TOP 】 / 【 めぞん 】 / [彩羽]の部屋 / NEXT

 

「目標内部に、高エネルギー反応!」

 シゲルの報告に振り返ったミサトが叫ぶ。

「何ですって!?」

「円周部を加速、収束していきます!」

 同様に血相を変えたリツコが叫ぶ。

「まさか……!」

 シゲルとは、中央部で立ち居座るミサトを挟んで反対側のコンソールに座っていたマヤが、別の異変に気が付いた。

「初号機、パイロット側からのシンクロ率30%カットを受けています!」

 通常、エヴァにはパイロット側の戦時判断により、パイロット側からのシンクロ率の手動切り替えの最大30%の干渉権を持つ。それ以上は発令所側の操作でしか変えられない。

 要するに、シンジ側としては出来うる限りシンクロ率をカットしたという訳だ。

 ミサトがその報告に忙しなく反対側を振り向いた。

「シンクロカットですって!?」

 だか、時既に地上ゲートの解放にまで至っていた。一瞬後には、エヴァ初号機がその紫色の巨体たる勇姿を三度地上部に現す。

「駄目、よけて!!」

 ミサトの絶叫にも関わらず、事態を知らないシンジの反応は一瞬遅れた……のだろう。

 ディスプレイに映るミサトを振り返ったシンジの傍らで、ラミエルの巨体の一部が光り輝く。

 

 

 光が、空間を駆け抜けた。

 

 

 初号機とラミエルの間を挟んで立ちはだかっていたビルを飴のように溶かしながら貫通し、加粒子砲が初号機目掛けて突き進む。その痛烈な攻撃は寸分の狂い無く、リフトに固定されたままの初号機の胸部を捉えた。

 そして、その異常なまでの威力がフィードバックされ、シンジの胸部を同時に焼くような痛みが襲う。

 パイロットを保護する緩衝剤のLCLでさえその威力を持て余し、沸騰する。

「うあああああああああッッッ!!!!」

 初号機パイロットの絶叫が、マイクロホンを通して発令所全域を揺るがした。

「シンジ君っ!!」

 コンソールを駆け抜ける「WARNING」の羅列。耐えきれずにミサトは続けざま叫んだ。

「戻して、早く!!」

 加粒子砲の照射は尚も続いている。リフトダウンする初号機が地中に隠れるまで胸は焦がされ続け、唯一の遮蔽物であったビルなどは完全に融解してしまっている。

「目標、完黙!!」

 獲物を見失った事で興味を失ったのか、ラミエルのエネルギー反応は途端に縮小した。

「シンジ君は!?」

「生きています!」

 とは言え、心音と脳波は微弱化している。気を揉んだミサトは、発令所をリツコに委ねてケージへと向かった。

「生命維持システム最大。心臓マッサージを!」

「はい! ……パルス確認!」

「プラグの強制排除、急いで! LCL、緊急排水!」

 

 一方ケージへ駆けつけたミサトは、半分我を失っている。

 とにかくパイロットの安否を確かめなければならない。そんな焦燥ばかりが先行していた。

 だがプラグから担ぎ出されたシンジは案の定、その激痛のあまり気絶している。

 両鼻から流れ落ちる血が、痛々しさを物語っていた。

「シンジ君……!」

 

 ミサトは、緊急処置室に運ばれるシンジを見送りながらも、自分の作戦指揮の迂闊さを呪った。

「何も出来ずに、後退させるだけだったなんて……」

 生み出された結果は、一パイロットの重傷。それだけである。

「…………!」

 奥歯を噛み締めても、ミサトの歯痒さは消えなかった。

 


 

=悔恨と思慕の狭間で=

 




−第十九章 決戦再び、第三新東京市 −

 

 その後、ネルフ本部直上を探り当てたラミエルは、その巨体の底部から削岩シールドを突き出し、本部へと直接穿孔するという手段を取り始めた。

 黙々と作業に勤しむラミエルだが、迂闊に近寄れば初号機の二の舞だ。ミサトはダミーバルーンや自走臼砲を囮として用い、ラミエルの攻撃・守備範囲、自動撃墜システム等の性能を試していた。

 

 ネルフ作戦部の意地に掛けて、対ラミエル戦の作戦案が練られ始めた。

 

「これまで採取したデータによりますと、

 目標は、一定距離内の外敵を自動排除する物と思われます」

「エリア侵入と同時に、加粒子砲で100%狙い撃ち……。

 エヴァによる近接戦闘は危険すぎますね」

 過去二回の使徒殲滅は、いずれもプログナイフによるコアの一点攻撃が功を奏した。

 だが、今回の使徒は弱点のコアを露にしている訳ではない。コアそのものはラミエルの中枢部に存在する事は大凡確認されているが、当然そこはプログナイフの及ぶ位置ではない。

