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「ねぇねぇ、シンちゃん。」
「どうしたの綾波?」
「なんかあたしって影が薄いと思わない。1話はまだしも2話はちょい役、3話に至っては出番すらなかったのよ。」
すいません、忘れてました(汗)。なんか変だな〜とは思ってたんだけど……。
「ま、まぁしょうがないよ。ケンスケだって出たと思ったらすぐ退場したし、某オペレーターコンビなんて出演予定すら無いんだよ。ペンペンですら出番があるって言うのに。」
(しくしくしくしく(某二人))
「でもこの作者、あたしに出演依頼に来たときにはアヤナミストだとか言ってたわよ。それなのに……。」
「駄目だよ、そんなの信じちゃ。僕の時だって『私シンちゃんを愛してますから』って言ってたのに毎回不幸にされてるし、アスカやリツコ先生にだって同じようなことを言ってたそうだよ。」
「……節操のない人間って最低よね。」
すいませんすいません(ぺこぺこ)。今度レイちゃんがメインのお話書きますからお許しください。
でもやっぱり今回のお話も彼女に関係なく進行したりする……(笑)。
「無敵のアスカちゃま4」
りべんじゃあマヤちゃん
さて、今回の始まりは登校時間。ブラックジャージに身を包んだ男が道を歩いている。彼の名は鈴原トウジ、『アスカちゃま3』にて心に傷を負った男である。どうやら立ち直ったようだ。
そんな彼に、そばかすの少女が後ろから声をかけた。
「おはよっ、鈴原。」
「おう、おはようさんイインチョ。いやぁ、昨日はなかなかおもろい夢見たで。なんとシンジの奴が女になってしもててな、それもごっつう可愛い……」
トウジの声が途中で消える。彼の視線の先、ヒカリのすぐ後ろにはアスカと共にセーラー服に身を包んだ碇シンジ(女性バージョン)が立っていた。(何故女性かは『アスカちゃま3』を見てね)
「……これは、夢や、そや、夢に決まっとる……」
訂正しよう、どうやら立ち直っていなかったようだ。
「夢じゃないわ。シンジが女になったのも、実はアンタがヤオイ趣味だったっていうのも、全て現実よ。(ニヤリ)」
とどめを刺すアスカ。そして彼の心は臨界点を突破した。
「ワイはノーマルやぁぁ〜!!!」
どうやら彼の心の傷は更に深くなったようだ。
そのまま夕日に向かって走り去っていく。(だから今は朝だって)
『くっくっく、まだチョコレートケーキの恨みは晴れてないわよ。』
アスカちゃん、君なんか性格が悪くなってないか?
と、そのとき異変が起こった。
「碇くん危ない!」
ドカッッ 「うわぁぁぁ〜〜〜」
「うわっ、やっちまった!」
ちょうど横を通った白いライトバンにシンジがはねられたのだ。え、道の真ん中を歩いていたのかって?よろしい、解説しよう。
マイナス2秒前 走り去るトウジを見つめるシンジとアスカ。密かに
シンジの後ろに回り込む人影。
マイナス1秒前 ライトバンが走ってくる。「碇くん危ない!」の言葉
と共にシンジを突き飛ばすそばかすの少女(えっ?)
0秒 ライトバンにはね飛ばされるセーラー服の少女
どうやら早速恋敵の抹殺に乗り出したようだ。(おいおい)
即断即決即実行、まさに決断力に優れた委員長であるといえる。(ホントか?)
ま、これぐらいで何とかなるシンジじゃないことはヒカリも百も承知だろうが。
さて、本筋に戻ろう。
シンジのはね飛ばされた先には、7,8人のチンピラに絡まれているショートカットの女性がいた。年はアスカやシンジより少し上、高校生位だろうか?ちょうどそのチンピラどものまっただ中に突っ込んでいくシンジ。
「うわっ、なんだ!」
「このガキ、なにしやがる!」
「ご、ごめんなさい……」
「ん、結構可愛い顔してんな。ちょうど良いからこいつも連れってちまおうぜ。」
「嬢ちゃん、俺達と良い事しに行かねえか。」
哀れシンちゃん、毎度の事とは言えまたも貞操の危機に陥るのか?
でも、もちろん天下無敵の守護天使が黙っちゃいない。
「あんた達、アタシのシンジを苛めるんじゃないっ!!」
怒声と共に白いライトバンが投げつけられる。避けきれずに吹っ飛ぶチンピラが3人、ついでに巻き込まれる不幸な通行人も3人。(おいおい)
そしてあまりの事に呆然と立ちすくむ残りのチンピラに向かって、怒りに燃えたアスカが殴り込む。そう、『歩くN2爆雷』 惣流・アスカ・ラングレーの戦闘能力はシンジを守るときに最大限に発揮されるのだ!
