「言ったでしょ、大丈夫だって。」
「シ、シンジ君。君は一体…。」
冬月とゲンドウはさすがに驚きを隠せないでいた。
シンジは無意識に纏うシールドで、弾丸を防いだのだ。
「こんな事が出来るようになったのは六歳からです。何故こんな事が出来るようになったかは僕にも解りません。」
「シンジ・・・お前は使徒なのか?」
ゲンドウはあくまで冷静を装いシンジに尋ねる。
「違うよ、父さん。それに使徒ならATフィールドで防ぐはずだよ。」
「そうか…。」
「とにかく、これで護衛の必要はない事は解ったでしょ?」
「しかしシンジ君、相手は銃で襲ってくるとは限らんのだよ。」
「大丈夫ですよ、僕はN2兵器でも無効化する事が出来ますから。」
「解った。護衛の必要はないだろう。」
「しかし碇…。」
「冬月、問題ない。」
「解った…。」
しぶしぶ了解する冬月。
「条件はそれだけなのか?」
「あと、住む所を用意して欲しいんだ。」
「碇と同居では嫌かね?」
「いえ、ネルフの総司令とパイロットが同じ場所に住むと襲撃される確率が上がります。」
「確かに…。」
冬月は感心した目でシンジを見る。
「解った、用意させよう。」
「このくらいかな…。後、父さんと2人きりで話しがしたいんですけど…。」
そう言って冬月を見る。
「碇、俺は外に居るからな。」
「ああ。」
その視線の意図を理解した冬月は司令室を出ていった。
暫しの沈黙。
「父さん。父さんが母さんのサルベージ計画の為に、僕を道具としてみているのは知ってるよ。」
ゲンドウはさすがにこの言葉には驚いた。
「そうか…。」
「でも、気にしなくてもいいよ。母さんに戻ってきて欲しいのは僕も同じだしね。」
(そして、この戦いは僕の過去の清算でもあるからね…。)
「今まで済まなかったな、シンジ…。」
ゲンドウは頭を下げた。
シンジは少し驚いた表情をしたが、すぐに微笑んで、
「気にしなくていいって言ったでしょ。そりゃ、最初のころは怨んではいたけど今はもう許しているよ。」
「…ありがとう。」
「とにかく、母さんのサルベージには僕も協力するよ。話はそれだけだから、もう行くよ。」
「ああ…。」
シンジは司令室のドアの前で立ち止まって、
「…父さん、母さんが帰ってきたら3人で暮らせるよね?」
「ああ…、そうだな…。」
ゲンドウのその言葉を聞くと、司令室を後にした。
シンジと入れ違いに冬月が司令室に入ってくる。
「碇、いい息子を持ったな…。」
「ああ…。」
(早く帰ってこい、ユイ。そして家族3人で暮らそう。)
そこにはネルフの総司令ではなく、父親としてのゲンドウがいた。
シンジはミサトを探し歩いていた。そこで一人の少女とすれ違う。
「!」
慌てて振り返るシンジ、しかし少女は廊下の角を曲がって消えていった。
(今微かに波動を感じたんだけど…、あの娘は一体…?)