 長距離射撃―――ミサトの脳裏にそんな言葉が、消去法で叩き出される。

 だが、そうなると問題は使徒の防御機能。すなわち、

「ATフィールドはどう?」

「健在です。相転移空間を肉眼で確認できる程、強力な物が確認されています」

「誘導火砲、爆撃などの生半可な攻撃では、泣きを見るだけですねぇ、こりゃぁ……」

 ミサトの横に控えていたマコトの特徴は、事態に対しとても率直な意見を口にする事である。だからミサトの横で多少愚痴たところで、彼女の機嫌に変わる物はないのであろう。

 実際、彼女の台詞と感情を折半しているのと同様になっているからだ。

「攻守ともに完璧……まさに空中要塞か……。

 で、問題の削岩シールドは?」

「現在目標は我々の直上、第三新東京市、ゼロエリアに侵攻。

 直径17.5mの巨大シールドが、ジオフロント内ネルフ本部に向かい穿孔中です」

「敵はここ、ネルフ本部へ直接攻撃を仕掛けるつもりですね」

「やってくれるじゃないの……。

 で、到達予想時刻は?」

「は……明朝午前0:06:54秒。

 その時刻には、22層全ての装甲防御を貫通して、ネルフ本部に到達する物と思われます」

(……あと十時間足らずか……)

 与えられた時間の少なさ、戦力の少なさ、手段の難易。

「敵シールド、第一装甲版に接触!」

 来たわね……ミサトの渋い表情が、初号機の格納された第7ケージへの連絡回線のスイッチを押し上げた。

「で、こちらの初号機の状況は?」

 そこには、エヴァの特殊装甲版換装作業の現場監督に当たっていたリツコが控えていた。

「胸部、第三装甲版まで見事に融解。

 でも機能中枢をやられなかったのは、不幸中の幸いね」

「あと三秒照射されていたら、アウトでしたけど」

 リツコとその側に控えていたマヤの眼前を、剥がされた装甲版が見るも無惨な姿で、いまだに熱をもったままクレーンで運ばれていく。

「三時間後には換装作業、終了予定です」

 一番必要な情報は、ケージ内のアナウンスが得させてくれた。

「了解。零号機は?」

 これについはマヤがファイルを取り上げて説明を施し始める。

「再起動自体に問題はありませんが、フィードバックにまだ誤差が残っています。

「実戦は……」

「まだ無理ね……。初号機専属パイロットの容態は?」

「身体に異常はありません。

 神経パルスが0.74上昇していますが、許容範囲内です」

 答えるマコトの横から、リツコが不意に割って入る。

「何を思ってか知らないけど、寸前のシンクロカットが功を奏したという所かしら。

 パイロットへの負担があれで軽減されたのは確かね」

 

(……又だわ)

 

「……それでも、状況は全体的には芳しくないわね」

「白旗でも挙げますか?」

 マコトの軽い毒舌に、ミサトは答えた。

 

「……その前に、どうしてもやって置きたい事があるのよ」

 今度のミサトに「ちょっち」の割り入る余裕は無かった。

 

 


 

 

 至、ネルフ総司令官公務室。

「目標のレンジ外、超長距離からの、直接射撃か」

 冬月が半ば感心したように呼応する。作戦の妙計さに感心したのか、奇抜さに感心したのか迄は分からないが。

「そうです。目標のATフィールドを中和せず、

 高エネルギー収束体による、一点突破しか方法はありません」

「MAGIはどう言っている?」

「スーパーコンピューターMAGIによる回答は、

 賛成2、条件付き賛成が、1でした」

 スーパーコンピューターなどという冠詞を付けたのは、ミサトのそれなりの自信の現れの暗示だったのかも知れない。

「勝算は9.1%か……」

「シミュレーションで導き出された戦法としては、これが最も高い数値です」

「反対する理由はない。やりたまえ、葛城一尉」

 その場になってようやくゲンドウが重い口を開いた。

「はい!」

 凛とした眉と共に、自信ありげに答えたミサトであったが、その一件を聞きつけたリツコは呆れ顔でこう言った。

「しかし、無茶な作戦を立てた物ね。

 葛城作戦部長さん。」

「無茶とは失礼ね?

 残り9時間以内で実現可能、おまけに最も確実な物よ」

「これがねぇ……」

 

 ネルフ内部のあらゆる武器に於いて狙撃に最も威力を成すのは、エヴァ専用陽電子砲であった。

「だけど、うちのポジトロンライフルじゃ、

 あのATフィールドを貫くような大出力には耐えられないわよ」

「方法は一つ。借りるのよ」

「借りるって……まさか」

「そう。戦自研のプロトタイプ。

 書類は碇司令が手配してくれているから、レイと二人で今から徴収に行くわ」

「ちょっと待って。

 あのATフィールドを貫ける程のエネルギー産出量は、最低1億8000万Kw。

 そんな大電力は何で賄うつもりなの?」

「決まっているわ、……日本中よ」

「呆れた……」

 だが、ミサトらしい奇抜な発想とは言えこの作戦には肝心な物が一つ欠けている。リツコはそう感じた。

「……ミサト。顔に余裕が無くなっているわよ。

 面目躍如に血相変えるなんて、あなたらしくもない……」

「……分かっているわ」

 

