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NEW TYPE EVANGELION

第拾伍話
Last Battle In The Earth


ドォォォォ・・ン!!!

辺りが白い閃光で包まれたとき、ネルフ本部では静寂に包まれていた。

「・・・・・・・・・確認!パイロットの生存の確認を急いで!」
「・・は、はいっ!」

静寂に包まれていたネルフ本部は、急にあわただしくなった。

「落下地点に強力なエネルギー反応!」
「エネルギー?!」
「はい・・・あ、解析終了!ATフィールド!ニュー・エヴァ弐号機と参号機のATフィールドですっ!」

”槍”の落下時、アスカとレイは無意識のうちに自らが生成できうる最強のATフィールドを作り出していた。
その結果、二つのATフィールドは相互干渉を起こし、その力を2倍にも3倍にもして
エヴァ各機を守ったことになる。
だが、ニュー・エヴァ弐号機と参号機は只で済む訳はなく、
それぞれ右手と左手が機能しなくなっていた。

「今の・・・何?・・・これがアタシのATフィールド?」

アスカは自分が出したATフィールドに疑問を抱いていた。

「・・・シンちゃんのおかげだわっ!」
「何・・・言ってるんだい?レイちゃん」

今でもレイの会話は論点が少しずれることがある。

「シンちゃんの愛に包まれたエヴァは無敵の力を誇るのよ!」
「あ・・・・アンタバカァ?!」
「綾波ぃ・・・それはちゃうやろ・・・」
「いいえっ!シンちゃんが私を愛してくれているからこそ生成できた強力なATフィールドよ!」
「何でシンジがアンタなんかを愛しているのよ!シンジが愛しているのはアタシよ!」
「私を愛しているのよ!」
「アタシよ!」
「おいおい・・・まだ戦闘中だぞ・・・」

この会話が発生しているとき、ネルフ本部で待機常態にあったシンジには、
でっかい汗が出ていたことは言うまでもないだろう。

「・・・僕の立場は?・・・それより僕の出番は?・・・」

シンジ君の出番はもう少し後である。




「漫才はこのくらいにして、そろそろ終わらせないとな」
「漫才って・・・・・まぁ良いわ、どうするの?奴等回復能力があるんでしょう?」
「問題はそれだな。奴等を殲滅するには回復される以上かもしくは回復する前に攻撃しなければならない」
「それや。わしらの兵器じゃすぐに回復されてしまうで」
「・・・二人が敵のうち一体を攻撃、残りの二人が残りの敵からの攻撃をガード・・・・」
「いいわね・・・それでいきましょ」
「まず俺とレイちゃんでガードを担当する。アスカちゃんとトウジ君で一体を殲滅してくれ」
「狙いはあれね、分かったわ」

アスカとトウジは狙いを『ウリエル』一体に絞りこんだ。
こうすることによって、始めはガードがつらいが、一体を殲滅することが出来れば
後は楽勝といった作戦となる。

「葛城さん、こっちで勝手に作戦を立ててしまいましたが、よろしいですね」

『構わないわ、それにその作戦はベストよ』

「ありがとうございます。さて・・・・・行くぞっ!」
「「了解!」」

キトの掛け声とともに、四体のエヴァは『ウリエル』めがけて駆け出した。

キィン!キィン!
ダァン!ダァン!

アスカがプログ・ブレード2で『ウリエル』に攻撃を仕掛ける。
『ウリエル』がその攻撃を防ぐと、そこへ透かさずトウジが殴り付ける。
さらにトウジが殴り掛かり、『ウリエル』がそれを受け止めようとすると、
今度はアスカがプログ・ブレード2で『ウリエル』を切り付ける。
そのような攻撃が何度も続いていくうち、『ウリエル』の回復能力は
負っていくダメージに追いつかなくなっていった。
その間、キトとレイがコピーエヴァ三体の攻撃を防いでいたことは言うまでもない。

そして・・・

ギャァァァァァァァァ!!!!

アスカとトウジの連続波状攻撃により、『ウリエル』は肉塊と化した。

「ようやく・・・一体やないか・・・」

次にキトとレイが『ラファエル』に狙いを絞り、波状攻撃を仕掛ける。
その間、アスカとトウジはガードに徹する。

グァァァァァ!!!

