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「!!目覚めた?」
「どうやらそうみたいね。
でも、おかしいわ。
私達の予測よりも二年も速い・・・・・」
「何かがあったみたいだね。
でなきゃ二年も誤差が出るわけがない。
・・・・やっぱり人為的な物かな。」
「計画を早めましょう。
このままだと間に合わないわ。」
「そうだね。
でも、何だってあれが起きるのを早めるんだ?
一段落したら調べてみないと・・・・・・」
黄昏
第一話
使徒、襲来
第三東京市ジオフロント内非公開組織ネルフ、その発令所に有る巨大なモニター
そこにはのちに第三使徒サキエルの名を冠せられる事になる生物が映っている。
モニターでは解りづらいが五十メートルに届きそうである。
人間のように四肢があるが首の付け根に当たる所に白い仮面があり、頭が無い。
そして体の中心に肋骨の様な物に支えられているようにある血の様な色の球体。
その生物・・・使徒に対して国連軍が攻撃を加えている。
多くの攻撃機が飛び回り、さらに多くのミサイルを吐き出す。
しかし、どれほど多くの攻撃が当たろうとも目標たる使徒にダメージを与えるどころかその歩みを止める事すら出来ない。
不意に使徒が右手を正面に飛んでいる攻撃機にむける。
その瞬間
その手のひらから閃光が走り、攻撃機が漠炎をあげながら地上に落ちてゆく。
「ミサイル攻撃でも歯がたたんのか!!なんて奴だ!!!」
発令所の上段に座っている軍の幹部の五人の内の一人が叫ぶ。
「落着け、NN作戦はもう発動されている。
じきにかたがつく。」
中央に座っている男が叫んだ男を見ようともしないで言う。
今まで使徒に執拗に攻撃を加えていた攻撃機が高速で離脱していく。
しばらくの静寂の後
使徒の足元から閃光が生まれる。
その光は使徒を飲み込み、回りの建物を塵と変えてゆく。
「見たかね!!
これが我々のNN地雷の威力だよ。
これで君の新兵器の出番は二度と無いというわけだ。」
さきほど叫んだ男が発令所の下段でモニターを見ている男に勝ち誇ったように言う。
他の四人も笑みを浮かべていた。
しかし、その笑みは、オペレータの
「爆心地にエネルギー反応!!」
という報告に驚愕の表情へと塗り替えられた。
「使徒確認!
映像をモニターにまわします。」
そこには赤い球体を守るようにして両腕を交差させた使徒の姿が映し出されている。
体の状態から見てダメージを受けているのだろうが、傷んだ白い仮面の下から新しい仮面が現れたのを見ると受けたダメージを高速で回復しているようだ。
「我々の切り札が!!」
「町を一つ犠牲にしたんだぞ!!
なんて奴だ!!化け物め!!!」
真ん中の男の前に置かれている通話機に呼び出しのランプがともる。
受話器を取り耳にあてた。
「・・・・・・はっ、解っております。
はいっ・・・・・では失礼いたします。」
受話器を置く。
「・・・・碇君。
本部から通達だよ。」
その言葉に下段にいる男はゆっくりと席を立ち、振り返る。
「今から本作戦の指揮権は君に移った。
お手並みを拝見させてもらおう。
我々、国連軍の所有兵器が目標に対し無効であった事は素直に認めよう。
・・・だが碇君!!
君なら勝てるのかね。」
その質問に碇と呼ばれた男は左手で色眼鏡を直しながら答えた。
「ご心配なく、そのためのネルフです。」
「目標、依然進行速度変わらず。」
「このままではあと一〇で第三東京市に入ります。」
オペレーター達の報告が飛ぶ。
「チルドレン達の状態はどう?」
「サードチルドレンが若干の緊張状態にありますが二名とも問題ありません。
シンクロ率はセカンドチルドレンが三十六パーセント、サードチルドレンは三十二パーセントです。」
「いけるわね。
じゃあ、〇五まで接近したら二十九番に二号機、三十二番に参号機を射出して。」
使徒は確実に第三東京市に近づいてくる。
国連軍が攻撃を止めた為か心なしさきほどまでより進行速度が速い。
第三東京市まであと少しになった時使徒の百メートルほど前方の地面が割れ、赤の巨人と黒の巨人が現れた。
その身長は使徒と同じくらいだが大分細身である。
まるで鎧を身に纏った人間のように見える。
そして、使徒との最大の違いはその巨人が人間の意志によって動かされている事だ。
巨人の中のエントリープラグには操縦者が乗っている。
巨人に人間が付けた名は『人型凡用決戦兵器エヴァンゲリオン』
通称『エヴァ』と呼ばれている。
赤いエヴァ・・二号機がソニックグレイブを手に使徒に向かい走り出す。
それを援護するために黒いエヴァ・・参号機がパレットガンで使徒を撃つ。
銃撃を気にも止めないで手のひらを向かってくる二号機に向ける使徒。
そして、閃光。
その光線による攻撃が来るのを予測していたように余裕を持ってかわす二号機。
使徒に向かってソニックグレイブを振り下ろす。
しかしそれは使徒の前に出現した赤い壁によって弾き返される。
────ATフィールド────
それは心の壁、自分を守りたいと言う思い、他者を拒絶する心。
エヴァもATフィールドを展開する。
そのATフィールドは使徒のATフィールドを侵食していく。
さらけ出される心。
・・・・・・いやだ・・心を守る壁をとらないで・・・怖い・・・・・僕の心を見ないで・・・・・
言葉ではなく、このような思い、感情が回りにいる生物全てに飛来する。
何時の間にかパレットガンを捨て、プログナイフを手にした参号機がせまる。
その攻撃をかわさず胸に受けながら参号機を殴り付ける使徒。
吹き飛ばされ辺りの建造物を巻き込み地に倒れ伏す。
使徒が参号機を殴り付けた瞬間、ソニックグレイブの刃先が体の中央にある赤い球体に潜り込む。
そして爆発し、消えてゆく使徒。
・・・・・消えたくない・・・・・・・・・・
という思いを回りにいる生物全てに感じさせながら。
あとがき
どうも始めまして、西垂です。
この小説はレイの誕生がイレギュラーであり、本来レイが行う事をする者が他にい
たんじゃあないかな、という所から書き始めてみました。
もちろん他にも色々と入れてみたけど。
あと、感想下さい、お願いします。
西垂さんの『黄昏』第一話、公開です。
とりあえず、
サキエルの迎え撃ち方、
倒し方、
とかが違っていましたね、
TVのと。
まだ始まったばかりで、
何がどう動いていくのかは見えてきませんが−−
参号機が最初から出て、
どういう意味を見せてくれるか楽しみですね。
さあ、訪問者の皆さん。
西垂さんに感想メールの嵐を!
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