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[影技]の部屋
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この作品のお召し上がりかた(^^)
基本的に学園エヴァの世界だと思ってください。
ただし、レイは壊れています(^^;
リツコはマッドで世紀末覇者で、キテレツ大百科です(^^;
そして最後に……この作品の基本コンセプトは……
LASです!(^^)
ワーワーワーワーワーワー
いつもなら、こんなにうるさくはならない第三中学のグラウンドに今日は元気な生徒の声が響いています。
「鈴木君、がんばってぇぇ!」
「片山君、ふぁいとぉぉぉ!」
「シュートォォォ!」
黄色い声援が飛び交う中、一つのボールを追いかけ、グラウンドを走る男の子。
そう、今日はみんなが待ちに待った、
「アスカ様専用生徒会主催 輝け 第35回球技大会」
なのです。
女子のバレーボールが体育館の修理のため中止になり、暇になった女の子達は男子のサッカーの応援に来ています。
そんな中……
「えー、おせんにキャラメル、ビールいかがっすかぁ」
阪神タイガースのハッピを着込み、グラウンドをうろつくレイ。
その格好は、阪神タイガースのホームグラウンド、甲子園の売り子を彷彿させている。
「えー、おつまみ、ぽてち、水割りいかがっすかぁ」
さらに声を張り上げるレイ。
肩から下げた、ラジカセからは阪神ファンの心の支えともいうべき『六甲おろし』が声高々に流れている。
ちなみに、彼女の背中には、
広島名産 紅葉まんじゅう
静岡浜名湖 うなぎパイ
大阪名物 雷おこし
などとかかれた、のぼりが立てられている。
「えー、甲子園名物、かち割り氷いかがっすかぁ」
ついに出た、かち割り氷!
これこれ、これがないと、甲子園に来って気がしないんだよねぇ(^^)
甲子園に行ったら、いつも買ってるもん……って、おい?
……校内でかち割り氷を買ってどうしろというのだ?
「ラッキーセブンで飛ばす、風船もございますぅ」
だからサッカーだってば……(^^;
「えー、ビール、ビール、ビールのお供にやきそば、いかがっすかぁ」
「校内で堂々とビール売ってんじゃない!」
メキョッ
しゃがみダッシュで背後から近づいたアスカの白虎双掌打がレイの脊椎にめり込んだ。
「……アスカ。また新しい攻撃パターンを見つけたんだね。でも、しゃがみアキラは、いけないよ」
生徒会と書かれたでっけぇテントの下で、レイにダウン攻撃を続けるアスカをやさしい視線で見守るシンジ。
「しゃがみアキラはいいねぇ……人類の文化の極みだよ」
そのテントの上で鼻歌を歌う少年がいたとかいないとか……
祝 影技ルーム 4500HIT記念(^^;
壊レイ・シリーズ(G04号室 ザクレロさん命名(^^))
球技大会
「ったくもぉ、なに考えてんのよ!?こいつは」
吐く息も荒く、アスカがドッカと椅子に腰を下ろす。
生徒会長のアスカと、副会長のシンジは、球技大会の進行を行っているため、生徒会テントに専用席があるだ。
……まぁ、実際に行っているのは、九割方シンジなのだが。
「ぴぎゃー、ぴぎゃー、アスカがぶったぁぁぁ。セイトカイチョーが人を殴ったぁぁぁ」
縄でグルグル巻きにされて、アスカの足元に転がっているレイ。
「まぁ、綾波にも、いろいろと考えるところがあるのかも……」
アスカに冷たい飲み物を出しつつ、シンジが笑いかける。
「……ほんとにそう思ってるワケ?こいつが?」
出されたコーラに口をつけつつ、アスカが縄を食いちぎろうとしているレイにジト目を向ける。
「……そうだといいなぁ」
シンジの笑みが引きつる。
「アスカが科学部の部費をゼロにするから……あたしが稼がないとお腹を空かせた部員たちが……」
さめざめと泣いて見せるレイ。
「……あのね、レイ?」
アスカはニッコリと微笑みつつレイに近づく。
「あたしだって、科学部の予算を減らしたくかなったわ。だって、幼なじみのあなたが部長の部ですもの」
そこで言葉を切って、レイの右手からカッターナイフをもぎ取る。
……どうやら縄を切って、逃げようとしていたらしい。
「でもね?あんたが起こした選挙のときの騒ぎで、かなりのお金が消えちゃったの。分かるでしょ?」
「あう、アスカちゃん、目が恐い……」
ゴロゴロと転がって逃げようとするレイの縄をムンズと掴むアスカ。
「そういうわけで……今度こういうことをしたら……」
ゆっくりとした動作で右足を振り上げていくアスカ。
「廃部ね(^^)」
めきょっ
「はぴょょょょょょょ」
光り輝くアスカのかかとを食らって、頭からマントル深くにめり込むレイ。
「そっか。ヒールエクスプローションはダウン攻撃にも使えるんだ……」
