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第二新東京のあるビルのやたらと広い会議室。

「どうかね、最近は?」

「国民は落ち着いたものです。心配されていた株価も安定を取り戻しております。」

「セカンドインパクトで地獄を見たんだ。今更使徒襲来程度では騒がないよ。」

「使徒撃退はとりあえずNERVに任せるとして、回収したという貴重なサンプルはどうなっているのかね?」

「第4、第5使徒のサンプルも特別法を盾に独占してます。」

「あれだけの事実の集大成をかっ。」

「エヴァンゲリオンだけではあき足らんと見えるな。」

「こちらも情報公開法を盾に資料の提出をNERVに迫りましたが………。」

「出てきたものはこれですよ。」

そう言って差し出された書類は、タイトルと句読点以外はすべて塗りつぶされていた。

「教えるつもりはないという事か。」

「なめられたものだな。」

「我々に有利な法的整備も進めてはいる。」

「意味のない事を。国連直属を盾に法律を無視するのが落ちだ。」

「我々にとっては由々しき問題だな。」

「不透明すぎるのだよ。」

「主力兵器のエヴァンゲリオンにしてもどうやってあれほどのものを作ったのだ。」

「明らかに技術レベルが違いすぎる。」

「いかんな。独占はいかん。」

「資金もだよ。」

「たとえ使徒におびえる毎日でも、金は必要だよ。生きている限りね。」

「人を動かすのは経済……ですか。」

「そのための軍事産業です。」

「我々の使徒迎撃計画はどうかね?」

「テストは順調です。予定どうり明後日に発表会を行います。日本政府の肝いりですからね。派手にやりますよ。」

 

 

 

NERVのトレーニングルーム。

「えっ、明日の訓練はないんですか?」

「ええ、仕事が入りました。優とジャンには良い実地訓練です。シンジ、あなたも参加しますか?」

「どういう仕事なんですか?」

「旧東京にある軍事施設のコンピューターにプログラムを置いてくるだけです。潜入の練習にはもってこいです。」

「そうですね。参加します。じゃあ、僕リツコさんに明日のシンクロテスト休む事を言ってきます。」

「いいですよ。私から言っておきます。」

「そうですか?」

「それよりも訓練の続きをしますよ。」

ここの所毎日やっている訓練が今日も続く。

「あらリツコ、何見てるの?」

「シンジ君達のトレーニングよ。ミサト、あなたこれ見てどう思う?」

「レベルが高すぎるわ。シンジ君に護衛をつけてるけど、その必要があるかどうか。護衛よりも数段強いわ。私よりもね。」

「この動きが初号機の動き……か。心強いわね。」

 

 

 

朝の葛城家。

朝食を食べるシンジとペンペン。

ガラッ。

ミサトの部屋のふすまが開く。

「おはよう。」

「……おはようございます。」

「クェ。」

「シンちゃん、エビチュお願い。」

「又朝からですか?」

「いいじゃない。」

そう言いつつ、しょうがなしに自分でビールを取り出すミサト。

「プハァッ。朝一はやっぱこれよね。」

「コーヒーじゃないんですか?」

「日本人はね、昔っから朝は御飯と味噌汁、そしてお酒って相場が決まってるのよ。」

「ミサトさんだけ………ですよ。」

「なによ。」

「大体今朝の食事当番、どうなってましたっけ?」

「うっ。」

「ミサトさんが独身なのが分かります。」

「悪かったわね、がさつで。」

「+ズボラ。」

「うっさいわねぇ。」

「ごちそうさま。ところで本当に今日、学校に来るんですか?」

「あったりまえでしょ。進路相談なんだから?」

「進路よりも次の使徒に備える方がいいような気が………。」

「良いの、良いの、それはリツコの仕事。」

 

 

 

「かっけー。誰、あれ?」

「碇の保護者?」

「えっ?碇って、あんな美人に保護されてるの?」

クラスの男子達(名前も与えてないし、与えるつもりもない、いわゆるその他大勢の男子達。ひょっとしたらケンスケ、トウジが紛れているかも?)が窓際で騒ぐ。

「実態を知らないって事は幸せなのかな?」

「そうかもな。俺もこの間お前の家にいった時驚いたもんな。」

「ああ、あれでミサトさんのイメージが変った。」

 

 

 

「地球の平和か?」

「ん、何かいった?」

「ねぇ、リツコさん。」

「なに?」

「EVAって2台だけなんですか?」

「いいえ、ドイツにもう一台、セカンドチルドレン用のがあるわ。」

「そういえば、ドイツにもチルドレンがいるって言ってましたね。じゃあ、3台だけって事ですか?」

「そうよ。」

「それはここに来ないんですか?」

「そのために指令が今会議にいってるわ。」

「父さん、いないんですか?どうりでここが平和なわけですね。」

「………そうね。」

「あ、そろそろ、いかなくちゃ。」

「よろしくね。シンジ君。」

 

