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リツコがその子と出会ったのは、17歳という時間がもうすぐ終わろうとしている頃だった。
「ちょっと、いい加減にしてくれないかしら。」
リツコが話しかけているのは1匹の小さな子猫。本来なら真っ白い毛並みなのだろうが、薄汚れてしまって見る影も無い。
登校途中のことだった。道を歩いていると、一匹の子猫がリツコの足に纏わり付いてきたのだ。愛玩動物になど興味のないリツコは無視して通り過ぎようとしたのだが、リツコのどこが気に入ったのかしつこくついてくる。
「いい、私は餌も持ってないしあなたを飼う気もないの。他をあたりなさい。」
そう言い捨て後も見ずに足を早める。やっとあきらめたのかようやく子猫はついてこなくなった。
「あなた、まだいたの。」
夕方、帰宅途中。とっくにどこかへ去っていると思っていた子猫が朝と同じところで再び纏わり付いてきた。
ミャウミャウミャウミャウ
何かを訴えかけるような鳴き声。
「そんな同情を誘う振りをしたって無駄よ。言ったでしょ、あなたを飼う気はないって。私は動物は嫌いなのよ。」
言っているうちに馬鹿らしくなる。
『馬鹿馬鹿しい。猫に話して通じるわけ無いじゃない。』
無視して立ち去ろうとするが、子猫はしつこく纏わり付いてくる。
と、不意にリツコは気がついた。ちょっと離れては擦り寄り、再び離れては擦り寄ってくる子猫。その離れる方向がいつも一緒なのだ。
『もしかしてついてこいって言っているの?』
試しにそちらの方へ歩くと…子猫は先に立って歩き出した。歩みを止めると子猫も立ち止まり、ミャウミャウ鳴きながら戻ってくる。どうやら間違いなさそうだ。
「そうだったの。おまえはここに来て欲しかったの。」
行き着いた草むらの中、そこには……一匹の猫の死体があった。おそらく車に跳ねられたのだろう、近くの道には血の痕があった。ここまで歩いてきて力尽きたようだ。
おそらくはこの子の母親だったのだろう。子猫は甘えるように猫に擦り寄り、そしてリツコの方を向いて何かを訴えかけるように鳴く。
「……ごめんね。もうおまえのお母さんは死んでるのよ。」
リツコの見立てでは死んでからそれほど経っていない。もし朝の時点で見つけて治療していればあるいは助かったかもしれない。
子猫は……母猫の死んでいることが理解できないのだろう。母猫を舐めてやってはリツコに『何してるの、早くお母さんを助けてよ』とでも云うように訴えかける。
そんな子猫をリツコはそっと抱き上げて言う。通じないと判っていても。
「諦めなさい。運命だったのよ。」
そう、たとえ朝見つけていても治してやることは出来なかっただろう。セカンドインパクトから2年、この辺りは比較的被害は少なかったが未だ物資が不足していることに違いはない。野良猫の治療に回す余裕などないのだ。
『それにしても……おばあちゃんに何て言ったらいいかしら。』
リツコが今住んでいるのは2年前に疎開してきた母方の祖母の実家。いわば居候の身で更に食い扶持を増やすのは気が引ける。
とはいえ、今更この子を見捨てて帰る気にも成れなかった。親を亡くしたこの子。父の記憶もなく母との接点もほとんど無かった自分とどこかだぶってしまったから……。
案ずるより生むが易し、というところか。祖母はあっさり子猫を飼うのを許してくれた。祖母曰く、
「ナオコもそうだったけど、リッちゃんもコンピューターばっかり夢中になってるからねえ。こういう小さい生き物を育てる事で母性を養うんだから良いことよ。」
だそうだ。
「ねぇ、おばあちゃん、子猫の餌って何が良いのかしら。」
ソフトタイプのキャットフードでも有ればいいのだが、そんな物が置いてある訳がない。祖母の薦めで、ご飯に鰹節を混ぜ味噌汁を掛けた物、いわゆるネコマンマを与えようとするが…。
