シンジ達と別れ、カヲルはNERV本部施設内の宿泊施設に割り当てられた自室に向かい
歩いていった。
だがふと、人の視線を背後に感じ振り返ってみた。
だがそこには誰もいなかった。
「おかしいな?」
カヲルはそう誰に言うでもなく呟いた。
だが、そこにはだれもいないわけではなかった。
リツコは、マヤと共に変わらずMAGIの対ヘカテシステムの開発を続けていた。
発見する方法は、今のところノイズを頼りにするしかない。
だが、ノイズを確認しても侵入したヘカテを割り出す事ができなければ意味がない。
「先輩、ノイズが…。」
観測ブースからマヤが声をかけてきた。
ノイズ、すなわちヘカテの反応が現われたのだった。
とはいえ、侵入個所を辛うじて割り出せる程度だが。
「場所は?。」
「場所は、本部内です。」
カヲルが私室にもどった時、不意に廊下の照明が暗くなった。
が、なにか問題が起きたわけではないようだ。
元の明るさを取り戻した廊下を背にカヲルは自室に入っていった。
特に変わった事はない。
だが、先ほどからの人の視線の気配はなかなか消えなかった。
ヘカテは、滅多に使われる事のない薄暗い武器倉庫の側の端末の側から起き上がった。
その顔に不適な笑みを浮かべるとまた、闇の中へと消えていった。
「乗船許可を。」
実体化したゲンドウは、ピカードに乗船許可を求めた。
転送プレートの後ろの方、大人たちの影になっていた子供たちはゲンドウの言葉が
終わるか終わらないかというのと同時にピカードの方をみた。
「乗船を許可します。」
ピカードの声が転送室の中に低く響く。
「行くぞ。」
ゲンドウが子供たちに言うと、転送器から足を踏み出した。
続いて降りる子供たちはピカード達の服装をみて驚いた。
そこには、宇宙艦隊の礼服を来たピカード以下4名の姿があった。
「それで、司令もミサトも礼服なんか着てたの?」
アスカがミサトに小さい声で聞いた。
「そうよ、だから」
「僕たちもNERVの制服なんか着ることになったんですか?。」
シンジが襟元を心地割るそうにいじりながら言う。
普段、カラーの付いた服など着る事の滅多にない事ゆえに仕方の無い事だろう。
「なんかはないでしょう、ちゃんと階級が付いたんだからそれなりの事をしないとね。」
後ろでひそひそと話されているので冬月がバツの悪そうな顔をしてるがどうもピカード達
エンタープライズの面々は気にしていないようだ。
しかし冬月はその場にいる全員に聞こえる声ではないが、やはり気になるのだろう。
だが、ピカード達もゲンドウも黙々とだまって歩いて行く。
何処に向かっているか、シンジ達もまだ艦内詳しい事は知ってはいない。
だが、自分達が立ち入りを許可されている場所に向かっている様には思えなかった。
カヲルは、部屋に入ってベッドに横になっていた。
特に服を着替えるでもなく、そのままぼーっとした感じで天井を眺めていた。
だが、ドアの外に今度は気の所為でもなく人の気配を感じた。
用があれば、ノックするなり入ってこようとするなり何かするだろう。
だが、その人の気配はなにもせずにドアの外に立っているようだった。
「マヤ、ノイズは侵入だったの?、それとも?。」
「はっきりしませんが、出たものだと思います。」
やられた。
リツコはその答えに内心そう叫んだ。
テスト終了後の僅な隙に侵入されたのだろう。
侵入の自動監視にはまだデータが少なく、また仮に自動監視システムを作るにも現在の
段階では、予算も時間も少ない。
辛うじて人の手による監視装置を作り上げたが急場しのぎである。
「マヤ、保安部に連絡して、侵入者の可能性ありとね。」
「場所はどこでしょう?。」
「相手が狙いそうなのは、チルドレンとEVAでしょう。」
MAGIにはずっと潜んでいたんですからね。
声に出さずに続けた。
マヤは、すぐに保安部に連絡をとった。
同時にリツコは、作戦指揮所の当直要員を呼んだ。