アッパーカットが顎を砕き、正拳が肋骨をへし折り、裏拳が鼻骨を粉砕する!血反吐を吐きながら次々に吹き飛んでいくチンピラ達。
1分後、この地に立っているのは少女達だけであった。周りには白眼を剥き、あるいはうめき声をあげて倒れている20体余りの屍達。
あれ、確かチンピラは7,8人じゃあなかったっけ?どうやら巻き込まれた不幸な通行人が多数いたようだ。(哀れな……)
「シンジ、大丈夫?」
「あ、ありがとう、アスカ。」
「え〜と」
「まったく、いつもボケボケっとしてるからあんな目に遭うのよ。」
「ご、ごめん。」
「あ、あの〜」
「ホントに、いつもいつも世話焼かせないでよね。」
「う、うん。」
「あの〜、すいません。」
「だいたいアンタは……」
「あの、すいません!!」
「「えっっ」」
ようやく気づく二人。そこにはチンピラに絡まれていた女性が立っていた。
「助けていただいてありがとうございました。」
「え、あ、いや、その、き、気にしないでください。大したことじゃありませんから。」
アスカにして見れば彼女を助けようとしたわけではないので礼を言われるのは気恥ずかしい。もっとも周りの惨状を見れば気にするなという方が無理だと思うが。
「ちょっとぉ、二人とも、早く行かないと遅刻するわよ!」
「あ、ちょっと待って、ヒカリ!今行くから!」
慌てて走っていくアスカ。
「あの、すいません、お名前だけでも!」
「あ、彼女の名前は惣流・アスカ・ラングレイです。じゃ失礼します。」
慌てて追いかけていくシンジ。そのため、彼女の目がキラリと光っていたのに気が付かなかった。
「ちょっと予定と違いましけれどまあ計画通りですね。」
時は移りて早くも夕方。
「ただいま〜。あ、ママ帰ってるんだ♪」
居間に行くとソファーの上には40歳前の美人の女性が一人。この方こそアスカの母親、惣流・キョウコ・ツェッペリンである。さすがにユイのように下手すりゃ20代半ばに見えるような化け物ではないが、それでも年より5歳は若く見える。色気がある分こちらの方が好みという人も多いかもしれない。
「ママァ〜〜」
いきなり飛びついて抱きつこうとするアスカちゃん。
キョウコはとっさに手元の縫いぐるみをアスカの胸元にトスする。哀れ、アスカにパワー全開で抱きしめられた縫いぐるみは胴体が引きちぎれ中のパンヤが飛び散り見るも無惨な姿に……。
「アスカちゃん、手加減しなさいっていつも言ってるでしょ。アスカちゃんに思い切り抱きしめられたらママ内臓が飛び出てスプラッタ死体になっちゃうじゃない。」
やなセリフをにこやかに言うキョウコ母さん。でもさすがに冷や汗が流れている。
「ごめんなさい、ママ。最近力が余っちゃって。」
「そういう時はシンちゃんにしなさい、シンちゃんに。シンちゃんならアスカちゃんがフルパワーで抱きしめようが殴ろうが蹴ろうが、絶対に壊れないから。」
そういうのは人の道に外れていないか?
