「シ、シンジ・・・・・・」
シンジとアスカはお互い見つめ合っていた。
シンジはアスカの肩に手を置き、アスカの名前を言ったきりじっと動かない。
アスカはそのシンジの様子に動揺を隠せない。
『嘘・・・シンジが・・・こんなに積極的に・・・・・・』
アスカは恥ずかしさのあまり、シンジから目を反らそうとする。
しかし、アスカの視線はそれに反して動かない。
じっと潤んだ瞳でシンジを見つめたままである。
今この瞬間を決して忘れぬよう、目に焼き付けようとするかのようにシンジを見つめ続けていた。
「アスカ・・・好きだよ」
「・・・本当?・・・本当なの!?」
「うん。僕にはアスカしかいないんだよ。・・・ずっと一緒に居て。・・・きっと幸せにするよ」
「シ、シンジ・・・それって・・・・・・もしかして・・・」
「結婚しよう、アスカ。・・・もう、僕にはアスカしか見えないんだ」
シンジのこの言葉は、アスカにとってどのくらいの意味を持つのだろう?
どちらにしても、アスカはもはや自分が何を言っていいのかも分からなくなった。
『信じられない』という気持ちで声が出なくなる。
『嬉しい』という気持ちで心臓がはち切れんばかりに鼓動する。
『幸せ』という気持ちで涙が出てくる。
『愛おしい』という気持ちで身体全体が震えた。
そんなアスカを見て、シンジは優しく天使の笑顔で微笑んでアスカを優しく抱きしめた。
アスカの体はそれに反応するように大きく震える。
「アスカは僕にいつも安らぎをくれる。・・・力強く助けてくれる。・・・明るく微笑んでくれる。・・・もっともっとたくさんあるけれど、そんなアスカの全てが好きなんだ」
「・・・シンジィ・・・・・・」
アスカは涙を流しながらシンジの告白を聞いた。
「僕の大切なアスカ。・・・愛してる」
「・・・アタシも・・・アタシもシンジのこと!!・・・・・・シンジのこと愛してる!!」
アスカはシンジの顔を見て叫ぶ。
自分の気持ちを全て伝えた。
『愛してる』
今のアスカにある気持ちは、ただこれだけだった。
そしてやがて2人の距離はゼロに近くなっていき、そして・・・・・・
「・・・へっ?」
アスカがようやく目を覚ますと、目の前に真っ赤になったシンジの顔があった。
しばらく時間が止まる。
アスカは徐々に意識がはっきりとしてくると、まず自分が大きなTシャツ1枚でいることに気づいた。
しかもシンジに思い切り抱きついている。
身体などは密着しすぎなほど密着していた。
とたんにアスカの顔がひきつる。
「き・・・きゃああああぁあぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!」
「アスカ!!・・・待っ・・・」
バッチーーーーン!!
アスカは完全に混乱してしまい、クリチカルな平手打ちを放った。
シンジはアスカを起こしに来ただけなのだが、その強烈な一撃をモロに食らって失神した。
Written by Zenon
「・・・・・・」
「・・・・・・」
まだ朝早い食堂に、シンジとレイの姿があった。
レイは無言のまま朝食を美味しそうに平らげている。
どうもツナサラダがお気に入りのようだ。
実に美味しそうに食べていた。
一方レイと向かい合わせに座っているシンジは目の前の朝食を見ることなく、ガックリと肩を落として俯いている。
泣いているわけではないが、シンジの心が泣いているのだろう。
・・・シンジの周辺だけ空気が重かった。
レイはサラダを突つきながら上目遣いにちょっとシンジを見た。
レイの動きが止まる。
『・・・碇君・・・・・・何でそんなに暗いの?・・・・・・分からない・・・・・・』
シンジに動く気配はない。
どうもこちらの世界に居ないようだ。
・・・あちらの世界に逃げているのだろうか?
