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NEW TYPE EVANGELION
第参話
死の恐怖


そこは無機質きわまりないところだった。
まるで宇宙船を思わせるような通路になっていて、
所々に見える機械のたぐいはすべて最新鋭のものが使われていた。
シンジは父親のあとについてただ通路を歩いていた。
ゲンドウがある扉の前に立ち、カードを差し込む。
どうやらセキュリティは万全にできているようだ。

「あら、司令」

部屋の中にいたのは白衣を着た金髪の女性と黒髪のショートヘアの女性だった。

「赤木博士。つれてきた」
「へー、この子が碇司令の息子さんですか」

ショートヘアの女性は僕の顔をまじまじと見る。

「司令に似てませんね。どちらかというとユイ博士に似ていますね」

確かに僕の顔はどちらかと言えば母さんに似ているだろう。
小学生の頃は女顔だと言うことでよくからかわれたものだ。

「マヤ。あんまり人の顔をまじまじ見るものじゃぁないわよ」

金髪の女性がショートヘアの女性、マヤというのだろう、に注意を促した。

「はい、先輩」

父さんが赤木博士と読んだ人をマヤさんが先輩と言ったことから
おそらく赤木博士と呼ばれた人は大学か何かの先輩後輩の間柄だったのだろうと予測できる。

「私は伊吹マヤ。マヤって呼んでくれてかまわないわよ」
「あ・・・。初めまして、マヤさん。碇シンジです」
「ふーん、シンジ君っていうんだ」
「マヤ。いくらいい男があまりいないからといって碇司令の息子さんに手を出してはいけないわよ」
「分かってますよ、先輩」
「シンジ君。私は赤木リツコ。ネルフの技術部の部長をしているわ」
「ネルフ・・・?」

僕は初めて聞いたネルフという言葉に疑問を感じた。
そういえば父さんも母さんも仕事のことに関しては何も教えてくれていない。

「ネルフとは私たちが所属している団体の名前のことだ」

父さんはそう教えてくれた。

「父さん」
「何だ」

僕はここにくる前から聞きたかったことを聞くことにした。

「なぜ僕をここに連れてきたの?」
「・・・・・・・」

父さんは何も答えない。まだいってはまずいのだろうか。

「赤木博士。シンジを頼む」

そういって僕の質問に耳を傾けもせず部屋から出ていってしまった。

「シンジ君。こっちの部屋で待っててくれるかしら。私たちはまだ仕事が少し残っているの」
「分かりました」

僕は疑問を解消したい衝動に駆られながらもそれを我慢して案内された部屋で待っていた。
 
 
 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

あまりにも長く待たされ続けたため、僕はいつのまにか眠ってしまっていた。
そこへ眠りを妨げるものがやってきた。

「ここでいいんですか」
「ええ、そこで少し待ってて。すぐに呼びにくるから」
「はい」

どこかで聞いたことのある声だ。誰だったかな?起きれば分かるけど眠いや。

プシューッ

ドアが開いたその直後・・・。

「シ、シンジっ!」
ん、誰だろう。僕を呼ぶのは・・・。

「シンジッ。起きなさいっ!」
「うーーーーん」

起きてみて驚いた。

「ア、アスカッ!何でアスカがネルフにいるんだよっ!」
「何でもって、私はここに急に呼ばれたのよっ!」
「じゃあ、アスカも何で呼ばれたのか分からないんだ」
「と言うことはシンジも?」
「うん、父さんにつれられて訳も分からず」
「いったい私たちをどうするつもりかしら?」
 
 
 