 

 その後、ゲンドウから日本政府に通達された「電力大徴発令」は受理され、日本中に停電予告が発令された。

 

 

 至、総合作戦司令室発令所。

 ミサトは自分が建設した立案が進むのを一様に確かめる為、ここで総指揮に当たっていた。

「敵シールド、第七装甲版を突破!」

「エネルギーシステムの見通しは?」

「現在予定より3.2%遅れていますが、本日23:10には、何とか出来ます!」

「ポジトロンライフルはどう?」

 戦自研より徴発したポジトロンライフルの組立を一手に任せている、電磁光波火器担当の技術局第3課の局員が

「技術開発部第3課の意地に掛けても、あと三時間で形にして見せますよ!」

 意気揚々と答える。

「結構。……防御手段は?」

 第八格納庫に赴いているリツコが、SSTO、つまりスペースシャトル底部を利用したエヴァ専用の耐熱光波防御兵器を作成していた。

「それはもう、盾で防ぐしかないわね。

 SSTOのお下がりだから見た目は不格好だけど、

 元々底部は超電磁コーディングされている機種だから、

 あの攻撃にも17秒は耐える計算よ。2課の保証書付き」

「結構。狙撃地点は?」

 即座にマコトが第三新東京市周辺のスキャニング図を公開する。

「目標との距離、地形、手頃な変電設備も考えると……やはりここです」

 マコトが指示した地点で大凡納得した。

「ふうむ、確かに行けるわね……。狙撃地点は二子山山頂に決定します!

 作戦開始時刻は、明朝零時。

 以後本作戦を、『ヤシマ作戦』と呼称します!」

 発令所に目一杯響く、ミサトの凛然とした号令。

「了解!」

 

 

(……あとは、パイロットの問題ね。彼が素直に従ってくれるかどうか……。

 でも今は、これが私に出来る精一杯の立案よ。

 約束通り、あなたを納得させる十分な指揮監督は成したつもりよ。……従ってくれるわね)

 ミサトの唯一の懸念は、作戦の成否ではなくシンジ自身であった。

 

 

 その後、ミサトが第7ケージに移行して作業を見守っていた所で、パイロットの覚醒が伝えられた。

「そう。では、作戦は予定通りに」

「了解!」

 だがその傍らで、とある作業用のファイルに目を落としていたリツコが、ぼそりと呟いた。

「でも彼……今度は作戦に従ってくれるのかしら」

 ミサトは軽く被りをふった後、図星を突かれた懸念を振り払うように、部下に檄を飛ばしていた。

「……いざとなったら、の場合は考慮すべきね」

 一人ごちたリツコもまた彼女なりの作業を急ぎ始めた。

 

 


 

 

 峠を越えた為に、外科病棟通常病室に移されたシンジ。

 夕刻だろうか、遠くで蝉の鳴く声と共に病室に差す茜色の光に目を閉じ、安静にして横たわっていた所に、自動ドアの無機質な解放音。

 制服姿のレイが、ごとごとと食事トレイを運ぶ音だけが静かに聞こえる。

 その時になって、漸くシンジは気怠そうに瞳を開いた。

「……綾波さんか……」

 ベッドに伏すシンジを無機的な目で見下ろすレイが、シンジの意識を確かめると、彼女はスカートの右ポケットから手帳を取り出し、淡々と今後の予定を伝達した。

「明日、午前零時より発動される『ヤシマ作戦』のスケジュールを伝えます。

 碇、綾波の両パイロットは、本日17:30より、ケージに集合。

 18;00、初号機及び零号機、起動。18:05、発進。

 同30、二子山仮設基地到着。以降は別命あるまで、待機。

 明朝日付変更と同時に、作戦行動開始」

「……了解。『変更』は無しか」

 ぼそりと呟くシンジを意にも介さず、レイは無造作に、シンジのプラグスーツの替えをベッドの上に投げ置く。受け取る方もそれを気にした風でもなく受け取る為に起き上がる。

 治療の際にプラグスーツを無理矢理剥ぎ取ったシンジの身体は何も身に付けておらず、ブランケットから覗くのは年相応よりは僅かに堅い程度の体格であった。

「寝惚けて、その格好で来ないでね」

 これは冗談だと受け取って良いのだろうか、レイにしては珍しい物言いに、シンジは黙ってブランケットをたくし上げた。

 ふとトレイの上にシンジの視線が泳ぐ。見越したようにレイは食事だと言った。

「沸騰したLCLが気管を焼いている。食事は取れないよ」

 自分を冷静に伝えた。

「そう。……60分後に出発よ」

 