 

 

―――旧東京

「ここに侵入するんですか?」

「ああ、そうだ。」

「優とジャンは?」

「もう一個所に周った。シンジ、いくぞ。」

「はい。」

二人は目の前の2mはあろうかという柵を飛び越えた。

そして、監視兵達のすきをついて、建物に接近した。

あらかじめ調べておいた通風孔から建物の中に侵入する。

この間、赤外線などのセンサーの類もいくつか会ったが、それに引っかかるほど間抜けではなかった。

もっとも、そのうちのいくつかは予め無効にしておいたのだったが。

通風孔の中にあるセンサーは持ってきていたモバイルを使って、ことごとくだましつつ進んだ。

そして目的の部屋まで来ると、音もなく飛び降りた。

そのまま、目的のコンピューターに預かってきたプログラムを送り込んだ。

当然ログを残すような真似はしていない。

ここら辺のコンピュータを使ったものは朧は苦手らしくシンジがすべて行った。

帰りも、来た時と同じくして何事もなく帰っていった。

だが、帰りの車の中でシンジはふと思った。

「先生、あの程度の事ならMAGIでハッキングしてやった方が早かったんじゃないんですか?」

「あの組織はNERVに特に注意しているらしくて危険が高いらしい。それに、あなた達の良い訓練になったじゃないですか。」

「納得しました。」

 

 

 

数日後の朝、葛城宅。

ガラッ。

「あ、おはようございます。ミサトさん。って、どうしたんです?その格好。」

珍しく、ミサトが正装で部屋から出てきたのである。

寝ぼけ眼で健全な青少年なら視線のやり場に困る格好で出てくるのが、常だったのでシンジは驚いた。

「あら、シンちゃんこそ、その格好は何?」

「いや、何って、学校に行くのに制服来てちゃおかしいですか?」

「は?学校?」

「ええ。」

「今日はリツコと三人で旧東京に行くって言って」

「なかったです。そんな事聞いた覚えありませんよ。」

「……そういえば、言ってなかったような気も。で、でも、リツコ」

「さんからも聞いてません。」

「まぁ、今言ったって事で。」

「はぁ、それで何しに行くんですか?」

「政府の『対使徒用のロボット』の完成パーティーに招待されたのよ。」

 

 

 

―――旧東京上空のヘリの中

「ここがセカンド・インパクト以前に、花の都と呼ばれていた大都会とはね。」

「あそこね。」

「何もこんな何も無いところでやらなくても。」

「こんなところだから、ですよ。」

「シンジ君の言う通りよ、ミサト。ここだったら無茶な実験もできるのよ。うらやましいわぁ。NERV(うち)にもこんな広い場所があればいいのに。そうすればEVAを実際に動かして実験ができるのに。」

「それは贅沢ですよ、リツコさん。」

「ところで、これには戦自は絡んでいるの?」

「戦略自衛隊?いいえ、介入してないわよ。」

「どうりで、好き勝手にやってるわけね。」

 

 

 

―――ホール内、パーティー会場。

「なによこれ?」

「わかっていたことじゃない。」

「気持ちは分かりますけどね。」

広い立食形式の会場の中央にミサト達のテーブルは用意されていた。

そのテーブルにはミサト達しかおらず、飲み物も料理も出ていなかった。

その時不意に後ろから声を掛けられた。

「ひさしぶりね、リツコさん」

その声に3人は後ろを振り向く。

「「ティァさん。」」

「誰?この人。リツコの知り合い?」

「あら、そっちの方は初対面ね。リツコさん、紹介していただける?」

「ミサト、この方はティア・フラット・ァーカムさん。A・Eの会長さんよ。ティァさん、こっちは葛城ミサト。NERVの作戦部長よ。」

「A・Eの会長?あっ、どうもはじめまして。」

「始めまして、葛城さん。」

「お久しぶりです。ティァさん。ところで、何でここに?」

「招待されたからよ。」

「はぁ、それで、A・Eのテーブルは?」

「ここよ。」

「はい?」

そう言ってシンジはテーブルにあるネームプレートを見る。

そこには確かにNERVとA・Eの文字があった。

「ほんとだ。」

シンジ達がそんな会話を交わしていると、前面の台の男の声が聞こえてきた。

「本日はお忙しいところ、我が時田重工が誇る新製品の実演会に起こし頂き、まことにありがとうございました。後程管制室の方へ席を移し実際に機体をご覧いただきますが、ご質問のある方は、この場にてどうぞ。」

