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逸見は、日曜毎の信州通いにいいかげんうんざりしはじめてはいた。

が、今日をすぎればいよいよ轟天の正式な運用が行われるはずである。

「完成したのですか?。」

やっとこの信州通いもおわりになるのかと、思いながら聞いた。

「いや、まだだ。」

だが、黒木の返答はにべなかった。

「まだ?、いったいいつに…、」

「クルーがきていないからな。」

逸見の返答を予期していたのであろう。

黒木は、ぼそっとそうつづけた。

「クルーは艦が完成すれば、すぐに駆け付けます。」

逸見は、むっとしたように答えた。

「クルーが来ても、まだ完成とはいえないんですよ。」

「なぜだ?。」

逸見は西田のその答えにやる気なく答えた。

「表記が古いもんですからそれになれていただかないといけません。

それに。」

「それに?」

「この艦は強力すぎますからね。」

西田は微笑を浮かべながらそう締めくくった。

当分穴蔵生活が続くのか。

逸見は、他のクルーがどう思うのだろうか、と思いながらそんなことを呟いた。

せめて、日曜ぐらいは日の光を拝めるといいがな。

と、胸の内で呟きながら。


だが、日曜に穴蔵生活を強いられたのはなにも逸見達だけでは無い。

三枝はここ、筑波Gフォース解析センターのラボにきてすでに数時間がたっていた。

「三枝さん、これを。」

言われて、その水槽に近づく。

水槽内には何もいない。

「青木主任、これは?」

その女性は、軽く目配せすると一つの試験管をもってきた。

なかには、少し濁った液体が入っている。

「三枝さん、よくみていて。」

青木は、そう言うとその液体を水槽内にいれようとした。

「三枝所長!」

その時に、手塚ミドリが駆け込んできた。

かなり、急いできたようでまだ息をきらしている。

「どうしたの?」

実験を中断させられて、少し不機嫌そうに青木がこちらをみている。

「どうも、すいません、ですが、さらに悪い事態がおきたようなんです。」

「悪い事態?、どんな?」


「あんたなんかとキスするんじゃなかった!!」

アスカはそう怒鳴ると自分の部屋に入り、乱暴にその扉をしめた。

「自分から、言ってきたんじゃないか…。」

シンジはその、理不尽とも思える怒りのはけ口にされたことに聞こえない反論をする。

聞こえたら、聞こえたで悶着はさらに広がるだろう。

だが、シンジは騒ぎになることをさけた。

別に、酔って帰ったきた保護者に配慮したわけではない。

彼は、ただ面倒がいやだっただけだった。


「たきつけちゃったかな。」

そんな彼等の様子を夜に乗じて監視していたマナは、苦笑まじりにそう呟く。

もっとも、シンジを陥落させるのは当初からの計画であったしそのためには、他の

パイロット二人とあまり仲が良くても困る。

が、今までの観察から三人ともいつも共にいるがそんなに仲が良い、とは思っては

いなかった。

これなら、情報入手もやりやすそうだ。

とは、考えていたがまだ転校して日が浅い。

回りでも、いろいろなうわさが飛び交っているのだからそれを確認するにやぶさかでは

ないだろう、と思い行動したが

「どっちかってゆうと、やぶ蛇かしら。」

と、思わざるをえなかった。

行動が少し大胆だったかなあ、と考えながら機材をしまい帰路についた。

だが、シンジとアスカがキスをしたのを見た時のなんとも言えない感覚を理解すると

言うことはまだ、なかった。

「なんでかな。」


「まだ、それは判らないのね。」

手塚の話しを聞き、三枝もやはり不安を感じた。

「はい、その異様な動きをする小天体3つを確認するために科学省が国連の依頼をうけて

国連から宇宙省にはやぶさで探査に向かうように指示があったそうです。」

「はやぶさに。」

三枝と青木は同時にその名を呟いた。

最新の探査宇宙船はやぶさならば、遅くとも一月以内に木星付近にいくだろう。

小天体がどういうコースをとっても追随していくことはできるはずだ。

「なら、私達もここでできることをしないとね。」

青木はそう言うと、中断していた実験を再開した。

試験管の液体を水槽に入れる。

「なにも起きませんね。」

暫くみていたが、変化の無いことに手塚が言葉を続けた。

だが、次の瞬間水槽内に動く黒い生物を確認した。

「見ていて。」

そういうと、ゴジラの熱線で焼けこげた破片を砕いた物をピンセットで摘み中にいれる。

少しのあいだ泡をだしていたその破片は、突然動き出すと他の小さな物と融合しはじめた。

「これは?」

三枝がおどろいて聞いた。

「この生物は、自分の仲間を見つけると一つにくっつくのよ。

しかも、餌を与えれば無限に増殖するの。」

説明する間にも水槽内の生物は次々に融合していく。

すでに水槽内には2cm程に成長し、おたまじゃくしの様な姿になった生物が泳いでいた。