「ああ、青葉君。
そう、本部内の監視体制を強化して、ええ、侵入者がいるはずよ。」
それを伝えると、今度は加持を呼び出した。
今、ヘカテの事やエンタープライズの事を知っている幹部士官は彼しかいない。
そのドアの前に立った時、ピカードが険しい顔付きをした。
まるでこれからなにか悪い事が起るかのように。
ゲンドウはいつものように無口だったが、ライカーもトロイもそしてビバリーもまた
不機嫌そうな顔をしている。
アスカもシンジもレイも不安そうな顔を見合わせた。
ゲンドウはエンタープライズの保護下にいられなくなったとだけしか言わなかった。
ミサトもまた、なぜゲンドウがエンタープライズに行くのかというような質問には
困ったような顔しかみせなかった。
そのドアが開いた。
中は薄暗く、また陰気な感じがした。
「では、始めよう。」
ピカードは、陰気な声でそう言った。
突然ドアが音も無く爆発した。
いや、弾け飛んだと言う状態が一番近い。
カヲルは、思わず自らの周囲にATフィールドを展開した。
破片よけ程度の微弱なものだが、この本部施設内でそれを使う事で図らずもその危機を
本部内に知らせる事になった。
「宿泊施設、ですって?。」
連絡を受けたリツコは、そこに保安部員を向かわせる事にした。
もっとも反応が微弱なので断定はできない。
断定はできないが、それでも一応はみにいかなければならない。
宿泊施設にはさすがに監視カメラも行き渡ってはいない所も在る。
対人対策の少なさを怨んでもはじまらない。
待機してもらっていた加持に向かってもらった。
「司令たちには?。」
マヤの問いに、
「侵入者の可能性が在る事だけを伝えて。」
といってから気が付いた。
自分達から連絡することが出来ない事に。
不幸な事に、エンタープライズの新設されたセンサーは作動していなかった。
一度はその新設センサーを作動させたものの、調査、再テストの為に一旦取り外していた。
そのために再取り付け、システムの再調整等を行っているエンタープライズは惑星探査用
のセンサーの半分以下しか機能していない。
したがって、地上の事に関しては盲目同然の状態であると言っても過言ではなかった。
「そこの配線は大丈夫なのか?。」
作業を指揮するバークレイは、苛立ちながらも指示を与えていた。
まがりなりにも作業班のチーフである。
苛立ちを、チームのメンバーに知られるわけにはいかない。
とは思うものの、この時点で地上になにかあったらと思う不安とともに彼の苛立っている
様子は自ずと周囲にもれてはいた。
だが、彼の不安はあたっていた。
運の悪い事に。
ドアの破片がひとしきり飛び込んだ後に、今度は空気の刃が襲ってきた。
カヲルはそれをひねってよけると、ドアの外にいる人影に体当たりをしていった。
さすがに、相手もよろめき倒れる。
廊下の光のなかでみた相手に、さすがに驚きを見せた。
「綾波、レイ…?」
相手は、にやっと笑うとすぐさま起き上がり右手を振る。
奇妙な紋様の付いた光の円盤が発生したかと思うと、次々飛んでくる。
カヲルは辛うじてそれをよける。
だが、あいての冷酷な微笑みはきえない。
いや、カヲルがよける姿をみて喜んでいるのだろう。
なぶり殺しにしたいようだね。
確信を持ったカヲルだが、反撃にでるかでまいか未だ躊躇していた。
今ここで自分の力を使えば切り抜けれれるだろう。
だが、それでは予定していたことがだめになってしまう。
それを考えるとカヲルは逃げる事しかできなかった。
ピカードの声と共に室内に明かりがつく。
同時に、室内の様子も一変した。
何人かシンジ達も知っている顔がいる。
「当艦にようこそ。
君たちの階級も決まったようだ。」
先ほどとはうって変わってにこやかにピカードが言う。
ゲンドウは、相変わらず無表情を通しているようだ。
「それと同時に我々とエンタープライズは正式に協力関係をとることになったしな。」
