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「霧島マナですっ。」

いかにも、転校生らしい元気な声、そして人にすかれそうな笑顔で挨拶をするマナ。

だがそういう笑顔の奥で彼女はすばやく教室中に目を配った。

目当ての人物、碇シンジをすばやく見つける。

色白で、気弱そうな雰囲気を持っている。

これならたいしたことはないかな。

と考えを巡らせていた。

 

 

その転校生がくるおよそ4日ほど前に加持リョウジは京都にむけて旅立っていた。

無論、表向きはNERV関係の情報活動である。

そのために、一応の行き先は松代である。

本音をいえば加持は、松代の方へむかいたかった。

この所のGフォースの動きが気にはなっていた。

ゴジラの復活などと来た日には彼等が動かない訳はなかったからだ。

しかも、リストの場所にいってもそこはすでに廃工場であったり何も無い空き地と

なっていたりと、無駄足を踏んでいると言わざるを得なかった。

「やれやれ、ここもか。」

古びた工場のなか、しかも人類を救う為の組織の一端を担ってるとは思えない町中の

寂れた工場の跡地に足を踏み入れながら加持は誰に聞かせるでも無く呟いた。

裏口に向かって歩いて行くと、そこには人の気配があった。

加持は、そっと近づくとわずかにあいているドアの隙間から覗き込む。

背中しか見えないが、中年と思しき女性が座って猫に餌をやっている。

買物帰りのようだ。

「Gフォースはバウンティを失っている。

次の対G兵器は書類上存在はしてない。」

「書類上?。」

「そうだ、バウンティ級の船はあと2隻あるがそれもアメリカとフランスが装備

している。」

「じゃあ、それがくるのか?。」

「そんな動きも無い」

「そうか…。」

「マルドック機関は?。」

「此所を含めて全部ダミーだ。」

「残りもそうかな?。」

「多分そうだろう。」

「NERVの詳しい情報が欲しい。」

「判った。」

猫にやる餌がなくなったようなそぶりを見せて女性はたちさった。

加持は暫く間をおいてからそこをでていった。

 

 

「なんだ、最近さっぱり魚が獲れないな。」

その漁船の船長は、仲間の船に無線でそう話していた。

仕掛けた網にもなにもかかっていない。

『なんだ、またゴジラが出たって話しだしここんとこ第三新東京市でも、』

「どうした?。」

聞いても応答がないのをおかしくおもいその船の方に目を向ける。

そこには、なにか黒い巨大なものがその船をまるで紙を破るように音も無く突き抜いて

こちらに向かってものすごい速度で向かってきた。

彼は慌てて避けようと船を急旋回させる。

だが、まにあわない。

「く、黒い、」

無線に向かい急いで救助を求めようとしたが既に遅く、かれはその黒い物体に飲み込まれ

消えていった。

後には、2隻の船の僅かな残骸が漂っていた。

 

そして、その同時刻大瀬崎。

ダイバーの講習にも使われるここでその事件は起きた。

ボートダイビングの為に沖へと向かい、ポイントに着くと彼らは準備を整え各自次々と

海へと飛び込んで行く。

無論、先にインストラクター兼ガイドともいうべき人物が先行している。

通常此所は、初心者でも楽しめるポイントである。

亜熱帯となった日本では、沖縄に行かずとも熱帯の魚が見れるようになっていた。

(魚が、少ない。)

先頭のガイドは通常に比べて魚の少なさに驚いた。

普段はかなりの魚が見れるというのに今回は雑魚すらいない。

透明度も普段より低くなっている。

(また、軍艦でも通ったかな。)

