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Declination below adolescence!
第拾壱話 お昼休みの戦争(前編)
 
「お昼休みの戦争」
 
いつものようにして、3限が終了し、昼休みとなった。
教室で昼食を食べる人はあまり多くない。
理由はテレビを装備している食堂が存在していることと、
お昼休みは外出が許可されているためである。
 
「シンジィ、お弁当は?」
「はい、アスカ。明日はアスカの当番だよね?楽しみにしてるか
ら。」
「うん・・・頑張る。」
 
シンジがアスカに弁当箱を渡す。
二人は最近、交代で弁当を作ることにしており、
今日はシンジの当番だったようである。
 
「そういや、今日は霧島の姿が見えないな。知ってるか?」
「さあ?マスコミから逃げ回ってるんじゃ無いの?」
「この間のフィルム騒動があったからな。」
 
結局、ネルフ・ワークスのプロモーションフィルムに登場してい
た、シンジ、アスカ、マナのうち、元々芸能人であり、久しぶり
の画面に登場したマナに関しては非常に注目が寄せられていた。
フィルムが放送されてから、マスコミはマナを追いかけていた。
 
「ま、アタシたちには関係の無いことじゃない。フィルムに登場
していたパイロット2人には何も動きが無いんだしね。」
「そうとも言ってられないみたいだな、霧島がマスコミを引き連
れてきたみたいだ。」
 
ケンスケの声に教室の窓から外を見やるアスカとシンジ。
その視界にはマスコミの取材陣に囲まれながらも、校庭を通り、
校舎に向かってくるマナの姿があった。
マスコミの人数はざっと数えても30人以上。
 
「ま、二人とも頑張ってくれ。明後日からは夏休みやから、それ
までやからな。」
 
トウジは自分が関係ないと思い、それで自分自身の中ではこの出
来事は終わったと思っていた。
また、同じくフィルムに登場していないレイ、ヒカリ、マユミ、
カオル、ケンスケもそういう判断を下していた。
 
「フッ、そんな他人行儀なことはさせないわよっ。」
 
教室のドアがバンッと開き、マナが姿を現した。
 
「ほらっ、マスコミのみなさん、ここにネルフ・ワークスのメン
バーのうち、ほとんどがここにいるから。どんどん取材してやっ
て。」
「マナッ、なんて事言うのよっ!!」
「いいじゃない。一気に芸能界デビューよっ。」
 
既にマスコミの取材陣は教室になだれ込んでおり、
教室にいたワークスのメンバーは囲まれて、
身動きが取れなくなっていた。
 
「もうっ、シンジ。何とかしなさいよっ。」
「そんなこと言われたって、僕にはどうしようもないよっ。」
 
ちょうど、今日の放課後のネルフワークスの予定について、
話そうとしていたミサトが教室に姿を現す。
ドアからのぞき込むようにして頭を出した姿は、
どこか滑稽ではあるのだが。
そして、アスカたちを見つけたとき、
その周囲に群がる、見慣れない姿の人々を視界に捉えた。
 
「あらぁん、この人たちは何?」
「ミサトっ、ちょうど良いときに来たわ。マスコミの連中だから、
広報のアンタが何とかしなさいよ。」
「ん、まあ、ここの担任だし、仕切らなきゃいけないわね。」
 
ミサトはアスカの声にそう答えると、
その時までの砕けた感じのする表情から、キッとした表情になる。
 
「あなた達、ここは学校への無断での立ち入りは禁止されていま
す。学校への断わりは済んでいらっしゃるでしょうか?そうでな
ければ、即刻退出して下さい。」
「しかし、報道の自由をだな・・・」
「その前に社会的ルールを守って下さい。それに今は昼休みです
があと5分で授業が始まります。」
 