冬月が続けて説明した。
発案者であるゲンドウは相変わらず黙っている。
しかしすでに、パイロットであるチルドレン3名を保護した上に地上には上陸班もいる。
あろうことか赤木リツコの治療にも一役かっている。
「なーんか、今更って言う感じだけどねえ。」
ミサトが、NERVの大人の中ではもっとも最初にエンタープライズと接触したミサトが
笑いながら言う。
「碇シンジ特務少尉、惣流アスカラングレー特務少尉、綾波レイ特務少尉。」
ピカードが3人に向かって真顔で話しはじめた。
リツコは宿泊施設の監視モニターを凝視していた。
だが、肝心の騒ぎの起きている場所にカメラを近づけると作動不良を起すのだ。
しかも、その騒動の移動とともに監視システムも次々と異常を起しなにも映しださない。
「加持君、今どこ?。」
リツコは、加持に呼びかける。
『もうすぐ、現場だ。』
走りながら答える加持の声に被さるように破壊の音が徐々に大きくなってきていた。
立ち上がると、マヤとともにその場所に向かおうとする。
無論、丸腰で行くわけにはいかない。
が、かといって普通の武器で効果があるとは思えない。
とはいえ、ヘカテの好き勝手にさせておくのも腹が立つ。
手元の武器を取り、外に走りでようとした時ドアが開き数人の人影が駆け込んで来た。
反射的に銃を構えるリツコ。
スタンガンを手にもつマヤ。
駆け込んできた集団と、二人は対峙した。
加持は、自分が向かって行くにつれ破壊の痕跡が大きくなっている事に気づいた。
むしろ、一方的な破壊ではなく完全に戦いの後だ。
加持はそう思いながら走り、また走りながら銃を構えた。
「9ミリが効くとはおもえないがなぁ…。」
苦笑しながら走るその数メートル先に光る何かが現われた。
いつでも撃てるように構えると、柱の影に身を潜める。
それは人の形を取った。
ピカードは3人の顔に困惑の表情を見て取った。
それは予測された反応だが、かまわずに話を続ける。
「このような事態になってしまった以上、話しておかなければなるまい。」
そこで、区切り大きくこれ見よがしに大きく息をすると
「君たちの艦内での行動、生活に関する規則、規制、権限について大きく変更を
加えなければならない。」
その後ろで、ライカーは複雑な表情を浮かべて顎に手をやりラ・フォージュは頬を
少し痙攣させ、そしてデイタはまるで感情のないような顔を浮かべていた。
シンジ、アスカ、レイの3人は顔を見合わせた。
加持はその人影に銃を向けつつ、確認をとる。
NERVで見知った顔ではない。
瞬間、その先に光条が走る。
「加持少佐ですね。」
こちらを向いていた男が声をかけながら近づいてくる。
(少佐?、日本人ではないな。)
銃口を相手に向けたまま、姿を見せると
「アーウィン中尉です、エンタープライズから協力任務の為に派遣されました。」
相手はそう名乗った。
共に現われた他の3人は、前方に向かいフェイザーを照射していた。
ピカードは、顔を見合わせている3人に対して声の調子を変えずに続けた。
「君たちは、現在客室と一部のラウンジ、娯楽施設への立ち入りを許可されている。
だが、特務少尉となった以上それだけではいかんだろう。
よって、ブリッジ、機関室等への入室の制限を解除する。
状況によっては艦内での作戦行動に協力を要請することもありうるだろう。
心しておいて欲しい。」
3人は、今度は驚いて顔を見合わせた。
「デイビス少尉、と言ったわね。
緊急時は私に協力するようにといわれたのね、いったい誰に?。」
リツコは名乗ったリーダー格の女性に聞いた。
「ライカー中佐を通してですが、碇ゲンドウ司令の要望だ、と言う事です。」
淀みなく答えるデイビスの様子とは反対に、その答えを聞いたリツコの方がうろたえた。
(あの人が?、そんなことを?。)
信じられないという気持ちと、少しうれしいような気持ちとが入り交じった感覚に
囚われた。
