おおむねバレンタイン&暗黒電波映画再映するらしい記念。 か?
やや、異物混入注意。
その日、洞木ヒカリは惣流アスカとともに帰宅の途についていた。
あの最後の戦いと言われた日から1年程がたとうとしていたなかで、ヒカリは
親友である、アスカの変化が気がかりであった。
「アスカ、もうすぐバレンタインでしょう?、当然アスカは碇君にわたすんでしょう?。」
「はぁ?、なんでアタシがあいつなんかに渡さなきゃなんないのよ。
馬鹿みたい。」
「で、でもアスカ、碇君とその…。」
下をむいて声の消え入るヒカリの方をみてアスカは顔に嘲笑ともいえる笑いを浮かべて
言った。
「キスもしたし、寝たわ。
でもね、別に恋人ってわけじゃないわよ。」
いままで、アスカの変化は、いやアスカだけでなくシンジの変化もだがそれは、二人が
酷く過酷な状況を目のあたりにしての一時的な心理ショックだとばかり思っていたヒカリ
は、この言葉に驚き、また自分の思いが裏切られたような感触をもった。
「な、なんで?、なんでなのアスカ。」
「シンジ以外とも寝てるって事よ。」
ヒカリはその言葉を聞くと思わずアスカを叩いていた。
「アスカ、そんなの不潔よ、それじゃ…。」
「あいつも同じよ、しらなかったの?。」
ヒカリは次の言葉がでなかった。
いったい二人に何があったのか。
それは当事者である二人しか知らない事だが、彼等二人は決して喋らなかった。
「惣流!。」
今迄だったら、その場の雰囲気を変えてくれる声だったのかもしれなかった。
だが、今は違う。
「い、碇君!、貴方達二人って…。」
その声は小さく聞こえても聞こえないふりをする事が可能だった。
「碇シンジ、なにかよう?。」
アスカがさらに冷たい声で聞き返す。
「今日はどうするんだ?。」
「あんたに関係ないでしょう、なんでよ。」
「ああ、今日はこの娘と遊んでくるから食事はないよ。」
見るとシンジの後ろに下級生だろうか?、ショートボブのかわいい感じの子が立っていた。
「そう、また別の穴を見つけたわけね、いいわよ別にアタシも別の餌場を見つけてあるか
らどうぞ、ご自由に。」
そう言う二人の目にはかつてのじゃれあっていたような感じは無い。
「アスカ、なんで?、あんなになってまでなんで一緒に居るの?。」
ヒカリはシンジが去ったあと、アスカに聞いた。
「そうね、一人じゃ食費がかさむし、それと復讐よ。」
「碇君に?。」
「そうね、それと。」
「それと?。」
「あんたにもよ、ヒカリ。」
「あたしに?!。」
「あんたにもって言ったでしょう?。」
「そんな、アスカ、どうしちゃったのよ?。」
アスカはヒカリの顔を、覗き込むと高らかな笑い声をあげた。
その声は、まるですべての人々を見下したかのように。
ヒカリはその声を背中に聞きながら、自分の家へと全力でかけていった。
一通りの行為を終えたであろう、ラブホテルの一室でその少女はシンジに話かけた。
「碇先輩、碇先輩は惣流先輩と一緒にすんでいるのに私とその、こんなことして
いいんですか?。」
学校内でトップに君臨するであろう美少女の先輩から同居する男を奪ったとでも
言うような感触をあじわいながら彼女は聞いた。
「いいんだよ、別に、惣流とはそんなんじゃないし。」
「でも、先輩と惣流先輩って、」
「そうだよ、でも、それは僕が食事を作るかわりに、あいつの体を使うんだ。」
その声は、たしかに学内で人気の高いシンジの声だが、その言葉の内容はその噂と
違い、下卑た感じをうけた。
結局、アスカはその後加持に連絡をとり、夕食をともにしていた。
「なんだ、シンジ君とけんかでもしたのか?。」
言ってる自分がなにか馬鹿らしく感じる。
二人の行動は、情報部を通して筒抜けであるのだし、二人が普段どんな様子かなどと
いうのは、把握していた。
「別に、そんなことしてないわ。
それに、加持さん知ってるんでしょう?。」
上目づかいで見るアスカは、以前と違い蟲惑的な色香を醸し出していた。