(……『ヤシマ作戦』、か。やっぱりミサトさんが用意してくれたのか。

 いや、もしかしたらミサトさんは焦っているのかも知れない。僕があんな事を言ったから。

 あの作戦は、確かにラミエル撃破には最も有効な手段には違いない。

 でもそれも、万全じゃない零号機を担ぎ出して盾にしなきゃならない。

 僕が一人で全てこなしたい、それも傲慢なんだろうけど、けど……)

 正面を見据えて、思考に潜るシンジを脇目に、用を果たしたレイが部屋を出る。

「じゃ、葛城一尉と赤木博士がケージで待っているから、私は先に行くわ。

 ……さよなら」

 静かにドアを出ていくレイの背中を見つめながら、その別れの挨拶に再び一抹の寂しさを覚える。

 

「……さよなら、か」

 その言葉が、何故か今度はその胸の奥で焦がされる。

 シンジの手がふと胸元に寄る。

 

「……さよなら、か」

 いつ別れても構わない、そんな言葉。

 それは、今のシンジにとっては、甘い誘惑であったのかもしれない。

 

 

 PM18:05。

 第三新東京私立第壱中学校側にある、丘陵部偽装発進地から発進する二体のエヴァがあった。

 夕焼けに映える二体の巨人。ゆっくりと踏み出すその足取りに、各自迷いは見られない。

 

 


 

 

 PM18:11。

 二子山山中に布陣された臨時変電設備。日本中から収集した電力の変電、変圧、またそれに伴う多量の熱冷却。それらを全てこなす為に用意された数百台の変電車が、山岳道路に所狭しと並ぶ。

 これだけの物質、人員、権限を総動員できるネルフの権限一点集中。故にゼーレの手駒として申し分はないのかもしれない。

 だがそれも、今は使徒殲滅の四文字に全てを投資するだけだ。シンジは深く考えるのをそこで止め、初号機を用いリツコの指揮に従ってポジトロンライフルを地面に固定する。

 戦自研自走陽電子砲から急造された『ネルフ仕様エヴァ専用改造陽電子砲』。これが今回の人類の存亡を掛けた一大兵器である。

「間に合わせにしては、だいぶ形になったわね」

 その長身の砲を眺め、ミサトが感嘆した。

「理論上の破壊力はあのATフィールドを貫くに足りるとしても、

 銃身や加速器が持つかどうかは撃ってみないと分からないわ。

 突然銃身が破裂してもおかしくはないの。

 なにせ、こんな大出力で試射した事一度もないもの……」

 それでも、二人は今出来る精一杯の作業の成果を見上げ、その行く末を案じていた。

 

 シンジとレイを後ろに控えさせ、ミサトが今作戦の最終ブリーフィングを簡単に始めた。

「本作戦に於ける、各担当を伝達します。

 シンジ君?」

「はい」

「初号機で砲手を担当」

「……はい」

「レイは零号機で、防御を担当して」

「はい」

 次に、リツコが陽電子砲の使用上の注意を述べる。

「これは、シンジ君と初号機のシンクロ率の方が大幅に高いからよ。

 今回は、より精度の高いオペレーションが必要なの。

 陽電子は地球の自転、地場、重力の影響を受け、直進しません。

 その誤差を修正するのを、忘れないでね。

 正確に、コア一点のみを貫くのよ」

「……了解」

「シンジ君、あなたはテキスト通りにやって、

 最後に真ん中のマークが揃ったら、スイッチを押せばいいの。

 あとは機械がやってくれるわ。

 それから一度発射すると、冷却や再充填、ヒューズの交換などで、

 次に撃てるまで時間が掛かるから。

 外したときの事を考えずに、一撃で撃破する事だけを考えなさい」

「何か質問は?」

 ミサトの問いに、シンジが僅かに手を挙げた。

「どうしたの、シンジ君?」

「今赤木さんは、『僕と初号機のシンクロ率が高い』から、

 僕を砲手に選んだ、そう言いましたよね?」

「ええ、言ったわ」

「でもその次には、『真ん中のマークが揃ったら、スイッチを押せばいい。

 後は機械がやってくれる』とも言いました。

 つまり、ロックオンは機械がサポートしてくれるという意味ですよね?」

「そうよ。私達が指揮を取る指揮車の計器で、自動調整をサポートします」

 

「事情は分かりました。……砲手と防御手の交代を希望します」

「駄目よ」

 ミサトが即座に却下した。

「今言った通り、本作戦はより精度の高いパイロットの手法を必要とします。

 零号機は未だフィードバックに誤差があり、本来は運用もままならない状態です。

 しかしこの作戦には、砲手と防御手の二手の担当を必要とします。

 その為に、運動性とシンクロ率に優れる初号機が射撃手に適任なの。

 攻守交代は認められません」

「ならば、僕が零号機に乗ります」

 今度はリツコが却下する。

「それも無理よ。

 初号機と零号機ではコアの互換性がまだ不完全です。

 パーソナルデータの書き換えをせずに無理に乗り換えを行えば、

 双方のシンクロ低下を招くだけで、何もメリットはありません」

「つまり、その提案は聞き入れる事は出来ないわ。

 現行命令のまま、作戦を遂行します。宜しくて?」

「……了解」

 苦虫を噛み潰すように、シンジが答えた。

 

(しくじった!

