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   西暦2016年 夏   国連特務機関NERVドイツ支部



「だいぶ慣れてきたみたいね」

「・・・そう・・・ですか?・・・」



シンジはミサトの言葉に息を切らせながら答えた。

ミサトは満面の笑みを浮かべている。

シンジの隣には加持がいるが、こちらはシンジに同情の表情を向けていた。



ここはドイツ支部の中のトレーニングルーム。

シンジは2人から格闘技術を教わっていた。

実は嫌がるシンジを、ミサトが強制的にトレーニングさせたのだが・・・



「なかなかやるじゃないの。伊達に使徒と戦ってはいないようね」

「・・・ミ・・・ミサトさん・・・・・・や・・・休ませてくださいよ・・・・・・」

「葛城。シンジ君の言うとおりだ。いきなりこれじゃあシンジ君が倒れるぞ」



その加持の言葉にミサトは時計を見る。

もう既に訓練を始めて1時間はぶっ通しだった。



「そ〜ね。まぁ、最初はこんなもんでしょ。・・・いいわ。上がって、シンちゃん」

「はぁ〜〜・・・」



シンジはようやく解放されるとその場にへたり込んでしまった。

加持はシンジを支える。



「大丈夫かい?シンジ君」

「は・・・はい。・・・ありがとうございました・・・」

「初めてなのに良くやったよ」

「どうも・・・は・・・ははは」



加持は満面の笑みでシンジを誉めた。

シンジはふらつく足で立ち上がる。

そこでミサトが持ってきたタオルを受け取った。



「あっ・・・ありがとうございます」

「おつかれさま。・・・お世辞抜きで良かったわよ。シンちゃんて以外と格闘技とか強いかもね」

「そんなことないです・・・」

「いや、筋はかなりいいぞ。まだまだ分からないが、ある程度の線までは俺が保証するぞ」

「あんたの保証は信用ならないわよ」

「おいおい、そりゃ酷いな」

「ははは」



シンジは汗を拭きながらミサトと加持の話を聞いていた。



『あたたた・・・・・・こりゃ明日、筋肉痛が・・・』



シンジは次の日の筋肉痛を恐れた。

滅多に肉体労働のようなことをしないシンジに、この訓練は相当きいた。



『・・・学校行けるかな?・・・』



そんなことを考えている最中に、ミサトがシンジに聞いてきた。



「・・・・・・ねぇ、シンちゃん。話は変わるけど、車の免許取る気ない?」

「えぇ!?・・・僕が?」

「そうよ。ドイツでは16歳から取れるのよ。それにこれは訓練のカリキュラムの中に入ってるのよ」

「そうなんですか?加持さん」

「あぁ、入ってる。但し、16歳から1年の間に取ればいいから無理はしないでいいぞ。シンジ君が暇なときに行けばそれでいい」



その加持の言葉にミサトが、恐ろしく目を光らせた。



「かぁ〜じぃ〜、なに甘っちょろい事言ってるの!!車の免許は取れるようになったらすぐ取って、それまではこっそり無免ってのが普通でしょ!!」

「「・・・・・・」」



シンジと加持は改めてミサトの恐ろしさを知った。

その勢いのままミサトはシンジに迫る。



「取るわよね、シンちゃん。・・・このアタシが手取り足取り教えて上げるから!!」

「げっ!!」

「・・・やめろ、葛城・・・」



ミサトのドライブテクを嫌と言うほど知っている2人は青くなった。

しかしミサトは止まらなかった。



「取るわね・・・・・・」

「は・・・・・・はい・・・」



シンジは恐怖のあまりそう答えてしまった。

かくしてシンジの地獄の特訓は始まりの火蓋を切った。



セラフの舞う瞬間 −外伝−


第1話 「爆走!!自動車免許」


Written by Zenon





フォォーン!!ボォウンボォウンン!!ギギキキキィィィーー!!!フオォォォーーーーン!!!