「噂ではな。」
加持は、あのサードインパクトの後アスカやシンジより後に還ってきた人間の一人である。
だが、結局ミサトは戻ってこなかった。
「そう、どんな噂かしらないけど、それは全部事実よ。」
アスカは、妖しく唇を光らせながら言った。
「そうか、なんでだい?。」
ミサトが戻ってきたときの為に、二人を見守ろうと決めた加持だがここ1年あまりの二人
は、あまりにも破滅的にかんじられた。
「そうね、なぜかしら?。」
アスカは、解いてみろといわんばかりに顎をつきだしながら言った。
シンジはその少女と別れると、自宅に向かって歩き出した。
その目にうつる光景の全てに憎しみの目を向けていた。
自宅、といってもそこは以前と変わらぬミサトのマンションであった。
道すがら、なにを買うでもない。
昔、同居していたペンギンは未だに洞木ヒカリの家にいる。
帰らぬ同居人は、もはや記憶の中の1ページにしかすぎない。
「なぜ、帰るんですか?。」
さっき別れた少女の言葉。
「なぜかな?。」
そう答えたが、答えは出ている。
復讐のため。
その一言を、つぶやくと彼は家路をゆっくりと進んだ。
アスカは加持と別れてから何気に第三新東京市の中を歩いていた。
まだ、宵の口である。
なにをするにも時間が多い。
「加持さん、私としたい?。」
別れる前に、加持に言った言葉。
「なにをだい?。」
加持がそらっとぼけているのが手に取るようにわかる。
昔の、サードインパクト前の加持なら洒落たジョークで返しただろう。
「SEXよ、セ・ッ・ク・ス。」
加持の顔に自らの発した事がらに対して嫌悪が見える。
「いや、アスカちゃんとはそういう事はしたくないな。」
「そう、じゃぁいいわ。」
そして、アスカは加持と別れて市内を徘徊しているのであった。
(みんな、弱くなりやがって。)
心の中で毒づいてみるが、言葉には出さない。
自室で加持は、明かりも点けずにただベッドに座っていた。
だが、その横には45口径の大型拳銃がおいてある。
「葛城、すまない、俺には彼等をどうすることもできない。」
そう、つぶやくと乾いた破裂音が部屋の中に一つ鳴り響いた。
(しかたないよ。)
引き金をひく前に一言ミサトのそういう声を聞いたような気がした。
その思いが、唯一の彼自身の救いであった。
シンジが家の前に着くとちょうど玄関の前に人影が見えた。
「洞木さんじゃない、どうしたの?。」
ヒカリは、昔のシンジに比べると暖かみのない声にぎょっとしたが話かたや言葉使いが
以前のそれと変わらない事に気を落ち着かせた。
「あ、アスカにあいたくて来たんだけど。」
「ふうん、惣流の奴まだ帰ってないんだ。」
「じゃ、私かえるから。」
ヒカリが帰ろうとした時
「まってれば、もうすぐ帰ってくるんじゃない。」
シンジが、そういうのでヒカリはなんとなく安心感をもった。
もしかしたら、昼間の一件はただ二人がけんかしただけのこと。
そう、自分に言い聞かせていた。
「じゃあ、そうするわ。」
ヒカリは、玄関の戸をくぐった。
「どぉうしたのぅ、すずはらぁ。」
アスカは横になってトウジの方に顔を向けた。
一方トウジはベッドの端に座り、頭を抱えていた。
「あたしとこんなことになって悔やんでるの?、そうよねぇ、ヒカリより先にアタシを
抱いたんですもんねぇ。」
トウジに向かい意地悪く言う。
偶然町中で出会ったのがなぜホテルなんかに来てしまったのか?。
トウジは、困惑していた。
「なんでや、惣流。
なんで、こないな事したんや?。」
憔悴しきった声で聞くトウジ。
にやにやとわらいながらその顔を黙って見ているアスカ。
「おまえと、碇になにがあったかしらん。
だが、なんでこんな事せなあかんのや。」
「わからないの?、あんたも。」
完全に馬鹿にしきった声で言う。
「なにがや、なにを知れっちゅうんや。」
「自分で考えなさいよ、低能。」