 さっき綾波の前でやる気のないような事を言っておけば、

 リツコさんにパーソナルデータの書き換えをさせる事が出来たのに……!)

 

 手元の時計に視線を落としていたミサトが、時間だからと二人に用意されたロッカールームへと誘う。

 不意に、ミサトの肩を叩く者が居た。

「……リツコ?」

「ちょっといらっしゃい、ミサト」

 

 

「これは?」

 作戦の最終点検調整に追われる大型移動指揮車の内部に連れ込まれたミサトは、とある装置を目の当たりにされた。

「万一の時の為に、用意したわ。

 シンジ君が発射を躊躇するような事があれば、

 もしくは彼がまた勝手な行動を起こすようであれば、

 レイにポジトロンライフルを持たせれば、この装置を使って、

 こちら側のタイミングで発射できるわ」

「リツコ?」

「失敗は許されない、分かっている筈よミサト。

 彼のさっきの提案、何を意味しているかは分からないけれど、

 私達の指揮に素直に従うかどうかはやはり信用できないわ。

 いざとなれば、零号機のみでの作戦遂行もやむを得ないわよ」

 

 ミサトが、ゆっくりとその装置のレバーに手を触れた。

「……そうね」

 

 


 

 

 やがて、第三新東京市内のあらゆる電源が絶たれる。

 街から灯りは消え去り、残る灯りは、ラミエル自身の青白く光る自家発光と、ラミエルから死角になる、二子山裏部の変電設備に配備された夜間ライトだけであった。

 そして、停電現象は日本中に広がり、街の灯りという灯りを吸い取り、この大規模な作戦はいよいよ遂行される事の運びとなっていく。

 

 

 一方、レイとシンジ、二人はロッカールームで着替えを済ませていた。

 その間、薄いカーテン一枚を隔てた二人に、一切の会話はない。

 

 街から灯りが一切消え、今までそれに隔てられていた星の瞬きが夜空に甦る。

 だが生憎今日は満月が重なって、実際は映りは良くない。

 だがその代わりに、満天の星空の真ん中で、青白く光る円月だけがとても印象的な真夜中。

 シンジは初号機のリフトによじ登り、その床に何気なく横たわり、その星空を飽きる事なくずっと眺めていた。

 

 その横に、ふと腰を下ろす人が居る。

 レイであった。

 だが彼女は膝を組んだまま、正面を向いて黙って景色を眺めているだけである。だがそれは、彼女にしては、能動的な風情さでもあった。

 

 やがてゆっくりと、シンジが右側のレイを振り返る。

 

「……綾波さんは、何故エヴァに乗るの」

 問われたレイは、虚ろに目を伏せやや考えると、思い出したように顔を見上げ、答えた。

「……絆だから。」

「絆?」

「そう、絆。」

「父さんとの?」

「……みんなとの。

 ……私には、他に何もないもの。」

 

「……違うよ。そんな不器用な事したって駄目だ。

 エヴァだけでしか、みんなと絆が結べないなんて、そんなの虚しいよ。

 そんな事しなくたって、綾波さんを見てくれる人は居る。

 こんな兵器に乗るだけが、君の全てじゃない筈だ」

 

「……あなたには、分からないわ。」

 

「……確かに、僕は君を分かってあげられない。

 努力もできない。そんな綺麗な心は、持ち合わせてなんかいないんだ。

 でも、それでも、こんな僕でも分かる事がある。

 

 ……君に、可能性を捨てさせたくないんだ。

 

 僕はここに来て、つい最近になって、やっと気付いたんだ。

 自分の価値に。からっぽの価値に。それで満足する自分に。

 だけど君は違う。君は違う。

 君は本当は酷い寂しがり屋で、とても弱い娘だ。

 でも今までは、誰も君のそんな心に気付いてあげられなかった筈だし、

 君も誰の温もりも求めなかった。

 だけど君は本当はとても寒がりの筈だ。誰かに見守って貰えないと、誰かが抱き締めてくれないと、

 誰かの温もりを抱いていないと、生きる事に耐えられない筈なんだ」

 

「…………」

 

「でもそれって別におかしい事でもなんでもないと思う。

 生きる為に、誰かの温もりを求めたって、何もおかしくはない筈だから。

 違う、温もりの求められない生き方なんて心が冷たくなるだけだ。

 

 でも……その温もりも、心の絆も、エヴァを通してでしか求められないなんて、絶対嘘だ。

 そんなのは幻想だ。今持っている、自分の脆い温床を守り通したいだけの、欺瞞なんだよ。

 

 だから、僕が証明してみせる。

 エヴァでしか生きられない事が、エヴァだけが心の拠り所なのが、

 いかに虚しくて寂れていて、悲しい事かを。

 君と……彼女に、見せつけるんだ。

 エヴァに阿る人生が、如何に惨いかを。

 