「・・・碇君・・・」
「・・・・・・」
レイはシンジを呼ぶが返事は全くない。
レイはもう1度シンジを呼んだ。
「・・・・・・碇君・・・・・・」
「・・・・・・」
それでもシンジは答えない。
それを見たレイは、少しピクッと震えた。
フォークを持つ手に少し力が入った。
「・・・・・・あ・・・アスカ・・・」
「っ!?」
今度こそはシンジは、レイの言葉に敏感に反応を示した。
上げた顔は青くなっている。
そしてシンジは恐る恐る周りを見回すが、当然アスカは居ない。
「アスカと何があったの?碇君・・・」
「・・・・・・は・・・はは・・・・・・」
シンジはレイに見事ハメられたと悟ってひきつった笑いを浮かべた。
「訳を教えてくれないと力にもなれない・・・・・・」
「う、うん・・・ごめん、綾波」
そしてシンジは今朝の事を全て話した。
レイはジッと静かにそれを聞きながら朝食を食べていた。
「・・・というわけ」
「そう・・・・・・災難ね、碇君も・・・」
そう言うと同時に、レイは朝食を食べ終える。
シンジはようやく食べ始めたところである。
「・・・それで碇君はどうしたいの?」
「えっ?」
「このままアスカを放っておくの?」
「そりゃあ・・・このままにしておくわけにはいかないけど・・・」
再び静まる。
しかし、今度はすぐにレイが立ち上がった。
「・・・分かったわ。・・・私に任せて、碇君」
「へっ?・・・・・・ちょ、ちょっと、綾波!!」
レイはさっさと食堂を出て行ってしまった。
シンジはレイのその頼もしいのか、危なっかしいのか分からない後ろ姿を唖然として見ていた。
アスカは自分のベッドに俯せの体勢で寝ころんで、本日21回目のため息をついた。
『はぁ・・・・・・思いっきりひっ叩いちゃった・・・・・・その後も恥ずかしくなって無視しちゃうし・・・』
「イヤになっちゃうわ・・・・・・」
アスカは悩んでいた。
今朝の夢やシンジを叩いてしまったこともあるが、もっと根本的なことで悩んでいた。
シンジの事が気になればなるほど、接しづらくなってくるのだ。
本気で人を好きになればそんなものだが、そこら辺がアスカにはいまいち分からなかった。
「どうしよう・・・・・・何だか謝りづらいし・・・・・・それに・・・」
アスカは今朝の夢のことを思い出す。
シンジに優しく抱かれた自分。
熱い想いを打ち明けた自分。
「・・・・・・ポッ・・・」
アスカは顔を真っ赤にして枕に顔を埋めた。
そして足をバタバタさせる。
「きゃっ・・・・・・きゃっ・・・・・・シンジィ」
アスカは思い出してどうしようも無くなり、ゴロゴロとベッドの上を転がっていた。
・・・その姿はとても他人に見せられたものでは無かった。(←悩んでないゾ!!これは!!(^^;))
「碇指令をお願いします・・・」
『少々、お待ち下さい・・・』
レイはドイツに来てから与えられた自分の部屋で電話をかけていた。
相手はなんとゲンドウのようだ。
しばらくすると再び電話が繋がった。
『私だ・・・』
「レイです」
ゲンドウの声はいつもと変わらずに固い。
しかし、レイからの電話だと言うことで少しは楽しそうだ。(注:一部の方にしか分かりません・・・)
『・・・何かあったのか?』
「はい。・・・助言をして頂きたいんです」
『どういうことだ?』
「実は・・・・・・」
レイはシンジから聞いた事を、そのままゲンドウに伝えた。
ゲンドウは黙ってそれを聞いた。
「・・・どうすればいいでしょうか?」
『・・・・・・分かった。私が全て手配しよう・・・しばらくそのまま待っていろ』
「分かりました」
『ただし、手は出すな』
「分かっています」
『・・・では、結果を待っているぞ』
「はい・・・」
レイは電話を切る。
そして少しホッとして外の景色を見た。
・・・数分後
「綾波レイ様・・・・・・お届けに参りました」
