「この時期にチルドレン候補生が送り込まれてくるとはちょっとおかしくないか、碇。」
「ふ、、問題ない。シンジとレイの警護は完璧だ。」
「やはり、考えられるのはチルドレンとの接触か。」
『これでいいのだな、ラルフ大佐。』
「ありがとうございます。議長。」
『しかし、厄介なところにいたものだな。』
「はい、しかし、あの者はやはり殺しておかねば。我等、プロジェクトCOSMOSの全容を知り、つぶした奴ですから。」
『もう一人の方はまだ居場所がつかめていないそうだな。』
「はい、足取りが完璧に消されていまして……。目下捜索中です。」
『ふむ、退室してよいぞ。』
「転入してきた、金谷唱といます。よろしくお願いします。」
第四使徒を倒した数日後、シンジ達のクラスに一人の転校生が来た。
(SEELEから送られてきたやつってのはあいつか?優。)
(らしいな。あいつ、素人じゃないぞ。)
(だな。)
その日の放課後、ジャンと優はめずらしくシンジを誘った。
「よお、シンジ。今日は暇なんだろ。ゲーセンでもいかねえか?」
「え。ああ、………いいけど、御神苗君。」
「優でいいって。」
別にシンジと遊びたかったわけではない。
彼らの任務、チルドレンの保護を遂行する為だった。
彼らは3人で近くのゲーセンに向かって歩き出した。
人どうりが多いわけではないが、下校の生徒等によって、人が絶えないはずだった。
しかし、気付いた時には、周囲に3人以外の人は一人もいなかった。
「おい、でてこいよ。」
「さすがだね。」
そう声が聞こえて、3人の目の前に一人の少年が出てきた。
それは、転入生の金谷唱だった。
「シンジ、下がってろ。こいつのねらいはEVAパイロットのおまえだ。」
「え、なんで………。」
「おれたちはNERV所属で、お前のガードをやってるんだよ。」
「いや、そうじゃなくて……。」
「EVAの数少ないパイロット。NERVをよく思わない組織にとっちゃねらい目なんだよ。」
そう言って、ジャンと優はシンジを後ろに下がらせた。
「ふん。なんか勘違いしてないかい?僕のねらいは御神苗優、君だよ。」
「は?なんで俺がターゲットになんなきゃならねーんだよ。」
「正確には僕のターゲットはNo.43だけどね。」
「な、お前っ!?」
「COSMOSプロジェクトNo.71。それが僕のナンバーさ。」
それを聞いて、優の顔色が変る。ところがだれもきづいていなかったがこのときシンジの顔色も変っていた。
「馬鹿な、あのプロジェクトは金がかかりすぎるんで、ペンタゴンは手を引いたはずじゃ。」
「そう、君が潰した後に我々はペンタゴンから捨てられた。」
「ふん、その復讐か。」
「まぁ、そんなところだな。」
「おれがお前に負けると思うのか?」
「たしかに、我々COSMOSの固体戦闘能力に比べて君は優れている。勝てないかもしれない。直接戦えばね。」
後ろを振り向く優とジャン。
そこには喉元にナイフを突き付けられたシンジがいた。
「君の任務は彼の護衛なんだろ。これで、我々の勝ちってわけだ。武器を捨ててくれないか?」
優と、ジャンはいわれたとうりに銃とナイフを捨てる。
「AMスーツもだよ、No.43。」
上着を脱ぎ捨てる優。
影からそれを見ていた男が出てきた。
「よくやった。No.71。」
「ラルフ・クーリー大佐!?生きてたのか。」
「ああ、おかげでこんなざまだがな。」
隊長と呼ばれた男は片目に眼帯をつけ、片腕はサイボーグという状態だった。
「久しぶりだな、御神苗優。いやNo.43。」
「おい、優。だれだ?このおっさん。」
「ラルフ・クーリー大佐。俺が昔いたCOSMOS、Children Of Soldier Machine Organize Systemの責任者だ。ところが洗脳の解けた隊員によってそいつをつぶされた。」
「そう、そしてその故障者がお前だ。本当はもう一人故障者がいるんだがそいつの方は誰が生き残ったかわからん状態だった。」
「ヒュー、全滅ってか?」
「そうだ。しかも調査隊が駆けつけた時には死体の判別が不可能になっていた。」