間髪入れずにリツコが手を挙げる。

「よろしいかしら?」

「これは、赤木リツコ博士。おこし頂けて光栄の至りです。」

「質問を、よろしいでしょうか?」

「ええ、ご遠慮なくどうぞ。」

「先程の説明ですと、内燃機関として、核融合炉を内臓とありますが。」

「ええ、本機の大きな特徴です。長期の作戦行動に絶えられるものです。」

「しかし、格闘戦を前提とした陸戦兵器に融合炉を内蔵する事は、安全性の天から見てもリスクが大きすぎると思われますが。」

「5分も動けない決戦兵器よりは、マシだと思いますよ。」

「遠隔操作では、緊急対処に問題を残します。」

「パイロットに負担をかけ、精神汚染を引き起こすよりは、より人道的と思います。」

「人的制御の問題もあります。」

「制御不能に陥り、暴走を許す危険極まりない決戦兵器よりは、より安全だと思いますよ。制御できない兵器など、手におえません。」

これまで黙っていたシンジが発言した。

「すいません。私もよろしいでしょうか?」

「ええ、エヴァンゲリオンのパイロットの碇君、でしたね。」

「制御できないと、おっしゃりますが、何をもって制御できないとおっしゃるので?」

「一体目の使徒と、二体目の使徒の時に暴走したと聞いておりますが。」

「あれで、暴走したのはEVAではなくパイロットである僕です。」

「ははは、エヴァンゲリオンをかばいますか?ご立派ですな、若いのに。」

「それに、あなたがたのこれ、J・G(ジェット・グルーン)でしたか?これで、使徒に勝てるとおっしゃりたいのですか?」

「勿論です。」

「UN軍との交戦記録は入手されてると思いますが、使徒は一体で一個大隊を撃破しました。当然EVAも、それだけの力があります。J・Gにもそれだけの力があると?」

「それは、ATフィールドとやらの力ですね?ご安心ください。我々もその研究は進めております。時間の問題に過ぎません。」

「愚かな。我々NERVと交流のあるA・Eが何故ATフィールドに手をつけようとしないのかご存知ですか?」

「交流があるからこそ、でしょう。」

「それに、今見せて頂いた資料によると、J・GはアナハイムのMSよりも性能は落ちるようですけど。ねぇティァさん。」

「そうね。うちのMSのほうが性能はいいみたいね。でも、私はMSを使徒と戦わせようなんて考えないわよ。無駄な事はしたくないもの。」

「な、なんだと。J・Gを侮辱するにもほどがある。J・Gが宇宙開発用ロボットごときに負けるはずが無い。」

「なら、模擬戦でもやってみます?こんなこともあるかと思って、うちのMSをもってきてますから。」

「のぞむところだ。」

………なんか嫌な予感がしてきた。

「それじゃ、シンジ君お願いね。」

「………やっぱり、僕が乗るんですか?」

「パイロットは連れてきてないもの。一号機と二号機どっちがいい?」

「あの二体を持ってきたんですか?」

「一号機は地上用にしてあるわよ。二号機にはきちんとバズーカもつけてあるわよ。」

「2号機は危険過ぎます。一号機でお願いします。」

 

 

 

数十分後、J・GとMSとの模擬戦の準備は整った。

「模擬戦、開始。」

「シンちゃん、やっちゃっていいわよ。」

J・Gが40〜50mもあるのに対して、MSは18mしかない。

「ところで、ティァさん。あのMSの装備は?」

「ビームサーベル、ビームライフル、ビームガン、バルカン、ってとこね。」

MSは距離をとりつつ、ライフルで攻撃を仕掛けている。

J・GはMSを捕まえようとするが機動性の差がありすぎて捕まえる事など到底無理のようである。

空気中のため、ビームライフルの威力は極端に落ちてはいるが、確実にJ・Gの装甲を削っている。

しかし、シンジは本気を出してはいなかった。

相手は核爆弾と言ってもいい代物である。

こんなところで爆発した時の事を考えると、本気が出せないのであった。

それに、シンジは知っていた。

自分は長引かせるだけでいい事を。

しかし、シンジは大きな間違いを犯していた。

それは、すぐに、現れた。

こけたのである。J・Gが。

MSを捕まえられない事に頭に来た時田が、歩行速度を無理に上昇させた事が原因だった。

「今の、衝撃で、融合炉の壁が限界に来ています。約260秒後に爆発します。」

この試合を観戦していた、管制室は大変な騒ぎになっていた。

260秒では安全圏には逃げられない。

それは、死を意味していた。

「やっぱり、こうなったか。しょうがないわね。時田さん、でしたわね?」

「は、はい。」

「あれは、もう放棄して構いませんね。」

「はい?」

ティアはそう言うと、いきなり消えた。

次の瞬間、J・Gの上空に浮かんでいた。

しばらく、ティアが念じていると、徐々に、J・Gの存在が希薄になっていった。

そして、消えた。

ティアは次の瞬間には管制室に戻ってきていた。

「な、なにをしたんだ?」

「次元の狭間におっことしただけですよ。」

「は?」

 