シンジとアスカが会話をしているそのとき。

ビーッ、ビーッ、ビーッ。

「な、何?」
二人が慌てふためいていると、そこに知っている顔が洗われた。

「二人とも!早く私についてきて!」
「ミ、ミサト先生!何でミサト先生がこんな所に?」
「ミサト!何でここにいるのよ!」

二人の前に現れたのは担任の葛城ミサトであった。ただいつもとは違い、軍服らしきものを着ていた。

「理由はあとで話すから、とにかくいまは私について来て!」

ミサトの剣幕に驚いた二人はとりあえずミサトに着いていくことにした。
つれて行かれた先には巨大なプールのようなものにものすごく大きな顔があった。

「こ、これは?」
「汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン初号機よ」

シンジはここに来て何度目か分からない驚きをしていた。
そこには金髪の女性、赤木リツコも来ていた。

「そんなことよりシンジ君!」
「は、はい!」
「これに乗って!」
「「ええっ!」」

シンジとアスカは見事にユニゾンして驚いた。

「な、何で僕がこれにのらなきゃならないんです?第一これに乗って何をしろっていうんですか?ミサト先生!」
「これに乗って戦ってもらうわ」
「戦う?何と戦えっていうんですか?それにどうして僕みたいな子どもに乗れっていうんですか?
 そんなの大人がやればいいんじゃないですか!」

シンジは困惑し、思いついただけすべての質問をミサトにぶつけた。
だが、その答えはミサトからは返ってこず、代わりにリツコから返ってきた。

「質問に答えるだけの時間はないの。いまはお願いだからエヴァに乗って戦って。
 シンジ君が戦ってくれないとみんな死んでしまうわ。もちろん、アスカも。」
「・・・・!」

アスカが死ぬ、と言うことを聞いてシンジはしかたなく乗ることに決めた。

「分かりました。とりあえず乗って戦います。でも終わったらすべて答えてもらいますからね」
「分かったわ」
 
 
 

シンジは別室でプラグスーツという体の線がものの見事に浮き出るものに着替え、
頭にヘッドセットと呼ばれるアクセサリーのようなものをつけて出てきた。

「シンジ君、この中にはいって」
「・・・・」

この時のシンジは終始無言だった。
シンジがエントリープラグと呼ばれるものの中に入り、ハッチが閉じられると、

「LCL注入」
「・・・・!」

シンジは突然わき出てきた水みたいなものに一瞬恐怖を感じた。
そう、シンジはカナヅチなのだ。

「な、何です ゴボッ か、これは・・・・。お、おぼれる。 コボッ」
「大丈夫よ、シンジ君。LCLが肺を満たせば直接肺が酸素を取り込んでくれるわ」
「そ、そんなこといったって・・・・・・・ホントだ、苦しくないや」
「エントリープラグ、挿入」

リツコさんが命令をすると僕が入っているエントリープラグがエヴァと呼ばれるものの中にはいっていった。

「A10神経接続。・・・ハーモニクス正常。・・・初号機、起動します」

何とか神経が接続されたといったとき、一瞬不快感を感じたが、その感じはすぐに消えていた。

「第1拘束具、除去」

ウィィィーン。

「第2拘束具、除去」

ヴィィィーン。

リツコさんの命令で次々とエヴァの周りにあったものがはずされていき、エヴァはまるで人の形をしたロボットのような風貌を見せた。

「敵は?」
「現在、第3新東京市に向かって進行中」

敵と呼ばれているものはここに向かっていることを知った。でも敵っていったいどんなのなんだろう。
そんなことを考えているうちのシンジの乗るエヴァはどこかに移動させられていた。

「エヴァンゲリオン初号機、発進!」

ミサト先生のかけ声でエヴァは強烈なスピードで地上に出された。
出されたところは敵と呼ばれたものの1000ほど前だった。

「マヤ、シンジ君のシンクロ率は?」
「すごいです。45.7±0.3%です」
「さすが碇司令の息子さんね。乗って初めてで45.7%のシンクロ率を出すなんて」
 
 
 

「あなた、いいのですか?」

別室ですべてを見ていたゲンドウの所にユイが現れた。

「ああ、かまわん。老人達に対抗するにはこうするしかない」
「ワシはあまり賛同はできんがな、碇」

この人物は冬月コウゾウ。碇ゲンドウの腹心であり、ネルフの福司令でもある。

「もうすぐ”箱船計画”も終わり、箱船が完成する。完成すれば老人達は何もできない。
 それまでシンジには頑張ってもらわねばならないのだ」

この時ゲンドウがにやりと笑ったのを気づくものは誰もいなかった。
 
 
 

「シンジ君、とりあえず歩くことを考えて」
「歩く・・・」

シンジが「歩け」と考え、少しの操作をしただけでエヴァは歩き出した。

「いいわね。これなら勝てるかもしれないわ」
「目標、エヴァに対して攻撃を開始しました!」
「シンジ君!よけて!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

シンジは突然攻撃を開始してきた敵に対して恐怖心が先行してしまい、何も考えられなくなってしまっていた。

ドグワァァァン!