「空色の髪…か。」
−喫煙所−
そこにはミサトとリツコがいた。
二人で何やら話し込んでいるようだ。
「シンジ君って一体何者なの?」
「さっきも言ったでしょ、私も解らないって。何なら本人に直接聞いてみたら?」
そう言ってミサトの後ろを指差す。
引きつった笑いを浮かべてそ〜っと振り返る。
「あ、あらシンジ君…いたの?」
「そういう事は、本人のいない所で話してくださいね。」
笑顔で答えるシンジ。
「…はい。」
ミサトはバツが悪そうにそう答えた。
ニヤニヤしているリツコ。
「あによぉ、教えてくれてもいいじゃない。」
「私は教えたわよ、ちゃんとね。」
「う〜。」
悔しそうにうなるミサト。
それを無視してリツコはシンジに話しかける。
「ところでシンジ君、司令との話はどうだった?」
「ええ、条件は飲んでくれました。そういう訳なんで、改めてこれからよろしくお願いします。」
「そう、こちらこそよろしく。」
「ところで、さっき廊下で空色の髪の女の子とすれ違ったんですが、あの娘もパイロットなんですか?」
「ああ、レイのことね。ええ、そうよ。」
「レイって言う名前なんですか、あの娘…。」
「綾波レイ、ファーストチルドレンよ。と・こ・ろ・でぇ〜。」
ミサトの顔がにや〜っとなる。
「気になるの?シンジ君もやっぱり男の子ねぇ〜。」
「まあ、気になると言えば気になりますね。」
(さっきの波動、あれは確かに…)
「いや〜、若いっていいわねぇ〜。」
ミサトの方はあえて見ずに話を進めるシンジ。
「ファースト?そう言えば僕の事はサードチルドレンって言ってましたよね?」
「ええ、それがどうかしたの?」
「てことは、セカンドチルドレンも居るんですよね?」
「ええ、今ドイツに居るわ。」
「そうですか。」
「ところでシンジ君、住む所はどうするの?」
「え?住む所ですか、すぐに用意するって父さんは言ってましたけど。」
「碇司令と同居じゃなくていいの?」
「ええ、その方がいいんです。」
「まあ、確かに襲撃でもされて最重要人物が一気に2人も居なくなるよりはマシね。」
「ま、そういう事です。でも、一人ってのはやっぱり寂しいですけどね…。」
「それならシンジ君、私ん家こない?」
ミサトがとんでもない事を提案する。さすがに驚く二人。
「ええ!?」
「ちょっと、何言い出すのよ!」
「だぁ〜いじょぶだって、コドモに手ぇ出すほど飢えてないわよ。さ、行きましょ。」
そう言ってシンジを引きずっていく。
唖然として見送るリツコ。
「ミサトさ〜ん!」
そこにはシンジの叫び声だけが響いていた。
−コンフォート17−
「シンちゃん、ど〜したの?コップの中身が減ってないわよ〜。」
(何故僕はここに居るんだ?)
何故こうなったかは少し時間をさかのぼる事になる。
−47分前−
「シンジ君の荷物は届いてる筈なんだけど…。」
辺りを見回すミサト。
「…あれ?おっかし〜な、なんでないんだろ?」
「送るほど荷物なんて無いんですけど…。」
「あ、そうなの?ならいいわ。」
ドアのロックを解除して、シンジを招き入れるミサト。
「さー入ってぇ。ちょっち散らかってるけどさ。」
ミサトの後に続いて中に入るシンジ、そこに見たものは…読者の想像にお任せしよう。
「新しい同居人にかんぱ〜い♪」
「いいんですか?僕、未成年ですよ?」
と言いつつミサトに付き合うシンジ。
「保護者が許すって言ってんだからいいのよ。」
と、まあこんな感じである。
時間を戻そう。
「シンちゃん、ど〜したの?コップの中身が減ってないわよ〜。」
「ところでミサトさん、さっきから一緒に飲んでるこのペンギンは?」
「ああ、彼は新種の温泉ペンギンで名前はペンペン。ヨロシクね。」
「クア。」
ミサトに紹介されるとペンペンは右手?を上げて挨拶?をした。
「お前も大変だな…こんなご主人様で…」
思わずペンペンに同情してしまうシンジだった。
「ちょっとシンちゃん、それど〜ゆう意味ぃ?」
「いえ、そんなに深い意味は…」
(ま、こんなのもいいかな…)
こんな様子で葛城家の夜はふけていった。
