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硬質な響きを部屋に響かせ、そのたまごは砕けた。

「きゃあっ!」

アスカもさすがに悲鳴を上げる

孵化した中の生物は、その口を大きく開き甲高い金属質な雄叫びを響かせた。

その生物は、今迄の窮屈な生活から抜け出た事を確かめるように体を伸ばした。

壁に映る巨大な影。

「な、なによ、これ。」

アスカは、その姿をまじまじとながめた。

「痛っ。」

たまごが孵った時に急に飛びすさったアスカにぶつかり転んだシンジが起き上がった。

見ると巨大な影が今目の前に広がっていた。

「と、鳥?。」

細く鋭い嘴、左右に広がる薄いがしかし、強靭そうな翼。

その翼に生えている鋭い3本の爪。

後頭部の2本の角。

まるで、吸血鬼の変身したコウモリのような姿。

それが、嘴を大きく開き咆哮を上げていた。

「あ、アスカ!。」

その、前に立つアスカ。

シンジはそれがアスカを襲うのかと一瞬疑った。

「し、シンジ、こ、こいつ結構かわいいじゃない。」

引きつった声でアスカが返事をしてきた。

翼長3メートルを超すそれは、アスカを母親と思い込んでいた。

 

 

時田は、実験に成功したにもかかわらず浮かない顔をして自室の机に向かっていた。

解せない。

かれは、ただ一つの謎溶けたパイプ群について思いを巡らせていた。

すでに数日が経ち、ジェットアローンの有用性も僅づつであるが政治家どもに納得させつつつある。

だが、このパイプ溶融事件については未だなんの手がかりをもつかんではいなかった。

「時田主任!。」

彼の部屋のドアをノックも無しに飛び込んできた一人の所員。

「なんだ!、急に。」

時田は、思考を中断させられて少し苛立たしげに声を出した。

「それが、主任、パイプの件に繋がるかも知れないことがありまして。」

「なんだって?。」

「すぐ、会議室のほうへ来ていただけますか?。」

 

 

ミサト達が保安部員を連れてその部屋についた時、その巨大な鳥はたまごがおかれていた

台の上で所在なげに翼を動かしていた。

「アスカ!、シンジ君、無事?。」

ミサトは銃をその鳥に向けながら部屋の中に声をかけた。

その後ろでは、保安部員が自動小銃を構えている。

「平気よ、ミサト。」

「ぼ、僕たちは平気です、ミサトさん。」

二人の返事がそれぞれ聞こえる。

ほっとしたもののその鳥から銃を外す事なくミサトは二人を呼んだ。

「こちらにいらっしゃい、急いで!。」

だが、それに反してリツコの落ち着いた声が聞こえてきた。

「大丈夫よ、ミサト、多分ね。」

保安部員をかき分けて、リツコが近づいてくる。

その後ろから、急いで来たらしいマヤの姿も見える。

「大丈夫ってどういうことよ。」

真意を測り兼ねてミサトは、苛立たしげに聞く。

今にも、その鳥は向こう側のアスカとシンジを襲うかも知れないというのに。

「あの鳥が二人を襲ったら…。」

「ラドンよ、ミサト。」

「へ?。」

そう言うとリツコは、鳥、いやラドンの方に目をむけて

「そう、ラドン。」

と、その名をもう一度言った。

 

 

 

同時刻、国連Gフォース新横須賀基地。

一人の男をたずねてくる一団があった。

「ここか?。」

「はい。」

小型の巡洋護衛艦バウンティ。

その中に乗り込んで行く彼等。

彼等は、艦長室に真っ直ぐ向かって行った。

だが、そこからはノックもせずに入っていく。

「なんだ、君たちは無断で。」

その部屋の主は、別段驚いた様子も見せず鷹揚な雰囲気を醸し出しつつ聞いた。

「逸見特佐ですね。」

「普通は、ここにいるのはそうなってるがね。」

「一緒に来てもらえないかな、特佐。」

一団の後ろから現われた男をみて逸見は少し驚いたようであった。

「これはこれは、Gフォース司令官自らのおでましですか?。」

バウンティは、もともと対怪獣戦用に創られた船であった。

そのために、巨大怪獣が外洋に現われない今では閑職といってよかった。

だが、現われないとはいえ目撃情報だけは山のようによせられ、また15年ぶりの使徒の

再来である。

外洋巡回だけしかない ― 使徒はNERVの管轄である ― ゆえにこのような事態は滅多に

あることではなかった。

 