ミサトの言葉に取材陣はたじろぐ。
それでも、退出しない取材陣を見たミサトは、
携帯電話を取り出すと、短縮ダイアルで誰かを呼び出す。
 
「あ、加持君?ここに取材の人が来てるのよ。NSS出動させて
くれる?」
−そこは・・・高校か。しょうがないな。3分後には到着させる。−
「そ、サンキュ。」
 
ミサトは通話を終わらせると、再び、砕けた表情になり、
教卓に備え付けられている椅子にドカッと腰を下ろす。
その様子に取材陣はあっけに取られていたが、
一瞬の躊躇を挟んで再び取材を開始する。
 
「NSS?ミサトさんも派手な事がお好きなようだね。」
 
カオルは窓際に立ったまま、呟いた。
それを聞いたアスカはカオルに近づくと、カオルに聞く。
 
「NSSってあの悪魔の集団って呼ばれてる奴?」
「そのようだね。ネルフ・セキュリティ・サービス、会長直属の
護衛部隊。加持さんがその指揮を執っているとは聞いていたけれ
ど、それが出てくるそうだ。普通の人間とは異なる力を持った人
間の集まり、ということだけど、それを束ねるほど、加持さんも
普通では無い、ということかな。」
 
ミサトの電話のちょうど3分後、
漆黒のスーツに身を包んだ人間が10人ほど教室に入ってきて、
取材陣を強制的に排除し始めた。
その最後に加持がいつものように、飄々とした姿で現れた。
そして、排除されていく取材陣に名刺を渡していく。
 
「このことに抗議がありましたら、私まで連絡を下さい。それな
りに対処致しますゆえ。」
 
「助かったわ、加持君。でも、珍しいわね。アンタが直接来るな
んて。」
「まあな。会長にこの一件は俺が全て対処するように言われてい
てな。ま、部下もレベルSSクラスばかりだよ。」
 
多少の騒動が引いた後、ネルフ・ワークスの面々は学校の会議室
へと移動させられていた。
授業は予定通りに開始されている。
今日の取材陣のことについて、学校側と話し合わなくてはならな
くなったのである。
それにはミサトはもちろん、加持も付いている。
それに、外部からリツコが来ていた。
 
「しかし、マナもマナよ。取材陣をそのまま学校に入れるなんて。」
「だって、ずるいじゃない。元アイドルってだけで私だけ取材さ
れるなんてさ。」
「こういうことが起こり得るのがわかってるのに対処策を考えて
なかったミサトが悪いんじゃないの?」
「うっさいわね。私だってこんな騒ぎになるとは思ってなかった
わよ。」
「無様ね。」
 
それぞれ、ミサト、マナ、アスカ、ミサト、リツコの言葉である。
会議室では、ネルフ・ワークスの面々だけが話し合いをしていた。
主に話しているのは女性陣であり、男性陣は口を出そうとはして
いなかった。
 
「解決策は考えているんですか?加持さん。」
「一応な。だが、最悪の場合も考えてはいる。」
「転校ですか?」
「察しがいいな、渚君。」
 
渚カオルと加持はそう話していた。
基本的に公立の学校の対応などたかが知れているため、
それに対応する策も考えてはいるのだ。
つまり、私立高校へのへの転校である。
そして、ネルフ・ワークスの大人と学校側の大人の話し合いが始
まり、子供たちは別室へと隔離された。
別室では、アスカが追い出されたことにいきり立っているほかは、
静かなもので、黙って待っている、という感じである。
 
「もう、当事者が話し合いに出れないってどういうことよっ。」
「アスカ、落ち着いてよ。僕たちが話し合うより、加持さんやリ
ツコさんに任せた方がいい結果を出してくれるよ。」
 
シンジは宥めようとして、アスカに声をかけるが、
逆に睨まれて、その体はすくんだようにしている。
 
「アンタは自分の問題を他人任せにしてそれでいいの?」
「じゃ、アスカは加持さんたちよりもうまくやれる自信はあるの
かい?」
「そんなの、やってみなきゃ分かんないじゃない。」
「ま、ここはネルフ・ワークスとしての問題を担当者が交渉して
いるわけだから、黙って静観しているのが正しいだろうね。個人
の問題ではなく、チームの問題なんだから。」
 