−翌日、第壱中学−
シンジは教室に入って自分の席を探す。
その時見覚えのある空色の髪が視界に入った。
(綾波レイ…か。)
シンジはネルフですれ違った時の感じを思い出していた。
(やはり…弱い波動だが感じる…。覚醒しているのか確かめる為にも挨拶くらいはしておくか。)
窓の外を眺めているレイにシンジは近づいて声をかける。
「おはよう、綾波さん…だよね?」
レイはいきなり声をかけられたにも関わらず、驚きもせずに振り返る。
だが、すぐに窓の外に視線を戻す。
(この様子だとまだ覚醒しきってないな…。しかしそれも時間の問題か…。)
シンジは自分の席に荷物を置くと、屋上へと向かった。
(この世界に何人降臨してるんだろう…。)
「よし、確かめてみるか…。」
シンジはそう呟くと意識を集中させ始めた。
(近くに弱い反応…これは綾波だな…。)
(ん?すぐ近くにもう一つ…かなり弱いが確かに…。)
(後一つあるな…。かなり遠い、これは…海外だな。)
(…もう無いみたいだな。)
「ふう。」
シンジが一息つくと、後ろから声が聞こえた。
「転校生がこんなとこで何してんだ?」
「なに?あいつか?転校生っちゅーのは?」
シンジが声のした方を向くと、眼鏡をかけた少年とジャージを着た少年が階段を上ってきた。
「え…っと、君たちは?」
「ああ、俺は同じクラスの相田ケンスケ。」
「わいも同じクラスやで。鈴原トウジや。」
「僕は碇シンジ。シンジでいいよ。」
「じゃあ俺もケンスケでいいよ。」
「わいもトウジでええ。」
自己紹介が終わった所で、ケンスケが最初の疑問をシンジに尋ねる。
「ところで、シンジはここで何してたんだ?」
「ああ、ちょっと風に当たってたんだ。」
「それより、もうすぐ一限目が始まるで。はよいかんでええんか?」
「君たちは?」
「突然頭痛がね。」
「わしは腹痛や。」
シンジはその言葉の意味を悟ると、苦笑しながら答える。
「僕はちょっと気分が悪くて…。」
屋上からは三人の笑い声が聞こえてきた…。
SL:ああっ!
秀真:ふぅー(煙草をくゆらせながら。)
SL:・・・突っ込んでよ。
秀真:メタルはいいねぇー
SL:か、会話がかみ合ってない・・・(頭を抱える)
秀真:君もそうおもうだろ?
SL:呪ってやるぅぅぅぅぅぅぅ(月に向かって)
秀真:突っ込んでほしいの?
SL:わおーーーーーーーーーーーん(まだ吠えてる)
秀真:ゲンドウが変わってるナリよ・・・
SL:仕方なかったんやぁぁぁぁぁ!!!
秀真:怪しさの美学というものがあるナリよ。
SL:ゲンドウファン(そんなのいるのか?)の皆さんごめんなさい。m(_ _)m
秀真:ここにいるナリ!
SL:あ、そうなの・・・(前からおかしな奴だとは思っとったが、ここまでとは・・・)
秀真:僕の気持ちを裏切ったなー(意味不明)
SL:どーでもいいが、さっきから↑こんなんばっかやな。
秀真:それはね・・・内容にふれたくないからさ。
SL:(ほっとこ。)メ−ルをくださった皆様、どうも有り難う御座います。
秀真:でも、HIT数の割にメールは・・・もちっと反響を聞きたいかな?
SL:皆様のご期待に添えるよう努力致しますので、ご声援よろしくお願いします。
秀真:誹謗中傷は・・・痛くしないで・・・ね?
SL:そういえば・・・前回はよくもやってくれたな。
秀真:ニヤリ
SL:・・・殺ス!
秀真:ぽっくんは何も知らないナリ。
SL:夜道を歩くときは360°に注意を払えよ・・・
秀真:過去の事は奇麗さっぱり忘れて未来に向かって生きなきゃ。
SL:ふふふふふふふふふっふふふふふふっふふ・・・
秀真:ちなみに、秀真←これって読みにくい?
SL:ふっふふふふふふふふふふふふふふふ・・・(トランス状態)
秀真:無視した方がいいかな?ええと秀真←これはほつまと読みますので宜しく。
秀真:次回は秀真が生きていたらあります。
秀真:ではさようナリー。
SL:ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・