「んで、とりあえず俺をってわけか?」
「そうだ。」
そう言って、ラルフは優の足に向かって銃を撃った。
しかし、優は横にずらしてそれをよけた。
「ふん。よけるか,No.43。人質がいるのを忘れたか?」
「ちっ。」
ラルフは優に近付きサイボーグと化した腕で殴った。
「御神苗君っ!僕はいいから。」
「そういう理由にもいかねえんだよ。シンジ。」
ラルフは優を殴りつづける。そう、過去の恨みをぶつけているのだ。
しばらく殴りつづけるとさすがに疲れたようだった。
「ふん、もうばてたか。としだな。」
「うるさい。No.43。」
そういって、ラルフは優の心臓に銃の狙いをつけた。
「「やめろっ!」」
シンジとジャンが叫ぶ。
プシュッ。
銃声は予想に反して響かなかった。
しかし、その音と威力は関係がなかった。
ドサッ。
優が倒れる。
「うわぁー。」
その場にいる者がその声の方に目をやる。
そこには、拘束を自力で振り切ったシンジがいた。
「ほう、拘束を自力で振り切ったか。だがもうNo.43はこのとうり、手後れだったな。」
普段の冷静なラルフであればこの時のシンジの異変に気がついたかもしれない。
しかしラルフは優を倒した興奮で冷静な判断ができなくなっていた。
「おい、シンジ、お前………」
ジャンがシンジに声を掛けようとした時、シンジが動き出した。
拘束を振り切った時に奪ったナイフで拘束していたCOSMOSの兵士の喉を掻き切った。
周囲の者がそれに驚いて一瞬動きが止まっている間に、さらに近くにいた一人の心臓を一突き。
周囲の者が我を取り戻した時にはジャンも動き出していた。
COSMOSの兵士達が次々に倒れていく。
「くっ、サードチルドレンがここまでやるとは……。計算外だ。撤退!?」
ラルフのその声に答えて、生き残っていた兵士達が雲の子を撒き散らすかのごとく逃げていく。
「優、優っ!」
「うるせえぞ、ジャン。死んじゃいねえぞ。」
「よかった。」
ドサッ。
シンジが倒れた音だ。
「おいっ、シンジ。………だめだ。気絶してらぁ。」
数分後、ジャンの通報によりNERVの人間が駆けつけた。
優とシンジは救急車によってNERVの病院へと運ばれた。
シンジとジャンによって作られた死体はNERV諜報部によって始末された。
ジャンが尋問に掛けるために気絶させたCOSMOSの兵士はNERVの独房へと運ばれた。
しかし、数時間後、その独房で爆発が起こった。
調査の結果、COSMOS兵士が体内に仕込んでいた爆弾で自爆したとのことだった。
―――翌日
シンジが意識を取り戻した。
優もなんとか命を落とさずにすんだ。
殴られた怪我は優が微妙に急所をずらしていたせいでたいしたことはなかった。
とはいっても数日間は安静していなければならなかった。
銃傷は肋骨に当たっていて、心臓に達してなかった。
おかげで翌日には意識を取り戻し、数日の入院で住む事となった。
――――優の病室
「御神苗君、昨日は………。」
「優でいいっていってるだろ。」
「ところでシンジ、昨日のあれは何だったんだ。あれは素人の動きじゃなかったぞ。」
「………ごまかせないようですね。優君は昨日No.43と呼ばれていましたね。」
「ああ、おれがCOSMOSにいた頃つけられたナンバーだ。」
「僕はNo.59でした。」
「「なっ。」」
「まさかシンジ。洗脳からさめたもう一人って言うのは………。」
「はい、僕です。」
「すげえじゃん。」
「どこがですか。人を殺す技術をたたき込まれて、切れたらマシンと化して人を殺してしまう。」
「ひょっとして、こないだの使徒との戦いで動きが急に変ったのも………。」
「はい、間違いないと思います。」
「シンジは切れた自分が嫌いなんだな。」
「当たり前です。」
「俺も切れた自分が嫌いだ。だが切れた時の自分の戦闘能力は俺にとって必要だ。シンジ、お前もじゃないのか。」
「はい。確かにEVAに乗る上では要らないとは言えません。」