カオルはそういうと、昼食の時にいつもかかさずに飲んでいる、
ミネラルウォーターのペットボトルを傾けて、喉に流し込む。
その様子に、彼らは昼食をろくに食べていなかったことを思い出
す。
 
「腹が減ったな。」
「そうやな、ケンスケ。いいんちょ、何か食いもん、あらへんか?」
「無いわよ。第一、お弁当は教室に置きっぱなしだったじゃない。」
「そうかー。」
 
がっくりとうなだれるトウジと、
それを心配そうに見つめるヒカリ。
そのすぐ側では、アスカとシンジが仲良く昼食を食べていた。
 
「やっぱ、唐揚げはシンジの方が上手なのよねぇ。どうしてかし
ら?」
「そんなことないよ、アスカのだって美味しいじゃないか。」
「もう。」
 
その様子を視界の隅に入れつつ、のんびりと待つのは、
マユミやマナである。ただぼーっとしているとも言えるのだが。
一番、奇妙なのはレイであろう。
カオルに膝枕をしてもらって、昼寝、というものであった。
 
「ねえ、マナさん?」
「何?マユミ。」
「マスコミを連れてきたこと、悪いと思っているんじゃありませ
ん?」
「うん・・・やりすぎたとは思っているわよ・・・。」
 
1時間後、交渉は決した。
その結果は、ネルフグループの出資する私立高校への転校、
というものであった。
ただし、その結果は一ヶ月後に行われるオープンレースに参加し、
優勝できなかった
場合、というものである。優勝した場合は全力を以て、
保護をするとのことで。
オープンレースは出場制限なしで、
排気量クラス別のエントリー制レースである。
つまり、アマチュアであろうが、プロであろうが関係ないのだ。
 
ネルフ・ワークスの初参戦レースが決まったのである。



next session "お昼休みの戦争(後編)"

後書き
 BGM:A HOUSE CAT(林原めぐみ)
 うーん、タイトルの内容は後編に入るので、ご了承下さい(^^;)
 WIN98入れたら、ドライバ不良で動かなかったビデオボードが復活したりと、
 奇妙なことになってますが、とりあえず、マシン状況は何とかなってます(笑)
 さて、私はレース関係は無知なんですが(おひ)、
 適当にでっちあげようかな?なんて思ってます(笑)
 
 近頃は東京N◎VAやら、S=FAdvancedなど、
 TRPGのプレイばっかりしてますが、コンシューマより楽しいです(笑)
 何となくなんですけどね。
 そのネタで「Force Gate」の方で使ってみようと思っています。
 ついでにですが、同人でのイラストレーター募集中です(笑)
 詳細はメールででも聞いて下さいませ。
 
 でわ、次の回で。

NEXT
ver.-1.00 1998+10/06 公開
感想・質問・誤字情報などは こちらまで!

 風奈さんの『Declination below adolescence!』第拾壱話、公開です。





 テレビのある食堂
  −−−いいなぁ

 午前は3限
  −−−とてもいいなぁ

 外出許可
  −−−メチャいいなぁ

 交代で弁当
  −−−・・・いい



 とっても楽しげで、面白げで、  素晴らしいです(^^)


 なんっつても、アスかレイマナマユミ、可愛い子がいっぱい!
   売約済みなのは、まあ、いいじゃない(^^;
   ”いる”だけで、けっこういいもんだよ。うん。
 先生もいいし。



 こんないい学校から出ていくことになるのかな?


 最高の”いい”ことである条件は一緒について行くみたいだし・・
 全然問題ないか?!

 ウン。問題ない!




 ついにレースだね。



 さあ、訪問者の皆さん。
 メタタグで神田を驚かせた(笑:一太郎凄し)彩羽さんへ感想メールを送りましょう!




 WIN98でいれてもマシンが安定・・・
  私も導入しようかしら。
 ・・・リビジョン2が出たら、買おう。うん。 ケチ&慎重(^^;

 非MMX120MHペンタで動くかな?





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