そう言うと、アスカはさっさと服をきて部屋をでていった。
ヒカリは、二人がすんでいるマンションの部屋とは思えない廃退ぶりに声をつまらせた。
「どうしたの?、洞木さん。」
まるで部屋の散らかりぶりを意に介さないようにシンジは聞いて来た。
「碇くん、最近掃除してないの?。」
「掃除?、しないよ、そんなこと。」
「どうして?。」
「だって、ここで自分の部屋以外になにをつかうのさ?。」
見渡すと、キッチンだけがかろうじて人の生活の気配を感じさせる。
だが、他の所はまるで廃虚だった。
(ペンペンを預かりっぱなしにしたのはそのせいなの?。)
心の中で、疑問を浮かべる。
「ねえ、碇君、いったい二人ともどうしちゃったの?。
なんか、変よ、ねえ、あの時なにがあったの?。」
「なにもないよ、洞木さん。」
「嘘よ、絶対うそよ。」
「なんで、そう思うの?。」
「だって、二人とも違いすぎるもの!。」
「ふーん。」
そう一言言ったシンジは、ヒカリに近づくと顔を目の前に持ってきてから話だした。
「それはね、復讐のためだよ。」
ヒカリはその言葉を聞いて戦慄した。
だが、次には恐怖に変わった。
シンジが、ヒカリを押し倒してきたのだ。
覆い被さるシンジは巧みに服を剥ぎ取っていった。
助けは誰も来ない。
アスカが帰宅したのは、もう深夜零時になろうかという時刻であった。
自室に入ろうとしたアスカの目に入ったのは、ぼんやりとテレビを見ているシンジの
姿であった。
「なによ、まだ起きていたの?。」
「そうだけど、悪い?。」
「別に、そうそう、あたし鈴原としたわよ。」
そういって、にやっと笑うアスカ。
(とっとと死んでしまえ!。)
心の中で罵倒する。
「そう、そういえば、洞木さんがきていたよ。」
「ふーん。」
「僕は、洞木さんを犯ったよ。」
(明日あたり殺られちまえ!。)
そう考えて、冷笑を浮かべる。
そう言われてみれば、リビングの床の埃がすれた後があり、真新しい血の後もある。
「そう、よかったわねぇ、下衆野郎。」
「どういたしまして、淫売女。」
そして、憎々しげに睨み合った後、どちらとも無く自室に消えていった。
「お兄ちゃん電話、洞木さん。」
トウジは妹からの電話を告げる声にびくっとした。
今一番聞きたく無い声。
「あかん、今おらん言うてくれ。」
「でも…。」
「今は、だめなんや!。」
「鈴原、出てよ、お願い。」
電話が繋がる事を待っていた数分間、だが、その望みはたたれてしまった。
「そんな、今の時間でいないって…。」
しばらく絶句していたため、気をきかせ後からかけなおすとまで言ってくれた。
「いえ、いいです。」
そう言って、ヒカリは電話を切ると、トウジあての手紙を書いてから部屋をでていった。
最終決戦で、あいた大穴を塞ぐこともなくジオフロントはその姿を晒していた。
いくつかの吊り橋や、テラス状のものが作られているがこの先穴がふさがれる事は
ないだろう。
「鈴原、もう碇君もアスカも昔の二人じゃないよ。」
そうつぶやくとヒカリは、ネルフ本部の建物に鮮やかな紅い花を咲かせた。
「殺してやる。」
シンジは寝しなにつぶやいた。
「殺してやる。」
アスカは、鏡に向かってつぶやいた。
二人は、復讐と言う名の刃を憎悪と言う名の砥石で砥ぎ続けていた。
あの電波中年!どこにいったぁ!。
アスカ落ち着いて!、ね。
なに言っっちゃてるのよ、馬鹿シンジ!、あの電波野郎は書くに事欠いて
こんなものつくってるんだから。
そうは言っても…
あ、いた!
ごすう
なにしやがる!、この小娘!。
う、いつになく強気。
まったく、こんなもの作って敵を作りたいの?。
うるせーガキだなー、いいじゃねーかぐだぐだ言うな。
3月15日にも似たようなことやっちゃうぞ!。
あ、逃げるな!。
まってよアスカ。
なに?。
あれ、SOUさんのダークハーフだって言ってる。
誰が?。
ミサさん。
あ、こないだ消滅させた時のせいね!。
そうみたい。