「二体めぇ!」

これで戦力差は四対二。
形勢が完全に逆転したことで、アスカたちは勝ちを確信する。
そしてキトとトウジは『ガブリエル』を簡単に殲滅してしまう。

ガ・・ガガ・・・ガガ・・・・

「三体目だ!」

最後に四体で『ミカエル』を包囲する。

「アンタもこれまでよ!」

ズシャァァァァァ!!!
ガ・ガガ・・・ガァァァァァ!!!!

「シンジの愛に満ちたこのニュー・エヴァ弐号機に勝とうなんて、百億年早いのよっ!!」

アスカはレイへの外部通信だけ切って、こう叫んだ。
ネルフ本部には顔を真っ赤にしながらも、いやではないシンジがそこにいた。









「ご苦労様」
「苦労したわ、あんな強敵がまだいるなんて思わなかったもの」
「ミサトさん、あれって何なんですかぁ?」
「知らないわよ」
「ミサトはん・・・そうはっきり言わんでも・・・」

事実ミサトと子供たちは襲来した敵が何者なのか分かっていない。
ここ、ブリーフィング・ルーム内で知っている人間は、キトだけである。
そのキトも、さっきから何やら誰かと電話で話し込んでいた。

「そろそろ・・・・・・いいんじゃないか?」
『おまえがそう言うのであれば・・・・のことを話すべきなのだろう』
「なら降りて来いよ」
『いや、そちらから来て欲しい』
「相変わらずだな」
『そちらもな』

キトは電話を切ると、ミサト達に話しはじめた。

「さっきの敵について、ゲンさんから話がある。司令室に集まってもらいたい」
「さっきの敵、あと全てについて話してもらえるのですか?山崎博士」
「恐らくな」

ミサト達はキトに連れられてブリーフィング・ルームを後にし、司令室へと足を運んだ。




「全員集まったようだな」

ネルフ本部の司令室には、碇シンジ、惣流アスカ、綾波レイ、鈴原トウジの各チルドレン。
日向マコト、青葉シゲル、伊吹マヤの各オペレータ。
山崎キト、赤木リツコのネルフが誇る二大科学者。
冬月コウゾウ、葛城ミサト、碇ユイの各責任者。
そして・・・

「あ、あんた今までどこに行っていたのよ!」
「あぁ、ちょっと野暮用でな」

今まで姿を見せていなかった、加持リョウジがそこにいた。

「あんた・・・またあたしを驚かせようとしてない?」
「分かるか?葛城」
「あんたのやることなんて全部お見通しよ」
「これはこれは・・・さすがネルフの誇る作戦部長殿」
「なぁにいってんだか」

ミサトと加持が夫婦漫才をしていると・・・

「そろそろ本題に入りたいのだが」

ゲンドウがそれに待ったをかけ、本題である今回の敵についてはなしはじめた。

「今回の敵について話す訳だが・・・」

ゲンドウがゆっくりと話しはじめると、皆一様にごくりと喉を鳴らした。

「時を追って話すのが一番かな」
「そうだな、それが一番分かりやすい」

ゲンドウの問いに、冬月が答える。そして・・・

「始まりは西暦2000年、9月、南極だ」
「セカンド・インパクト・・・」

西暦2000年、20世紀最後の年。
人類は未曾有の大災害に見回れた。
南極で謎の大爆発。この爆発により南極大陸は消滅。
その氷は全世界を襲い、海抜近くの土地や、海抜以下の国などは海の底へと消えた。
その時に起こった洪水、疫病、食糧不足などにより、世界人口の約3分の1が消えてしまった。

「公式的には大質量隕石の落下となっている。これは事実ではない。
 作られた事実だ」
「ではあれは一体・・・」
「第壱使徒アダム。その完全羽化を食い止めた結果だ」

その場に緊張が走る・・・

「私はその時、ある組織に所属していた。その組織は偶然あるものと接触した。
 いわゆる地球外生命体と呼ばれるものだ。その生命体は地球を植民地化しようと企んでいた。
 ある組織はそれに賛同し、生体兵器と植民地化後の地球の管理を条件に、
 その生命体の配下に入ることになった」
「その生体兵器というのはもしかして・・・」
「そう、これが”使徒”だ」