いや、感心してる場合じゃないだろ?シンジ君(^^;
「で、首尾はどうなの?」
薄暗い、理科準備室であやしい薬をネズミに注射しつつ口を開くリツコ。
しっかし……このシリーズのリツコっていつもここにいるよな……保健医なんだから、保健室にいるはずなのに(^^;
「いや、それが、アスカとかいう生徒会長を名乗る輩に邪魔されやして……」
ほんのちょっぴりあさっての方角を向いた頭を片手で支えつつ、レイが片膝をついてこたえる。
「そう……やっぱりここじゃあ、阪神ファンは少ないのね……」
「いや、そうじゃなくて……」
「やっぱりテーマソングは、『六甲おろし』より『燃えよドラゴンズ』のほうがよかったのかしら……坂東さんもマジカル頭脳パワーでがんばってるし……」
「だから……」
この部、辞めたほうがいいかも……?
レイは、一人の坂東英二のモノマネで『燃えよドラゴンズ 97』を歌い続けるリツコにそんな考えを持つ。
「仕方ないわね……今更ドラゴンズファンにうったえたところで、カンパが貰えるわけでもないし……レイ。最後の手段を使うわよ」
リツコはそう言って、どこからかサッカーのユニフォーム一式を取り出した。
「?」
「あなたも知っているでしょう?今回の球技大会の優勝クラスには、金一封が、そして最も活躍した選手にもMVPとして金一封が送られることになっているわ……」
「いや、でも……女子の球技大会は……」
そう、女子の球技大会を行うはずであった体育館は、原因不明の爆発で吹っ飛び、今回行われているのは、男子のサッカーのみである。
「そうね。だからこそ好都合なの。女子の分の賞金も男子の方に上乗せされているのよ。まさに計画どおりだわ……」
……やっぱり爆破したのは、リッちゃんだったのね……
レイの背中に冷たい汗が流れる。
「で、でも、うちのクラスは、そんな優勝なんてできっこないっすよ」
「いいのよ……別に優勝できなくても。あなたがMVPに選ばれさえすれば」
「あ、あの……あたしは女の子なんですけど……」
「……あら、男の子になりたいの?」
リツコのメガネが怪しく輝く。
「絶対MVPになって見せます!」
レイは、リツコの手からユニフォームをひったくると、全力で駆け出した。
「とは言ったものの……どうやって球技大会に出場したらいいのよ……」
一応、ユニフォームに着替えたレイは、校舎の影からサッカーを続けるクラスメイトを見つめていた。
シンジとトウジのツートップが、次々と敵のデフェンスをかいくぐり、敵陣に攻め込んでいく。
現在、一対〇でレイのクラスが勝っている。
もうすぐ、ロスタイムも終了。
どうやら決勝戦に駒を進めることが出来そうだ。
「……ん!?」
レイは、そんな中、一人ゴールポスと脇にたたずむ影に目を止めた。
「そっか……一人欠場すれば、あたしが出てもいいはずよね……」
だんだんとリツコ系の思考回路が出来上がりつつある、レイ。
「メガネ……あんたの犠牲は無駄にはしないわ」
そう呟きつつ、校舎の外壁にあるコンセントにACアダプターを差し込む。
リッちゃん特製パーフェクトコレクション、ACアダプター装備型、ポジトロンライフル。
ゆっくりとした動作でそれを構えるレイ。
「目標をセンターに入れ、スイッチ」
カチッ
ちゅどごーん
小気味よい音とともに立ち昇る爆炎。
「……ゴメンなさい。こんなとき、どんな顔すればいいか、わからないの……くくっ、あははははははははっ」
そういいつつも、レイはこみあげてくる笑いをこらえることはできなかった。
「なんでケンスケの代わりが綾波なんや?」
決勝戦を始めようと、グラウンドに入ろうとしたトウジが、レイの姿を見つけてシンジに聞く。
「……みんな、自分がかわいいからじゃない?」
「なるほどな……」
さっき救急車で運ばれていったケンスケの姿を思い出し、トウジが納得したようにうなづく。
「さぁて、はじめるわよぉぉぉ」
サッカーのジャッジのユニフォームを着て、球技大会の審判というめずらしく教師らしい仕事をしているミサト。
しかし、すでにさっきのレイのビールでほろ酔い加減なのは、ご愛敬。
ピーッ
トウジのキックオフで、試合が始まった。
トウジから、シンジへバスが回り、シンジは、左サイドから、敵陣に攻めあがる。
「碇君!こっち!」
中央から攻めあがったレイがパスを要求する。
シンジは迷わず、レイにパス。
……よほど、先ほどのポジトロンライフルが恐かったらしい。
ボンッ、という音を立てて、レイがボールをキープ。
「フフフ……行くわよ……リッちゃん特製スパイク、必殺シュートその一・タイガーショットォォォォォォ!」
往年の日向君も真っ青なほど高々と足を振り上げるレイ。
その瞬間、レイのスパイクが、まるで太陽のように輝く!