「ミ・・ミミ・・・ミサトさんっ!!・・・ス・・・スピード落としてくださいぃぃ!!」

「なぁ〜に言ってんのよぉ、シンちゃんたらぁ〜。・・・・・・・・・これからが本番よっ!!!」



ミサトの眼が変わったのを見たシンジは青くなった。



「ど〜も、あそこのコーナーの攻め方が今一つね・・・・・・こうねっ!!!」



そして車内に悲鳴が飛び交った。



「嫌だぁぁーーー!!」



   10分後・・・



「う・・・ん・・・・・・」

「あっ、碇君。・・・大丈夫?」



シンジが眼を覚ますと一番にレイの顔が飛び込んできた。

シンジはまだ自分がどういう状況か分からない。

しかしそれが分かると慌てて頭を上げた。



「ご、ごめん、綾波。・・・・・・膝、辛くなかった?」

「私は大丈夫。・・・・・・碇君は?」

「えっ?・・・うん。大丈夫みたい・・・」

「そう・・・良かった・・・」



そう言って赤くなってニッコリと笑うレイは可愛かった。

その笑顔を見てシンジもつられて赤くなる。

何故レイがここにいるかというと、自分の誕生日を知らなかったレイはシンジと同じ日を誕生日にしてしまったのだ。

だからレイもりっぱな16歳である。(←かなりいい加減)