辺りに静寂がこだまする・・・

「その交渉後、ある組織は”試しに”と与えられた生体兵器の卵のうちの一つを羽化させようとした。
 私は既に、ある組織に反目しようと考えていた。組織から抜けだし、対抗しうるため、
 奴等の生体兵器を一つ奪い、なおかつ残りのものも10年近く羽化できないようにする細工も出来た。
 だが、そのうちの一つだけは奴等の手によって羽化が既に始められていたので、
 どうすることもできなかった。そこで完全に羽化するのを防ぎ、私はそこから脱出した。
 だが防ぐのが甘かったのだろう、それは暴走してしまった。
 これがセカンド・インパクトの真実だ」

セカンド・インパクトの真実を話した後、ゲンドウは一つため息を入れ、
尚も語りはじめた。

「私は奪った生体兵器の卵,”リリス”を元にして、いずれ来るであろう敵の襲来に備えた。
 それがネルフであり、リリスを元に作られた兵器、エヴァンゲリオンだ」

静寂に包まれている中、一人の女性がゲンドウに向けて質問を投げかけた。
ミサトである。

「司令、セカンド・インパクトと、エヴァについては理解しました。では今回襲来した敵、
 司令のおっしゃっていた”ある組織”とは何でしょう。またその組織が接触した
 地球外生命体とは?」

ゲンドウは静かに眼鏡のずれを直し、返答をした。

「地球外生命体、これについては私さえも詳しくは知らない。分かっているのは、
 地球から何光年も離れたところにあり、その星”惑星SEELE(ゼーレ)”が一番近くの美しい星
 地球を狙っていたということだ。そして”ゼーレ”の配下に入ったある組織、
 E-SEELE、”EARTH−SEELE(アース・ゼーレ)”が今回襲来した敵であり、
 今まで襲来した敵でもある」
「では全ての元凶はその”アース・ゼーレ”とかいう組織というのですか?」
「そうだ」

ゲンドウは即座に反応する。
既にこの場において、子供たちは話についていけず、
ただ聞き入っているだけに過ぎなかった。

「司令は・・・この事を一人で・・・秘密を一人で抱えていたのですか?・・・」

ミサトは秘密を握っていたのがゲンドウ一人だけであって欲しいと願った。
だれしも疎外されることは嫌うものである。

「いや、冬月、ユイ、山崎の三人はこの事を事前に伝えておいた。
 葛城君、君にこの事をひた隠しにしていたことは誤る。
 あとシンジ、アスカ君、レイ君、トウジ君、赤木博士、皆さん・・・今までひた隠しにしてすまない。
 この通り、誤る」

ゲンドウは頭を下げる。
その時にはだれしもが一瞬、固まっていた。
今まで見せたことも無い出来事だったからである。
そんな時、一人の少年が声をかけた。

「父さん・・・頭を上げてよ・・・」
「シンジ・・・」
「確かに秘密にしていたことは許せないけどさ・・・こうして話してくれたし・・・
 それに・・・・・・アスカやレイともこうやってうまく行けるようになったし・・・」
「シンジ・・・すまない」

ゲンドウは再度頭を下げる。

「止めてよ・・・父さんはそういうのに合わないよ。
 父さんはその椅子に座ってふんぞり返っている方が似合うよ」
「確かに叔父様には似合わないわね、頭を下げるのって」
「あなた・・・あなたはそこででんと構えていてください。そっちの方が私達が安心します」
「・・・・・・・」
「一本取られたかな?碇」
「あぁ・・・そうですね、冬月先生」
「わしにも敬語は要らん、こそばゆくて仕方が無い」
「分かった・・・・・冬月・・・」
「碇、お前はそれで良い」