「・・・どうぞ」
レイがそう言うと黒服の男が部屋に入ってきた。
手には大きな包みが握られていた。
そしてそれをレイに渡すと再び部屋を出ていった。
「・・・・・・」
レイがその箱を開けると、2枚のチケットと1枚のメモが入っている。
メモには細かい計画の説明が書かれていたが、その最後に・・・
『シンジを助けてやってくれ。がんばれ、レイ。 byゲンドウ』
レイはチケットを握り締めて立ち上がった。
『碇君の悲しむ顔は見たくない・・・・・・』
レイはまたまた燃えていた。
・・・さらにそんなレイを、陰から密かに見る人物が・・・
「ふふふ・・・・・・そんな面白いことになってたのね・・・。これはアタシの出番ね!!」
恐怖!!・・・ミサトの登場であった。
「ねぇねぇ!!あれ乗ろう、シンジ!!」
「アスカ、ちょっと休ませてよ・・・」
シンジとアスカは遊園地に来ていた。
シンジがレイから貰ったチケットでアスカを誘ったのだ。
最初はギクシャクした2人も、30分もすればいつもの2人に戻っていた。
シンジもアスカに振り回されながらも楽しんでいた。
2人は他人から見れば、完全に恋人同士。
微笑ましいデートだっただろう。
・・・ただし、2人きりならの話だ。
シンジとアスカは監視されていた。
もちろんこの場についてきているミサトと、泣く泣く付き合わされる加持(ゴメン!!加持さん!!)だ。
しかしそんな事とは知らないシンジとアスカは100%楽しんでいた。
「こんなに楽しむのって久しぶりねぇ〜」
「ドイツに来てからずっと忙しかったからね」
シンジの歩く前を、ニコニコと笑顔のアスカが歩いていた。
『こんなに嬉しそうなアスカも久しぶりだなぁ・・・・・・来て良かった』
笑顔のアスカにそれにつられて、シンジも自然と笑顔になった。
シンジはこんな機会を作ってくれたレイに心から感謝した。
「・・・何だかおなか空いちゃったわ。どこかのレストランでも入ろうよ、シンジ!!」
ふと時計を見ると、既に昼を過ぎている。
2人は時間も気にせずに楽しんでいたので、今まで気が付かなかった。
「もうこんな時間なんだね。・・・しまったなぁ。こんな事ならお弁当を作って来ればよかった・・・」
「過ぎたことはしょうがないわよ。・・・・・・それはまた今度ね!!」
「分かったよ、アスカ」
アスカはそう言いながらも、
『お弁当なら、そこの芝生で一緒に食べられたのに・・・・・・』
そう思っていた。
しかしここで神(?)は手助けをする。
「おやおや?・・・お二人さん!!お腹が空いてるようね」
「「えっ?」」
シンジとアスカがユニゾンで振り返ると、そこには怪しげな弁当売りの2人組が・・・
2人とも帽子を深く被っているので、顔が見えない。
さらにマスクまでしている。
「どう?この特製弁当は?そこらのレストランなんか目じゃないわよ!!」
そう言って、かなり大きな弁当を差し出す。
「い、いや・・・こんな大きいのは」
「なに言ってるの!!・・・そこの芝生でこの大きなお弁当を食べ合いっこするのが流行ってるのよ!!」
シンジは断ろうとしたが、その売り子の言葉にアスカが敏感に反応する。
「本当!?」
「当たり前よ。アタシは伊達に12年も売り子をしてないわよ!!」
「・・・・・・」
売り子の後ろの弁当持ちが何か言いたげだが、やはり命が惜しいので何も言わなかった。
アスカは先ほどの妄想が現実となりそうなので、チャンスとばかりに即決断した。
「買うわ!!絶対買うわ!!・・・1つ頂戴!!」
「へい、毎度!!」
売り子はそう言って弁当持ちから弁当を奪い取り、アスカに渡した。
アスカは笑顔でそれを受け取った。
シンジは話についていけずに黙ってしまっていたが、弁当を渡すと即座に去ろうとする弁当売りを呼び止めた。
「ちょっと待って下さい!!お金・・・」
