『西方漫遊記演舞』
第4劇
Written
NASA
昔々、まだ神族,魔族,人族の領域が別れていなかった頃のお話です。
前回は、洞窟に入り込んできたガイコツ剣士達をアスカが1撃で倒したところまででしたが、今回は、少し時間を溯ります。
レイは、シンジがアスカの洞窟に転げ落ちたのを上空より見守っていました。
『・・・・このままでは、イカリ君が危ない!! アスカの毒牙に掛かってしまう』
(^^;;その頃、サキエルくんとガイコツ剣士達は、洞窟に転げ落ちた聖者シンジを見失っていました。
「皆さん、手分けして聖者を探しなさい。」
(がしゃん)(がしゃん)(がしゃん)(がしゃん)
レイは、どうやってアスカがシンジを下僕にするの食い止める考えていました。
『聖者に手助けをしてはいけない約束だけど、
直接アスカの邪魔をすると後が恐いし、
そうだ! シトの手助けをしてはいけない約束はないわ。』
(^^;;レイは、これは名案だとそそくさとサキエルくんの処に降りて行きました。
「サキエルさん、聖者の居場所なら知っているわ。」
「これは、マドモワゼール・レイ、いったい何ですか?」
「私は、早くあなたと聖者の決闘が見たいだけなの。
それにシトに手助けをしてはいけないルールではないはずよ」
サキエルくんは、レイの申し出に脂汗をかきながら、
「わかりましたマドモワゼール・レイ、ガイコツ剣士第1分隊を貸しましょう。」
(^^;;で、レイはガイコツ剣士をアスカの洞窟まで案内し、洞窟の前で指揮をしていました。
「ものども、中には狂暴は赤毛サルと聖者が居る、
赤毛サルは殺してもよいから、聖者を連れておいで」
ガイコツ剣士は、無言で洞窟の中に行進していきました。
(がしゃん)(がしゃん)(がしゃん)(がしゃん)
「旋風牙!」(どこーーーーん!!)
ガイコツ剣士は、全滅、おまけに入り口から覗いていたレイは、余波で谷底に落ちてしまいました。
「アスカーーーーーーーッ、覚えてなさい。」
こうして、レイの野望は潰えました。(訂正 m(
_ _)m)
アスカは、まずシンジに教え込みました。
「シンジ、これから一緒に旅するんだから、そのアスカ様は止めなさい。
『雇い主と助っ人』『主人と下僕』でギブ アンド テイクなんだから。
いい、アタシの事は、アスカと呼びなさい。シンジ」
(*^^*)と、約束の宣言をした後、アスカは、そこいらに転がっているガイコツ剣士を一瞥してシンジを尋問していました。
「シンジ、アンタなんでガイコツ剣士に追われていたの、
ほらほら、ハケーーッ!!
一体何で狙われているのよ!!」
:
:
前世?の記憶よりアスカに逆らえないシンジは、洗いざらい喋りました。
アスカは、シンジとサキエルくんの決闘について考えたのち、
「シンジ、今から特訓よ!」
と、仁王立ちの指差しポーズでシンジに宣言しました。
シンジは、アスカがサキエルくんを倒してくれるものと思ってあからさまに反論しました。
「えーーーッ、アスカが戦ってくるんじゃないの? だから僕は、契約書にサインしたんだよ。」
アスカは、苦虫をかんだ顔で答えました。
「だって私より先にサキエルくんとアンタの母さんが変な約束するからいけないのよ・・・・・」
シンジは、母親の先約を出されては、しかたがありません。しぶしぶアスカに従いました。
シンジは、「雨の日」も「風の日」も「雪の日」も休まず丸1日特訓しました。
....