一見邪悪な雰囲気を醸し出すネルフ本部司令室。
しかしこの時ばかりは、暖かい空気が流れ、それはネルフ本部全体に行き渡っていた。




「ところで加持君、あなたは何でここにいるのかしら?」

ゲンドウへ向けられていたミサトの矛先は、事がすむと今度は加持に向けられた。

「リョウジ君、もしかして・・・例の件かい?」
「はい、山崎さん」

加持リョウジ、ネルフに所属しているが、誰も・・・碇ゲンドウと山崎キトを除いてその役職は誰も知らない。
加持の役職は、調査室室長。
とは言っても調査室事体、一人しか存在しない。
もっとはっきり言ってしまえば、碇ゲンドウ直属のスパイということになる。
時々それ以外の仕事も、アルバイトとしてやってはいるが。

「碇さん、例の件について報告しますが・・・この場でよろしいんですか?」
「かまわん、みんなに知っておいてもらった方が後々楽だ」
「そうですか・・・では報告します。アース・ゼーレの本拠地に乗り込んだ結果ですが・・・」
「ち、ちょっと加持君!あなたそんなとこに行ってたの?!」

横からミサトがちゃちを入れる。

「ああ。碇氏に頼まれてね。・・・それで続きですが、アース・ゼーレはほとんど瓦解しています」
「そうか・・・では奴ら・・・幹部はどうなった」
「幹部連中ですが、そのうちの四人は既に死亡していると考えられます」
「しているとは・・・どういう事だ?」
「幹部のうち、四人は先ほど襲って来た敵生体に搭乗していたと考えられます」
「馬鹿な?!あれに人間の生体反応はなかったぞ!」

MAGIにより、先ほど襲って来た敵には誰も乗っていないと考えられていた。
冬月はそのことに疑問を抱いたのである。

「『強制シンクロシステム』・・・だな」
「はい。そのシステムを使用してコアと融合していたと考えられます」
「そうか・・・あれを使ってしまったのか・・・馬鹿な奴等だ・・・」

ここでアスカは一つの疑問を抱く。

「ねぇリツコ、『きょうせいしんくろしすてむ』って?」
「諸刃のシステムのことよ。適格者でない人間がエヴァとシンクロするためのシステム。
 結果、コアと融合してしまい、二度とサルベージされなくなってもね」
「つまり・・・」
「使ってはいけないシステムなのよ、『強制シンクロシステム』はね」

アスカたちのいる場に少し重い空気が流れた。

「加持君、幹部は五人いたはずだが・・・」
「はい。最後の一人もまもなくやってきます。恐らく・・・最強のコピータイプのエヴァに乗って・・・」
「葛城准佐。現在使用可能なエヴァは?」
「は、はい!現在はニュー・エヴァ初号機だけが起動可能です。
 残りは中破及び大破のため、使用不可能です。エヴァ初号機は司令の命令により凍結中です」
「そうか・・・エヴァ初号機の凍結を現時点をもって解除。
 直ちに第一種戦闘配置。敵の襲来に備えろ」
「了解!」

いつ来るか分からないが、必ず来る敵。
それの殲滅のため、ネルフ本部は再び騒然としてきた。









暗闇の中、一つの笑い声がこだまする・・・

「くっくっくっくっく・・・・・・やっと完成したか・・・・」

暗闇の中でアース・ゼーレ最後の一人、E-SEELE01は笑いを隠せないでいた。

「これさえあれば碇など・・・『ルシフェル』さえあればな・・・クックック・・・」

『ルシフェル』・・・天界から地獄へ落とされた堕天使。
又の名を魔界の王『サタン』。
その名にふさわしい、黒と白をベースにしたコピーエヴァンゲリオン。
従来のエヴァよりも一回り大きく、かつ飛行能力、回復能力を備えたこの『ルシフェル』は、
まさに堕天使、魔界の王と呼ぶにふさわしいものに仕上がっていた。

「私自らコアと融合してしまうのは少々残念だが・・・致し方あるまい。碇に勝てるのであればそれもよかろう」

E-SEELE01はそう言い放ち、『ルシフェル』のエントリープラグに搭乗する。

「『強制シンクロシステム』起動。後、『ルシフェル』起動。目標・・・碇ゲンドウ!」

ヴゥゥゥゥゥン・・・・・・

『強制シンクロシステム』が起動する・・・

フォォォォォォォォォォォォン!!!