「だってママ、シンジったらまだ女の子のままなんだもの。やっぱり前みたいには殴りにくくって。」
「駄目よ、そんな事じゃ。いいことアスカちゃん、男ってのはね、甘やかすとすぐに調子に乗るものなの。ちょっと可愛い娘と見るとすぐに尻尾を振ってついてっちゃたりするんだから。だからね、男には『誰が自分の支配者なのか』っていうことを常に骨の髄まで叩き込んでおかないといけないのよ。」
そんなことを言っているから旦那に逃げられ……すいません、私が悪うございました。だからそんな怖い眼で睨まないで……。
ま、まあそれはともかく、このキョウコの教育方針こそが今のアスカとシンジの関係を作り出したと言えよう。
「それよりママ、今日は早かったのね。」
「やっと研究のめどがついたんで今日は早めに帰らせてもらったの。最近帰りが遅かったからアスカちゃんと一緒にいる時間が取れなかったでしょ?スキンシップを取らないと親子の断絶が起こるって話も聞くし。」
ちなみにキョウコはユイと同じく、ゲンドウが所長を務める研究所にて働いている。
ともかく、既にアスカはキョウコに甘えきっている。ゴロゴロと喉を鳴らす音が聞こえてきそうだ(猫じゃ有るまいし)。親子の断絶の心配などするだけ無駄だと思う。
ピンポーン
しばらくの後、キョウコが食事の準備をしている最中に玄関のチャイムが聞こえた。どうやら誰かが来たようだ。雑誌を読んでいたアスカが応対に出る。
玄関にいたのは皆様の予想通りショートカットの女性であった。
「あら、あなたは……」
「今朝はどうもありがとうございました。私、伊吹マヤと申します。そのお礼にと伺ったんですが。これ、おはぎですのでどうか食べてください。」
手には何か折り詰めらしきもの。と、そこへパタパタとキョウコがやってきた。
「こちらはどなた、アスカちゃん?」
「あ、ママ、実はね……」
かくかくしかじか。
「わざわざありがとうね。あ、そうだ、ちょうど食事の準備してた所なんだけど、一緒に食べていかない? 」
「えっ、いえ、やっぱり悪いですから。」
「まあまあそう言わないで。食事は大勢で食べた方がおいしいでしょ。あなたが持ってきてくれたおはぎもあるし……」
5分後。
『どうして私はここに座っているの?』
マヤはしっかりテーブルの前に座らされていた。アスカちゃんとはタイプこそ違うがキョウコさんも結構強引な性格のようだ。やはりアスカちゃんの母親である。
さて、実は彼女、既に生きた心地がしていなかった。
おそらく覚えておられるような奇特な読者の方は一人もいないと思うが、実は彼女、アスカが壊滅させた暴力団 伊吹組 の一人娘である。(『アスカちゃま1』を参照……しても全然意味が無いな、一言書いてあるだけだし)
そう、彼女が惣流家を訪れたのはお礼の為などではなく復讐の為なのだ!(って、題名見たらバレバレですね)
元子分達に絡んでいる振りをさせ、通りがかったアスカに助けてもらい、助けたお礼と称して激辛キムチ入りのおはぎを食べさせてしまおうという、実に恐ろしい計画だったのだ(笑)。
子分達が全員病院送りになるというハプニングはあったものの、予定通りおはぎを渡し、後はとっとと立ち去って復讐は完成、のはずだったのだが……。
根が善人で押しの弱い彼女は、気がつくとキョウコに説得されてしまっていた。
『こ、このままでは殺されちゃう……』(大げさな)
彼女の目の前でアスカ達がおはぎを口に入れる。マヤにとっては、まさに死刑の判決が下ろうとする瞬間であった。
「あら、結構おいしい。」
『えっ?』
『殺されずに済んだ!』という安堵と『何故あれを食べて平然としていられるの?』という疑問の板挟みになって呆然としてしまうマヤ。
「マヤさんも遠慮せずに食べてくださいな。」
目の前にはおいしそうな料理の数々。料理はまるで×という設定のお話が多いキョウコさんだが、この『アスカちゃま』では天才の家系である惣流一族に不得手な技術など存在しない。
「あ、はい……いただきます。」
そうして料理を口に運ぶ。
マヤは気づくべきだった。甘いおはぎを夕食のおかずとして平気で並べてしまうというのは一体どんな人間なのかを。
さて、ここで何故“激辛キムチおはぎが効果を発揮しなかったか”の理由を明かそう。
答は簡単、普段食べている味が更にとんでもないからだ(笑)。
美貌、頭脳、運動能力、天が二物どころか全てを与えたような惣流一族だが、ちゃんと神様はバランスを取っていた。
先祖代々筋金入りの味覚音痴……、そう、やっぱり他のEVA小説と同じくキョウコの料理は不味かったのだ!
