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「えー、今日は転校生がいます。碇君、はいりなさい。」

教師の言葉に応じて、シンジが教室内に入ってきた。

「あ、えと、父の仕事の都合で転校してきました。碇シンジと言います。よろしくお願いします。」

「えー、碇君はそこの席です。教科書とかは勝手にDLしておくように……。」

シンジはいわれた席に着いて、教科書のDLを始めた。

「えーと、碇君、だよね?」

いきなり、後ろから声を掛けられた。
 
「俺は、御神苗優。んで、こっちがジャン・ジャックモンド。俺達も一ヶ月ほど前に転校してきたばかりなんだ。なかよくやろう。」

「あ、どうも。よろしくお願いします。」

シンジの学校生活はこのようにして始まった。

 

 

 

『おはよう、シンジ君。調子はどう?』

リツコがエントリープラグの中のシンジに話し掛ける。

「慣れました。………悪くありません。」

『EVAの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、頭に入っているわね。』

「一応。」

『ではもう一度おさらいするわね。通常、EVAは有線からの電力供給で稼動しています。でも非常時に体内電池に切り替えると、蓄積容量の関係でフルで一分、ゲインを利用してもせいぜい五分しか稼動できないの。これが私たちの科学の限界―――ってワケ。おわかりね。』

「はい……。」

『では昨日の続き、インダクションモードの練習、始めるわよ。』

「まだ、こんなことしなくちゃいけないのか………。」

確実にモニタに移る第三使徒のコアに弾を撃ち込む初号機。

「しかしよく乗る気になってくれましたね、シンジ君。」

「ええ、それにしてもやたらとうまいわね、シンジ君。パレットライフルの反動で照準がずれたりもしてないし……。ねぇ、ミサト、シンジ君のここに来るまでってどうなってるの?」

「それはあなたの方が詳しいんじゃないの?」

「それが、MAGIで調べてみたんだけど厳重なプロテクトが掛けられていたわ。あなたシンジ君から何か聞いてない?」

「アメリカにいたって言ってたけど………、詳しい事は聞いてないわ。」

 

 

 

「ねぇ、ミサトさん。もう朝なんですけど………。」

吐息と共に布団が動き、中からミサトの声が聞こえてくる。

「さっきまで仕事だったの……今日は夕方までに出頭すれば良いの。だから寝かせて……。」

「はぁ、じゃぁ、僕………。早々、今日燃えるごみの日なんですけど、部屋に何かありますか?」

「んん、ないとおもうけど。」

「じゃ、いってきます。」

「あ、学校は慣れた?」

「ええ、まぁ。」

「ん、いってらっしゃい。」

十数秒後扉の閉まる音が聞こえた。

ミサトはそれを聞くと次第に眠りに落ちていった。

Prrrrrrrrrrr Prrrrrrrrrrr Prrrrrrrrrrr

しかし、電話の音がそれを邪魔した。

「ったく、人が気持ちよく寝ようとしてる時に………。はい、もしもし……なんだ、リツコか。」

「どう、カレとはうまくいってる?」

「彼?ああ、シンジ君ね。転校して二週間。相変らずよ。ただ、未だに誰からも電話、かかってこないのよね。」

『電話?』

「必須アイテムだから、渡しといたんだけどね。自分で使ったり、誰かからかかってきた様子、ないのよね。あいつ、ひょっとして友達いないんじゃないかしら。」

『かもね。あの二人からの報告が来てたけど、クラスでも他人との接触に消極的らしいわよ。』

「そっか。」

 

 

 

その日の授業中、シンジの元に通信が入った。

『碇君があのロボットのパイロットって本当?(YorN)』

シンジは「誰が?」と思い周囲を見回すと後ろの方の女子二名が手を振った。

『ホントなんでしょ。(YorN)』

(えーと、リツコさんEVAはロボットじゃないって言ってたな。)

シンジはそんな事を考えつつ『No』と答えた。

(うそじゃないもんな。)

『ロボットって何?』

『な―んだ。こないだの事件の時のロボット、見なかったの?』

『ああ、僕が転校する前日にあったってやつ?知らないけど、ロボットなんてあったんだ。』

シンジがそこまで答えた時、チャイムがその会話を終了させた。

 

そして、その日第4の使徒が現れた。

『ただいま、東海地方を中心とした関東、中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。速やかに指定のシェルターへ非難してください。繰り返しお伝えいたします……………………………』