ちなみにアスカは自分だけ仲間外れの状態になってしまったので、拗ねてしまってトレーニングルームで激しく荒れていた。



と、そこに『恐怖の殺人教官』ミサトが現れた。

シンジはとたんに白くなる。



「あはははは・・・ゴメンね、シンちゃん。ちょ〜ち、調子に乗りすぎたみたいで。ははは」

「・・・・・・」

「大丈夫よ!!・・・アタシのやったとおりすれば、絶対に大丈夫だから!!」

「うそつけ・・・」

「何か言った?加持・・・」

「いや、空耳じゃないか?」



シンジは心の中でため息を付いていた。

ミサトの運転を見れば見るほど自身が無くなっていった。



『・・・本当に大丈夫なのかな?・・・』



「シンジ君・・・」

「はい?」



そこに加持が小さな声でシンジに声をかけてきた。



「実は今日から1週間だけネルフのテストコースを借りることが出来てね。さっそく、今日からレイと一緒に練習しないかい?もちろん俺も付き添うし、葛城には内緒だ」

「ほ、本当ですか?・・・・・・実は僕、凄く不安だったんです・・・でもいいんですか?」

「いいんだよ。ここには俺の知り合いも多くてね。事情を話したら、あっさりOKしてくれたよ」



そう言って加持は笑顔でウインクした。



「ありがとうございます。・・・じゃあ僕は行かせてもらうけど、綾波はどうする?」

「うん・・・・・・私も碇君と練習する・・・」

「よし、決定だ。じゃあ、PM8:00に君らの部屋に迎えに行くよ」

「お願いします」

「な〜に、任せておけって。・・・おっと、葛城だ」

「何ひそひそ話してるの?」

「いや、こっちの話だ」

「・・・?」



ミサトは首を傾げてシンジ達を見ていた。





ミサトの訓練(?)に比べて、加持の訓練はいたって普通だった。

まず最初は車の乗り方から始まり、タイヤ交換にトラブル時の対処法まで細かく教えてくれた。

そして何より実践走行では、普通の運転を見せてくれた。

シンジはようやくやる気になり、加持の教える事をしっかりと覚えていった。



レイもそんなシンジを見て、真剣に練習に励んでいた。

実はレイには、自分の運転でシンジとドライブに行くというささやかな夢があったのだ。



『碇君とドライブ・・・・・・行きたい・・・・・・碇君も頑張ってる・・・私も頑張ろう・・・』



そんなふうに考えていたのだ。

レイは一度決心したり、目標が出来ると凄まじい勢いで上達するタイプの人間だったので、シンジと同じように加持によくついていった。



そんな感じで夜は加持に普通に教えてもらい、昼はミサトの恐怖の訓練という日々がしばらく続いた。



そしていよいよ試験の日が近づいた・・・





シンジは今、ネルフのテストコースに立っていた。

シンジは一般の試験を受けに行くとばかり思っていたのだが、ネルフの管轄の試験を受けなければいけないのだった。

シンジはこの試験に必死の思いで挑んでいた。

もしもこの試験に落ちれば、またあの恐怖の訓練をする羽目になるのだ。



『絶対に受かってやる!!絶対に受かってやる!!絶対に受かってやる!!!』



シンジは燃えていた。



レイも自分の目標に向かってひたすら努力してきている。



『碇君とドライブ・・・碇君とドライブ・・・碇君とドライブ・・・碇君・・・・・・』



レイもまた、いつになく燃えていた。

「では、私の言うとおりに運転して下さい。・・・碇シンジさん、どうぞ」

「はい!!」

「頑張って、碇君」

「いつも通りやれば大丈夫だ、シンジ君」

「よぉ〜し!!エンジン全開よ!!シンちゃん!!」



ミサトは何か勘違いしている。

そう思ったシンジだが、今は試験に集中した。



「では、始めます。・・・まずはコースを1周してみてください」

「はい」



シンジはやや慎重に車を走らせてコースを回った。

特にミスは無い。

安全運転である。



「その調子よ、碇君・・・」

「緊張しないでいいぞ、シンジ君!!」

「あぁーーー!!シンちゃん!!そうじゃないでしょ!!もっとコーナーを攻めて!!・・・違う!!もっと激しく切り込むのよ!!そこで教官を振り落とすようにっ!!」



『振り落としてどうする・・・』



加持はつっこみたかったが、後が怖いので何も言わなかった。



そして約1時間の試験が終わった・・・・・・



「はい。これで試験は全て終了です。お疲れさまでした」

「ありがとうございました」



シンジは教官に挨拶をするとレイ達の所に行った。

レイと加持は笑顔で、ミサトは不満顔でシンジを迎えた。



「上手だったわ、碇君」

「あれなら大丈夫だ、シンジ君」

「そうですか?」



シンジは嬉しそうに笑って答えた。

ミサトはもはや何も言わなかった。



「次は、綾波レイさん。・・・こちらへ」

「・・・はい」

「頑張って、綾波!!」

「しっかりな、レイ」



レイはシンジと加持に向かって1度微笑むと試験を受け始めた。

レイの試験もミスもなくスムーズに終わった。



「結果は3日後にお知らせしますのでお待ちください。では・・・」

「「ありがとうございました」」



シンジは無事に試験が終わり、ホッと一息ついた。

そしてレイと加持の方に笑いながら言った。



「大丈夫かな?僕」

「大丈夫だよ、シンジ君。俺が保証する」

「・・・一緒に受かろうね、碇君」

「うん!!」



ミサトは一人、蚊帳の外だった。





3日後・・・



「綾波!!受かったよ。免許取れたよ!!」



シンジはレイの部屋にやってきてレイに言った。

その声にレイも笑顔で答える。



「私も、受かったわ」

「本当?おめでとう、綾波!!」