それも並の不味さではない。さすがに、食べた者に漏れなく1週間の入院生活をプレゼントすると言われる伝説の化学兵器Mカレーには及ばないものの、一般人をK.O.するには十分である。技術があって旨そうに見える分、危険度は上回るかもしれない。
もしかしたらキョウコさんの旦那が逃げたのはこれが原因かも。
というわけで……
「☆@※▼£♪〒◇×?! はうっ。」
「ちょっと、どうしたのマヤさん?」
伊吹マヤは3時間に渡り意識を失うこととなった。
さて、ここは2階アスカの部屋。マヤが気絶しているうちにすっかり遅くなってしまったため、キョウコの勧めで泊まっていくことになったのだ。
「ちょっと待っててね。今紅茶を入れて持ってくるから。」
そういって下に降りていくアスカ。
「そうだわ、今のうちに何か秘密でも……。」
部屋を探ろうと動き出したマヤの足がドカッと縫いぐるみの頭に当たる。と、その縫いぐるみが頭を押さえて振り向いた。
「あらっ?」
振り向いた縫いぐるみは、つぶらな瞳に艶やかなモノクロボディ、飛び出た爪とおしゃれな首飾りがアクセント、実は正真正銘本物のペンギンであった。
「きゃ〜、かわいいっ!」
目的も忘れて思わずペンギンを抱きしめるマヤ。と、抱きしめられたペンギンは器用に左手(左翼?)でマヤの胸ぐらを掴みあげる。
「えっ?」
そして右の翼で……
ビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタ
「あうっあうっあうっあうっあうっあうっあうっあうっあうっあうっ」
そしてとどめに蹴りを一発。
「はうっ。」
ペンギンは『なめたことしてんじゃねぇ、このアマ!』とでも言うような眼で倒れたマヤを一瞥すると部屋を出ていった。
「あらっどうしたのペンペン、こぶが出来てるじゃない。どこかで打ったの?」
「クェックェックェッ。」
「ママなら下にいるから薬塗ってきてもらったら。」
「クェッ。」
とことこ階段を降りていくペンペン。
「あら、マヤさん、そんなところで寝てたら風邪引くわよ。」
寝てるんじゃないってば。
さて、再び時間を進めよう。
「マヤさん、お風呂入れたから先入って。」
「……ねぇアスカちゃん、一緒に入らない。」
「え、でも……」
「良いじゃない、女の子同士なんだし。」
……どうやらまた何か考えついたらしい。
というわけでお風呂場。既にアスカは服を脱いで先に入っている。
「綺麗な肌してるわね、アスカちゃんって。」
「ひゃうっ。」
後ろから近づいたマヤがアスカの肌をそっと撫で回したのだ。
「な、何するのよ、マヤさん!」
「あら、あなたも私と同じ趣味なんでしょう?」
そういって妖艶な微笑みを浮かべるマヤ。(う〜んイメージが…)
「な、何よ、同じ趣味って!」
「良いんですよ、隠さなくても。あの娘を助けに来たとき『アタシの…』って言ってたでしょ。それにアスカちゃんがあの娘を見る目……、それでピンときたの。ああ、私と同じ趣味なんだなって。」
つまりはそういう誤解をしてるのだ。シンジが実は薬で性転換させられてる男の子だなんて、まあ普通は想像もつかんわな。
「べ、別にアタシはシン……ムグッ!」
いきなりアスカの口をふさぐマヤ。もちろん唇でだ。(おいおい)
突然のことにアスカが動揺している隙にそのまま舌を入れ、ゆっくりと、そして優しくアスカの口内を愛撫する。アスカも抵抗しようとするがすぐに力が抜けていく。良くは知らないがそういう趣味の方々のテクニックというのは、女性というものを知り尽くしている為か凄いものがあるらしい。(う〜む)
5分以上もの長いキスの後、ようやくアスカを解放するマヤ。既にアスカの目は潤みトロンとしている。どうやらマヤの『アスカちゃんを私のネコにしちゃおう大作戦♪』は成功を収めつつあるらしい。(しかし既に復讐がどうとかいうより完全に自分の趣味に走っているような……)
「さ〜って、つぎは……」
マヤの魔の手(笑)がアスカの胸へ、そして更に下へのびようとしたそのとき、バスルームの戸が開く音がし、そして強烈な衝撃がマヤの側頭部を襲った。
ドゲシィィ!!