敵の攻撃に何もすることのできないエヴァ。
何もできないと知り、執拗に攻撃を加える敵。
乗ったばかりのシンジに対して、この攻撃は過酷だった。

ヴァァァン!
ドゥゥゥン!
グワァァァン!
ヴァァァン!

エヴァはまるでサンドバッグのように正体不明のものに攻撃を受けていた。

「シンクロ率、急激に低下しています!」
「シンジ君!」
「神経接続カット。いったんエヴァを回収して体勢を整え直すわ!」
「ダメです。エヴァが命令を受け付けません!」
 
 
 

「まずいぞ、碇」
「シンジ・・・・」
「フッ・・・・・・・」

心配そうにシンジを思うユイと冬月に対して、ゲンドウは未だ笑みを浮かべていた。
 
 
 

「・・・・死ぬ・・・・のかな・・・・」

シンジはエントリープラグの中で意識をもうろうとさせていた。

「・・・・アスカ・・・・ミサト先生・・・・・母さん・・・・・父さん・・・・。」

シンジは朦朧とする意識の中で、思っている人たちを思い出していた。
 
 
 

「・・・・エヴァ初号機、活動不能」

強烈な敵の攻撃に対して、エヴァ初号機はすでにぼろぼろになり、立ちすくんでいた。
だが、それでも敵は攻撃の手を休めようとはしなかった。

「パイロットの生死、不明です」

マヤのその言葉にモニターを見守っていた人間すべてが固唾をのんでいた。
むろん、アスカも例外ではなかった。

「シンジ・・・・シンジ・・・・シンジッ!起きなさいよっ!早く起きなさいよっ!」

アスカは賢明にシンジの名を呼んだが、反応はあるはずもなかった。
 
 
 

フォォォォォォォォ!

「! 初号機、再び起動しています!」
「えっ!そんなバカな!あり得ることじゃないわ!これは・・・暴走!?」
「いいえ、暴走じゃないわ。彼が目覚めたのよ」
「彼?!彼って誰よっ!リツコ!」
「もう一人のシンジ君っていった方が一番わかりやすいわね」

『よく分かっているじゃないか。リツコ』

反応があるはずもない初号機のエントリープラグから声が聞こえてきた。

「・・・?!シンジ?」

『よう、アスカ。なーに泣いてんだよ。全く、かわいい顔が台無しだな』

アスカはいつものシンジとは違うことに気づいたのだが、かわいいといわれていやな気分ではなかった。

「シンジ・・・じゃ・・・・ない・・・誰?・・・誰よっ、アンタ誰よっ!」

『おっと、その話はあとだ。まずこいつを片づける。』

「え・・・・・?」

アスカの返事もままならないうちに初号機は敵にめがけてジャンプしていった。
そして、打って変わって今度は初号機が敵をサンドバック状態にしている。
立場が完全に逆転していた。
 
 
 

「初号機、シンクロ率67.9%。まだ上昇をしています!」
「使徒、コアにエネルギーが集中しています!」
「まさか・・・・自爆する気!」

使徒と呼ばれた敵のコアにエネルギーが集中し始めた。そのエネルギー量はすさまじく、
下手をすれば、第三新東京市を半壊させるほどのエネルギーをすでに蓄えていた。

「コアのエネルギー、臨界。使徒、自爆します!」
 
 
 

ドゥゥゥゥゥゥン!