 ……本当は、君達の心を壊す為にこんな事している訳じゃない。

 それだけは分かって欲しいけど、分かって欲しかったけど……」

 

 シンジはゆっくりと立ち上がり、時間が来た事をレイにも伝える。

 

「……今度は、僕が君を守る。

 君と君の抱く絆を『守る』。

 君は、その絆を心の中でしっかりと『護れば』いいから。

 それだけでいいから、だから無理はしないで……」

 

 半ば独り言のように小さく伝えると、シンジは気恥ずかしさからか、走り去るようにレイの元から去った。

 

 

 月明かりに照らされる零号機を見上げながら、レイは今の言葉が無性に心の奥に留まっている事に違和感を覚え、胸元でその小さい拳を握りしめる。

 だが、次の瞬間には彼女もまた零号機の搭乗へと急いで駆け出した。

 

 


 

 

「只今より、零時零分零秒をお知らせします」

 日本標準時時計が0:00:00を指し示した瞬間から、『ヤシマ作戦』は発動された。

「作戦、スタートです!」

「シンジ君! 日本中のエネルギー、あなたに預けるわ!」

「はい」

「第一次、接続開始!」

 

 二子山に設置された変電装置が始動を始める。

 山全体で唸るタービン音は、まるで山の唸りその物のようにも錯覚するような。

 周囲の冷却システムからもうもうと蒸気が立ちこめるが、運転に今のところ支障はない。

 

 そして、人員の殆どを出張させた灯り乏しき発令所では、ゲンドウと冬月が黙って事の次第を見守っていた。

 

 変電設備、及び初号機への電力伝達は順調に進む。

「最終安全装置、解除!」

「撃鉄起こせ!」

 マコトの指示に従い、初号機はポジトロンライフルにヒューズを込めた。

 ヒューズの換えは数本用意されていたが、二個目以降を使用するのは望ましい事態ではないだろう。

 シンジはヒューズの装填を確かめると、ロック装置用ディスプレイを頭部に装着した。

「地球自転、及び重力の誤差、修正。+0.0009」

「電圧、発射点まであと0.2」

 変電装置、冷却装置、そして通電ケーブル。それぞれが限界を訴え始める中、いよいよ最終配備が完了する。

「全エネルギー、ポジトロンライフルへ!」

 

 シンジはゆっくりと照準をラミエルに合わせながら、『前回』の教訓を生かすべく考えを張り巡らせた。

(このままカウントと同時に撃てば、ラミエル側の加粒子砲と変圧交差して、外れるだけだ

 「二撃目のチャージ」は向こうの方が早い。そうなれば負担は防御役の零号機一点に掛かる。

 

 ……総合的に考えれば、ここは敢えてラミエルに先に撃たせて、

 零号機に一瞬だけ耐えてもらって、空間の歪みが取れた瞬間に撃つ!

 零号機の負担をより減らすには、これしかない……)

 

 カウントダウンが残り8秒となったところに、異変が起こる。

「目標に高エネルギー反応!」

「なんですって!?」

 ミサトが、その叫びと共に、無意識にあの発射装置に手を掛けた。

(シンジ君……やってくれるわよね)

 一度上げた電圧とカウントダウンは、敵が狙い澄まそうとも中断はされない。

 ラミエルの中枢部に、陽電子砲のターゲットがロックされる。

「発射!!」

 満を持してミサトが叫んだ。

 

 

 だが、シンジの指は動かない。

 

 

 反して、ラミエルの加粒子砲の光が放たれる。

「くっ!?」

 やむを得ず、ラミエルより一瞬遅れて、ミサトはシンジの発射を堪えきれずに発射装置に手を掛けた。

 このままなら、初号機にロックオン固定をさせたまま、手元で狙撃が出来るからだ。

「……!!」

 当然、度肝を抜かれたのは発射を敢えて堪えていたシンジである。

 自分がトリガーに指を掛ける事なく、陽電子砲は発射されてしまったのだから。

「そんなっ!?」

 

 

 ラミエルから放たれた紅い光線と、初号機より放たれた青い光線。

 互いは芦ノ湖上部で互いにその軌道を電圧で曲げ、狙いは明後日の方向に逸れた。

 ラミエルの加粒子砲は初号機の直後で着弾し、地面を揺るがす。

「ぐうううううっっっ!」

 狙撃の土台を崩さないように、初号機の中でシンジが堪える。

 爆発で生じた爆風と衝撃波は、初号機より遥か後方の指揮車をも覆した。

 やがて衝撃から立ち直ったミサトが、ディスプレイを見上げ愕然とする。

「ミスったの!?」

 陽電子光線は、ラミエルの左後方遥かに着弾、炎上していた。

 

 その間もラミエル下部の掘削シールドは順調に進む。

 無情にも、予想通りのシールド到達予定時刻に達した瞬間、シールドは地面を貫通した。

「敵シールド、ジオフロントに侵入!」

 ミサトが、血相を変えてシンジに叫ぶ。

「第二射、急いで!!」

 

「第二射だって!?