 

その会議室のモニターに映された画像は、セカンドインパクト以降湿地帯と化した東京の

姿を映し出していた。

「この地図がどうだというんだ。」

連れてこられたはよいが、未だはっきりした説明をうけず分かりきった事、パイプ溶解の

原因、ミクロ化した酸素が金属分子の間に急激に浸透したことを長々と説明され、しかも

今度は、見知った東京の姿を見せられている。

「主任、ここからが大事なんです。」

もったいぶっているのか、自分を焦らしているのかその所員は中々説明を使用とはしない。

いや、そういうわけではないのだろう。

「ここしばらくの間の似たような事件、事故の発生場所です。」

地図に、赤く光るドットが表示される。

「それで。」

時田はさらに、苛立ちを募らせていた。

原因がわかったのなら早くいえばいい。

そんな事を考えながら、ぶっきらぼうに先を促す。

「最初にこの事件が起きたのがここ、旧臨海副都心、さらに詳しくいうなら国際展示場の

跡地、そしてその日付は…、」

「なんだと?。」

日付を表示されて、時田は座っていた椅子から思わず立ち上がった。

「これは、JAが暴走した日ではないか!。」

「そうです、しかもこの日を境にこの事件事故は、こちらに向かっていました。」

事故のあった場所の光点を日を追って繋ぐ。

「ですが、この日はいったん外に向かいます。」

「使徒が、太平洋艦隊を襲った日だな。」

「はい、それ以降はまたこちらに向かってきました。」

だが、光跡はそこから二つに分かれた。

「これは?。」

使徒が、第三新東京市目指して落ちてきた日。

その日を境に光跡は二つに分かれていた。

「なぜ、こんなことが?。」

 

 

「デストロイアの復活だよ、特佐。」

「デストロイア、ですか?。

しかし、司令、奴はもうゴジラとの戦いで死んじまったと聞きましたが?。」

逸見は、疑わしげな目を司令官にむける。

「生きていたか、あるいはあの時現われなかった奴か。

それはわからん。

だが、この事件のデータを見る限り、ミクロオキシゲンかオキシジェンデストロイヤーで

なければ、説明のつかない破壊のされかただ。」

逸見は暫く黙って考えていた。

「わかりました、とりあえずついていきましょう。」

「ありがとう、特佐。」

 

 

とりあえず、保安部員を帰し安全であるということを確認したリツコ達大人とシンジ、

アスカは、ラドンを目の前に話していた。

「じゃあ、なに?、この怪獣もゴジラと同じってこと?。」

「そうよ、ミサト。

でも、いまなら大したことはないはずよ。」

「大したことないって?。」

「殺せるかも知れない、ってこと。」

そこまで聞いてアスカがいきり立って口を挟んだ。

「ちょ、ちょっと殺すってどういう事よ!。」

まるで、リツコを殴りそうな勢いだった。

「仮定の話よ、アスカ。

仮にこのラドンが、大きくなって街を破壊するようなことになったら大変よ。」

リツコが動じることなく、アスカに言う。

「でも、そういう風にならなければいいんじゃない。

ずっと、ここで飼っとくとかさぁ。」

アスカは、最後の方は勢いが消えていた。

使徒の戦いで人々は大変な被害を被っている。

この上さらにラドンが暴れたらどうなるかは理解できる。

だが…。

「リツコさん、殺さないでも済む方法ほんとにないんですか?。」

シンジが、振り返りながら聞いた。

「アスカの言う様にずっとここで飼うっていうなら大丈夫かもしれないわ。

コナン・ドイルかジュール・ベルヌみたいだけどね。

…でも、司令がO.Kするかしらねえ。」

最後の方はリツコ自身も人に聞くような感じで話していた。

 

 

 

迎えの車に司令官と共に乗り、逸見は疑問を感じていた。

自分は軍艦乗りである。

その自分を、なぜ信州に向かわせるのか判らなかった。

「司令官、一つ質問していいでしょうか?。」

向いの席の司令官に向かって逸見はついに我慢しきれずに聞いた。

「なんだね?、特佐。」

「自分は海の男なんですがね、どうして山の方に向かうのでしょうか?。」

その質問を聞くと、彼はにやっと笑ってから一言答えた。

「行けばわかるさ、行けばな。」

結局、つくまでは何も判らないと悟った逸見はただ窓の外をながめる事に専念した。

どうせ、信州ならヘリかVTOLでも使ってくれりゃ速いのに。

そんな事を考えながら。

 