生徒達がシェルターへ非難していく混乱の中、校内のエレベーターから地下へと降りていく者がいた。

碇シンジである。

校内にチルドレン用に用意されたエレベーターで、NERVへと急いでいるのであった。

「総員、第一種戦闘配置。迎撃用意。」

「迎撃用意。」

「第三新東京市、戦闘形態に入ります。」

「中央ブロック収容開始。」

「第六ブロック閉鎖。全館収容完了。」

「政府および関係各省へ通達終了。」

「第五から第七管区まで、迎撃システム、スタートします。」

「民間人の退避は?」

「完了しました。」

 

「目標、真鶴上空へ侵入。」

 

「総司令のいぬ間に、第四の使徒襲来。意外と速かったわね。」

「前は15年のブランク。今回はたったの3週間ですからね。」

「こっちの都合はお構い無しか。女性に嫌われるタイプね。」

モニタに山間部に設置されたミサイルが使徒に襲い掛かるのが映る。

しかし、ATフィールドにはばまれて、使徒には何らダメージはない。

「税金の無駄使いだな。」

「委員会からEVAの出撃要請が来てますが。」

「うるさいわね。いわれなくても出撃させるわよ。」

 

 

 

エントリープラグにシンジがいる。

Prrrrr

「はい……。」

『シンジ君、出撃、いいわね。』

「…………。」

『シンジ君!?』

「は、はい……。」

『よくって。ターゲットのロックと同時にパレットの一斉射。練習どうり、目標をセンターから逃さないでね。』

『目標は、発進ルートの軸線に乗りました。』

『発進。』

 

 

地上にEVAが射出される。

一歩前に出て、右を向くと同時にパレット・ガンを一斉射する

しかし、その弾はすべてATフィールドに遮られる。

爆炎が使徒を覆い隠す。

その煙の中から飛び出した赤い物がパレット・ガンを切り裂く。

その赤い物は使徒の鞭状になっている腕だった。

『シンジ君、予備のライフルを出すわ。』

近くの武装ビルが開き、パレット・ガンが出てくる。

それを取ろうと初号機が動く。

しかし、その初号機の動きを使徒は見逃さなかった。

初号機に急接近する使徒。

まるで、地上を滑るかのように。

そして、鞭が初号機を襲う。

間一髪でよける初号機。

しかし、かわりに武装ビルと電源ケーブルが切断される。

『EVA、内臓電池に切り替わりました。』

『活動限界まで、あと4分53秒。』

初号機が、鞭に拘束される。

使徒はその初号機を投げ飛ばした。

山(丘?)に叩き付けられる、初号機。

『シンジ君、大丈夫!?シンジ君!?』

立ち上がる初号機。

使徒の両の鞭が初号機を襲う。

両の鞭が舞を舞うかのごとく初号機を切り裂く。

防ぐ事もできずにそれを受ける初号機。

『活動限界まで、あと1分23秒。』

それは突然だった。

それまで、使徒のなすがままになっていた初号機が急に動き出した。

鞭をかいくぐり、使徒に急接近する。

そして、使徒のコアにプログレシブナイフを突き刺す。

一瞬の事だったので、使徒もATフィールドをはる事ができなかった。

火花を散らすプログレシブナイフ。

コアの亀裂が徐々に広がる。

そして、コアの光が消えた。

次の瞬間、コアが砕け散った。

第四使徒の最後だった。

 

 

 

「はい、総司令。第四使徒は無事にせん滅しました。コア以外は理想的なほどに残っています。最高のサンプルです。ただ、初号機は未だATフィールドの展開に成功していません。はい、理論上は可能なはずです。はい、わかりました。では、シンジ君にATフィールドの存在を教えて、展開の訓練をさせます。」

 

 

 

 

 

 


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ver.-1.02 2000/03/18
ver.-1.01 1998+10/01公開
ver.-1.00 1998+09/30公開
ご意見・ご感想などは m-kaz@helen.ocn.ne.jp まで!!
<後書き、言い訳、解釈は読者(何人いるか知らないけど)に任せます。>

すいません。レイが小学生という設定を忘れて、中学校からNERVに直行させてしまいました。訂正しました。

その他、MISSなどがありましたら、ご連絡ください。

あと、第三使徒との戦闘の描写がわかりにくいというご指摘が数名からありましたが、

それについては訂正稿を書いている最中です。近日中に訂正した物をUPできると思います。



 Kazさんの『His Past Record.』第三話、公開です。
 
 
 

 本編なぞり系なのに、
 学校も舞台になっているのに、

 トウジも、
 ケンスケも、
 ヒカリも、

 出ない!

 これは珍しいよ〜  びっくりしたんす。
 
 

 それなりの役割があるクラスメートをがでない。

 どうなるのかな。
 

 変わりにスプリガンのキャラが出ているみたいだけど、
 わざわざ変えているからにはきっと何か・・・
 
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 快調なKazさんに感想メールを送りましょう!
 


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