「こら、ちょっと待ちなさい。慌てないで。」
よっぽどお腹が空いていたのか、子猫は何も混ぜてない白飯にガツガツと食らいつく。もちろん弱っていた胃に消化できずにすぐに床に吐き戻してしまう。
「もう、困った子ね、あなたは。」
文句を言いながらも子猫の世話をやいてやる、そんなリツコを祖母は微笑ましそうに眺めていた。
「ネコちゃん、ネコちゃん、ほらほら行くわよ〜。」
靴下を丸めた物を投げて遊んでやっている祖母。子猫は獲物でも狙うかのようにそのボールに飛びついてはじゃれついて走り回る。
「じゃネコちゃん、次はこれね〜………ちょっとリッちゃん、何時になったらこの子の名前を決めるのよ。」
子猫が家に来てから一週間、リツコは未だに子猫の名前を決めていなかった。
「う…ん、なかなかコレって云うのを思いつかなくて。」
リツコの手元には子猫の名前を書いては消し書いては消した紙が一枚。
「どれどれ…、別に悪くないじゃない。」
祖母は適当にその一つを選び子猫に呼びかける。
「パール、パールちゃん。」
ボールにじゃれついている子猫は尻尾を振りすらしない。
「ホワイト、サユリ、ユキちゃん、シロちゃん。」
相変わらず無視。
「ホーリー、ミカエル、ファージ、テンプル。」
リツコが代わって呼びかけるがやっぱり同じ。
「リッちゃんどうするの、ネコちゃんどれも気に入らないみたいよ。」
と、その言葉にちょっと振り向く子猫。でも自分が呼ばれたのではないと思ったのか又すぐにボールにじゃれはじめる。それを見たリツコはちょっと嫌な予感を覚える。
「…まさか…」
恐る恐る子猫に呼びかけてみる。
「ネコ、ネコちゃん、こっちにいらっしゃい。」
子猫は『せっかく遊んでるのに、もう』という様な、いかにも渋々と云った感じではあるがリツコの所にやってきて座る。
『やっぱり…』
一応念のため確認。
「チロ、チロちゃん。」
子猫は無視して顔なんか洗っていたりする。
「ネコちゃん。」
その言葉にちょっと顔をあげるが、すぐに再び体を舐めはじめる。
「……ちょっと、おばあちゃん、どうするのよ。この子自分の名前が“ネコ”だって思いこんじゃってるじゃない。」
「私のせいにしないで頂戴。リッちゃんがさっさと決めないのが悪いんでしょ。」
こうして子猫の名前は“ネコ”になった。
あれから一年が過ぎた。
最初の頃こそ栄養失調気味で無事育つか心配だったネコも、今ではすっかり元気になった……のは良いが、その分リツコの手を煩わせるようにもなった。
家の中を走り回っては障子に穴を空けたり物を壊したりする、外に遊びに出ていっては怪我をして帰ってくる、虫や鳥やネズミを捕まえてはリツコの所へ持ってくる、しかもとどめを刺していないものだから家の中を逃げ回ってそれをネコが追いかけ回す。
受験勉強で忙しいというのにたまったものではない。
「しかも忙しいときに限ってわざわざ邪魔しに来るわけ。読んでいる参考書の上に乗ってきて寝そべったり、ノートに書いている腕に飛びついてきたりするのよ。」
遊び疲れたのか膝の上で眠っているネコを撫でてやりながら祖母に愚痴をこぼすリツコ。
「まったく、おばあちゃんに遊んで貰えばいいのに。どうしてわざわざ私の所に嫌がらせに来るのかしら。」
「それはね、リッちゃんがこの子の“お母さん”だからだよ。」
『えっ』と驚いた表情で顔をあげるリツコ。祖母は静かに続ける。
「リッちゃんが小さいときもそうだったわ。ナオコは昔から忙しかったから、何かというと家にリッちゃんを預けて私に面倒を見させてたの。でも、ナオコがたまにやって来るとリッちゃんは悪戯したり病気のふりをしたり…。」
「……」
「やっぱり寂しいから母親に気に掛けて欲しいのね。かまって欲しいのよ。この子もそれと同じ。リっちゃんが最近受験勉強でこの子の方を見てないから、『僕の方を見てよ』って主張してるのね。」
