アスカの朝食
Written
NASA
『ねえ、みんな聞いてくれる? この頃シンジが生意気になってきたの。』
『えっ?、オマエは誰か?』
『や〜ね〜、アタシは、世紀の美少女惣流・アスカ・ラングレー様に決まっているじゃない。』
『で、話を戻すわね。アタシとシンジがミサトの処に同居してから3年が経ったの。
もちろん、シンジは高校にストレートで合格したわ。(アタシの家庭教師のおかげよ。)
アタシは、もう大学まで卒業しているんだけど、まあシンジが寂しがらない様に同じ高校に進学してやったわ。』
《本当は、アスカ様が寂しいから(^^;;)》
『ん、誰か何か言った。』
《(^^;;)いいえ文句ありません。》
『まあ、いいわ。
なのに、シンジときたら大恩あるアタシに対して冷たいのよ。
朝食は、いつも和食だし、
昼食のお弁当なんか、おかずの卵焼きがアタシの方に焦げているのを入れるのよ。』
《(^^;;)なら、アスカ様が作れば・・・・》
『五月蝿いわね。アタシが作れる訳ないでしょ。』
『それだけなら我慢できるけど、夕食がもっと問題なの。
前は、5日に1回ハンバーグを作ってくれたのに、
今では、1週間に1回しか作ってくれないのよ。
これは、サボタージュとしか言えないわね。』
《(^^;;)だから、アスカ様が作れば・・・・》
『で、ヒカリに相談したの。どうしたらシンジが初心に戻ってアタシに尽くすか。そしたら、呆れられていたわ。』
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金曜日の昼休みにアスカ嬢とヒカリ嬢が相談しています。
「・・・・・と言う訳なの、ヒカリどうすればいいと思う。」
「(はぁ)アスカ、我が侭ね。
(でも、親友の相談なら断れないわ。)
流石に碇君に正直に言っても喧嘩になるわ。
アスカ、ここは、逆療法でアスカが料理を作れば碇君感激して愛情いっぱいの食事を作ってくれるわ。」
「でも、ヒカリ・・・・・アタシ料理苦手なの知っているでしょ。」(−−;;
「いくらアスカでも、朝食くらい作れるでしょ。
簡単な朝食を作ってアスカが食べさせれば、いくら鈍感の碇君のイチコロよ。」凸(^^)
「うん、わかったわ。ヒカリ! 明日早速実行してみるわ。」(^^)
こうして、ヒカリ嬢発案「碇君ゲット作戦」(アスカ嬢曰く「シンジ下僕化作戦」)が発動されました。
金曜日の夜
『まず、シンジが明日早起きさせないように夜更かしさせないと・・・・・』
アスカ嬢は、夕食の片づけが終わり寛いでいるシンジ君にあれこれと用事を言いつけました。(もちろん怒らせない様によ)
「ねえ、週末にアタシの部屋のカーテン取り替えたいの。このカタログから選んでくれない。」
「シンジ、来月の連休何処行こうか、『○ゃらん』で探そうよ。」
「シンジ、お願いマッサージしてよ。」
:
:
『まずいわねぇ、もう夜更かしさせることできないわ。
ぽん!!