そして、夕刻シンジは、アスカの特訓でボロボロになって転がっていました。
アスカは、シンジのお粗末さに考え込みました。
『このままでは、サキエルくんに嬲り殺しだわ。
せっかく手に入れた下僕を殺すなんてできないわ。
そうだ! 先日殺された26人の従者の仇討ちにすれば、堂々と助っ人できるわ。』
アスカは、早速考え付いた悪知恵をシンジに吹き込みました。
「・・・・アスカ、それって騙し撃ちじゃないの。」
「あんたぁ〜〜ばか〜〜
騙し撃ちでもズルでもして勝たなければアンタの命があぶないのよ!」
「でも、アスカ。その格好を見たらサキエルくんは、一目でアスカとわかるよ。」
「心配御無用、はあーーっ、変化!!」
と、アスカは気合1つで絢爛豪華な神族の格好から質素な街の娘に変わりました。
「シンジーーッ、どう?似合う。」
「うん、うん、どこから見てもタカビーなアスカとは、思えないよ。」
(バチーーーン)「シンジ、下僕のくせに一言多いわよ。」
(−−#)「やっぱり、アスカだ。」
(TT)
明朝、聖者シンジと街の娘アスカは、山頂のサキエルくんの処までやってきました。
サキエルくんは、蔑む様に話し始めました。
「これは、聖者どの昨日はいかがされました。小生の部下に向かわせに行きましたが・・・・・」
サキエルくんの話を遮ってアスカが、仇討ちの決まり文句を言い始めました。
「父、身代わり君Xの敵サキエルくん、いざ勝負!!」
サキエルくんは、突然の乱入者に驚きました。
「我が輩の神聖なる決闘を汚すの誰だ!」
アスカは答えずに仇討ちの口頭を繰り返しました。
「父の敵サキエルくん、いざ勝負!!」
サキエルくんは、決闘を邪魔されて憮然としてアスカを払いのけようとしましたが、アスカはシトの「心の壁」の内側に入り込むと奇声を上げてサキエルくん襲いかかりました。
「チェストーーーーーッ」
サキエルくんは、人族の娘と見下していた為、避けられずにアスカの「マサカリ」で一刀両断に切り捨てられました。
「ヒキヨウモノーーーーーーッ」
(××)と、叫ぶとサキエルくんは爆発しました。
ちゅどーーーーん!!
アスカは、その爆発を見て得意のポーズで、
「正義は必ず勝つ!!」
(^^)凸と、宣言しました。
側の木陰に隠れていたシンジは、涙ウルウル状態で、
「アスカ〜〜〜ッ、オメデトウ」(;;)
と、声をかけました。
アスカは、ちょっと頼りないシンジを見て、
「当たり前でしょ、天下無敵のアスカ様より強いものなんてないわ!!」
(^^)凸と、宣言しました。
「そんな応援より、シンジ。朝ご飯まだ?
昨日の契約にあったでしょ。アタシの賄い。」
(^^)アスカは、早速シンジに下僕の用件を申し付けました。
アスカの強さを見せつけられたシンジは、よろこんで食事の支度を始めました。
「うん、アスカ待ってて、初勝利のお祝いにご馳走を作るから。」
(^^)
こうして、アスカとシンジは、最初の難関の雷猿山を突破しました。
追記:アスカが去った雷猿山は、その後雷の鳴らず、猿の静かになり、元の名も無い山に戻りました。(メデタシメデタシ)
もちろん、雷猿山から街までの道中、アスカの身の回り世話は、シンジが全てやったのは書くまでもありません。
でも、2人の心の中は、
『なかなか、気のつく下僕じゃない、ペットに位上げしてあげようかしら。』
『逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ』
と、シンジはひたすら耐えて奉仕していました。
アスカは、シンジが逃げださないように、たまには「飴」を与えました。
「シンジ、今日からアンタはここで寝なさい。」
(^^)と、アスカは自分の寝床の横を指しました。
「えっ、ア、アスカ、いいの」
(*・・*)「いいのよ、その変わり毎日
ウ・デ・マ・ク・ラ・よ。」(*・・*)「う、うん」
(*・・*)その日以降、シンジは文句一つ言わず働きました。
『イカリくん、とうとうアスカの術中にはまったのね。』by レイ&カオル(TT)
さて、『主人と下僕』の2人+追跡者レイは、何事も無く次の街にやって来ました。
2人が街に入りますと、1人の暴れ者が街のやくざ10人相手に暴れ回っております。
やがて、やくざは全員のされてしまいました。
暴れ者は、観衆に向かって吠えまくりました。
「ナンヤ、腕に自信のある奴はおらんのか。
ワシは、神界一の暴れ者のトウジ様だ、誰かかかってこんかい。」
暴れ者が、息巻いています。これを聞いたアスカは、じっとしてられません。
「トウジの奴〜ッ、昔アタシのコテンパンに殺られて神界を追い出されたくせによくもあそこまでホラをふくわね。」
アスカは、ブツブツと言いながらトウジの前に出て行きました。
これを見た観衆は、「いいぞ、姉ちゃん!!」と野次を飛ばしました。
何しろ、やくざ10人を倒したトウジに、見た目は華奢なアスカが挑戦したのですから「ヤンヤ、ヤンヤ」の大騒ぎです。
でも、当のトウジは、アスカの顔を見るなり、顔から脂汗を流し、腰を抜かしました。
アスカは、冷たく、
「トウジーー、久しぶり。神界の武道会以来かしら。アンタも強くなったわね。へえ〜〜神界一ねえ。」
(−−)と低い声でいいました。
トウジはすかさず土下座をして謝りました。
「アスカの姉御、許して下さい。許して下さい。」
(^^;;;;;アスカは、カモネギを見つけた顔で
「トウジ、今何処に住んでいるの?