再びネコに視線を戻すリツコ。先程までと違いその顔には穏やかな微笑みが浮かんでいた。
「そっか……私がこの子のお母さん、か……。」
大学時代。
「ねぇねぇリツコ、この子何てぇの?」
ベッドの上で丸くなっているネコ。それを見ながらビール片手に彼女が聞く。
「ネコ、よ。」
「だ〜か〜らぁ、この子の名前は何て言うのかって聞いてんの。」
「だから、ネコって言ってるでしょ。」
「リツコ、アンタあたしをバカにしてるわけ?これが猫なのは見りゃわかるわよ!アンタがこの子をいつもどう呼んでんのかって聞いてんのよ!」
「だから私はこの子を・ネ・コ・って呼んでいるの。」
「はぁ?」
ちょっと間の抜けた顔。
「この猫の名前は“ネコ”っていうの。」
「何考えてんのよアンタは。普通猫に“ネコ”って名前付ける、まったく。最初に会ったときからまともじゃないとは思ってたけど、ここまでとはねぇ。」
彼女にまともじゃないとは言われたくない、と思うリツコ。
「良いじゃない、どうせ私の飼ってる猫はこの子だけなんだし。」
「しっかし、コンパに誘っても全然来ないし、毎日さっさと帰るから彼氏でも飼っているのかと思ったらまさか猫だったとはねぇ。そんなんじゃ男なんて作れないわよ。」
「余計なお世話よ。大体男を飼ってるのはミサトの方でしょ?違うか、餌を作ってるのは加持君なんだから飼われてるのはミサトの方ね。」
「う、うっさいわね!それこそ余計なお世話よ!」
母とも祖母とも離れての一人暮らし。人口が減ったおかげで今ではたいていの所でペットOKであるため、リツコはネコと一緒に暮らしていた。
「でもさ、今は良いけど…。」
「そうね。研究室に入ったら今みたいな訳には行かないわね。その時になったらおばあちゃんに預けるわ。」
ネコを撫でてやりながらリツコは思う。
就職してもゲヒルン研究所での母の仕事を手伝うことになる。母の様子からして、おそらくは何時部屋に帰れるかもわからないような不規則な生活を送ることになる。ネコを飼うわけにはいかないだろう。つまり……
この子と一緒にいられるのはあとわずかというわけだ。
「じゃあ元気でね、おばあちゃん。この子をよろしくね。」
「ええ、リッちゃんも元気でね。ナオコにもたまには帰ってくるよう言っておいて頂戴。」
「伝えておくわ。じゃあね、ネコ、おばあちゃんに迷惑掛けちゃ駄目よ。」
「ほら、お母さんにバイバイ〜って。」
そして彼女は母の元へ旅立った。それが悲劇の始まりの時。
母が死んだ。飛び降り自殺だった。
MAGI system が事実上完成し、ゲヒルン研究所が特務機関Nervへと移行するそのときに。
葬儀はひっそりと行われた。世界に名を知られる有機コンピューターの第一人者とは思えないほどに。Nervからの参列者もほとんど無く、公式には冬月副司令のみが代表として。
リツコにはわからなかった。そう、この時のリツコには。
さあこれからというときに何故母が死ななければならなかったのかが。
何かの間違いのような気がしていたのだ。現実感がなかったといってもいい。
だから彼女は涙を見せなかった。葬儀の際も、火葬の時にも。
「……終わったのね……」
葬儀の後。喪服のままリツコは畳の上に座り込んでいた。
「……母さん……」
火葬の後、僅かに残された灰。母の肉体の最後の痕跡。
それを見たとき、やっと実感がわいてきた。
もうこの世に“赤木ナオコ”という人間は存在しない。
目を閉じて壁にもたれかかる。
どうして母は自殺したのだろう。仕事も順調、恋人との関係も良好であったように見えたのに。
遂に自分には母を理解することは出来なかった。
母と自分との間には常に距離があった。普通の親子よりも遠い距離。まるで穏やかな他人同士の様な関係。
そしてその距離を詰める機会は永遠に失われた。もう彼女の母はどこにもいない。
リツコの目から涙がこぼれ落ちる。頬を伝い流れていく。
その頬を舐めるザラッとした感触。