そうだわ!!良いこと思い付いたわ。朝食まで待つ必要無いんだわ。』
アスカ嬢は、シンジ君にしだれかかり、左45度下方より見上げて、
「(すり)(すり)ねえ、シンジ。今日はミサトも遅いから一緒に寝ようよ。」
とネダリました。
アスカ嬢のおネダリに流石のシンジ君も心が揺らぎます。
「う、うん。だめだよ、アスカ。」
「シンジ。オ・ネ・ガ・イ。」
アスカ嬢の最強のオネガイにシンジ君の心は、M7の地震で揺れました。
『逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。
(悪魔)(いや、据膳だぞ。シンジ)
(天使)(シンジ、一時の迷いは一生ものだぞ)
:
:
逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。』
「じゃあ、アスカ。アスカが寝付くまで添い寝するから。それで我慢してね。」(^^;;
『ちっ、シブトイ奴。このアタシがここまでしているのよ。』
こうして、アスカ嬢の第1の目的「シンジの夜更かし」は達成しました。
アスカ嬢のベットで、シンジ君は横でアスカ嬢の髪を撫でています。アスカ嬢は気持ち良さそうに寝てしまいました。
『むにゅ、むにゅ、明日待ってなさい。シンジ。・・・・・』
「アスカ、おやすみ・・・・・」
決戦の土曜日の朝5時
アスカ嬢は、翌朝早朝、気合一発で早起きしました。
『よし、今日のシンジの食事だけは、アタシが作る。見てなさいよ。シンジ』
アスカ嬢は『気●合』と書いたハチマキを締め、前にシンジから貰った赤いエプロンを着けて戦闘態勢に入りました。
『いくわよ、アスカ!!』
アスカ嬢は、台所でまず最初にコーヒーをいれようと思いました。
『え〜〜〜と、コーヒーは、何処かしら?』
アスカ嬢は、インスタントコーヒーを探しましたが見つかりません。
『シンジ、コーヒーは何処に置いてあるのよ。』
「シン・・」
『いけない、シンジを起こしたら、驚かないわ。あくまでも朝食が出来てから起こすのよ。・・・・・
【シンジ、朝よ。起きなさい。】
【う〜〜ん、アスカ、おはよう。】
【アスカ、朝食作ってくれたんだ。】
【アタシだってその気になれば、食事の1つや2つ出来るわよ。】
【アスカ、美味しよ。】
【へへん、シンジ惚れ直した。】
【うん、アスカ。大好きだよ。】
あっと、いけない、いけない妄想していたわ。』
アスカ嬢は、何とか挽いたコーヒー豆を見つけました。
『ふ〜〜〜ん、新種のインスタントコーヒーかしら。よし、これにしよう。』
アスカ嬢は、挽いたコーヒー豆をインスタントコーヒーの要領でカップに入れました。
『え〜〜〜と、次はトーストよね。パンとトースターに入れて、スイッチを入れればいいのね。』
しかし、運が悪いことに、オーブントースターは、昨日ミサトが夜食でピザを食べたのでオーブンモードになっていました。
ウーーーーーン
『なかなか焼けないトースターね。じゃあ、焼けるまでにメインの目玉焼きね。え〜〜〜と、フライパンを温めて、卵を落とせばいいのね。』
ジューーーッ
『よし、いい頃合いね。』
コンコン、グシャ
アスカは、フライパンに油もひかずに卵をつぶして割りました。
勿論、卵の黄身は潰れて、目玉焼きからスランブルエッグになり、焦げ付きました。
『フッ、天(災)にも失敗はあるわ。もう1度チャレンジよ。』(^^;;;
しかし、油を引かなかったフライパンには、失敗した目玉焼きがコビリ付きなかなか取れません。
ガシ、ガシ、ガシ
おまけにオーブントースターに入れたパンが焦げだしました。
『あっ、焦げ臭い、どうしよ、どうしよ』(アタ)(フタ)
アスカは、パニックになりました。
『アスカ、こうゆう時は落ち着くのよ、ほら、コーヒーでも飲んで、
(ブッーーーッ)何よ、これ? 粉が熔けていないじゃないの。
え〜〜〜ん、シンジ〜〜〜ッ、助けて〜〜〜ッ』(TT)
さすがにドタドタ走り、おまけに焦げ臭い匂いがすれば、シンジ君も起きてきます。
「アスカ、何しているんだよ!!」(−−#)
シンジは、アスカが台所をメチャクチャにしたの見て怒鳴りました。
アスカは、シンジの怒鳴り声を聞いて、台所の床にヘタリ込んで泣き出しました。