使徒は初号機を巻き込んで自爆した。
だが、コアのエネルギー量に対して、爆発の規模があまりにも小さいことにリツコとユイを
除く人々は気づいてはいなかった。

「シンジィィーー!」

そんな中、アスカだけはただシンジを呼び続けていた。

「シンジ、シンジ、シンジィーー!」
アスカは無駄と分かってはいたが、それでもなおシンジを呼び続けていた。
だが、そこに・・・

『呼んだか?』

「・・・・・・!シンジ!」

爆発の中からはあの爆発になぜ耐えたのかと疑問さえ生じる状態で初号機が出てきた。

「アンタ!無事なの!」

『見りゃわかるだろ、アスカ。それとも何だ?この無敵のシンジ様がやられるとでも思ったのか?』

「は・・・・?アンタ自分で何いってんのかわかってんの!」

アスカはシンジがいつもと違いことに、再び気づいた。

『そうか、兄貴じゃないからこの俺様が誰だか分からないというわけだな。よし、いまから戻って説明してやるよ』
そういうとシンジは初号機を収容し始めた。
 
 
 

シンジは更衣室で着替え、アスカ達の所に向かった。
シンジが発令所に入るや否や、

「シンジィッ!」
「何だよアスカ。怒るなっていっているだろう。かわいい顔が台無しになるぞ」
「なななな・・・・何いってんのよっ!それよりアンタだれよっ!」
「俺かい?俺はシンジ様だぜ」
「ちゃんと説明しなさいよっ!いつものシンジとは違うことくらい分かってんのよっ!」
「分かったよ。しょうがねぇなぁ」
 
 
 

そこにいる全員がシンジの言葉に耳を傾けようとしていた。碇夫妻と赤木リツコを除いて・・・。
 
 
 

「分かったよ。まず俺はシンジであってシンジではない」
「そんなことくらいは分かってるわよっ!」

すかさずアスカがつっこむ。

「あまり怒るなってば・・・。まあいいか・・・。実は俺は作られた人格なんだ。
 つまり俺はエヴァに乗るためだけに生まれた人格なんだ。当然前のシンジは
 こうなっていることは分からない。逆に俺はシンジが何を考えているかはすべて
 分かっているんだ。例えばシンジはアスカを意識し始めていると言ったことなんかはね」

最後の言葉を聞いてアスカは当然のごとく真っ赤になっていた。
そしてシンジ2(もう一つのシンジ)の話は続く・・・。

「まぁだれが俺を作ったかはここにいる連中はもしかすると感づいているかもしれないな。
 そうだ、俺を作ったのはゲンドウとユイと赤木リツコだよ」

その瞬間、そこにいた一部を除くすべての人間が凍り付いた。

「え・・・・・?」

第一声をはなったのはアスカだった。

「おじさまとおばさまが・・・?どうして・・・?」
「しょうがなかったのよ。アスカちゃん」

いつのまにかそこにはゲンドウとユイがそろってきていた。

「なぜ?どうして?シンジにもう一つの人格を植え付けてどうしようって言うの?」

再び沈黙がその場を覆った。

「俺が説明してやるよ。俺はまぁいってしまえばシンジの歩行器みたいなものだ。
 つまりいきなりエヴァに乗ったとしてもシンジは何もすることができない。そこで
 俺が作られたというわけだ。心配することはないぞ。アスカ」

自分の名前が出て再び顔を赤くするアスカ。結構純情なのである。

「な・・何でワタシがバカシンジの心配なんかしなくちゃいけないのよっ!」
「だから怒るとかわいい顔が台無しになるって。・・・・と、もうそろそろシンジが目覚める頃だな。
 ゲンドウ、ユイ、シンジにすべて説明してやれよ。じゃあまたな」

そういうとシンジは急に倒れてしまった。
 
 
 

その後、シンジは治療室に運ばれ、3時間は目を覚まさなかった。
もちろん、アスカはその間つきっきりで看病したのはいうまでもない。
 
 
 

「ん・・・・ん?あれ?アスカ」
「あら。ようやくお目覚めね。バカシンジ」
「ここは・・・?どこなんだい?アスカ」
「NERVの病院よ。それよりアンタ大丈夫なの?」
「大丈夫って?それより僕はいったいどうなってしまったんだ?」
「アンタ3時間も寝ていたのよ。それより何か覚えてないの?」
「うーーん・・・エヴァに乗って・・・死にかけたところまでしか覚えてないよ。ごめん。」
「何も謝ることはないわよ。もう・・・心配させないでよね・・・」

『心配・・・?アスカが僕を心配してくれていた・・・?』

「あ、アスカ・・・・」

シンジとアスカは成りゆきとはいえ見つめあってしまっていた。
当然、顔と顔がだんだん近づいていったことはいうまでもないことである。
この状況でももちろん”お約束”は私(作者)は忘れない。
 