「碇君も・・・おめでとう」



2人はお互いの吉報に喜び合った。

そこに加持が入ってくる。



「おっ、その様子だと受かったのかい?2人とも」

「はい、・・・受かりました」

「加持さんのおかげです」

「いや、君たちの努力の結果だよ」



そこに更にミサトとアスカが入ってきた。



「良かったじゃないの、2人とも。やっぱアタシの訓練が効いたのねぇ〜」

「確かにあれは『キク』な」

「・・・何か文句あんの?あんた」

「いや・・・何も・・・」



そんな風にミサトと加持が話している横で、アスカがシンジの免許を見ていた。



「へぇ〜、シンジでも取れるのね」

「どういう意味だよ、アスカ」

「そのままよ。・・・まあ、おめでとうと言っておくわ」

「ありがとう、アスカ」

「その代わり1番始めにアタシを乗せなさいよ!!このアタシがシンジの運転する車に乗ってあげるって言ってるんだから感謝しなさいよ」

「分かったよ、アスカ」



シンジは苦笑してアスカに言った。

そこでレイが問題点を言った。



「でも・・・車がない・・・」

「そうか・・・」

「まっかせなさい!!車はネルフがくれるらしいわよ!!」



ミサトの声にシンジとレイは驚いた顔をした。



「本当ですか?ミサトさん」

「もち、ホントよ。・・・ただし、今後の訓練にも使う車だから壊したら変わりはないみたいだけどね」



「まぁ、シンジ君達なら大丈夫だろう」

「それでどんな車なのよ?ミサト」

「ふふふ、それを今から選びに行くんじゃないの!!急いで支度しなさい」

「太っ腹ねぇ〜」



アスカの質問にミサトは嬉しそうに答えた。

5人は早速、車を見に行った。





「・・・これの中から選ぶんですか?ミサトさん・・・」

「うそ・・・」

「・・・凄い・・・」



シンジとアスカ、レイは目の前の車に驚きを隠せない。

それもそうだろう。

そのガレージに置いてあった車はどれもシンジが一度はカーマガジンで見たことはある20世紀末のスポーツカーばかりだった。

そして全てエンジンカーである。



「どれでも好きなのを1台選んでいいそうよ。さ、選んで選んで!!」

「葛城。・・・お前が喜んでないか?」

「しょうがないでしょ。・・・こんなの、アタシみたいな車好きが見せられたら誰でもそうなるわよ」



確かにミサトの言うとおり、そこにはそれ程車が好きな者でなくとも涎が出るほどの車がズラリと揃っていたのだ。

実際、シンジ達がその状態だった。



「あ〜、この車良い!!シンジ、これにしなさい!!」

「どれ?」



アスカの指さす車は『フェラーリ ミトス』。

色はアスカのトレードカラーのレッド一色。

そして何より特徴的なのはオープンカーだった。



「お!!アスカもなかなか見る目があるじゃない。その車は20世紀後半に



      『イタリアに黒い跳ね馬あり』



と言われたフェラーリのオープンカーよ。その外見はお洒落で女性的だけど、走りはまさに『赤い跳ね馬』ね」



ミサトの説明にシンジがぼそっと言った。



「何だかアスカそのままだね」

「なんですってぇ〜!!」

「じょ、冗談だよ・・・」

「ははは」



アスカに追いつめられるシンジを見て、加持が笑った。



「・・・で、どうするの?迷ってるならこれにしちゃいなさい、シンジ」

「・・・う〜ん・・・でも、何だか僕には合わないような気がするんだけど・・・」

「そう?」

「・・・そんなに気に入ったんなら、アスカが免許取ったときこの車をもらえばいいんじゃないのかな?」

「それもそうねぇ。・・・決めた!!ミサト、アタシこれ予約ね!!」

「はいはい。アスカは『フェラーリ ミトス』予約・・・と」



ミサトはネルフのマークシート(何だそりゃ?)に書き込む。



「綾波はどれか良さそうなのあった?」

「うん・・・あれが良い」



シンジの問いにレイは1台の車を指さした。

その指の先には中央に2本の白い線の入った青い車があった。

いち早く車を見分けたミサトが説明を始めた。



「おっ!!レイもやるわね。あの車は『ダッジ バイパーGTS』。アメリカ製の車で、そのモンスターの様なエンジンと、どんな状況でも確実に路面をとらえる足回りの安定性から人気の高かった車よ。ミトスが赤い跳ね馬ならこちらは『青いサラブレッド』かしら?」

「詳しいですね、ミサトさん」

「まあね。それでどうするの?レイ。決めた?」

「はい・・・これがいいです」

「じゃあ、レイは『ダッジ バイパーGTS』ご指名・・・と。後はシンちゃんだけね」



その言葉にシンジは困ってしまった。

全然分からないのだ。

どれも良いとは思ったが、何かインパクトに欠けた。



「どうしよう・・・困ったな・・・」

「・・・シンちゃん、迷ってるの?」

「・・・はい」

「ふふふ・・・じゃあ、アタシが選んであげるわ」

「えっ?ミサトさんが?」



シンジはミサトに聞き返す。

ミサトはニコニコ笑って言った。



「実はねぇ、シンちゃんのことだから迷うんじゃないかな〜と思って選んであるのよ」

「えっ?」

「あれよ!!」



そう言ってミサトは一番奥のガレージを指さした。

そこにはこれぞスポーツカーというような車が1台あった。

色はダークグリーンで、形は完全な流線型だった。



「じゃ〜ん!!あれは『マクラーレン F1』!!20世紀で最後のスポーツカー伝説を築き上げた名車中の名車よ!!その流れるようなフォルムと630馬力を誇るエンジンは、この車だけが持つまさに世界の車の最高水準よ!!さらにお得なのは、この車が3人乗りな所。これならシンちゃんもアスカとレイを同時に乗せて走れるのよ!!」