 

時田は、あわただしく席を立つと口早に所員に指示を出した。

「いいか、戦自でも国連軍でもなんでもかまわん。

この件についてなにか知ってるようならなんとしても聞き出せ!。」

「NERVにもですか?。」

その問いに時田は一瞬黙り込むが

「いや、あそこはいい。

どうせ使徒とは関係無い事には首をつっこまんだろう。」

そう言い置くと、足早に部屋を出ていった。

 

 

割と、あっさりとゲンドウはラドンの飼育を許可した。

その場に居たものは全員あっけにとられたがそれでもラドンを飼う事になり喜んでいた。

「めずらしいな、碇。」

「なにがだ?、冬月。」

「お前がこんなことを許可するなんてだ。

良い父親にでもなるつもりか?。」

「なに、あれをおいておけばたとえGフォースでもここには入れない理由になる。」

(又、策略か。)

嫌悪の視線を一瞬向けるが、それも一瞬のこと。

冬月は、またいつものようにだまって将棋を一人でさし始めた。

 

「司令もはなせるとこあるじゃない。

ねえ、シンジ!。」

トレーラーで指定された場所にラドンを運ぶ一向。

「いがいよねえ、リツコ。」

「あ、なにが?。」

「司令よ、なんだって許可したのかしら?。」

「さあ、誰かさんと同じに恐竜公園でも創るきなんでしょう。」

そっけなく答えたリツコだが、内心では一抹の不安をもたないでもなかった。

(あの人は、この怪獣をも利用できると思っているのかしら。)

 

 

ようやっと、逸見を乗せた車は信州は長野の外れにある山の中についた。

「海は、見えないんですがね。」

だれも、それには答えずに歩いて行く。

ちっと舌打ちしながら逸見もその後について行く。

やたらと古臭い防空壕のような穴が前方に見えてきた。

と、次々その中に入って行く。

「闇に蠢く者、だな。」

自嘲気味に呟く逸見。

おりしも日が暮れようとしていた。

が、ついて暫く歩いていくと一際広い場所にでた。

がくん、と地面がゆれたかと思うとそのまま下に下がって行く。

「な、なんだぁ?。」

逸見の叫びを全員が無視し新たに現われたトンネルに入って行く。

そこには、巨大な工場のような場所が広がっていた。

「西田博士、見れるか?。」

振り向いたやたらでかい男、そいつが西田か、と逸見は思いながら見ている。

「いつでもどうぞ。

ですが、まだ実戦にはつかえません。」

「今日は、見せるだけだ。」

なかばつんぼ桟敷の逸見はあまり面白くはなかったがここまで来たら乗りかかった船、

とばかりに、彼等についていった。

鉄骨やクレーンなどの影に隠れて見えていなかった物。

「こ、これは…。」

逸見は二の句が継げなくなっていた。

それが、今彼等一向の前に姿をあらわした。


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ver.-1.00 1998+09/24公開

ご意見・ご感想は

国連G対策センターまで!!



そんなこんなで。

そんなこんなじゃないわ。

へ?、なして?。

期間があきすぎ、本来のエヴァキャラがあまりでてない。

おまけに、私でてない。(うるっ)

って、いや、そんななかないでくださいよお。

期間があいたのは、壊れかけてたから。

今回はでてないけど、次回は多分。

多分?(うるる)

まさか、最近泣き落しをおぼえたのでは?。

さあ、わからないわ、私3番目だから。

まあ、いいですけどね。

ま、いいや次回予告。

逸見の目の前に姿を現した物とは?、時田はデストロイアの復活に気づくのか?。

連烙員と接触した加持は新たな情報を聞く。

乞うご期待

次は、11月?。

うっ。





 SOUさんの『怪獣聖書』弐、公開です。




 卵が孵った(^^)
 はじめてみた物を親と思い込んだ(^^)/

 そかそか、
 アスカちゃんがママなのね(^^)/~~



 ゲンドウはんはたくらんでるけど、
 時田はんも忙しげで怪しげだけど、
 It's me 逸見はんもなんかなんやらだけど、


 何が来たって、
 弐号機とラドンのツープラトンで殲滅だい!    希望




 ラドンちゃん・・・断末魔を上げないでね・・・    希望2





 さあ、訪問者の皆さん。
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