「シンジ〜〜〜ッ、ごめんなさい。(グス)台所をメチャクチャにして。(グス)」(TT)
シンジは、アスカが泣き止む様にそっと抱きました。
シンジは、アスカが落ち着くのを待って優しく聞きました。
「いったいどうしたの、アスカ。おなかが空いたんなら、僕が作って上げたのに。」
アスカは、頭を小さく振って正直に料理の事を話しました。
「アタシ、いつもシンジに家事任せっきりでしょ、だからたまには、恩返ししようと思って朝食を作ろうとしたの。
だけど、やることが全部裏目に出てこの有り様、
シンジもこんなアタシに愛想尽きたよね。」
シンジは、優しくアスカに囁きました。
「アスカ、僕はアスカのその気持ちだけでも嬉しいよ。」
アスカは、涙目でシンジに訴えました。
「でも、シンジ。結果はこの有り様なのよ。
シンジにいつも任せっきりで、我が侭で何も家事ができないのよ。」
シンジは、アスカ嬢が理解できる様にわかりやすく囁きました。
「アスカ、僕はね。アスカさえ側に居てくれれば、何もいらないと答えたんだよ。
あの辛い時、励ましてくれたのは、アスカじゃないか。
僕に生きる事を教えてくれたのは、アスカじゃないか。
僕は、アスカが明るく元気でいてくれたら他に何もいらないよ。」
アスカ嬢は、シンジの言葉をゆっくりと心に染渡たる様に聞き、嬉し涙が溢れてきました。
「シンジ〜〜〜ッ、シンジ〜〜〜ッ、シンジ〜〜〜ッ。」
シンジは、優しく抱きアスカをあやしました。
それから、アスカの両手を握り励ましました。
「アスカ、もう1度料理しよう。アスカの決心を僕は、側でサポートするから。」
「うん、シンジ。アタシもう1度料理してみるわ。」
『それからね。アタシはシンジと2人3脚で料理したの。
コーヒーは、ちゃんとドリップしたし、
トーストの今度は、簡単にできたわ。
目玉焼きはね、シンジが難しいからって、アタシを後ろから抱いてまるで2人羽織の様に教えてくれたの。』
朝7時
アスカは、幸せそうにシンジが朝食を食べるのを観察していました。
パクッ、モグモグ
ジーーーーッ
パクッ、モグモグ
ジーーーーッ
「ねぇ、シンジ、美味しい?」
「うん、アスカ嬢が作った朝食は最高だよ。あれ、アスカ食べないの?」
「シンジ、美味しく作ったご褒美頂戴。」
「ご褒美頂戴?」
アスカは、黙って自分の皿をシンジを渡すと、雛鳥の様に口を開けて
「あ〜〜〜〜〜ん」(^◇^)
と、言いました。
シンジもアスカの意図がわかり、朝食をアスカに食べさせました。
「ア、アスカ、あ〜〜〜〜〜ん」(*^^*)
パクッ
「あ〜〜〜〜〜ん」(*^^*)
パクッ
「あ〜〜〜〜〜ん」(*^^*)
パクッ
こんな甘い食事をしてても、アスカ嬢は次の事を考えていました。
『ポン!!これだわ。』
「あ〜〜〜〜〜ん」
パクッ、(んぐ!!)
アスカ嬢は喉に詰まらせたジェスチャーで苦しんだフリをしました。
シンジは、慌ててコップに水を入れて駆け寄りました。
「アスカ、水だよ!!」
アスカは首を振り、イヤイヤをしました。
シンジは、アスカの意図が(よく)わかりますとおもむろに水を口に含み、
『アスカ、水だよ。』
と、口移しで飲ませました。
アスカは、シンジが口移しをしている間にシンジの首に手を回しました。
『シンジ〜〜〜〜、掴まえた!もう
離さないわ。』(*^^*)シンジもアスカの背中に手を回して、段々口移しから(ディープ)キスになりました。
『アスカ、僕も
離さないよ。』(*^^*):
:
1時間後のシンジの部屋にて
アスカは、シーツを体に巻き付けてシンジの横に寝ていました。
「アスカ、ごちそう様。また食べさせてね。」(*^^*)
「バカ」(*^^*)
2人は、恥ずかしそうに見つめていると、シンジがおもむろに
「アスカ、ブランチ食べたいな。」(*^^*)
「うん」(*^^*)
こうして、2人の長い週末が始まりました。
『僕は、もうアスカのものなんだね。』
(悪魔)『シンジ君運命には逆らえないよ』
(天使)『惜しい若者を無くした・・・・』
凸(*^^*)『作戦成功ね。』
FIN
後書き
煩悩の赴くままに書きました。
ありがちなアスカの料理ものになりました。m(_ _)m
書いてるうちに煩悩が暴走しました。
お叱りのメール待ってます。