「あぁ、いいのよ。それはあなた達へのプレゼントよ!!・・・じゃあ、しっかりね!!」
そう言って、2人組の弁当売りは凄まじい速さで去っていってしまった。
「・・・・・・」
「・・・親切な人もいるもんね・・・」
シンジとアスカはしばらく唖然としてしまった。
しかし、いつまでもそうしているわけにもいかない。
アスカはシンジを芝生の方へ誘った。
「食べよう、シンジ」
「・・・うん。そうだね」
そして芝生の上に座って、さっそく弁当を開けてみる。
「うわぁ!!豪華じゃないの!!」
「本当だ。・・・凄いね」
弁当の中身はかなりのボリュームである。
さらに2人が言うように、かなり豪華である。
「いいのかな?・・・こんなのがタダなんて・・・」
「いいんじゃないの?あの人達がそう言ったんだから気にすることはないわよ」
「うん」
そう言って小さく頷くシンジに、アスカはさりげなく弁当を渡して、自分はシンジの向かい側に座った。
「・・・・・・」
「・・・へっ?」
シンジは良く理解していない。
アスカは赤い顔をしながら、シンジが動くのを待っている。
シンジもアスカのその赤い顔を見て、自分が何をすればいいのかようやく理解した。
「・・・やらなきゃ駄目?」
「うん・・・食べさせて」
シンジはアスカの答えを聞いて赤くなった。
ここは遊園地。
周りには、多くはないものの人もいる。
そんな中で、シンジとアスカは芝生に座っているのだ。
しかし実際は遊園地に来る客などは、他人のことをそんなに気にはしていないだろう。
シンジにはそう考えられなかったが・・・
『は、恥ずかしすぎるよぉ』
シンジは叫びたかった。
「・・・・・・駄目なの?」
しかし、悲しそうな顔をするアスカを見てしまっては出来るはずもなかった。
シンジはフォークで大きなハンバーグを突き刺すと、何も言わずアスカに差し出した。
それを見たアスカは、本当に嬉しそうに満面の笑みで笑った。
そしてハンバーグにかぶりつく。
「・・・美味しい!!」
「本当?」
「うん!!・・・シンジも食べてみてよ」
「う、うん・・・」
シンジとアスカは本格的に弁当を食べだした。
そんな2人を遠くから双眼鏡で見るミサト。
加持はミサトの後ろで様子をうかがっている。
「なぁ、葛城。・・・あの弁当の中に何を入れたんだ?」
「あれ?言ってなかったっけ?薬よ」
「・・・・・・」
「超強力!!30分経ったら必ず10時間寝ちゃう睡眠薬!!『リツコ通販限定品』!!」
「・・・・・・」
「これはキクわよぉ!!もうクラクラきちゃうんだから!!」
「・・・・・・」
「さすがリツコよね!!」
「・・・・・・」
「これでシンちゃんとアスカは・・・・・・くくくくく」
「・・・・・・」
「あなた達が起きたときには、もう大人の時間・・・周りは真っ暗・・・二人きり・・・・・・」
「・・・・・・」
1人盛り上がるミサトを見て、加持は青くなってしまった。
『許してくれ、シンジ君。アスカ。・・・俺の手は君たちの血で染まってしまった・・・・・・』
加持はさめざめと心で泣いた。
「うぅ〜〜〜ん・・・・・・」
「・・・ん・・・・・・あれ?・・・・・・えっ!?」
先に起きたシンジが驚いた声を上げる。
そして隣にアスカがいるのを発見した。
「アスカ!!アスカ!!起きてよ!!」
「・・・う〜〜ん・・・何よ、シンジィ・・・・・・・・・・・・はぁっ!?」
身体を起こしたアスカは周りの状況を見て、一気に覚醒した。
「ちょっと、どういうこと!!なんでアタシ達がこんな所で寝てるのよ!!」
「・・・・・・分からないよ。・・・今、何時なんだろう?」
シンジが時計を見る。
アスカもシンジと共に、時計に顔を近づけた。
時間が分かった瞬間、大声を上げる。
「「ご、午前0時ぃ〜!?」」
ユニゾンで叫ぶ2人は改めて周りを見回す。
・・・・・・・・・シ〜〜〜〜ン・・・・・・・・・