壮絶な雄叫びを上げ、『ルシフェル』は起動した。
そして向かっていった。決戦の地、第三新東京市に向かって。









「厚木より入電!未確認飛行物体が第三新東京市に向けて進行中!」
「来た・・・か・・・」
「あぁ、最後・・・だな」

ゲンドウがここで、発令所にいる全員に声をかけた。

「諸君、この戦いは私の私闘だ。この戦いに不満などがあるものは参加しなくていい。
 もちろん、参加しなかったといって咎めはしない。自分がこの戦いに参加する意義が無いとおもうものは
 すぐにここから逃げてもらって構わない」

ゲンドウが声を放っても、そこから出て行く人間はいなかった。

「諸君・・・ありがとう」

ゲンドウの言葉に側で見ていた冬月が顔を顰めた。

「まったく・・・碇らしくない。やはり最後だからか・・・」

そして戦いの火蓋が気って落とされる。

「シンジ君!山崎さん!用意は良い?」

『OKだ!』
『大丈夫です。いけます!』

「エヴァ初号機、及びニュー・エヴァ初号機、発進!」

凍結解除されたエヴァ初号機と、
先の戦いで比較的破損の少なかったニュー・エヴァ初号機が地上に射出される。
ニュー・エヴァ初号機は例によってプログ・ブレード。
エヴァ初号機はアクティブ・ソードを右手に、パレットライフルWを装備している。

ヒュゥゥ・・・・・スタン・・・

『ルシフェル』が地上に降り立ち、戦いが開始された。

「まず俺が様子を見る・・・バックアップを頼む、シンジ君」
「分かりました」
「いくぞっ!」

ニュー・エヴァはプログ・ブレードを構え、『ルシフェル』に向かって切りかかる。

キィィィィン!!!

ダメージを与えたかに見えたその時、ニュー・エヴァの攻撃は『ルシフェル』の
ATフィールドによって阻まれた。

「いつにもまして強力なATフィールド・・・これはうかつに攻撃できない・・・・」

キトがそう考えた瞬間、『ルシフェル』のATフィールドに変化が起きた。

ドグァァァァン!!

『ルシフェル』のATフィールドはその形状を変え、巨大な拳状になって
ニュー・エヴァを襲った。
今までに無い攻撃方法である。

「ATフィールドを武器にした?!」

ネルフ側では、ATフィールドはただの壁と考えられていた。
もちろん、原理などはまったく分かっていない。
エヴァパイロット達はATフィールドの展開は、無意識のうちにしてしまっているのである。

「山崎さん!僕が仕掛けます!」

シンジはキトにそう言い放ち、『ルシフェル』に向かっていく。

「よせ!シンジ君!」

キトの制止を振り切り、シンジは『ルシフェル』に襲い掛かった。

「たぁぁぁぁぁぁ!!」

キィン!!キィン!キィン!!!

シンジの駆るエヴァ初号機でも『ルシフェル』のATフィールドは貫けないでいた。

「このっ!このっ!このっ!」

破れないと分かっているだろうが、それでもシンジは攻撃を止めない。

「破れろっ!破れろっ!破れろっ!!!」

シンジの執拗な攻撃によって、ATフィールドは破れるかに見えた。
だが一向に『ルシフェル』のATフィールドは破れない。
『ルシフェル』はあきれたのか、とうとうエヴァ初号機に攻撃を仕掛けた。
先ほどニュー・エヴァに仕掛けたATフィールドの攻撃である。
だが、先ほどの攻撃と違うところは、さらに強力な攻撃であったということである。
町を一つ、簡単に壊滅できるほどの。

ドグワァァァァァァァン!!!