過去数回、この付近を国連軍の艦船が通ったことがあるらしい。

そう、話には聞いていた。

仕方なく、一旦ツアーのメンバーを集める事にした。

少し、広くなったところで全員を集める。

指示を出す為にボードを出そうとしたとき、急にあわただしくなった。

自分の方から逃げだそうとしている。

慌てて、水中用のホイッスルを鳴らそうとして手を後ろに回した時何かぬるっとした物が

手に触れた。

と同時に激しい痛みと熱さが手に広がった。

驚き手を見ると、そこにはウェットスーツのグローブが焼けこげちぎれていた。

ごぼごぼと叫び声の代りの泡が大量に吹き出す。

手は、すでにわずかばかりの骨と姿を変えていた。

恐ろしさに逃げようとするが今度はレギュレーターから空気が来ない。

おびえながら振り向いたその先に見たものは、禍禍しい赤く光る目。

それが最後に見たものだった。

 

その惨劇を見た者はいなかった。

その黒い生物を見たときその場にいた全員がガイドを除き逃げ出していた。

ある者は岩陰に、また別の者は急いで浮上しようとしていた。

だが、岩陰に逃げたもののそこにはまた別の同じ物に襲われていた。

突然、空気が来なくなったとおもうと焼けるような痛みと熱さを感じそれが最後の

感覚であった。

それでも、何人かは浮上する事ができた。

浮上し、待っている船に向かい手を振りながら泳いで行く。

水の中の生物ならば、自分達よりも早く泳げるということをすでにパニックの為に

忘れている。

その時でも、また一人海の中に消えていく。

「こっちだあっ!、はやくっ!」

背負っていたタンクを捨て、一人が大きく浮かび上がり叫ぶ。

その声にやっと気づいたボートは予定よりも早く浮上してきた事と、ただならぬ騒ぎに

船を向けながら無線で海上保安庁と沿岸警備隊に連絡をいれた。

ボートが近づいた時、すでに生き残った者は3名になっていた。

「なにがあった!?。」

「いいから、早く!!。」

最初にタンクを捨てて助けを呼んだ男が、そう言いながらも傍らの女性ダイバーの背中の

タンクを、BCDジャケットごと外してボートに上げようとする。

「いそいで!!。」

その女性は、船上にあがるとその後ろに座り込んで動けなかった。

腰が抜けているのだ。

次に、もう一人の装備をつけたダイバーを引き上げようとしたときそこにその黒い物が

現われた。

そのダイバーを包み込むと、再び海の中に潜って行く。

海に残り引き上げる手助けをしていた男は、あおりを食らってまたボートから離れた所に

放り出された。

泳いでボートに近づく。

だが、今度はそのボートに黒い物が襲い掛かった。

めきめきと音を立てて破壊されるボート。

せっかく船に引き上げられたのにまた海に戻る事になり半狂乱になる女性ダイバー。

ボートの船長も、ボートのスタッフも同じように海に投げ出される。

彼らが再びボートの方に目を向けると、もはやボートは跡形も無かった。

そう、僅かな破片すら浮いていない。

「ばかな…。」

船長がそう呟いた時腹部に激痛が走った。

下を見たとき、そこにはなにもなかった。

そう、自分の下半身すらなかったのだ。

ボートに戻る途中だったダイバーはすでに体の右半分が無くなっていた。

他のスタッフもまた体の一部を消失して死んでいた。

ただ、そこには衝撃で反対の方向にとばされた女性だけがいきのこっていた。

「あかい、め…」

うわ言のようにそれを繰り返しながら。

 

 