 
 

コンコン・・・

もちろんシンジ達のいる部屋へ入りたい者のノックである。
シンジ達はすぐさま元の状況に戻ろうとしていたが、顔が赤いことまでは直せていない。

「シンジ、入るわよ。あらアスカちゃん、来てたのね」
「母さん・・・」
「おばさま・・・」
「母さん、何か用?」
「あら、冷たいわね。・・・あ、そうか、ごめんなさい。いいところだったのね」

結構、敏感なユイさんである。

「な、か、母さん!な、何をいってるんだよ!」
「ドモっているじゃない。やっぱりいいところだったのね」
「お、おばさま・・・」

こうなってしまうと二人は当然のごとく茹でダコ状になってしまっているのであった。
 
 
 

「まぁ、このことはおいといて・・・。わたしはシンジに頼まれてここに来たの」
「え・・・?僕は母さんに何も頼んでないけど・・・」
「頼まれたのよ。もう一人のシンジに」
「あ、あのシンジのことね」
「母さん、アスカ、何をいっているのか分からないよ」
「そうね。シンジは分からなくて当然だものね」
「おばさま、わたしにも教えてもらえませんか。すべてを」
「分かったわ。可能な限り教えてあげる。可能な限り」

そういうとユイさんは窓際に立ち、話し始めた。
 
 
 

「私たちは・・・、驚異に対して戦っているの」
「驚異?驚異って何?母さん」
「驚異・・・、シンジ、あなたが戦った相手が驚異の3番目。第参使徒サキエル」
「3番目?なぜ3番目なんです、おばさま」
「1番目はセカンド・インパクトの時に南極に訪れたわ。つまりこれが第壱使徒アダム」
「え・・・?セカンド・インパクトって南極に隕石が落ちたために起こったんじゃなかったの?」
「公式的にはね・・・。でも事実はアダムを幼体まで戻すときに起こってしまった大爆発のことよ」
「そうだったの・・・。まぁでも分かるわ、こんなこと公式的に発表できないものね」
「母さん、2番目って何なの?」
「2番目のことはわたしにも分からないの。たぶん知っているとしたら父さんと冬月先生ね」
「父さんが?」
「ええ、でもわたしにもそのことは全く教えてくれないの。」
「そうなんだ、でもなんかその方が父さんらしいや。父さんはいつも何か隠しているように見えるからね」
「そうね・・・。で、使徒というものなんだけど、私たちの見解では、おそらく異星人じゃあないかと思っているのよ」
「「い、異星人!?」」

二人は見事にユニゾンした。

「そう、異星人。天空より飛来せし者、だから私たちはそれを天よりの使い、使徒と呼称した」
「そうだったんだ・・・。でも何でこの地球に来たの?」
「分からないわ・・・。でもこの第3新東京市に向かってきていることは分かっているの。
 何のためかは分からないけど・・・」
「で、おばさま。そのことともう一人のシンジとどういう関係があるの?」
「使徒と呼ばれる異星人がこの地球の第3新東京市に向かってきていることは分かっているわね。
 そしてその使徒はこの町を破壊する、破壊するとどうしても人的被害がでてしまうの。
 もしかするとこの地球そのものも破壊しかねない。そこでその使徒を迎撃するために作られたのが
 汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオン。シンジが動かしたのはその初号機よ。
 でもシンジがエヴァを完璧に動かすためにはもっと訓練が必要だということが分かったの。
 でも私たちには時間がなかった。そこでシンジに歩行器をつけることにしたの。つまりエヴァの操縦に熟知した人間のこと。
 それがもう一人のシンジ、私たちはそれをシンジ2と呼んでいるけどね」
 
 
 

シンジは無言だった。いや、怒りが沸いてきているといった方がいいかもしれない。

「つまり僕を戦わせるために僕に何かしたという訳なんだね、ひどいや」
「シンジ・・・・」
「何で、何で僕じゃなきゃいけないんだよ!そんのの大人がやればいいじゃないか!何で僕が・・・」
「あなただけじゃないわよ。アスカちゃんにも戦ってもらわなきゃいけないわ」
「あ、アタシも?」
「そう、アスカちゃんも。エヴァはどういう訳か分からないんだけどシンジとアスカちゃんしか動かせないの。
 私たち大人がやろうとしてもエヴァは全く動かないの。だからあなた達に頼らざるおえないの。わたしだって
 あなた達だけに戦って欲しくないわ。でもしかたないの。分かって頂戴。お願い」
 
