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[影技]の部屋 / NEXT
この作品のお召し上がりかた(^^)
基本的に学園エヴァの世界だと思ってください。
ただし、レイは壊れています(^^;
リツコはマッドで世紀末覇者で、キテレツ大百科です(^^;
そして最後に……この作品の基本コンセプトは……
LASです!(^^)
「えー、生徒会長には、綾波 レイ、綾波 レイをよろしくお願いしまぁーす」
校内の廊下を高速移動をしつつ、ぱぁっ、ぱぁっ、と、景気よくビラを撒きつつ声を上げるレイ。
まるで商店街の大売り出しである。
ちなみに、レイが現在乗っているのは、リアカー。
そう、よくテレビのドキュメント番組で、農家のおじいちゃんが引いているアレ。
その脇には、
『科学部第三代目特攻隊長 アヤナミ レイ』
『美優帝(ビューティー) 綾波』
『武離璃闇吐(ブリリアント) レイ』
とでっかく丸ゴシックで書かれたのぼりが立てられている。
それを引っ張るのは……
「なんで僕がこんなことを……」
涙を流す相田 ケンスケ。
彼の首には、「リッちゃん特製 N2爆竹内臓」と書かれた首輪が一つ。
「ほらほら、メガネ!しっかり引いて」
「あ、あやなみぃ。なんで僕なんだよ?」
「……科学部に逆らう気?」
レイの赤い瞳が怪しく輝く。
戦う保険医、第三中学の破壊のキテレツ大百科のあざなを持つ、赤木リツコを顧問とする科学部。
その部長を勤めるレイに逆らうことは、リツコに逆らうことに等しい。
ケンスケの脳裏に先ほど救急車で運び出されたトウジの姿がよぎる。
その首には、現在ケンスケがまいている首輪と同じ物の残骸がこびり付いていた。
「い、いえ!相田ケンスケ、綾波生徒会長のお役に立てて光栄であります!」
「ホホホ、相田君。まだあたしは生徒会長になってないわよ。まったく気が早いわねぇ」
満面の笑みを浮かべてうっとりとするレイ。
……キャラが違うぞ……レイ(^^;
「さぁーて、メガネ!校内をもう一回りよ!」
「ちょっと、レイ!? なんで校内にこんなもの乗り入れてんのよ!?」
そう言って、リアカーの前に立ちふさがるのは……
「でたわね……あたしの生涯のライバル、楳汚恋棲(バイオレンス)アスカ!」
「変なアダナをつけるなぁぁぁぁぁぁ!」
メキョッ
アスカの放ったジャンピングニーがレイの顔面にクリーンヒットする。
「く、さすがにやるわね……」
吹き出た鼻血をぬぐおうともせずに不敵に笑うレイ。
「なに考えて生きてんのよ!? あんたは!?」
「ふ、この世の全てをいかにして手に入れるか……かしらね」
「……」
あまりといえばあまりなことに、思わず固まるアスカ。
「と、とにかく、校内でリアカーを乗り回すのはよくないんじゃないかな?」
「碇君……でも、これは必要なことなの」
シンジの言葉に目を潤ませてフルフルと首を振るレイ。
「必要なことって……ビラ配りなら足で歩いても……」
「ビラだけじゃないから」
そういって、巨大な黒いビニール袋を見せるレイ。
「?なに?」
「これ?リッちゃんから貰った媚薬なんだけど……ほら、こういうのって、広範囲に広めるには、高速移動して……」
「「ひろめるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
ヂグチャッ
アスカとシンジの放った見事なユニゾンケンカキックはレイの後頭部を叩き潰していた。
後に、この現場を目撃した相田 ケンスケ(当時14才)は
「いやぁ……もぉ、びっくりしたの何のって。人間の頭が、まるでトマトみたいにグチャッとつぶれたんですから……ええ、そりゃもう見事に……え、その時の写真?いやあ……それがキックしている方のパンチラを写していたから……」
と嬉々として語ったという。
この後、リポートに来ていた女性アナウンサーのケンカキックで、彼の頭はその時のリアルなVTRとなったという。
生徒会長選挙
「うう……なんで怒られるのぉ?」
頭にアイスクリームのようなギブスをはめて涙するレイ。
教室で自分の机に突っ伏しているのだが、誰も慰めようともしない。
……まぁ、ケンスケとトウジの末路を知っているのだから……当然といえば当然である。
あの後、クラス担任のミサトの手によって、馬であるケンスケはラリアートで轟沈、リアカーはフライングニールキックで大破。
乗っていたレイは、ナックルアローの刑となっていた。
……校内でリアカーを乗り回した者の当然の結果である。
ちなみに、ケンスケは、N2爆竹がショックで誤爆、即病院送りとなっていた。