アタシと連れの下僕は、旅の途中で泊まる所がないのよ。」
と、助け船を出しました。
トウジは、この言葉にのり、
「姉御、ワシは、今街の郊外にツレと住んでいます。ぜひ、立ち寄ってください。
ところで、連れの下僕は何者ですか。もしかして、姉御のナニですか。」
(^^)アスカは真っ赤な顔で殴ってから怒鳴りました。
(ボコ!)「トウジ、これは、アタシのただの下僕。」
(*・・*)「始めまして、聖者シンジ・イカリと言います。トウジさんよろしく」
「へえ〜〜っ、オヌシが聖者か、話はあのレイから聞いておるわ。
ワシもオヌシの旅を助けろと言われてのぉ。オヌシが立ち寄るのを喧嘩して腕を磨いてたんや。」
アスカは、トウジの突然の同行宣言に戸惑いました。
(シンジとのラブラブは2人旅に邪魔者が1人増えるわ。
(−−;;;;)シンジは、強力な助っ人に喜びました。
「トウジさん、僕からもよろしくお願いするよ。」
(^^)「ヨッシャーーッ、これからは「トウジさん」は止めや、こそばゆくてしかたないわ。
ワシの事は、「トウジ」でええわ。」
「よろしく、トウジ。僕の事は「シンジ」と呼んでくれよ。」
と、シンジが言うのをアスカが遮りました。
「トウジ、仮にもシンジは、ア・タ・シの下僕であり、聖者よ、呼び捨てにしていいと思う?」
(シンジを呼び捨てにできるのは、TVからずっとアタシの特権なの。
(−−))「アスカ、何もそんな事....」
「下僕26箇条の11項、アタシに口答えしない事」
「....はい、わかりました。」
シンジは下僕26箇条の前に負けました。
トウジは、そんなシンジに哀れみを込めて言いました。
「じゃあ、ワシは聖者さんの事を「センセ」と呼ぶわいいな。センセ。」
(^^)「うん、トウジ。」
(^^)
そして、3人は、郊外にあるトウジの家にやって来ました。
「オーーイ、帰ったでーーー」
「お邪魔します。」
「ふーーん、狭い所ね。まあ気に入ったわ。」
3人の声に反応して家の中からお玉をもった女性が飛び出してきて、電光石火アスカの頭に1撃を食らわせました。
かっこーーーーん!!
アスカは、地面にのた打ち回りました。
「いったーーーい」
(×;)「悪かったわね。狭い家で。」
アスカと女性の間にトウジが仲裁に入りました。
「姉御、ウチのツレが、えろう迷惑かけました。紹介します、ヒカリ・ホラキと言います。」
「ヒカリ、このお方がワイが神界でお世話になったアスカの姉御や。ほれ、挨拶せんか。」
2人は、じっと睨み合い牽制した状態で、
「アタシが、天下無敵の女神アスカ様よ。(ふん!)」
「私が、料理の鉄人ヒカリ・ホラキよ。(ふん!)」
と自分に冠詞をつけて名乗りました。
「やれやれ、2人とも相当な自信家だね。トウジ」
(^^;;と、シンジはトウジに呆れて言いました。
その言葉で、ヒカリはシンジの存在に気がつきました。
「あなたは、誰?」
「僕は、シンジ・イカリ。一応世間では聖者と呼ばれています。」
(小声)「ヒカリ、聖者さんを呼び捨てにすると姉御が怒るで」
と、トウジが囁きますと、ヒカリは(ニヤリ)とアスカを見て笑い、
「ふーーん、聖者さんなの。じゃあ、私は、親しみを込めて碇君でいいかしら、アスカ?」
アスカに親しみを込めていいました。
(小声)「まあ、いいわよ、ヒカリ」
(*・・*)アスカは、考えが見透かされたので赤くなって答えました。
「うん、よろしく、ホラキさん。」
(^^)シンジは、何も知らずに答えました。
また、何も気づかないトウジは、
「さあ、上がった。上がった。姉御、神界での仲間の再開を祝して今日は宴会や。」
と、2人を接待し始めました。
遠く影から見守っていたレイは、シンジ達について行こうとしましたが、誰にも気づかれずに目の前で戸が閉められました。
レイは仲間外れに悲しくなり、おもむろに泣き出しながら、
「アスカーーーッ、シンちゃーーーーん、トウジーーーーッ、私も宴会したーーーい。お家にいれてーーー!!レイちゃんさびしーーーーい!!」
と叫びました。
で、家の中からため息混じりに外に顔を出した4人は、
「レイ、居たの。」(アスカ)