「シンジ、おれはな、切れた自分がコントロールできるように訓練している。大切なのは自分を見失わない事じゃないのか。お前だって好きでCOSMOSにいたわけじゃないだろ。過去に引きづられるな。」
「そうかもしれませんね。」
「ジャンもな、切れると自分を見失うんだ。」
「ジャン君も?」
「ああ、俺はな、SEELEって言う組織で作られたんだがいわゆる狼男っていうやつなんだ。切れると、ワーウルフになっちまう。そうなっちまったら、おまえ等と同じだよ。だが、俺はそれで卑屈になったりはしねえぞ。俺は絶対克服してみせる。卑屈になっていても切れたら周囲に迷惑を掛けるのはいっしょだからな。だけど克服すれば誰にも迷惑を掛けずに済む。」
「ですね。僕もうじうじしてるだけじゃ駄目ですね。優君達みたいに克服するように努力しなくちゃいけないんですね。僕も訓練に参加させてもらえますか。」
「ああ、歓迎するよ。」
―――――数日後
EVA塔乗のシミュレーションをしているシンジ。
「リツコさん、そのATフィールドってどうやってはるんですか?」
「我々に分かっているのは理論的にATフィールドがはれるって事と使徒と戦うにはATフィールドが必要って事よ。そして、レイもアスカもまだ成功してない。」
「つまり、誰もはり方を知らないって事ですか。」
「まぁ、そういうことね。とりあえず、初号機が攻撃される状態をシミュレートしてみるわ。言っとくけど当たったらいたいわよ。」
「はい。」
ひたすら使徒の攻撃を避けつづけるシンジ。
「ねぇミサト。シンジ君少し明るくなったんじゃないの?」
「こないだのSEELEの襲撃以来優ちゃん達と仲良くなったみたいだしね。」
「ミサト。こないだのはCOSMOSという組織がやったことよ。SEELEの名を騙てね。」
「けど………。」
「SEELEの名を騙るのが無理なのは私も分かっているわ。でもあれはそうなのよ。追求しない事よ、ミサト。」
「そう言えばこのごろ、シンちゃんが帰ってくるのが遅いんだけど訓練のし過ぎじゃないの。」
「私は訓練の量を増やしてないわよ。シンジ君が優君達といっしょに朧のもとで訓練してるみたいだけどね。」
「朧のもとで?彼の訓練って私でもついていけないわよ。何でシンちゃんが?」
「優君と同じらしいわよ。」
「COSMOS?」
「そう。」
「シンジ、なんで今のジャンの攻撃をくらうんですか?」
「でも、あんなに速くちゃ…。」
「それはあなたが目で追っているからです。全身で相手の気配を察しなさい。優とジャンもですよ。」
ジャンとシンジが模擬戦を行っているがジャンの方が強いようだ。
しかし、朧は優と戦いながら注意をする。
3人とも朧に言わせると
「良い物をもってるんですがまだまだですね。」
ということだ。
リョウさん、SAIさん、ボルトさん、ARCAM E田支部の皆さんスプリガンについての情報どうもありがとうございました。
シンジ君に家出のかわりに少し強くなってもらいました。これで、ATフィールドをはれるようになったら、シンジ君無茶苦茶強いですね。ちなみにスプリガンから出演予定のキャラは染井芳及、初穂、香穂、山菱理恵の4人です。フル・フラットはまさに「おばさん」なので出しません。出しにくいという事もありますけど。後はもし要望メールがあったら考えます。次のも頑張って書きますけど、学校が始まったので少し遅くなるかもしれません。
訂正させて頂きます。「フル・フラット」→「ティア・フラット」、「染井芳及」→「染井芳乃」。
フル・フラットはエルガイムのキャラでした。スパロボをやる人はご存知と思いますが。
染井芳乃は漢字のミスです。すいませんでした。
ご指摘頂いたボルトさん、SAIさん、ありがとうございました。
シンジの隠された過去、ですね。
刺客を軽く倒していって、
強い系のシンジだね(^^)
世界も、
設定も、
EVAよりスプリガンの方が濃いのかな。
スプリガン・・・漫画連載の最初の頃は読んだんだけど
いつの間にか−−(^^; 復習必要?(^^;;;;
知らない方が楽しめるかな??
さあ、訪問者の皆さん。
快調に連載を重ねているKazさんに感想メールを送りましょう!