目を開けると、リツコを心配そうに見つめる一対のエメラルドグリーンの瞳があった。
「慰めてくれてるの?」
涙を流したまま微笑む。
「駄目なお母さんね、私って。子供に心配掛けるなんて。」
そっとネコを抱き寄せる。胸に感じる仄かな温もり。
自分はこんな風に母を慰めたことがあっただろうか。
夫を早くに亡くし、子供も疎遠。葬儀にも来ない恋人。
母は…ずっと寂しかったのかもしれない。
リツコは堪えきれずに嗚咽を漏らしていた
「……母さん……」
ネコを抱きしめたまま、リツコは泣いていた。孤独だった母を思って。
久しぶりの帰省。母の葬儀以来だろうか。
母の跡を継ぎ、今ではNervに必要不可欠な存在となったリツコ。
その重要性が増すのに反比例して己の自由となる時間が減少していく。
「何かおとなしいわね、この子。」
「ちょっとねぇ、以前に比べると元気がなくなってきた気がするのよ。やっぱり歳なのかしらね。」
拾ってから10年、確かにそろそろ老齢にさしかかる頃だがまだまだ寿命には程遠いはずだ。
しかし…とリツコは思う。
幼い頃かなりの栄養不足だったこの子。通常に比べ弱るのが早くても不思議ではない。
「もっとちょくちょく帰ってきなさいよ。私もこの子も待ってるんだから。」
「出来るだけそうするわ、おばあちゃん。」
だが、激務に追われ、『今は忙しいから次の休みに…』と、実家へ帰るのも取りやめる。
それが次第に『前回も帰らなかったし今回も良いわね』と変わる。
『いつでも逢えるから』
そう思ってそのうち気に留めなくなる。
1年。 2年。 3年。
月日が過ぎ去り、そして……
「そう、いなくなったの、あの子。」
……
「ええ、たぶんね。」
……
「ネコにだって寿命はあるわよ。」
……
「もう泣かないで、おばあちゃん。」
……
「うん、時間が出来たら一度帰るわ。母さんの墓前にも、もう三年も立っていないし。今度は私から電話するから。」
……
「じゃ、切るわよ。」
静かに受話器を置く。動揺も、悲しみも見せずに。
「そう、あの子が死んだの……。」
視線の先にある机の上の猫の置物。就職祝いとして祖母に『この子だと思って持って行きなさい』と渡された物。この8年間いつも手元に置いて見ていた物。
でも、その見つめる先にいたあの子はもういない。
ずっと構っていなかったのに、それでも自分を母親と慕っていた猫。
いつでも逢えると思っていたのに、もう2度と逢えないのだ。
彼女の中の何かが壊れた。
真っ暗な部屋、そこにそびえ立つ12枚の漆黒の石版。
その中央には一糸まとわぬ姿の女性。その目に強い想いを宿し、怯えるでもなく、虚勢を張ることもなく、ただ誇り高く存在する。
「我々も穏便に事は進めたい。これ以上の陵辱、辛い思いはさせたくないのだ。」
「私は何の屈辱も感じていませんが。」
「気の強い女性だ。碇が側に置きたがるのも判る。」
「だが君を我々に差しだしたのは他でもない、碇君だよ。」
それまで何の感情も浮かべていなかった瞳に初めて走る動揺の色。
「零号機パイロットの尋問を拒否。代理人として君を寄越したのだよ、赤木博士。」
『……レイの代わりに……私を……』
強きが故に想いは歪み、壊れた心から溢れ出す。
溢れた想いは激情と化し、滅びの道へと歩ませる。
「知りたいんでしょ?教えてあげるわ、レイの秘密を。」
「だから壊すの。憎いから。」
「あなたに抱かれても嬉しくなくなったから。」
「……おそらく……最後のシ者。」
窓一つ、蛍光灯一つすらない真っ暗な部屋。有るのは簡易ベッドただ一つ。
そのベッドに座りこみリツコは俯いていた。手首には手錠が付けられたまま。
ゲンドウが現れたときと、ミサトが来たときと、その姿に変化はない。
激情が去った後、彼女の心に残りしは虚無。
この独房にあるのは……ただ静寂のみ。
男が自分に話しかける声。
男が自分を見つめる目。
