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転校初日からいきなりさぼるシンジ。

それに何となく付き合ったトウジとケンスケ。

三人の仲が深まるのに一時間とかからなかった。

「さてと、一時間過ぎちゃったし教室に戻らないか?」

「そやなぁ、しっかしかったるいのぉ。」

「でもトウジ、委員長にはなんて言い訳するわけ?」

ケンスケはいかにも困ったような顔をしてトウジに話かけた。

「ケンスケ、委員長ってだれ?」

「ああ、シンジはまだ知らなかったけ?」

「洞木ヒカリっちゅう、ごっつう恐い女じゃ」

「そうなのケンスケ?」

「まあね。」

「こないな所でぼやいとってもどうにもならへん、男やったら黙って席についたらええ。」

「そうだね、とりあえず教室に戻ろうか。」

三人はとりあえず教室に戻ることにした。

−教室−

教室の入り口にはヒカリが仁王立ちで待っていた。

「鈴原、相田それに碇君も何してたの!」

「い、いやわいはちょっと腹が痛かったんじゃ。ほ、ほんとやで、なあケンスケ。」

「トウジ、男は黙って席に着くんじゃなかったの?」

「誰にも苦手なもんがひとつっくらいあるんじゃ、シンジはわかってくれるやろ?」

「えっ?ま、まあね。」

「鈴原、誰が苦手なの?」

ヒカリはトウジ達以外にはかわいいと思える笑顔でトウジに詰め寄った。

「そ、それはやな。」

「それは?」

またもや笑顔で聞き返す。

そこにトウジが答えないのでボソッとケンスケが答える。

「委員長のことじゃないの?」

「へーえーそうなの鈴原?」

「堪忍や、委員長。」

「今日という今日は許さないわよ!」

「ひぇー」

トウジは脱兎のごとく逃げ去り、それを追いかけてヒカリも教室から出ていった。

「碇、今のうちに席に着こうぜ。」

唖然とした表情で今の光景を見ていたシンジ。

「ケンスケ、トウジっていつもああなの?」

「そうだな、そのおかげで俺はうまく逃げれるって訳さ。」

教室の中では女子達がなにやらヒソヒソと喋っている。

「ねぇ、あれが転校生の碇君?」

「そうじゃないの、結構かっこいいよね。」

「えー私はかわいいと思うけど。」

「ひさびさのアタリよねー。」

「うちのクラスっていい男の子いないもんねぇー。」

「なんかクラスが騒がしいみたいだけど。」

シンジがきょろきょろと辺りを見回す。

「シンジがこのクラスに入って嬉しいんだろ。」

それを何か考えごとをしている感じで言うケンスケ。

「そうなのかな?」

「ああ、これは久々に儲けれるかも・・・」

心ここにあらずのケンスケ、彼は頭の中でお金の計算をしているようだ。

キーン コーン カーン コーン キーン コーン カーン コーン・・・

−昼休み−

「さぁー飯や、わいはこのために生きとるんや。」

授業が終わっての第一声がこれである。

「トウジらしいね。」

「碇はパン買いに行かないのか?」

「あ、僕はお弁当作ってきたから。」

そう言ってかばんの中から弁当を取り出すシンジ。

「碇が自分で作ったのか?」

「うん、そうだけど。」

「すごいやっちゃのーシンジは。」

「そうでもないけど。」

ちょっと恥ずかしそうに頬を掻きながら言うシンジ。

「シンジ、後でちょいとつまませてーな。」

「いいけど、あんまり自信ないよ。」

「まっ、それを決めるのはわいや。」

「トウジ、急がないといいパンがなくなっちまうぜ。」

「そらいかん、ぱぱっと行ってくるさかい。」



「ふー今日もあいかわらずすごい混んどったのう。」

「あそこはまさに戦場だね。」

「そんなにすごいの?」

「そりゃもう、すごいなんてもんやないで。」

「パンの奪い合いだよ。」

「僕はいつも弁当だからわかんないよ。」

「そやシンジ、弁当つまませてや。」

「え、いいけどあんまり人にあげた事ないんだよね。」

「まぁええから、その卵焼きもらおか。」

「うん、いいよ。」

もぐもぐと卵焼きをほうばるトウジの顔が段々変わってくる。

それを心配そうにみつめるシンジ。

「ど、どうかな?」

「うまいやないかシンジ、これやったらそこらへんの女子にも負けてへんで。」

「そう?」

「ああ、奥さんも真っ青や。」

「なんだよそれ。」

「ははは、俺もおかしいと思うよそれ。」

シンジにはこれからますます過酷になるであろう日々の中の一時の安らぎであった。

−ネルフ内−