 

 

その後、旧東京はこの事件の調査で大変な騒ぎになった。

参加者達は政府に拘束された。

しかし、シンジ達、4名はNERVの権限というやつで、そうそうに帰る事に成功した。

 

 

 

「報告します。指令。MSとの模擬戦など計算外の事に見舞われましたが、結果は計画よりもいい状態となりました。サンプルも証拠もT・F・Aの手によって抹消されました。」

「ふっ、問題ない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ver.-1.01 2000/03/18
ver.-1.00 1998+10/27公開
ご意見・ご感想などは m-kaz@helen.ocn.ne.jp まで!!
 

<後書き>

Kaz(以下K):第7話の公開です。今日はお客さんをよんだんですけど…。

ボコッ。

K:痛いなぁ。何するんですか?大体あなたは呼んでませんよ。

Yuu(以下Y):うるさい、おれもジャンもお前に話があったからシンジに連れてきてもらったんだ。

K:はぁ、で、話って?

Y:あの話の中に出てきたロボットは何だ?TV版とはなれすぎてるだろうが。

K:J・Gって名前はJ・Aよりも進歩しているので(原子炉→融合炉)ァローンをレベルアップさせてみたんですよ、グルーンに。

Y:お前、もう他の世界を持ってこないって言って無かったか?

K:ネーミングだけですから。そうそうMSの名前、何人の方が分かりましたか?GP−01とGP−02のつもりでかいたんですけど。もち、バズーカーはアトミックボム!

Y:危険過ぎるぞ、それは。

K:そうそう、あなたに聞いておきたかったんですけど、本命は誰ですか?

Y:な、なにをいってるんだ。そうだ、用事があったんだ。じゃぁ、おれはこれで。

K:彼にはこの話題が最大の武器ですね。やっぱり。で、次はジャン君ですか?

Jan(以下J):そうだ。

K:君も呼んでないんだけど。

J:んなことはどうでもいい。何で優ばっかりもてて、俺はもてないんだ?

K:君ももててます。

J:はい?

K:だから、設定では君の方がもててるの。ただ、君の場合、相手が全員女生徒AとかNERV女性職員Bとかばっかりだから表に出てこないの。

J:意味ないじゃねーか。

K:………そうですね。それじゃあ、これ、どうぞ。

J:なに?これ。

K:私が出入りしているページのリスト。この中から好きな娘を探しておいで。君の彼女って事で出してあげるから。

J:おう、んじゃ、いってくるぜ。

K:ふう、やっと行ったか。という理由でジャンの彼女募集します。期限はジャンの彼女が登場するまで。

Sinji(以下S):僕の番ですか?

K:やっと、今日のお客さんと話ができる。

S:やたらと強いですね、僕。

K:そうですよ、次回には君の彼女(候補?)も出てくるからね。

S:そうですか。可愛い子ですか?

K:かなりね。

S:レイよりも?

K:その質問には答えにくいけど、『個人の趣味次第』ってとこにしておく。

S:比べにくいって事ですか。

K:あと、君にマスターしてもらいたいのは、ディラックの海とロンギヌスの槍とMAGIですね。

S:……強すぎませんか?それって。

K:いいの。

パリン。(ATフィールドの割れる音)

グサッ。(なにかがKazに突き刺さる音)

ボカーン。(それが爆発する音)

S:な、なんだ?

?:MAGIは私のものよ。誰にも渡さないわ。

S:Kazさんも死んでるし、逃げようっと。

K:ひ、ひどい。


 Kazさんの『His Past Record.』第七話、公開です。
 
 
 

 な、な、な、な、何が起こったんだ?!

 だ、だ、だ、だ、誰だ、ディアさんって!?
 

 JG(?)とMS(!?)の模擬戦があって、
 最後は”次元の狭間”・・・
 

 な、な、な、な、な、 ?の嵐っす。
 
 

 「こんな事もあろうかと」って言っていることから推して
 ディアさんはマッドサイエンティストなのかしら(爆)
 
 

 時田はんは・・・辛いよね(笑)
 
 
 
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 快調に進むKazさんに感想メールを送りましょう!
 
 


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