三枝未希は、日本に来るとまず新横須賀のGフォース施設へと向かった。

NERVに協力要請をする為に、日本についてすぐにNERV総司令碇ゲンドウにアポを

取ろうとしたが、にべもなく返された。

「現在、こちらは使徒問題で手いっぱいだ。

怪獣災害にまで手を出す余裕はない。」

日本について二日経っても一向に会おうというそぶりさえみせず、同じ言葉を返される

のみだった。

仕方なく、三枝はGリサーチとして新横須賀でバウンティの乗組員と責任者逸見に会うと

いう予定に切り替えた。

もっとも、NERVの協力を得られないと現在使徒の侵攻に晒されているこに地域での

行動は、制限がかなり多くなる。

どういう、制限かは判らないがそれでも日本についた時から四六時中監視している者が

居る事には気づいていた。

「逸見特佐ですね。」

手塚ミドリの質問にその男は

「そうだ。」

と無愛想に答える。

なにか考えてるのか、それとも戦闘後遺症か。

書類には、そのようなことは書いていない所をみると女性が苦手か女嫌いか。

ミドリがそんな事を考えながらデータの記入を始めると

「聞きたいのは、デストロイアか?、ゴジラか?。」

面倒くさそうに聞いてきた。

「使徒問題です。」

三枝が間髪を入れずにすばやく言う。

「あいにくと、それは専門外だ。」

逸見は窓の外を見ながらそう答えた。

「でも、見てはいる。」

「みただけじゃ、なんの情報にもならんだろう。」

「なんであれ情報の価値をきめるのは調査する私たちです。」

三枝に言い切られ、逸見もしぶしぶを装って聞かれる事に答えた。

そして、先のデストロイア戦での話に及んだときその情報が入ってきた。

「駿河湾に、正体不明の生物?。」

その報告を聞き、逸見は一瞬眉をひそめた。

そんな報告は、表向きは聞いていないからだ。

そう、本来ゴジラを牽制して助けるはずだった国連艦隊。

その戦自の報告の中に一つにあったもの。

1機のトライデントが見たという、黒い生物。

「逸見特佐、申し訳ありませんが私たちは一旦その現場に向かいます。」

三枝未希と手塚ミドリが退席すると、逸見も外に向かった。

Gフォースとして招集がかかるかもしれないからだ。

たとえ、ゴジラでもデストロイアでもなくても。

 

 

「駿河湾の数箇所でパターン微弱ながら発生しています。」

NERV内では、それぞれのセクションからの報告で今度は反応が明滅しながらも

持続していることにより、パイロットに待機命令がでた。

が、一向に上陸の気配もないことからパイロットは準待機となったがそのご再び反応が

消え、使徒ではないということとなり結局パイロットの拘束は無くなった。

だが。

「碇、いったいどういう事なんだ?。」

さすがに度重なるこの異常事態に冬月がうんざりといった風情で聞いた。

「いずれわかるさ。」

さすがにゲンドウも見当はつかずただそう一言言うしかなかった。

 

「何なのよ、最近のこれは!。」

文句を言いながら、アスカはファフニールと名づけられたラドンの檻の前にたっていた。

餌として、それなりに大量の肉を平らげるラドンではあるが故に流石に成長が早く現在は

翼幅が30m位までに成長してきている。

「成長、速いよね。」

シンジもここ数日で大きく成長したラドンを見てあきれたような感心したような声で

言う。

「そろそろ、飛ぶ練習しないと駄目ね。」

レイは、その翼をゆっくりと動かしている姿をみてその事に気づいた。

実際、見た事がある訳でもないがなにかの本で読んだ事があるようだ。

「でもそうは言ってもどこでそんな練習させるのさ。」

シンジはさすがに第三新東京市内や箱根や富士のふもとなどで飛ばすわけにはいかないな

と考えた。

そうなったら、当然パニックが起きるだろう。

「馬鹿ねえ二人とも。

ちゃんと在るじゃない!。」

アスカがなにを今更とばかりに胸を張って断言する。

「どこ?。」

眉根を寄せてレイが聞く。

彼女なりにいやな予感でもしているのだろうか?。

「此所よ、このジオフロント!、こんな立派な場所があるじゃない!!。」

「人、襲われない?。」

レイは、そう言いながら目の前に広がるそれなりに広大なジオフロントを見回した。

「だいじょ〜ぶよ!!。」

根拠があるのかないのか判らない大丈夫、であった。

 

 

