもせず冷静に説明するシンジ。
「じゃ、カードそこに置いといて。」
相変わらず静かなレイ。
「ここでいいかな?」
シンジは冷蔵庫の上にカードを置く。
「ええ。」
「じゃ、外で待ってるから。」
シンジは足音も立てず部屋を出ていった。
部屋の外で待つシンジ。
しばらくしてレイが出てくる。
レイはシンジに一瞥をくれると、無視して歩き始める。
シンジは何も言わずついていく。
ネルフにつき、長いエスカレーターまで来たとき、シンジが初めて口を開いた。
「普通女の子は裸を見られたらもっと驚くんじゃないの?」
「そうなの?」
あっさりと言うレイ。
「そうだよ。それより今日は零号機の実験だったよね?無事に終わるといいね。」
返事をしないレイ。
「綾波は…僕の事知らない?」
「あなたは碇司令の息子。サードチルドレン。」
「違うよ、前世での僕たちの事。」
「???」
「やっぱりまだ思い出してないようだね…」
「何の事?」
「いや、いいんだ。突然わけの解らない事言ってごめん。今日の実験には僕も立ち会わせてもらうよ。」
「そう。」
それだけ言うとレイはさっさと先に行ってしまった。
第2実験場
「これより零号機の再起動実験を行う。第一次接続開始。」
「主電源、コンタクト。」
「了解。」
「フォーマットフェイズ2へ移行。」
そして、淡々と起動作業が進められ、ついに零号機は無事起動する。
連動試験を始めようとしたとき、電話を置いた冬月がゲンドウに報告する。
「碇。未確認飛行物体が接近中だ。恐らく、第五の使徒だな。」
「テスト中断。総員、第一種警戒態勢。」
「零号機はこのまま使わないのか?」
「まだ戦闘には耐えん。初号機は?」
「380秒で準備できます。」
「出撃だ。」
「はい。」
「レイ。再起動実験は成功した。戻れ。」
暗くなる零号機のエントリープラグ。
レイは大きく息を吐き出し、気泡が浮かんだ。
いまだ零号機を見つめているシンジ。
ゲンドウはそれに気づいた。
「シンジ、見ての通り再起動実験は無事成功した。ここは我々に任せて早く行け。」
「了解。」
(今度は一体誰が送られてきたんだろう…)
少し思い詰めた様子でシンジはケイジに向かった。
第三新東京市に接近してくる正八面体の使徒。
それが発令所のメインモニターに映し出されている。
エントリープラグのモニターを発令所のモニターと繋いで使徒の姿を確認するシンジ。
(あれは…ラミエルか…)
『目標は芦ノ湖を通過。』
『エヴァ初号機、発進準備。第一ロックボルト、外せ。』
「解除確認。」
『了解。第二拘束具除去。』
『エヴァ初号機、発進準備よし。』
「発進!!」
ミサトが号令をかけ、初号機が射出される。
その時、青葉が焦った声で報告をもたらす。
「目標内部に、高エネルギー反応!」
「なんですって!?」
「円周部を加速! 収束していきます!!」
「まさか…!」
地上に出る初号機。
「ダメ! よけて!!」
使徒からレーザーのようなものが発射される。
レーザーはビルを飴のように溶かし、初号機に迫る。
「!!!!?」
秀真:よかったナリね。
SL:一つのファイルに収まりきらんかった…
秀真:ついに前編、後編の話を作ってしまったナリね。
SL:悪いんか、あぁ?
秀真:掟破りナリ…
SL:誰がそんなもん作ったんや…
秀真:暗黙の了解ナリ。
SL:まあええわ…それより後編どうしよう…
秀真:さぁ?話は変わるけどメールが沢山きたナリ。
SL:確かにいっぱい来たな…でも、返事はも〜少し待ってくださいね(はぁと)
秀真:ただいま鋭意制作中ナリ。
SL:さて、Bパートを書くかな…
秀真:お返事は必ず書くのでまた励ましのメール待ってますナリ。
SL:でも、ほとんどできてるんだよな…
秀真:なにが?
SL:Bパート
秀真:をを!!なんと!!早すぎるナリ…
SL:でも、加筆、修正etcがあるから一度には公開できない…
秀真:いよいよあの人が出てくるナリね。
SL:あの人?あの人ってなんや?聞いてないぞ?
秀真:あの人の話はぜったいおいらが書くナリ!!!
SL:ああ、○○○○ね…
秀真:○○○○ってもしかして、要するに過去の呼び方?
SL:言うたらアカンやないか!
秀真:○○○○って言っても誰もわからないナリよ。
SL:次の話見たら絶対バレルって…、をを!もうこんな時間だ!
SL:はやいとこBパート書き上げんとあかんからもう帰るわ、ぢゃ!
秀真:伏せ字がわかった人メール下さいナリ。
秀真:それじゃあさようナリ〜