 
 

ユイさんは涙を浮かべて”お願い”というポーズをした。(嘘です)
・・・・・(作者、想像中)・・・・・・
・・・・・・かわいい・・・・・・
は、いかん!私情が入った。
シリアスなところ失礼しました。
・・・・閑話休題。
 
 
 

「母さん・・・。分かったよ、何とかやってみる。僕がやらないとアスカだけが傷つくだけだからね。
 でも母さん、お願いがあるんだ。」
「何?シンジ」
「もう一人の僕を消してくれないかな?」
「それは無理よ」
「何で?そんなのいやだよ!僕じゃない僕がいるなんて!」
「心配しなくてもいいわ。シンジ2はエヴァに乗っているときにしか現れないから。それに
 シンジ自身がエヴァの操縦になれていってくれれば自然に消えるようにプログラムされているわ」
「そう・・・」

シンジの顔はもういいやという表情だった。
 
 
 

「さあ、そんな顔しないで。もう帰れるわよ。今日は母さん腕によりをかけてシンジの好きなものを作ってあげるわ」
「あ、おばさま、わたしも手伝います」
「アスカちゃん、ありがとう。アスカちゃんが手伝ってくれるならシンジも大喜びね」
「な、何いってんだよ、母さん。それにアスカが手伝ったらせっかくの母さんの料理がまずくなるかもしれないだろ」
「なーんーでーすーってー!このバカシンジ!」
「やめろよ!病み上がりなんだぞ!」
「何が病み上がりよ!ぴんぴんしてるじゃない!」
 
 
 

シンジとアスカとユイさんが帰るのはそのあと1時間後だったという。なんともはや・・・おさかんですな(^^;)


NEXT
ver.-2.10 1998-04/12訂正
ver.-2.00 1997-11/05公開
ver.-1.00 1997-11/04公開
ご意見・ご感想は y-mick@japan-net.ne.jpまで!! 

次回予告

使徒の存在とエヴァの存在の理由を知ったシンジ達。そんな中、再び使徒が出現する。

次回、
NEW TYPE EVANGELION 第四話 宇宙(そら)から来たもの

次回も、さーびすしちゃうわよん



あとがき

いつの間か気づいたらLAS人のY-MICK です。
(私のコンピュータのデスクトップはアスカちゃん一色(^^;))

で、NEW TYPE EVANGELION 第参話です。
とりあえずリツコさんとマヤちゃんを出しときました。
長さ的にはこれくらいがちょうどいいでしょうか?
もう1話分つなげると長くなりすぎてしまいそうな気がしたんで。

で、あと本文なんですが・・・・・・・・・・・・・・・・・、
Y-MICKは小説を書くのが初めてなんです。
で、もしかすると本文は変かもしれません(もしかしなくても変)
そのあたりは回数を重ねていけば何とかなるかもしれません。
で、うまくなったなーと思った頃に改訂して出すかもしれません。(出すかもじゃなくて、出せ!)
こんなんですからしばらくは目をつぶってください。

それではまた次回!



あとがきその2(改訂版用あとがき)

第参話の改訂版です。
第四話を普通に書いたのですが、なんだか短くなりすぎた感じがあるので
第参話に第四話を付け加えて改訂版として出させていただきます。


 Y-MICKさんの『NEW TYPE EVANGELION』第参話、公開です。
 

 シンジ、出撃。

 シンジ、性格変貌・・
 

 ワイルドシンジだ〜(^^)
 

 シンクロ率46%から68%になって、
 現れた”彼”。

 ”彼”とは??!
 

 いきなりアスカちゃんをくどく。
 それに満更でもない(?)あすかちゃん・・。
 

 事情を知るのは司令達だけ?
 

 謎を含んだ引きですね−−
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 感想を書きましょうね!

 

 

 

 14KB、
 「長すぎる」なんて事はないですよ(^^)


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