「危ないっ!シンジ君っ!」

キトは思うが早く、エヴァ初号機の前に立ち、大の字になってシンジをかばった。

「がぁぁぁ!!!」

「山崎さんっ!」

『ルシフェル』の攻撃を全て受け止めたキトに、シンジは張り裂けんばかりの声を上げる。

『キトぉぉ!!』

シンジの行為と同じものは、発令所のマヤからも発せられる。

『ニュー・エヴァ初号機のコクピットの生体反応微弱!危険な状態です!』
『すぐに回収班をよこして!シンジ君!それまでニュー・エヴァを守って!』

「わ・・分かりました・・・ミサトさん・・・」

シンジは呆然としていた。
自分の無鉄砲な攻撃により、他人を傷付けてしまったのだから無理も無い。
自らが経験したことの無い状況。
これ以上に人間を不安に陥れるものはない。

「シ・・・シンジ君・・・・無事か?・・・」
「山崎さんっ!ぶ、無事なんですか?!」

キトはニュー・エヴァを改装するときに、コクピット回りも強化しておいた。
今回はそれが役に立った。

「あまり・・無事とは言えん・・・どうも左足の感覚が・・・無い。潰れたかも知れん」
「そ・・そんな・・・」

シンジは一瞬にして青ざめる。

「落胆するな。今は落胆するときじゃない。良いか?俺の言うことをよく聞け」
「は・・はい・・・」
「ニュー・エヴァの持っているプログレッシブ・ブレード、これを持て」
「はい」

エヴァ初号機はニュー・エヴァ初号機の傍らに転がっているプログ・ブレードを拾い上げる。

「これで・・・どうするんですか・・・」
「念じろ、元々そいつはエヴァ初号機のために持ってきたものだ。今は形を変え、
 無理矢理制御させて使っている。本来のそいつの力、『ロンギヌスの槍』となれば、
 あいつのATフィールドは楽々貫けるはずだ」
「そんな・・・無理だよ・・・見た事も聞いたことも無いこと・・・出来る分けないですよ・・・」
「考えることや思うことくらいは出来るだろう。念じろ、強く念じろ。シンジ君が今したいことを、
 強く念じろ。そうすれば必ず答えてくれる」
「はい・・・・分かりました・・・やってみます・・・」
「よく言った・・・俺は少し疲れた・・・しばらく休ませてもらうぞ」

そしてそのままキトは気を失った。

キトの症状は比較的軽く、傷は一週間程度で回復するようなものだった。
失った左足は別として・・・








「強く・・・念じる・・・」

キトが運ばれた後、シンジはプログ・ブレードを構え、キトに言われた通り強く念じていた。
シンジが今、強く願っていることを。

(僕は・・・決して強くない・・・だから・・願う・・・力を貸して欲しい・・・・エヴァ・・・・
 みんなを・・・アスカを守る力を・・・・レイや母さん達を守る力を・・・
 父さんの願いをかなえる力を・・・全てを守る、その力を貸して欲しい・・・・エヴァ・・・)

シンジは願い続け、そしてエヴァ初号機が一瞬光ったとき、
エヴァ初号機の背中には光り輝く翼が生え、持っていたプログ・ブレードは
槍状に姿を変えていた。
誰も気づいてはいなかったが、この時アンビリカル・ケーブルは接続されていなかった。
そう、S2機関が再び働いたのである。もちろん、よい方向に。

「力が・・・みなぎるよ・・・山崎さん・・・」

シンジは目を閉じたまま、そうつぶやいた。

エヴァ初号機はロンギヌスの槍を構え、『ルシフェル』に向かっていく。
それをATフィールドで防ごうとする『ルシフェル』。
だがATフィールドすら簡単に切り裂き、貫いてしまうと言われているロンギヌスの槍。
そのとうり、エヴァ初号機は『ルシフェル』のATフィールドを簡単に貫き、
『ルシフェル』の腹部に突き刺さる。

「終わりに・・・・してやるぅぅっっ!!!」

エヴァ初号機と『ルシフェル』が交叉する。
キィン、といった音のあと、『ルシフェル』は片膝をついた。

そして・・・爆発・・・・

ドグワァァァッッッンッッ!!!

