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トントントントン…

ジュ〜ジュ〜…

いつものように私は夕飯の準備をしてる。でも、今日はちょっといつもとは違うの。

「ママ、早く行こうよぉ〜」

「ん〜、まだちょっと時間があるからこれが終わったら行きましょ、シンヤ。」

「うん!」

フフッ、この子もパパが大好きなのね。

プライパンを返して…終わりっと。

「ん〜、ちょうどいい時間ね。じゃ、パパのお迎えに行きましょうか?」

「はやくはやく!」

「フフッ、そんなに引っ張らなくても十分間に合うわよ。」

「でもぉ〜。」

拗ねたような顔も碇君そっくり。

……あ!いけない、今は私も『碇』だっけ。

私が『碇』レイになって、もう五年になるのね…。

大学時代にアスカとシンジ君を巡って争ったのがまるで昨日の事のようだわ…。

「ママ?」

「な、何でもないわ。さ、ちゃんと戸締まりしてから行きましょ。」

「うん!」




テクテク…

「ママ、きょうはなんでびょーいんにいったの?」

「シンヤの弟か妹が出来たのよ…。」

「え!?ホント?」

「ホントよ。」

「やったぁ!」

「それじゃ、パパを驚かせてあげましょ。」

「うん!」

この事はまだシンジ君には知らせてないの。…だってシンジ君の驚く顔が見たいから。

「それよりシンヤ、幼稚園は楽しい?」

「うん!だって、メグミちゃんとヒトミちゃんがいるもん!」

「フフッ、そう…よかったわね。」

「そ〜いえば、メグミちゃんとヒトミちゃんのママが『また遊びに行くわ』だって。」

「そう、アスカとヒカリが…その時はごちそう作って待ってるって言っておいて。」

「うん!あしたふたりにつたえとくね!」

今じゃ二人も一児の母なのね…。

でも、ヒカリは当然鈴原君と結婚したけど、アスカがあのカヲルとねぇ…今でも信じられないわ。

それにしても、シンヤもやるわねぇ…お嫁さん候補がもう二人もいるなんて。

メグミちゃんもヒトミちゃんも、私とアスカみたいに苦労しそうね…。

「???ママ、どーしたの?」

「フフッ、メグミちゃんとヒトミちゃんも苦労しそうだなって思ったのよ。」

「なんで〜?」

ほらね。シンヤも父親譲りで鈍感だから…。

「ねぇ、なんで〜?」

「フフフッ、まだシンヤには難しかったかな?」

「う〜。」




ガタゴトガタゴト…

フゥ…今日は忙しかったなぁ。

でも、忙しさの割には早く帰れたからいいや…

今日は満月か…綺麗だな。




テクテク…

「ママ、おつきさまきれいだね。」

「ええ、そうね…今日は満月ね。」

ホントに綺麗ね。今日はシンジ君と二人で月を見ようかしら?…季節外れだけど。

「ママ、まんげつってなあに?」

「満月って言うのはね、お月様がまんまるの時の事を言うのよ。」

「ふぅ〜ん…まんげつかぁ……なんだか、ママみたいだね。」

「え!?」

多分私の顔は赤くなってると思う…もう、何てこと言い出すのよこの子は。

…でも、やっぱり親子ね…シンジ君も同じような事言ってたもの。

『アスカが太陽だとしたら、綾波は満月だね…』

アスカが出てくる所がちょっと不満だけど…いいの、今は私の旦那様だから…。

「ママ、かおがあかいよ。どうかしたの?」

「シンヤが変な事言い出すからよ…もう。」

あ…駅が見えてきたわ、シンジ君あの事知ったらどんな顔するかしら?

「ママ、パパもうついてるかなぁ?」

「さぁ?…あ、ちょうど電車が着いたみたいね。多分あれに乗ってるわよ。」

「じゃあ、はやくいこうよぉ〜」

そう言ってシンヤが私を引っ張る。フフッ、そんなに早くパパに会いたいのかしら?

「はいはい、行きましょ。」




−改札−

ふぅ、早く家に帰ってシンヤの相手でもしてやるかな?

あれ?あそこにいるのは…間違いない、レイとシンヤだ。

なんだろ?……もしかして迎えに来てくれたのかな?

「お〜い、レイ!シンヤ!」




あ、シンジ君だ…やっぱりこの電車に乗ってたのね。

私は微笑んで小さく手を振る。

「パパ!むかえにきたよ〜」

「お帰りなさい、あなた。」

「ただいま。レイ、シンヤ。」

やっぱりシンジ君は笑顔で答えてくれる。私もシンヤもこの笑顔が大好きなの。

「ところで、今日はどうしたの?駅まで迎えに来てくれるなんて…」

フフフッ、それは帰り道で教えてあげる。

「パパ、それはね…」

「コラ、シンヤまだ言っちゃ駄目よ。」

「何の事?レイ。」

「帰り道で教えるわ。それまでもうちょっと秘密。」

「ふ〜ん…じゃあシンヤ、肩車してあげるから何の事か教えてくれるかな?」

あ、目標をシンヤ一人に絞った…もう、しょうがないわね…。

「うん!あのね、パパ…」




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ver.-1.00 1998+05/19公開
感想・質問・誤字情報などは sl@555.104.net まで!


え〜と、SLです。

遂に書いてしまった…どうしよう?

あ、そうそうちなみにこのお話は本編終了後の数年後という設定です。一応、念のため。

多分元ネタはバレバレでしょうが『ほのぼのとしたのもいいなぁ〜』と、思って書いちゃいました。

あえて元ネタを言わせてもらえるならば、クレ○ンシ○ちゃんのEDアニメからです。

それと、子供たちの名前なんですが……思い付きです。

また機会があれば短編の方も書きたいと思ってるので、本編ともどもよろしくお願いしま〜す。




 SL&秀真さんの『ある満月の夜』、公開です。





 秀真さんのアスカ版に続いて、
 SLさんの綾波版です(^^)



 1つの本編からでた
 二つのその後物で、

 全然違う世界になっていますね。

 パラレルワールド!?

 アスカ人の秀真さんと
 綾波stのSLさんの戦いだ〜



 一人ずつで書いているSSと
 交互に書いているような合作での連載。



 引っ張り合いが面白くなるかも♪



 さあ、訪問者の皆さん。
 今回作者のSLさんと相方の秀真さんに感想メールを!



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