わかっていたのだ、男に犯された最初の時から。
レイと話す男の声。
初号機を見つめる男の目。
そう、わかっていたのだ。あの男が見ているのはただ一人なのだという事を。
かつて祖母が言った言葉を思い出す。
『リッちゃんがこの子の“お母さん”だからだよ。』
ずっとネコに構わなかった自分。死に目にすら居てやらなかった自分。
綾波レイ。
人の姿をしたシト。
碇ユイの姿を映したモノ。
唯一人魂を持って生まれたEVA。
自分がいなければ生きる事すら出来ない存在。
愛しみ、嫌悪し、そして憎んだ、自分が育てた少女。
自分の手によって崩れ去っていくダミーの姿が浮かんで消える。
かつてミサトに言った言葉を思い出す。
『私は母親には成れそうにないわ。』
子供の死に目にも逢えない女。嫉妬に狂い娘を殺す女。
そう、やはり自分は母親には成れなかった。
「母さん……私、どうすればいいの。」
何時の間に寝入ってしまったのだろう。
眠っている間に涙を流していたらしい。頬に感じる濡れた痕。
そして…昔よく感じた、頬を舐めるザラッとした感触。
ゆっくりと目を開ける。
そこには心配そうに自分を見つめる、闇に光る一対のエメラルドグリーンの瞳があった。
これは夢よ。リツコの心の中の如何なる時も消えることのない冷めた部分が告げる。
夢でも良かった。もう2度と逢えないと思っていたこの子に逢えたのだ。
そっと抱き寄せ背中を撫でる。心を落ち着かせる柔らかな手触り。
そう言えば……とリツコは思う。前にもこんな事があったわね、と。
「本当に駄目なお母さんね。最後の最後までお前に心配掛けるなんて。」
来てくれたのだ。心を失いかけた自分のために。
「……ありがとう、もう大丈夫よ。」
そしてネコを抱きしめて眠りにつく。久方振りの安らかな眠りに。
目が覚めたとき、部屋にいるのはリツコだけだった。
残っているのは仄かな温もりだけ。
でも、もう彼女は孤独ではなかった。自分を心配してくれるモノがいるのだから。
「何時までも子供に心配かけているわけにはいかないしね。」
まだ彼女には出来ることがあった。女として、母としての自分を否定されても、最後に残るもう一人の自分に出来ることが。
これから起こるのは最後の戦い、そして最後の計画。
彼女のもう一人の子供、彼女が憎み、苦しめた娘。
子に救われた心をもう一人の娘のために。
救わなければならない。それがせめてもの罪滅ぼし。
そして彼女は子に別れを告げた。
「ありがとう、そして……さようなら。」
そして運命の日に独房の扉が開かれる。
(fin)
[後書き]
『ネコ』 いかがでしたでしょうか。
読まれた方はお解りと思いますが、このお話は弐拾参話の赤木リツコ暴走のきっかけとなった猫にまつわるお話です。
ほとんどは本編の裏話として通じると思いますが、あえてラストのみ本編とずらしました。この後はおそらく映画のようにはならないでしょう。私はリツコさんに幸せになって貰いたいもんで…この辺は確信犯でやってますのでご了承下さい。
では、B.CATでした。
B.CATさんの『ネコ』、公開です。
1匹のネコと赤木女史のお話、
とっても面白く、楽しみました(^^)
リツコさんとネコ言えば、
”ネコマニアで、
部屋はネコがウジャウジャいるネコ屋敷・・・
グッズは全てネコ印、
パソコンのサウンドは全てネコの声、
パジャマはネコスーツ、
プレイはネコ(以下自主規制(^^;)”
そういう感じのギャグ的に捉えられることも多かったのですが−−
1匹のネコとリツコさん。
これが本当。そう感じました(^^)
リツコさんの母性、ステキです〜
ラストもきっと変わってくれるでしょう。
さあ、訪問者の皆さん。
リツコさんに幸せを!B.CATさんに感想メールを送りましょう!
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