「はうっ。」
またもあっさり気絶するマヤ。
アスカの危機(笑)を救ったのは一匹の温泉ペンギンであった。そう、風呂に入りに来たペンペンがマヤに跳び蹴りを食らわしたのだ。
さて救われたアスカはというと……腰が抜けたかのように座り込んだまま、未だ虚空を見つめてぼうっとしている。
「……もっとぉ……」
本当に危ないところだったようだ(笑)。
ペンペンは『しゃあないやっちゃなあ、こいつは』というように2,3度首を振ると、アスカの頬を数回張る。
「……ちょっと、痛いってば、ペンペン!」
どうやら正気に戻ったらしい。
「クェー!」
「はいはい、ペンペンのいうとおり。どうせアタシに隙があるから悪いのよ。」
「クェックェッ。」
「え〜、今から鍛え直すって?!せっかくお風呂に入ってるのに……。」
「クァッ!」
「……わかったわよ。着替えてくるから庭で待ってて。」
賢明な読者の方々は既に気づかれたことだろう。このペンペンが惣流・アスカ・ラングレイの師匠にして彼女を強力無比な存在に鍛え上げた存在なのである。
アフリカ象5頭分のパワーを持つ彼女が唯一絶対にかなわないと認める人物(人じゃないか)、そう、ペンペンこそ地上最強生物なのだ!(良いんだろうか、ペンギンなんかが地上最強で……)
ペンペンが風呂場を出ていった後、体が冷えないようにと配慮したのかマヤを湯船に浸けてからアスカも風呂を出ていった。そのまま部屋に向かう。
「……それにしても危うくファーストキスを女の子に取られるとこだったわ。先にシンジにあげといて良かった。」
え、そんな設定決めた覚えはないぞ? 大体まだシンジとは幼なじみ以上恋人未満の関係のはずでしょうが。一体いつそんなことしたんだ?
しかしその疑問に答えることなくアスカは着替えのために自室に入っていった。(お〜い)
マヤが目覚めたとき、そこは知らない天井だった。
「一体どうして……?」
「もう大丈夫?お風呂でのぼせちゃったのよ。」
見ると横にアスカが座っていた。手元には水の入った洗面器、マヤの額の上には濡らしたタオル。ふと時計を見ると既に夜中の3時を回っている。
「……ずっとついていてくれたんですか?」
何も言わずそっと微笑むアスカ。でも密かに冷や汗が流れている。
実は……修行に夢中になってマヤのことをしっかり忘れていたのである(笑)。おかげでマヤは2時間以上も湯船に浸かっていたのだ。
ちなみに修行していた庭には大穴が空き、粉々に砕けた石の破片が散らばっている。(一体どんな特訓をしていたのだろう)
そんなこととは露知らないマヤ。頭に衝撃を受けたおかげで気絶前後の記憶がぼやけてしまっているのだ。
今のマヤにわかっているのはアスカが自分のためにわざわざこんな時間まで看病してくれたということだけである。
『ああ、こんないい人を逆恨みして復讐しようとしてたなんて……』
そして次の朝。
「どうもありがとうございました。お礼に来たのに返ってご迷惑をかけてしまったみたいで。」
「いいのよ。遠慮せずにまた遊びに来て頂戴ね。」
「じゃあね、マヤさん。」
「では失礼します。」
家路につくマヤの気分は壮快であった。結局復讐は出来なかったが今は出来なくて良かったと思う。今まで胸に支えていた黒いもやもやが吹っ切れた感じだ。
そして空を見上げ大きく深呼吸。朝の澄んだ空気を胸一杯に吸い込む。
と、前を見ずに歩いていたマヤの足が何かを蹴る。
「えっ?」
慌てて下を見ると……視線の先には昨日と同じ部分を押さえてうずくまっているペンギンが。そう、朝の散歩に出ていたペンペンであった。
そしてペンペンがゆっくりと振り返った。
診断: 伊吹マヤ 全治五週間。
合掌。
(おしまい)
[後書き]
お待たせしました。(って、待ってた人なんているんだろうか?)
『アスカちゃま4』 マヤちゃん自滅編(笑) いかがでしたでしょうか。
う〜む、前回冗談半分でした次回予告がこんなに足を引っ張るとは……。
おかげで話が浮かばなくて完成までえらく時間がかかってしまいました。
そういえば アスカ×マヤ って結構レアかも。あんなので終わってしまったのは惜しかったのかな?
さて……
[懲りもせず次回予告?]
遂に男に戻ったシンジ。だがそれは新たな悲劇(喜劇?)の幕開けだった。
次回 『無敵のアスカちゃま 5 シンジ覚醒?』
たぶんレイちゃん主演のお話が先に出来ると思いますが。
ではまたお会いしましょう。 B.CATでした。
B.CATさんの『無敵のアスカちゃま4』、公開です。
ええええぇぇぇっっ?!?
ア、アスカちゃん、い、いつの間に・・・
シンジくんとしちゃってたの〜 (;;)
お父さんは許しませんよっ!(爆)
相手はシンジくんだし、
それがファーストキッスだし、
LAS人としては全然OKなんだけどね(^^)
そのシーン、見たかったな〜(^^)
さあ、訪問者の皆さん。
マヤちゃんを”モノホン”にしてしまったB.CATさんに感想メールを送りましょう!
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