「って、ああんたねえ、あんなでっかいの自由に飛ばすのはいいけどどうやって躾るの。

うっかりすると、NERVの施設もぶっ壊れちゃうわ。」

待機明けで、疲れてるところにもってきてこの話である。

ミサトで無くとも思わず大声をだすだろう。

「だから、弐号機で一緒に出るようにすればいいのよ!。

ファフも飛ぶ練習ができるしエヴァの訓練にもなるし一石二鳥じゃない!!。」

どうも後ろの方はこじつけ臭い。

「あんたねえ、いくらなんっだってそこまではむりでしょう。」

「聞いてみれば?。」

アスカはなおも食い下がる。

シンジとレイはリビングで紅茶を入れている。

「ちょっと、二人ともそんなとこで傍観してないでよ!。」

ミサトは助け船のつもりで呼んだのだろう。

だが、帰ってきたこたえは虚しいものだった。

「でも、飼う事もよかったんだから飛ぶ練習もできるんじゃないですか?。」

「聞いてみてもいいと思う。」

結局ミサトは自分の味方はいないのだと悟った。

「いいわ、あすにでもきいてみるわ。」

がっくりとうなだれてミサトは、そう言った後につけくわえて言った。

「でもそのパフがなにか壊したら何と言おうとそれなりに対処しますからね!!。」

「ファフよファフ!、ファフニールのファフ!!。」

 

 

信州、某所。

そこでは轟天の最後の仕上げが行われていた。

すでに、通常の戦艦として考えたら無敵と言ってもよいだろう。

強固な装甲、驚異的な火力。

どれをとっても、現在これに並び打ち勝つ軍艦など存在しないだろう。

「だが、相手はゴジラとデストロイアだ。」

「任してください、これが完成したらゴジラやデストロイアにだって負けませんよ。」

黒木の言葉に、西田は自信満々といった面持ちで答える。

この轟天に絶対の自身をもっているのだ。

「だが、使徒はどうなんだ?。」

「めじゃありませんよ!!。」

三枝達と別れてからここに来た逸見が嫌みのつもりで言ったのだがそれをも西田は

平然と自信をこめて答える。

その目の前の轟天は、鋼のような色合いを持ち鈍く光っている。

「まさに、鉄の城といったところか?」

逸見は聞く。

「予定では無敵の要塞だ。」

黒木が答えた。

「予定、ですか。」

あきれたような返事を返す逸見。

それでも、彼はこの轟天に頼るしかない。

 

 

「霧島マナですっ。」

そして、そんな色々があった4日がすぎ彼女霧島マナはここ第三新東京市へとやってきた。

その笑顔と性格の明るさでクラスの男女を問わず溶け込んで行くマナ。

戦自のスパイとして。

NERVを、エヴァを探る為に。

 


NEXT

ver.-1.00 1999_04/10公開

ご意見・ご感想は国連G対策センターまで!!



ガメラ、やってるわよ。

知ってますよ、みてきましたもん。

いやー、前田愛がね、よいですね。

節操なくまた、追っかける芸能人がふえたのね。

うん、もうむねはっちゃう。

で、こんどは何ヶ月後?。

う、まあなんつうの、仕事やめてるし仕事さがしながら一挙に完結できたらいいね

また無謀なことをいってるのね。

うーん、まあねえ、砂漠谷さんもいい加減エヴァから足洗ったみたいだし。

いつまでもだらだらうやっててもしょーがないし。

そう、あなたもエヴァにあきたのね。

いやあ、あきたっつうかもともとそんなに思い入れ持たない方だし。

どっちかつうと芸能人のおっかけやりたしい。

…、32歳にもうすぐなるのに?。

うん。





 SOUさんの『怪獣聖書』四、公開です。





 ジオフロントに飛ぶ怪鳥・・・

   なんか凄く絵になりそうだ〜


 巨大人型はEVAがあるし、
 後はロデムがいればっ



 召使いロデムがシンジで
 巨大で暴れるのはアスカで、
 二世は・・レイ、、、で、

 それでいいか。        って、なにが?





 マナちゃんとか
 轟天とか、

 段々、ダンダン、なのです〜





 さあ、訪問者の皆さん。
 おっかけるSOUさんに感想メールを送りましょう!





 コンピュータはリツコさんね。
 ミサトさんは・・・催眠光線を発射するアレ。





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