「アンタバカァ!? あんなことして、ミサトが黙ってるわけないじゃない!?」
「あ。アスカ……」
シンジを引き連れて現れるアスカ。
机に突っ伏しているレイを、腰に手を当てるお決まりのポーズで見下ろす。
「これで、生徒会長の座は、あたしに決まりね。校内で暴走行為を働くなんて、信じらんなーいっ」
すまなそうにその横でうつむくシンジ。
……どうやらミサトに密告(チクッ)たのは、アスカとシンジのようである。
「ちがうもん!これからレイが巻き返しをはかるんだもん!」
「は、あんたがぁ?ま、せいぜいがんばることね。いくわよ、シンジ」
さっそうとその場を去るアスカ。
下僕と化して後に従うシンジ。
「……うう、絶対にセイトカイチョーになるんだもん」
レイは、苦い涙を飲みつつ、決意を新たにした。
「……で、首尾はどうなの?」
薄暗い、理科準備室で怪しい薬の調合を続けつつ口を開くリツコ。
その後ろには、片膝をついて控えているレイがいる。
彼女の頭のギブスには、先ほどはなかった
『レイちゃん、ファイト』
『はやくよくなってね』
などの落書きがしてある。
ちなみにすべて先ほどトイレで自分で書いたものである。
「は。それが……」
「分かっているとは思うけど……今回の会長選挙は伊達や酔狂であなたを出したんではなくってよ?」
「わ、分かっております。ですが、遊び人のアスカとかいう野郎に邪魔されやして……」
「……いいわけは聞きたくないわね」
リツコの声に怒気が混じる。
レイは冷たい汗を背中に感じた。
「……まぁいいわ。じゃあ、第二段階に入りましょう。これを使いなさい」
そういって、引き出しから一枚のDVDを差し出すリツコ。
「これを今日の放送演説でかけなさい」
「?」
顔にいっぱい?マークを浮かべつつ受取るレイ。
「もういいわ……下がりなさい」
そう言われて、部屋を出るレイ。
その顔にはまだ?がちらついている。
「フフフ……楽しみね……」
レイがドアを閉めた後、リツコの笑い声が、理科準備室にこだまするのだった。
『えー、今日の校内放送「それゆけ第三放送部」は、後半十五分を使いまして、第三回生徒会選挙、放送演説会を行います。まず今日は、第一立候補者の綾波レイさんです』
アスカとシンジが屋上でお弁当を食べていると、近くのスピーカーからこんな放送が流れ出した。
続いて、前半十五分の音楽番組が始まる。
「へぇー。こんなのやってるんだ?」
ハンバーグを頬張りつつ、シンジに聞くアスカ。
ちなみに二人のお弁当は、アスカの母親のキョウコの手作りである。
シンジの家はユイも働きに出ているため、昔からシンジの分の弁当はキョウコが作っていた。
「うん……たしか、明日がアスカだったよ」
ほとんどアスカの選挙マネージャーと化したシンジ。
パラパラとめくったその生徒手帳には、アスカのスケジュールがビッシリと書かれている。
「この間の話し合いで決めたから……うん、やっぱり明日がアスカだね。明日の昼休みの放送、全部貰ってるよ」
「あしたの昼休み……か」
急にうつむくアスカ。
「どうたの?」
「ねぇ、シンジ。それって絶対にやらなきゃだめなのかな?」
アスカがめずらしく弱気に言う。
「ダメだよ、そんなの!だいたい、演説もしないで、当選するわけないじゃないか!」
「でも……」
「でもじゃないよ!だいたい、アスカが生徒会長やりたいって言うから、僕だって必死に時間を取ってきたんだよ!?わがままもいいかげんにしてよ!」
めずらしく声を荒げるシンジ。
「そ、そんないいかたってないでしょ!?」
「そんないいかたって、そうじゃないか!」
「だって!明日はあたしの得意な空揚げの日だから……」
しまったという表情になるアスカ。
「えっ?それって……」
アスカは真っ赤になってうつむく。
「ひょっとして、このお弁当……アスカが作ってたの!?」
「……うん」
「いつから!?」
「去年の夏から……」
さらに真っ赤になりつつ、うつむくアスカ。
しばらく無言の時間が流れる。
「……明日の演説、放課後に変えてもらえるように、頼みに行こう」
ほっぺたをぽりぽりとかきつつ、あさっての方向を向いて言うシンジ。
その顔はアスカよりも真っ赤になっている。
「えっ!?」
「アスカのお弁当……落ち着いて食べたいからね」
「……バカ」
そういって、アスカは最高の笑みをシンジにプレゼントした。
「あれっ?シンジ君にアスカじゃない。どうしたの?」
職員室で麦茶をかっ食らっていたミサトが職員室に入ってきたシンジ達に声をかけた。
「ちょっと、放送部に用があって」
第三中の放送室は、職員室の中にあるのだ。
「ふぅーん。ま、いいけど。あ、そうそう、選挙、がんばってねぇ」