 まずい……陽電子砲は、『本来』より一秒ずれて発射されてしまった……、

 という事は、『零号機の負担が一秒増える』。

 やばい……綾波が! くっ!」

 即座に手元のヒューズを交換、装填する。

(だから二個目以降は使いたくなかったのに!!)

 

「ヒューズ交換、再充填開始!」

「銃身、冷却開始!」

「目標に、再び高エネルギー反応!」

「まずい!! 早過ぎる!」

 

 そして、ラミエルの加粒子砲の光が再び初号機を襲う。

「ちぃっ!!」

 舌打ちするシンジ、だがラミエルは容赦はしない。

 だがその紅色の光線が初号機に襲いかかる事はなかった。

 初号機の目の前で、その光は四散する。

 零号機が満を持して、盾を用いて初号機の前に立ちはだかったのだ。

「綾波!」

 叫ぶ事しか出来ない自分が煩わしい。

 いっそ、あそこにいるが僕だったら良かったのに! そう思えて仕方がない。

 だが、充填されきっていないポジトロンライフルを抱えた自分は今、完全に無力だ。

 

 ラミエルの照射は目標を完黙させるまで容赦なく続く。

 零号機の抱えた盾が、熱に耐えきれずに溶け始めた。

「盾が保たない!」

「まだなの!?」

「あと11秒!」

 

「くっ……!!」

 焦りを隠せないシンジ、だが無情にもライフルに電力は溜まらない。

「はやく……!!」

 もはや盾は殆ど原型を留めていない。加粒子砲の熱余波は、零号機の装甲にまで及び始めていた。

 

 

 それは、彼にしてはあまりに当然で、そしてあまりに無謀な賭けだった。

 

 

「ちくしょうっ!!」

 ライフルを置き捨て、零号機の元に駆け寄る初号機。

 ATフィールドを全開にしながら、瞬時に零号機と身体の位置をすげ替える。

「……!」

 ディスプレイには、自分の任を奪われ呆然とするレイが映るのが印象的だったが、シンジは構わず叫んだ。

「綾波! 僕の代わりに、撃つんだ!!」

 もはや形の残っていない盾をもぎ取る形で奪い、零号機を後ろに押しやる。

 同時に、初号機の全身を再び熱が焼き焦がした。

「ぐうううっっっっ!!」

 

「シンジ君、なにを!?」

 ミサトが通信に割り込んだのが、今回は丁度いい。

「どうやったかは知りませんけど、

 さっきのように射撃の補佐をしてください!

 ライフルは、綾波に一任します!!」

 既に盾は殆ど炎滅している。初号機は自身の装甲とATフィールドの緩和だけで加粒子砲を凌ぎ、激痛に耐えながらも、食い留めていた。

 反射的にシンジの申し入れを受ける……受けざるを得なかったミサトがレイに向かって叫んだ。

「レイ! ライフルを抱えなさい!

 あと二秒でエネルギーが充填できるわ!」

「……!」

 喋っている間に時間は来る。レイは即座にライフルを抱え、大まかに照準を定めた。

 レイは射撃の成績は悪くはない。機械の補助も相成って、ロックは一秒足らずで固定された。

「!!」

 スイッチを押すミサトの無言の叫びと共に、初号機の真横を青い光が駆け抜ける。

 

 

 あの厄介なATフィールドを紙のように貫き、ラミエルは炎上したまま崩れ落ちた。

 同時に、崩れ落ちた本体に軸を折られた掘削シールドの動きも停止する。

 

 作戦は、一応の成功を見た。

 

 


 

 

 すっかり焼け崩れた初号機だったが、肝心のシンジの意識はしっかりと保たれていた。

 実はもう一度、寸前でシンクロカットを実行したのが効いて、痛みを緩和していたからだ。

 

(なんか……とんでもない事しちゃったな。

 結果としては、あのまま僕が撃っていればジャスト一秒のロスで済んだんだけど、

 綾波にバトンタッチしている間に、余計時間をロスしちゃったもんな……。

 

 でも、身体が勝手に動いたんだ。

 一度動いたら、もう引っ込みが付かなくなって、

 そのまま綾波を押しのけて盾になってしまった。

 

 でも、後悔はしてない。

 あの時僕がああする事が、僕にとっての最善だったって信じているから。

 勝手だけど、傲慢だけど、

 あのまま綾波が焼かれていくのを、黙っては見ていられなかったんだ……)

 

 灯りのない、真っ暗なプラグの中で、シンジは救出を待つ間はしばらく目を閉じていた。

 そして、ふと思い立った事が、シンジに僅かな後悔を沸き上がらせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……綾波の、月明かりに照らされていたあの笑顔、出来ればもう一度だけ、見たかったな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それも、一瞬後には首を振って自分で否定した。

 

 


 

 

 作戦は成功したが、ミサトの機嫌は著しく悪かった。

 事後処理の一切をマコト達部下に任せミサトは、初号機から無事に降り立ったというシンジの元に急いだ。

 その顔は満面朱をそそぐとばかりに憤怒に満ちている。見ていられないとばかり、リツコが後を付けていた。

「ミサト、もう止しなさい、終わった事よ!」

「いいえ、誰が止めるもんですか!