辺りからの音は何もない。
完全な無音状態だった。
「・・・閉じこめられちゃったの?」
「・・・そうみたいだね」
「どうしよう、シンジ・・・」
「わ、分からないよ」
シンジはそう答えて立ち上がった。
特に何をしようと考えて立ち上がったわけではない。
何となく間がもたなかったのだ。
『・・・・・・夜の遊園地に・・・アスカと二人きり・・・・・・』
シンジはその考えにたどり着いてしまった。
しかしそれを考えてしまった以上、その呪縛から抜けることは不可能に近かった。
考えないようにすればするほど抜けられなくなる。
「・・・シンジ・・・」
「な、なに?・・・アスカ」
「・・・・・・ユニゾンの特訓した時のことを思い出さない?」
「・・・・・・」
『ユニゾン特訓』
シンジも忘れるわけがない。
アスカと夜まで一緒に寝たのだ。
そして2人で手を合わせて使徒を倒した。
「あの時もこんな事があったよね」
「・・・うん。・・・・・・僕たち喧嘩ばかりしてたね」
シンジはその場に再び座り直した。
アスカの姿ははっきりと見えないが、すぐ隣に同じように座っている。
「・・・あの時のアタシは馬鹿だったわ。・・・・・・何にも分かってない馬鹿だった・・・・・・」
「・・・・・・僕もあの頃は何のために生きてたんだろう?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
アスカはあの頃の自分が嫌いだった。
たまらなく辛くなる。
あの頃は今の自分の姿を想像もしなかった。
『・・・全てがイヤで・・・・・・全てに勝ちたくて・・・・・・全てを否定してた・・・・・・』
あの頃のアスカは自分を偽って無理をしていた。
『・・・でも・・・私にとってあの頃は必要なの。・・・・・・あのアタシがなかったら、シンジに会えてないだろうから・・・』
あの頃のアスカを今の自分にしてくれたのは、紛れもなくシンジだ。
アスカにとってシンジの存在は『革命』と言っても過言ではない。
アスカはシンジに出会って全てが変わった。
「・・・・・・シンジはあの頃のアタシ、嫌いでしょ?」
アスカの問いにシンジは少し間を置いた。
そして静かに語り始める。
「そんな事はないよ。・・・僕はあのアスカの明るさと強さに惹かれたんだから」
「・・・あの頃のアタシの?」
「そうだよ。アスカは光ってたよ。・・・無理をしていたのは何となく分かったよ。でも、それでも明るく光ってるアスカを強いなって感じたんだ」
「・・・・・・」
「僕は光ろうともしなかったから・・・」
シンジはそう言って苦笑する。
アスカはそんなシンジの手を優しく握った。
シンジが驚くのが分かる。
「・・・・・・そんな風に言ってくれるなんて思わなかった・・・」
「ほ、本当の事を言っただけだよ・・・」
「・・・うん。・・・・・・だから嬉しいのよ」
アスカはシンジの側に寄り添って、喜びの笑顔を浮かべながらシンジの肩に頭を乗せた。
・・・シンジは固まって動けない。
「・・・じゃあねぇ。・・・今のアタシと昔のアタシだったらどっちがいい?」
「はぁ?・・・・・・う〜〜〜ん、難しい質問だね」
「答えてよぉ」
「う〜〜ん・・・・・・どっちもかな。・・・どっちもアスカなんだから決められないよ」
「ふふふ、やっぱりそう言ったわね。・・・・・・シンジならそう言ってくれると思った・・・・・・」
そう言ってアスカはシンジの顔に近づく。
シンジは真剣な顔でアスカを見ていた。
この瞬間、アスカはあの夢を思い出していた。
『何だか・・・あの夢の続きみたい・・・・・・』
そしてやがて2人の距離はゼロに近くなっていき、そして・・・・・・
「な、なんだ!?」
「ちょっと・・・何でいきなり明るく・・・・・・」
シンジとアスカはお互いに支え合って立ち上がった。