なんだかみょーにご機嫌なミサト。
「……ミサト。それ、やけに泡が多くない?」
「あ、これ?」
手にしたコップを指差すミサト。
「炭酸入りなの、この麦茶」
「アスカ、アスカ……」
アスカの袖を引っ張るシンジ。
「なに?」
シンジの指差した先には、ごみ箱に無造作に捨てられたえびちゅの缶。
「……この不良教師」
アスカが呟く。
『それでは……綾波レイさんです。どうぞ』
職員室のスピーカーから、レイの演説が聞こえ始める。
「あそっか……今からレイの演説だっけ……邪魔するのもなんだから、ここで聞かせてもらいましょ」
そう言って手近な椅子に座るアスカ。
シンジもその横の席に座る。
『こんにちは。綾波 レイです』
机の上にあった携帯端末にレイが現れ話し出す。
「へぇー……映像付きなんて、凝ってるわねぇ」
「校内のLANで映像データを送ってるんだって」
『まず始めに、このDVDを見てください』
画面の中のレイが微笑みつつ一枚のディスクを取り出す。
「へぇー。ちゃんと……ん?」
アスカはDVDに書かれたリツコの文字に過剰な反応を示した。
「シンジ、見ちゃだめ!」
携帯端末に見入っていたシンジを突き飛ばし、自分も床に伏せた。
その瞬間、画面が切り替わり……
「きゃはははは、レイちゃん最高、レイちゃんかわいい!」
横にいたミサトが急に狂ったように叫びだした。
「ど、どうしたんだよ!?」
「洗脳映像よ!」
アスカは職員室横の放送室の扉を蹴破る。
そこにはうっとりとした表情で画面を見詰めるレイの姿が……
「フフフ……レイちゃんかわいい……レイちゃん最高……」
「本人がかかってどないせぃっちゅーんじゃぁぁぁ!!!」
アスカの放ったバズーカキックは、レイを校庭まで吹き飛ばしたという。
「……これは……どういうことかしら?」
ブクブクとあやしい気泡を出す液体を前に実験を続けるリツコ。
その後ろには、包帯だらけになったレイが控えている。
横においてある松葉杖がとってもブリティー。
「それが……越後のちりめん問屋の隠居のアスカとかいう爺に……」
「そんなことはどうでもいいの。どうしてあなたが生徒会長じゃないのかってことをわたしは聞きたいんだけど?」
リツコの手に握られている学校新聞には、圧倒的大差で当選し、嬉しそうにシンジと抱き合うアスカが写っていた。
その横には、校内で暴走行為、危険物の散布、放送公害の罪でレイが停学を食らったことがデカデカと載せられている。
「それは……」
「しかも、今回の事件の責任を取るということで、科学部の予算は……ゼロよ、ゼロ!?」
「それはあんたのせいだろぅに……」
ボソッと呟くレイ。
「なにか言ったかしら?」
「い、いいえっ!」
プンプンと首を振るレイ。
「ま、いいわ。どちらにしても、今年の部費を稼がないといけないんだし……」
「へっ?部費を稼ぐって?」
「とある国から、生物兵器の発注があってね……ぜひサンプルを見せて欲しいって言われてたのよ」
ニタリと笑いつつ、振り返るリツコ。
その手には怪しげな緑色の液体が握られている。
じりじりとあとずさるレイ。
ジリジリと追うリツコ。
「そ、それは……?」
「大丈夫よ……絶対に死なないから……クスクスッ、そう、絶対に死なないの……クスクスッ」
「い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
それから数日後。
車に跳ねられた後、くすくすと笑いながら歩き去るレイを生徒会室でいちゃついていた会長と副会長が目撃したということである。
NEXT
ver.-1.01 1998+04/29 修正
ver.-1.00 1998+04/26 公開
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ごめんなさい(T^T)先に謝っときます
ども、影技です(^^)
3000ヒット記念ということで、こんなの作っちゃいました(^^;
うーん……レイファンの人と、リツコファンには、刺されそうなSSですね(^^;
でも……僕は
LAS
が命ですから(^^)
影技さんの『生徒会長選挙』、公開です。
リツコさんの発明品は
非人道的ですね(^^;
首に巻く爆薬
洗脳装置
生物兵器
あぶない〜
マジに(^^;
とある国・・・・
何者がリツコさんのバックにいるのだろ。。。怖いです
(;;)
そのリツコさんに付き従うレイちゃん・・・生と死、紙一重
さあ、訪問者の皆さん、
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