「レイさん、久しぶり」(シンジ)
「あっ、あのレイさん、懐かしいわ。」(ヒカリ)
「己は、レイ! いつも威張っていた割り...しゃーーない宴会に入れてやるわ。」(トウジ)
とレイを出迎えました。
そして、レイを加えた5人の宴会は、伝説に残る宴会となりました。
最初は、静かな宴も段々盛り上がり、トウジが一発芸を始めました。
「1番トウジ! 熊を倒しまーーす。」《チェストーーッ!!》
「2番シンジ! ぐれまーーす。」《父さんなんて、嫌いだ!嫌いだ!嫌いだ!嫌いだ!》
「3番ヒカリ! 風紀委員をやりまーーす。」《アスカ!不潔だわ!5階も6階もないわ》
「4番アスカ! 山をわりまーーす。」《アターーック!!》
「5番アスカ! 下僕にマッサージさせまーーす。」
「なんで、僕が(ブツブツ)」「下僕26箇条」「はい、やらせていただきます。」
「6番アスカ! 髪の手入れさせまーーす。」(
*^^*)「なんで、僕が(ブツブツ)」「下僕26箇条」「はい、やらせていただきます。」
「7番アスカ! 下僕に
キスさせまーーす。」(*^^*)「はい、やらせていただきます。」(
*^^*):
:
段々、アスカとシンジのワンマンショーになってきました。
これに影響されて、ヒカリはトウジに甘え始めましたが、1人寂しいレイはブツブツ独り言を言いながら酒を飲んでいました。
最後にアスカは、
「106番アスカ! 下僕と
添寝しまーーーす。(ハアト)」(*^^*)「107番ヒカリ! 旦那と添寝しまーーーす。(ハアト)」(
*^^*):
「108番レイ! 自爆しまーーす。」
《ドカーーーン!!》レイは、等々堪忍袋を爆発させました。それに対して2組みのカップルは、LAS,LHTフィールドにて防ぎました。
レイは、爆発の中で回想しました。
『心の通じあった2人にできる「他者排除の領域」恐るべしLAS,LHT・・・・』
夜が明けますと、トウジとヒカリ、シンジとアスカが寄り添う様に寝ていました。
一同が目を覚ましますとトウジの家は、跡形もなくなっており、裏山は2つに割れて、熊が貼り付けにされていました。
一同の周りには酒樽が山と積まれていました。
それからレイの姿が見当たりませんでした。
一同は、この惨状に責任転嫁で居ないレイのせいだと思い込みました。
「「「「一体何が起こったんだ。はっ! レイが居ない、レイが何かしでかしたな!」」」」
周辺の住民が、抗議に押しかけますと、トウジは全部レイに責任を押し付けレイを全国指名手配にさせました。
「やったのは、レイや。レイの奴何処に逃げたんや。」
後始末?をレイにかぶせた一同は、旅立ちの用意を始めました。
家財道具を失ったヒカリは、トウジと一緒に行くと言い張りました。
「トウジ、私の行くわ。」
それを聞いたトウジは、この道中危険を知っていたので止めました。
「ヒカリ、この道中は危険や、大事なおまえを連れて行く訳にはいかん。」
ヒカリは、トウジに抱き着き、
「そんな危険な道中だからトウジと一緒に行くのよ。」
と涙目で縋りつきました。
そんなヒカリを見て、アスカが助け船を出しました。
「トウジ、足手まといが1人増えてもいいじゃない。アタシにはコイツが既にいるんだし。」
(^^)と、シンジの腕に縋りニコリと笑いました。
トウジは、ヒカリを見て、聞きました。
「辛くてもついてくるか?」
「うん!」
ヒカリは、笑顔で答えました。
「じゃあ、決まりね。ヒカリ、トウジ。」
「よろしく、ホラキさん、トウジ。」
アスカとシンジは、新しい仲間を歓迎しました。
「「よろしく!!」」
こうして、旅仲間にトウジとヒカリを加えてシンジとアスカは出発しました。
【続劇】
後書きのようなもの
短編を書いていたので遅くなりました。m(_ _)m
やっと、レイの必殺?技を出せました。
ベースがLASなのでレイがどんどん悪役+へぼになっていきます。
さあ、次こそOtakuを登場させなければ。
待っててね、シャムシエルくん。
この頃、甘いものとコメディーを書いていますが、甘いもの方がメールが多いです。世間は甘さを求めているのかなぁ。