・・・それはまるで夢のような光景だった。
遊園地全ての照明が一気についたのだ。
乗り物までライトアップされて、昼間には見れなかった光景が2人の目に飛び込んできた。
特に観覧車などは七色に輝いている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
シンジとアスカはしばらくその光景に引き込まれた。
「・・・・・・僕にはどちらのアスカも・・・これくらい綺麗に輝いて見えた・・・」
「えっ!?・・・・・・」
そう言って、シンジは初めて自分からアスカにキスをした。
2人は光と一体になる。
・・・・・・しかし、2人は5分後には遊園地の監視員に見つかって遊園地を摘み出された・・・・・・
交通機関が動いていなかったのだ。
しかし結果的に朝帰りをした2人は、ドイツ支部でも結構有名になってしまった。
実は裏でミサトが誇張表現したのだが・・・
レイは初めての自分からの行動で、シンジとアスカが見事仲直りしたので満足げである。
ゲンドウへのその報告の電話は1時間に及んだ。(ゲンドウ困った困った。(^^;))
何故か加持は、シンジとアスカにいつも以上に優しかったそうである・・・
終
ども〜、Zenonです・・・(^^;)
つ、疲れました・・・
一気にここまで書くのは、ちょっちキツイですね。
途中で休めば良かったよ・・・(自爆)
さてさて、外伝の第2話です。
どうでしたか?
面白かった人、手ぇ上げてぇ〜〜!!(爆)
今回も暴れていかれましたね、ミサトさん!!
それに付き合わせられる加持さん。
加持さん好きなんですが、どうもこんな話になっちゃいますねぇ。(^^;)
もはや外伝のパターンが出来ちゃったのか?
今回はそんな事を考えちゃいました。(笑)
そして今回の話に意識的に入れたのは、レイちゃんの自我が急速に育ち始めるところです。
前回の「爆走!!自動車免許」でも少しやったつもりだったんですが、今回はあからさまです。
レイちゃんはようやく自分の存在の価値を見いだせるようになってきたようです。(^^)
おそらくこの話の最大の謎は、交通機関が止まっていた間2人は何してたの?ということでしょう。
・・・わたくしもはっきりとは想像がつきません。(^^;)
その部分は、皆さん独自の外伝第2話にとしてご想像頂くのも面白いかもしれませんね。
自由に考えちゃって下さい。(笑)
さて次回のテーマはもう既に決まっております。(笑)
またまた今回とは違う熱心な常連さん
のご要望で、「ユイさんとキョウコさんのNERVでのお仕事」の話です。
というわけで、次回もよろしくお願い致します。
ではでは、また次回でお会いしましょう!!
いつもいつも感想を下さるだけでなく、きっかけまで与えて下さってありがとうございました!!
おかげさまで完成しましたよ!!見られてます?(笑)
さらに、久遠さんは『Various』というご自分のHPをお持ちです。
まだ仮スタート状態のようですが、一度覗いてみて上げて下さい。
そして、これからの本格スタートへの励ましやHP感想などを一言でも書いて上げて下さい。(^^)
出来立てホヤホヤの新鮮な感じと、どこか神秘的な雰囲気の漂うHPですよ!!
わたくしも少しお手伝いさせて頂いております。
Zenonさんの『セラフの舞う瞬間』外伝第2話、公開です。
まず、ゲンドウに漏れた事。
次に、レイがやる気になっちゃた事。
とどめに、ミサトに気どられたこと(^^;
普通これだけ揃えばハチャメチャになるのですが、
今回はバッチシでしたね。
アスカとシンジの仲は一歩前進。
レイの情操も一歩全身。
いいことばかりでした(^^)
・・・・アスカxシンジは100歩くらい前進したのかも(爆)
さあ、訪問者の皆さん。
久遠さんのページにもZenonさんの作品がありますよ!