そう、レイの履いているスパイク、いや、そのユニフォーム全てにリツコの特製チューンが施してあったのだ!
バーニアーに点火して、一気に加速するレイの足!
すさまじい勢いでボールに足がめり込み……
パンッ
はじけた音がして、ボールが割れた。
「……あれ?」
「あれっ?じゃなぁぁぁぁぁぁぁい!」
メキッ
「……だましたわね、日向君。漫画だと、ネットを突き破っていたのに……」
ガスガスとアスカに踏みつけられているレイを双眼鏡で観察しつつ、呟くリツコ。
「まぁ、いいわ……仕掛けはあれだけじゃないんだし……フフフ、アハハハハハハハッ」
……その後、暴走するスパイクと、踊り狂うユニフォームにレイは一時間の強制運動を強いられることとなった。
「で……首尾はどうだったのかしら?」
全身包帯だらけになったレイを前に、リツコはあやしいロッキングチェアーに腰掛けている。
無論、片手にワイングラス、膝の上にはネコをのせている。
……ちなみにここは、保健室である。
「そ、それが……」
全身包帯だらけのレイ。
ちなみに今回のこの怪我はアスカの仕業ではなく、リツコのパワードスーツの暴走の結果である。
さんざん暴れまわったあげく、最後にはスパイクが左右別々の方向に飛び上がり、両足がちょっぴりもげそうになったため、現在のレイは車椅子に乗っている。
「おかしいわね……システムに間違いはなかったはずたけど……」
うそつけ。
レイは喉まででかかった言葉を何とかこらえる。
「でも……結局MVPは取れなかったのよね……」
「し、しかたないっすよ!球技大会が中止になったんですから……」
そう、レイの暴走のせいで、球技大会は阿鼻叫喚の地獄絵図となったのだ。
ユニフォームが動くものを判断すると、自動的にタイガー・ショットを繰り出すため、敵味方問わずレイの蹴りが炸裂!
さらに、ボディーチェック用につけられたユニフォームの自動迎撃システムが、無差別に周りの人間を攻撃!
リツコ特製のN2爆竹が辺りにばらまかれた。
そんな中、今回の球技大会のMVPは、レイの暴走をローリングクレイドルでしとめたアスカの手に渡されたのだった。
「結局あの毛唐娘の一人勝ちというわけね……」
ピシッ
リツコの手にしたワイングラスにひびが入る。
やはり、ワイングラスにホットコーヒーは無理があったようだ。
「まぁ、いいわ……失敗したものをとやかく言ってもしかたないしね」
ホッ
とにかく、責任追及が自分におよばないことが分かり安心するレイ。
「でも……」
どこからともなくでっけえ請求書をとりだすリツコ。
「今回の騒動での請求書が、なぜかわたし宛てに来てるのよね……」
ま、またいつものパターン……でも、いっつもやられるほどあたしは甘くないわ。
レイはそっと、車椅子につけられたボタンに手を伸ばす。
「あ、レイ、先に言っとくけど……」
カチッ
「その電動車椅子作ったの私だから」
がしゃん
両手両足を拘束されるレイ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ」
そして……
三日後、名古屋球場で「燃えよドラゴンズ 20XX」を熱唱するレイの姿を賞金で旅行に来ていたアスカとシンジが確認したということである。
「一番高木が塁にでてぇ、二番……」
ども(^^;影技です
……すみません。スランプです(T^T)
正直、なかなかSSが書けなくて……
うーん……今回は特に中途半端な落ちになってしまいました(^^;
精進がたりないっすねぇ(T^T)