まるい月が夜空に浮かぶ 白い月が夜空に浮かぶ
仄かに照らす銀の光が 街を夢の世界に染める
白く輝く月の光が 星降る夜空に道を作って
白い少女を散歩に誘う 星の夜空へ散歩に誘う
まあるい月が照らす夜は 少女が魔法をかける夜
その子の心は泣いている いつも心が泣いている
僕は会いたいだけなのに ママに会いたいだけなのに
どうして僕を邪魔するの みんなで僕を苛めるの
ごめんね あなたは強すぎた
あなたとママが会ってしまうと 人はみんな死んじゃうの
だけどその子はわからない だからその子は止まらない
だからその子は壊された 怖い鬼に殺された
だけど体が消えた後でも 想いだけは消えずに残って
ママに会いたいと泣いている
いいわ 私が運んであげる ママの所へ運んであげる
せめてあなたの想いだけでも 運んでママに会わせてあげる
だから魔法をかけましょう
あなたの想いを心の壁で 包んでママに届けてあげる
道を歩くは二人の男女
一人は美人のお姉さん いつも強くて明るくて
ちょっとお茶目なお姉さん 大酒飲みが玉に瑕
だけどとっても意地っ張り
彼がとっても好きなのに 出るのは憎まれ口ばかり
一人はニヒルなお兄さん ちょっと渋くて謎が多くて
女性にもてるお兄さん だけど顔には無精髭
彼女がとっても好きなのに
心配かけたくないからと いつもふざけていてばかり
そんな二人のことだから ホントはとっても好きなのに
出会うと喧嘩してばかり
だから魔法をかけましょう
二人が素直になるように 二人の距離が縮まるように
二人の間の心の壁を ちょっとのあいだ開いてあげる
もともとお互い好きどうし すぐに仲は元通り
でもね 素直になったからって 道の真ん中でキスしちゃ駄目よ
そこに眠るは女の子 とっても素敵な女の子
怒ると怖くて我が儘だけど
とても美人で頭が良くて 何でも出来る女の子
だからその娘は人気者
いつもみんなに囲まれて 元気に明るく生きている
でもね その娘も女の子 とっても寂しい女の子
死んだママが恋しくて 毎晩ベッドを濡らしてる
ママはいつでもそばにいるのに いつもその娘を守っているのに
その娘の心は閉ざされて 想いは心に届かない
だから魔法をかけましょう
その娘が纏う心の壁を ほんのちょっぴり薄くして
ほらね 想いが届くでしょう ママの想いが届くでしょう
あなたを想うママの心が あなたを見守るママの願いが
毎晩泣いてる女の子だけど
魔法を貰ったこの夜は 素敵な夢を見るでしょう
白い少女が最後に会うのは その娘と暮らす同居人
寂しがりやで優しくて 笑顔が素敵な男の子
まるい月が照らす夜は いつも少女を待っている
だから魔法をかけましょう 最後の魔法は自分のために
二人で星降る夜空を飛んで 月の光が照らす舞台で
一緒にダンスを踊りましょう
まあるい月が照らす夜は 少女が魔法をかける夜
ちょっと夜空を見上げてごらん
星降る夜空の真ん中に まるい月が浮かんでいたなら
月の光に浮かぶ少女が 魔法をかけてくれるかも
(fin)
[あ・と・が・き]
“月の光に浮かぶレイが 眠るアスカに魔法をかける”
以前フッと頭に浮かんだ“めるへん”なイメージ。
そんな話が描きたくてこの作品を作ってみましたがいかがでしたでしょうか。
ではまたお会いしましょう。 B.CATでした。
B.CATさんの『少女が魔法をかける夜』、公開です。
心に抱える重いこと。
明るい外面に隠された心の傷。
みんなが持っている辛いもの、
それらを溶かす銀の光、月の明かり。
めるへんのあったかい世界ですね(^^)
ほわっと気持ちが良くなりました♪
さあ、訪問者の皆さん。
素晴らしいSSを連発するB.CATさんに感想を送りましょう!!
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