「どうシンジ君調子は?」

『え、一応基本操作は完璧にこなせますけど。』

「いや、そうじゃなくて学校のほうのことよ。」

『そうですね、まずまずってところですかね。』

「なによそれー。」

『秘密です。』

「もう、シンちゃんのいけず〜。」

『プライベートのことですから。』

「ちぇ、じゃあ今日もいくわよ。」

「エヴァの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、回収スポット。全部頭に入ってるわね?」

『はい、完璧です。』

「では昨日の続き、インダクションモード始めるわよ。」

『はい。』

ビィー

カシャン

内部電源に切り替わりライフルを構え目標を撃つ。

一つ一つ冷静に目標を撃っていく。

その狙撃は正確に敵を打ち抜き、詰まらなそうにその作業を続けるシンジ。

「しっかしまぁ、よくあれだけ正確に同じ所を打ち抜けるわねぇー。」

「一言でかたずけるんなら天才とでもいうのかしら。」

「天才なんてもんじゃないわよ。」

「そういえばミサト、あの子のこと何かわかった?」

「それが聞いてよリツコ、なんとビックリ過去のデータが抹消されてたのよ。」

「何故かしら?」

「さあ、どうせ司令のさしがねでしょ。」

「余計な詮索はするなってことかしら。」

「さあねっと、シンジ君上がっていいわよ。」

『はい、わかりました。』

「解んないもんはしょうがないし、前向きにいきましょ。」

「で、どう前向きにいくの?」

「晩御飯。」

「は?」

いきなり脈絡のない事をいうミサトにハトが豆鉄砲をくらったような顔をするリツコ。

「シンちゃんたらお料理上手なのよーっていうか家事全般かな。」

「そう、家事が何にもできないミサトにすれば大助かりね。」

あきれた表情でリツコが答える。

「そうそう、ってどういうことよ!」

「言ったとおりだわ。」

「もう!あっシンジ君お疲れー、一緒に帰りましょ。」

「はい、それじゃあ帰りにスーパーに寄って欲しいんですけど。」

「お安い御用よん、徹夜でしわが増えてるリツコはほっといて行きましょ。」

「ミ、ミサトさん?」

「そこの口うるさいのを早く連れってちゃってシンジ君。」

「お疲れ様でした。」

「お疲れ様。」

「じゃねー。」

ミサトがシンジをからかいながら通路を歩いていく。

「・・・そんなに入れ込むと後が辛いわよ。」

そんな事をつぶやき目の前のコンソールを黙々と打ち込むリツコ。

−自宅−

ミサトの目の前には天地がひっくり返っても、とても自分では作れない料理が並んでいる。

「ぷはーっ、やっぱフロ上がりのビールは最高だあね。」

ミサト御満悦・・・これでいいのか?29歳。

「どう?シンジ君もちょっちだけ(はぁと)。」

「しょうがないなぁ、ちょっとだけですよ。」

*お酒は二十歳になってから*

「あらシンちゃんいけるじゃない。」

「ところでもうエヴァには慣れた?」

「ええ、だいぶ。」

「ほんとシンちゃんって天才かしら、アスカよりもすごいかも。」

「誰ですか?」

「ドイツに居るセカンドチルドレンよ。」

「セカンドチルドレンですか。(多分海外で感じた波動はそれだな。)」

「そうよ−ん、結構可愛いんだけどちょっち性格がね−。」

「問題ありなんですか?」

「そうなのよ−、気になる?」

「ええ、まあ少しは。」

「シンちゃんも男の子だんもんねー。」

徐々に酔いがまわりオヤジモードに変わってきたミサト。

「そういうんじゃないですよ。」

「そう言えばシンちゃんはなんでエヴァに乗るわけ?」

「大切なものがあるから、それを護りたいだけですよ。」

「ふぅん14才の台詞じゃないわねー、もしかして年誤魔化してんじゃないの?」

「正真正銘14歳の子供ですよ!」

「やーねぇ、冗談よ、冗談。」

「料理冷めちゃいますよ。」

「もー拗ねないでよ。」

「拗ねてなんかいません。」

「シンちゃんの作った料理っておいしいわよね。」

ミサトはそう言いながら急に料理を食べはじめる。

「取ってつけたような言い方ですね。」

「ほんとだってば、私じゃこんな料理作れないもん。」

「そうですね、ミサトさんじゃ作れませんよね。」

「ぐっ、シンちゃんて意外と根に持つタイプなのね。」

「そうですか?それじゃ僕はもう寝ますんで片づけぐらいお願いしますよ。」

「はいはい解りましたよ、お休みなさーい。」

「お休みなさい。」