 あのガキ、今度という今度は!」

 発射を躊躇した―――その一点がミサトの脳裏に渦巻く。

 もしリツコが手元の発射装置を用意してなければ、あの少年はあのまま永遠に撃とうとはしなかったのではないか……見当違いではと思いつつも、立て続けに命令違反を繰り返してきた少年に対し、そう疑問を抱かずにはいられない。

 もはや怒りで自分を忘れている……そう判断したリツコが腕づくでミサトの歩みを止めようとするが、その二人の前にシンジが姿がを表した瞬間、ミサトはその柳眉を逆立て、獲物に飛び掛かるかのような怒濤のような勢いでシンジの胸倉に掴みかかった。

「あんた……なに考えてんのよ!!

 理由を教えなさい! どうしてあそこでわざとトリガーを引かなかったの!!」

「ミサト!!」

 リツコからはミサトの背中しか見えかった。

 だから、ミサトがどんなに怒りに満ちた表情をしているかはリツコの視点からは見えない。

 同時にミサトに隠れて、その憤怒に脅されている筈のシンジの表情も見えない。

 

 

 グシャリ、という無機的な音がした。

 

 

 リツコには暫くの間、あれだけ激憤を露にしていたミサトがシンジから手を離し、よろよろと後ろによろめいていく理由が分からなかった。四歩下がってリツコの真横まで後ずさったミサトの横顔は、何故か畏怖で満ちていた。

 グシャリ、という音は、LCLの温度上昇でまた喉を痛めたので、と言ってシンジが医療班から受け取っていたジュースのアルミ缶である。

 

 次にリツコが見たのは、地獄の底から這い出た悪魔もかくやとばかりに形相を歪めたシンジの顔であった。

 

 

「……理由はね……こっちの方が聞きたいんですよ……。

 ……なんで勝手に撃ったんですか……なんで勝手にそういう事するんですか……」

 

 

 ミサトを親の敵のように睨み付けるシンジの瞳は、横のリツコでさえ正視できなかった。

 いや、あの装置を立案したのが自分だと知られれば、それこそシンジの逆鱗に触れる、そう直感したのだろう。

 二人は蛇に睨まれた蛙の如く、その場に立ちはだかるしかなかった。

 

(……ちくしょうっ!)

 

 それが、誰の心の叫びだったかは、分からない。

 


TO BE CONTINUED・・・
ver.-1.00 1998+07/30 公開
感想・質問・誤字情報などは こちらまで!

 

 第十九章、後悔させていただいています。

 

 いや……誤字ではなく、上記の通りです、ホントに(--;

 なんでこんなに仲悪いシンジとミサト書いているんだろう、私は……。

 いや、ちゃんとこれは後々に現れる伏線(それも怪しいな……)に繋がって、こうなっているんですけど、今の時点では単にめちゃめちゃ身勝手な少年と女性の似非ドラマのような気が(--;;;

 

 今章の前半は、ほぼTV版の「なぞり」になりました。

 拙作をもしビデオと見比べる人がいればの話ですが、細かい数値とか、微妙に変わっているんですよね。

 なんでかと言えば……シンジの「性能」が上がっているから、それだけなんですよね(^^;

 なんか自分でも、力を入れている部分が違う気がする……。

 

 

 さて、次回は二十章。

 区切りの良いところで、いよいよこのストーリーの山場の一つが訪れます。

 「アスカ来日」パート。もうこれ以上何も語る事はありません。

 しかしこれだけ長く連載してきて、未だにシンジとアスカの直接の会話って皆無だったんですよね(^^;

 それも今回まで。いよいよ次回はアスカ(と加持)が満を持してシンジの前に登場します。

 そしてその「アスカ」とは、果たして……。

 

 それでは、また次回……。

 

 

 

 

 二十章は、もしかするとまた前後編になるかも知れません(^^;






 彩羽さんの『悔恨と思慕の狭間で』第十九章、公開です。





 あぅ、険悪〜

 うぅ、破局寸前〜


 シンジとミサトはんの関係は悪くなる一方だ〜 (;;)



 でも、これは伏線であるとのこと・・・

 耐えよう。耐えるのだ〜



 ミサトさん、

 ビールを飲みましょう
 日向君にセクハラしましょう
 リツコさんにいじめてもらいましょう、
 シンジくんをからかって・・・は出来ないのね・・


 ストレス発散急務。




 さあ、訪問者の皆さん。
 次で20の彩羽さんに感想メールを送りましょう!




TOP 】 / 【 めぞん 】 / [彩羽]の部屋