「餌って、なんなんですか?」

その問いに答えずに、別の試験管と板をもってきた。

それを中にいれる。

と、まるで獲物に群がるピラニアの様におたまじゃくし状の生物は板に食らい付いた。

みるみる板がなくなっていく。

「これは、なにを与えたの?」

三枝は、青木に聞いた。

「板の方は、カーボン樹脂、液体は只の汚水よ。」

二人は、顔を見合わせた。

「ダイビングのボート、釣り舟、あなた方を付けていたNERVの調査員、そしてあなた方。

みんなカーボン製のなにかをもっていたわ。」

餌を食い付くし、さらに大きく成長したそれをみながら二人は頷いた。

「汚染された水、そしてカーボン、いえこの場合は炭素といったほうがいいのかしら、

それらを常食にしていた、深海のバクテリアかなにかだと思うわ。」

まだ食いたりないというように水槽内で激しくうごめく姿に一瞬嫌悪をかんじながら

青木は話しを続けた。

「それがなんらかの理由でゴジラの細胞と結晶生物の細胞を取り込んだ、もしかしたら逆かも

しれないわ、そしてこのような特性をもった。」

たしかに海の生物の中には、微少な生物が郡体となり巨大な姿を形成するものが存在する。

だがそれは身をまもるためのものの筈だった。

「身を守ることから補食へと性質が転換されたのかもしれないし、餌の少ないところでの進化の

可能性もあるわ、だけどこの生物にはまだ不明な部分がおおいの。」

そして、手元にあるリモコンを持つとスクリーンに写真を表示した。

「これは、この生物の最小単位の時の電子顕微鏡写真。」

その写真にレーザーポインターで指し示した場所。

「この部分の構造はこちらにない物なの。

しかも、この生物は吸収したものを分解する過程で硫化物を生成するの。

硫化物はさらに硫酸にもなっていく事まではわかったの。

この生物の、分泌物は大量の硫酸ミストなのよ。」

説明が終わった時には水槽内の水草はすべて枯死していた。

ただ、その黒いおたまじゃくしだけが力強くおよいでいた。


翌月曜日。

「なによ、ふたりとも仏頂面で。」

昨日の二人の事を露とも知らないミサトが、あきれ顔で声をかけた。

酒豪のミサトも流石に昨夜は飲み過ぎたのか、朝方吐き気を覚えて目をさましたのだ。

そのために、他の同居人二人より早く起きている。

「別に。」

「なんでもないわよっ。」

二人のつれない返事に、きょとんとしながらもミサトは

「そう?、なぁらいいけど、ふたりとも木曜のシンクロテストのときもそんな風になって

ないでよ。」

と、保護者らしいことを付け加えた。

「うるさいわね!、関係ないでしょ!!、そんなことっ」

アスカは、そう怒鳴りちらすと乱暴にでかけて行った。

「アスカ、朝も食べないでいいのかしら?、なんかあったの?、昨日。」

ミサトは残ったシンジに何気なく聞いた。

「わかりませんよ、そんなこと。」

シンジの返事のそっけなさに、少し意外そうな顔をみせながらも

「そう。」

といったきり、沈黙が続いた。



「これが、アダム。」

その夜、加持と共にミサトはNERV本部に隠されたものを目撃した。

それが、彼女の運命をきめることになったのだが。

「最初の使徒。」

彼女は身を震わせながら、畏怖と怒りを込めてそれを睨み付けていた。


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ver.-1.00 1999_09/01公開

ご意見・ご感想は国連G対策センターまで!!



まあ、なんだウルトラマンガイア完結記念かな。

またそんなこと言っているの?。

いやあ、ガイアの最終回よかですとよ、それなりに、それなりに。

でも続きをかいても私がまたでてないわ、なぜ?

だしたくない訳でもあるのかしら。

別に、そんなわけじゃないですよ〜だ。

ただ、まだ出るところじゃないからしょうがない。

・・・

う、無言の圧力。

別に。

ふーん、まあいいや。

次はこのペースだと、12月かしら?

へ、なんで?

ゴジラ2000。
まだ、オースティン・パワーズがあるもーん!。

エピソード1はいいの?

うん、今はオースティンにくびったけ。

ふーん、そう。

べりー、しゃがでりっく。

ばか。


 





 SOUさんの『怪獣聖書』七、公開です。






 軍の方の準備は着々と進んでる感じ〜


 敵の分析も
 兵器の開発も。

 JAの次は轟天、、、
 なにやら着々っす(^^)





 NERVの方はどうなのかな。

 アスカも
 シンジも

 あややややってノリで
 ちっーと危ないげ。


 ミサトもなんか
 加持もなにやら


 がんばっちくりーですです。




 まだまだこれからっっ





 さあ、訪問者の皆さん。
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