そう言うとそそくさとシンジは部屋に帰ってしまった。

−昼休み屋上−

「で、なんで屋上なの?」

「アホやなぁシンジ、今日みたいな天気のええ日は外で飯を食うのがええんや。」

「だとさ。」

「そんなもんかな?」

「そや。」

「さっさと食っちまおうぜ、でないと昼休みが終わっちまう。」

「そうだね、食休みもしたいし。」

「おう、飯を食った後ぼぉっと空眺めとんのもなかなかええもんやで。」

なんだか爺臭い中学生である。

そして昼食を取り終わった三人は本当にぼぉっとしていた。

「平和やなー、この前の特別非常事態が嘘のようや。」

「なんか化け物が出たって話だぜ、シンジも知ってるだろ。」

「え、うんまあね。」

まさかここに居る少年がその事件の関係者だとは二人は夢には思うまい。

そんな静寂を破るかのように屋上の扉が開く。

そこに三人の視線が集まる。

三人の視線の先には空色の髪と赤い瞳の少女。

「綾波・・・」

「碇君・・・非常召集、先に行くから・・・じゃ。」

「うん、わかった。」

そう言うとレイは来たときと同じようにすたすたと行ってしまった。

「わかったてどういうことや?」

「一応僕はネルフの関係者なんだ・・・」

「軍人なのか?」

「今は急ぐから詳しい話はまた後で話すよ。」

シンジは申し訳なさそうな顔をすると二人に背を向けた。

その顔は二人には見せた事のない厳しい顔になっていた。

(こんどはシャムシエルが来たか・・・)




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ver.-1.00 1998+05/01公開
感想・質問・誤字情報などは sl@555.104.net まで!


秀真:ふぅー、疲れたナリ。秀真:ふぅー、疲れたナリ。

SL:おつかれ。

秀真:いやーそれほどでも。

SL:進んでないな。

秀真:だってほら、学校も始まったし。

SL:理由にならん。

秀真:三国志Yもあったし。

SL:それで?

秀真:僕3歳。

SL:・・・言いたい事はそれだけか?

秀真:男は黙って煙草を吸う。(意味不明)

SL:遺言はそれでいいな?

秀真:内容的な事にいかない?

SL:そんな事しらん。

秀真:・・・・・・・・

SL:内容といってもペラペラではないか。

秀真:うぐっ、確かに今回は自分でもそう思うナリよ。

SL:単に戦闘シーンを書きたくなかっただけだろうが。

秀真:そこまでいかなかったの!

SL:今日のところはそういう事にしといてやろう。

秀真:GW中に充電しとくナリ。

SL:そう言えば今回遅かったのは自分のネタを考えてたかららしいな。

秀真:・・・ネタっていえるほどの物じゃないけどね。

SL:俺が本編書いてる間に書き上げようって腹だろうが。

秀真:いや、ただこういう話でも作ってみようかなって思っただけ。

SL:まあよい、次は俺の番か・・・戦闘シーンねぇ・・・

秀真:GW中ディスクの受け渡しが出来ないから短編でもやろうかねぇ。

SL:まあその辺は勝手にすればよかろう。

秀真:××君って冷たい・・・

SL:俺は冷たい奴だよー。

秀真:いつか反乱が起こるなこういう上司は。

SL:・・・いつから上司になったんだ?

秀真:始めっから。

SL:あっそ。じゃあ、馬車馬のよ〜に働けよ下僕。

秀真:そんな誰かさんじゃあるまいし。(内輪ネタ)

SL:それじゃー今回はこの辺でお開きという事で。

秀真:毎回、毎回後書きが長くてすみませんナリ大家さん。m(_ _)m

SL&秀真:それじゃ〜、さよ〜なら〜(ナリ〜)




 SL&秀真さんの『Seraphic feather』第三話、公開です。



 ゴールデンウィークに入って、
 投稿が少なくなってきて楽だなぁ

 なんて感じる今日この頃−−−ではないんです・・・


 どうにも貯蔵庫を置いているサーバの調子が悪くて、
 なんたらかんたら修繕しまくっています(^^;


 そこの目処が立ってきたら、
 今度は掲示板の様子がおかしい−−

 もう、もう、面倒臭いな (;;)





 私もシンジの料理を食いたい。

 リフレッシュしたい・・・


 



 さあ、訪問者の皆さん。
 5月一発目のSL&秀真さんに感想メールを送りましょう!



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