『ルシフェル』は光の十字架となり、姿を消した。

戦いは・・・終わった。









「キトっ!!大丈夫?!!」

戦闘が終わるや否や、マヤはキトのいる病室へと駆けていった。
そこには既に子供たちとミサトが見舞いに来ていた。

「見ての通りだ。左足が無い」

その言葉を聞いてマヤは一気に涙ぐむ。

「そ・・・そんなぁ・・・・」
「心配するな。ネルフのクローン技術を使えば元に戻るらしい。型だけはな」
「・・・でも・・・・」

そこへミサトがすかさずフォローを入れる。

「マヤちゃん。山崎博士の足は一応元に戻るからいいじゃないの。それにリハビリすれば
 完全にもとに戻るのよ。その間はマヤちゃん。あなたが山崎博士の面倒を見て上げればいいじゃない」
「そう・・・ですねっ!分かりました!私、キトの面倒みますっ!」
「うんうん・・・」

マヤは何とか立ち直り、精いっぱいの笑顔を見せた。

「それはともかく・・・やっと終わったな」
「そうですね、山崎さん・・・ところで僕たちこれからどうなるんでしょう?」
「シンジ君達は取り合えずしばらくはネルフの管轄に入ってもらうことになるとおもうわ」
「えぇ!!ミサト!まだ私達を縛り付けるの?!」
「しばらくだって。後始末とかいろいろあるでしょ?」
「でもぉ!」
「デモもストもないの。チョッチ協力してもらうだけだから」
「ま、ミサトはんの言うことでしたらしたがわなあかんですなぁ・・・」

既にあきらめモードに入っている男の子達・・・

「むぅぅぅぅぅ・・・」

なかなかあきらめきれないアスカ。

「みんな、そういうことだからよろしくねぇん」

ミサトは言うが早く病室から逃げ出した。

「アスカ、ミサトさんに従おうよ。ミサトさん達大人にもいろいろ都合があるんだしさ」
「ま、シンジがそう言うなら・・・従うわよ」

こんな風に強がっていても、少したくましくなったようなシンジと会話するとどうしても
顔を赤らめてしまう、ちょっとかわいいアスカちゃんであった。




その後、アース・ゼーレは本拠地もろとも瓦解。
事実上地球にゼーレの手のものはいなくなった。
地球に平和が訪れたことになる。

そして・・・




「ZZZZZZZzzzzzzz・・・・・・・・・」

未だに目覚めぬ眠れる森の美女ならぬ、美少年は、
新たな災いを抱きつつ、眠り続けていた。


前編 完

NEXT
ver.-1.00 1998-05/21公開
ご意見・ご感想は y-mick@japan-net.ne.jpまで!!
次回予告

カヲルの覚醒。
彼の覚醒は戦いをさらなるものへと発展させる。
そしてNERVは宇宙へと旅立つ。

次回、
NEW TYPE EVANGELION 第拾六話 飛翔

次回から舞台は宇宙!


あとがき

どうもっ!Y-MICKですっ!
前編最終話、「Last Battle In The Earth」をお届けしますっ。

いやぁ・・・よーやくおわりましたよ・・・前編。
ここ2、3話は仕事中に書いていたため、むちゃくちゃ早く出来上がってしまいました(笑)
もちろん、出来は別ですけどね(^^;)

一応区切りなんで、この小説について色々と話しましょうかね。
この小説のノリは、一応「スー○ーロボッ○大戦」です。
もっとも雰囲気だけですが・・・
一番影響を受けたところは、予告にもあるとおり地球から宇宙といったところですかね。
また、オリジナルエヴァに関しては前にも行ったとおりです。
(何話だったかは忘れたので、自分で探してください(爆))
ちなみにエヴァに関しては設定がHTMLであります。
欲しい方は私にメールを(さりげなく催促)
先着10000名にもれなく無料で差し上げます(半分嘘)

さて、次回から舞台は宇宙となる予定です。
もちろん!宇宙でもLASは続けますよ!
さらに過激になって・・・(ニヤリ)
ではまた次回お会いしましょう!





 Y-MICKさんの『NEW TYPE EVANGELION』第拾伍話、公開です。




 総力上げてやってきた敵を
 こちらも全力を持って撃破♪



 危機を切り抜けたアスカとレイのATフィールドや、
 見事な連携を見せた

 4vs4戦も



 キトの飛び出しや、
 槍を使ったシンジの

 最終戦も。


 ここまでやれたのは、
 やっぱり愛の力なのか?!


 いや、マジにマジに。




 この分なら宇宙に行っても大丈〜ぶい





 さあ、訪問者の皆さん。
 前編終了のY-MICKさんに感想メールを送りましょう!




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