確かにこの車はドライバーが中央に座り、両サイド斜め後ろに2人乗ることが出来た。

自慢げに話すミサトだが、シンジはただ唖然となっていた。

どう考えても、自分に釣り合うとは思えない車だったのだ。



「ミサト・・・シンジにはちょっと合わないんじゃないの?」



アスカもシンジと同じ意見のようだ。

しかしミサトは引き下がらない。



「なに言ってるの!!シンちゃんだからこそ奨めるのよ!!シンちゃんはこれに乗って何もかもが生まれ変わるのよ!!さあ、シンちゃん。決断の時よ!!」



ミサトはシンジににじり寄った。



「・・・・・・ミサトさん。もっと普通の車は無いんですか?僕はもっと安心できる車が・・・いいかなぁ・・・なんて思ったりするん・・・ですけど・・・・・・」



シンジは話の途中からミサトの眼の光が変わるのを見て、尻窄みに声が弱々しくなっていった。

シンジはアスカに助けを求めようとアスカを見たが、アスカまでもが腰が引けている。



『・・・最後の頼みは加持さん!!』



加持はシンジが自分の方を見る前からに眼で謝っていた。



『すまん!!シンジ君・・・・・・俺はまだ死にたくはないんだ。・・・すまん!!』



シンジは最後の頼みも断たれたことによって全てを諦めた。



「やっぱりこれにします・・・・・・」

「そう!?やっぱシンちゃんは素直ねぇ!!そう言う風に先輩の言うことは聞く方が『身のため』よ」

「・・・・・・」



シンジは自分を殺して、何とかミサトの暴走だけはくい止めた。



『・・・世の中は厳しいんだな・・・・・・』



シンジは改めて世間の厳しさを知った。





半月後・・・



「シンちゃん!!」

「な、何ですか、ミサトさん。いきなり・・・」

「またお願い!!」

「またですか?・・・もう、何回目ですか?」

「そんなこと言わずにお願い!!」

「・・・・・・分かりましたよ。どのみち今日は乗らないし・・・」

「さっすが、シンちゃんね!!・・・じゃあ、ちょっと拝借!!加持、加持どこ!!ドライブつき合いなさい!!」



シンジはそう言って出ていくミサトにため息をついた。

ミサトは1度シンジの車に乗って以来、すっかり気に入ってしまったのだ。

いや、あの車をシンジに奨めた時から狙っていたのだ。

しかしシンジはミサトのそんなところをいかにもミサトらしいなと感じて、苦笑した。



「碇君・・・用意できた?」

「あぁ、ごめん綾波。今行くよ」



そう言ってシンジは自分の部屋を出た。

今日はレイの誘いでドライブなのだ。

レイは夢が叶って終始、笑顔が絶えない。



『夢が叶った・・・・・・碇君とドライブ・・・嬉しい・・・幸せ・・・』



レイはこの日をシンジと共に楽しく過ごしたのだった。



一方、加持は・・・



「くうぅーー!!この加速がたまんないわね!!すぐに『300Km/h』をオーバーしちゃうわぁ!!」

「・・・・・・」



加持の意識は既になかった。





さらに後日談・・・



半年後のアスカの免許の時にも、ミサトの殺人的な講座は開かれた。

そしてアスカは見事、試験に1度落ちてしまったのだった・・・



セラフの舞う瞬間 −外伝−  第1話 「爆走!!自動車免許」


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ver.-1.00 1997-11/17公開
ご意見・ご感想は zenon@mbox.kyoto-inet.or.jpまで!!


あとがき



ど〜も、Zenonでっす!!(^−^)〃

いかがでしたか?「セラフの舞う瞬間 −外伝−」第1話。

本編とは全くの別物と割り切って、雰囲気まで変えてちょっとコミカルに書いてみました。

もしかしたら、本編よりもこちらの方が好きという方もおられるのではないでしょうか?

もし「何じゃ、こりゃあ〜!!」と思われる方は、本編をお待ち下さい。(笑)



話は、シンジ君達のドイツ訓練時代の話です。

外伝ではドイツでの出来事ばかりを書こうと思っているんですが、どうでしょうか?

皆さんの意見を聞いてみたいです。



今回は「爆走!!自動車免許」ということで、シンジ君とレイちゃんが車の免許を取るまでを話にしてみました。

車の種類などは完全にわたくし個人の趣味です。(笑)

でもわたくしは、車はもちろんの事、原付の免許すら持ってません。(爆)

良く知り合いに「お前、ホンマに20歳にもなって何も持ってへんの?」とバカにされてます。(泣)

そんなわけで今回の話の細かいところは、完全にわたくしの想像もありますのであまり気にしないでくださいね。



外伝はどれだけ続くのかは全く不明ですが、(『作ろうと思えば』、かなり作れますね)ちょくちょく出していきたいと思っています。



そして次回からの事です。

実はいつもいつも熱心にメールを下さる常連の方から「Zenonさん、ラブコメオンリーの話を書く予定はないんですか?」と言われまして、すぐに書いてみる気になりました。(笑)

どのような話になるかは分かりませんが、取りあえず次からの外伝はラブコメを目指して書きますのでよろしくお願いいたします。

・・・もし失敗したら許して下さい!!(爆)



ではでは、また次回でお会いしましょう。


 Zenonさんの『セラフの舞う瞬間』外伝第1話、公開です。
 

 ミサトさん大暴走(^^;

 

 
 車と言えばこの人! のミサト・・

 いい意味でも悪い意味でも。

 圧倒的に後者ですが(^^;

 

 

 訓練の名を借りた運転。
 シンジにプレゼントといいながらの車GET。
 

 ああぁぁミサトさんが止まらない〜
 

 彼女の被保護者達は大変です(^^;

 彼女のパートナーはもっと大変ですね(笑)

 

 

 さあ、訪問者の皆さん。
 色々な外伝を考えているZenonさんに感想メールを送りましょう!


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