が、すぐに意識を切り替えると
「判りました、では早速おねがいします。」
と、答え現場に向かおうとした。
「その前に、エンタープライズに連絡を入れます。」
デイビスは、上着の下に隠れた通信記章に手を当てると呼びかけた。
だが、その表情が怪訝な顔つきに変わったのをみてとり加持は
「どうしたんだ?」
と、質問をした。
「エンタープライズと通信できません。」
アーウィンが驚きを隠せずに答える。
「理由は?。」
「判りません、通信波は通っているのですが届いていないようです。」
あきらかに、アーウィンは動揺している。
加持にしてみても、そのような現象に対して心得もあるわけではない。
仕方がなく、二人は他のメンバーと合流した。
渚カヲルはどこかにその身を隠す事に成功しているようだ。
現在は、エンタープライズのクルーとの攻防戦となっている。
おっつけ、NERVの保安要員も追いつくだろう。
ヘカテは、だがフェイザーの攻撃を物ともせずにいる。
ただ、そこにたっているだけだった。
だが、フェイザー銃の放つ位相光線は見えない壁に遮られている。
嘲るように微笑みながら、ヘカテは歩きさろうとしていた。
と、アーウィンの通信記章がなった。
「アーウィンだ。」
答える。
と、同時に気が付いた。
NERV施設内部での通信波は繋がっているようだ。
では、なぜエンタープライズに繋がらないのか?。
当然何かに遮られたり邪魔されているのなら、エンタープライズの方で気づいても
よいはずである。
だが、なにも動きはない。
その考えが彼をさらに動揺させたが今はそれどころではない。
『こちらから、転送で援護にいきます。
相手の進行方向にでるつもりなので、30秒だけ引き付けておいてください。』
「わかった、少尉。」
アーウィン以下エンタープライズのクルーと加持はヘカテに向かって一斉に攻撃を
開始した。
バークレイは、センサーの設置を終え全機能を立ち上げた。
これで、センサー領域であれば惑星上の何処でATフィールドが使われても
また、何処に使徒が現われても探知できるはずである。
理論上は可能だ。
心の中で、力強く頷きブリッジに呼びかける。
「バークレイより、ブリッジ。
センサーの使用は可能です。」
返答とともに、エンタープライズは再び地表へとその眼を開いた。
ピカードのその言葉に最初は戸惑っていた3人であった。
「それって、私たちもここの人たちと同じ扱いってことですか?。」
アスカが最初に答えた。
先ほど、レイに垣間見せた表情とは正反対の力強い表情で答えた。
自然と半歩ほど前にでている。
「そういうことに、なる。」
「当然、士官としての義務と責任を受け持たなければならないんだが。」
ピカードの答えを引き取るようにライカーが続けた。
「その義務と責任を、うけます。」
一瞬の間をおいてアスカが答えた。
「他の二人はどうする?。」
その問いに、二人は頷く。
「うけます。」
同時に、答えた。
アスカは、少し前に感じていた妙な不安感を打ち消すほどに高揚した気分になっていた。
「よろしい、では今後当艦においても一人の士官として扱う。」
ピカードがそう言うと同時に、室内はパーティ会場のように変わった。
「碇少尉、今後のトレーニングは本格的にいくぞ。」
ウォーフが、(クリンゴン人にしては)茶目っ気たっぷりの表情でシンジに言う。
が、なじみの者がみればそうみえるがシンジにはそうは見えない。
が、いかんともしがたいことだろう。
「は、はいっ。」
上ずった声で答える。
「そんなに緊張しなくてもいいぞ、少尉。」
ライカーが、笑いながら声をかける。
ディアナは、そっとピカードに耳打ちをした。
「アスカは少々気持ちが不安定に落ち込んでいたようです。
が、先ほどの、艦長の話のあと、気持ちが高揚しています。」
「悪い兆候か?。」
「わかりません。
ですけど、どちらに転ぶかは、本人と今後の状況次第でしょう。」
ピカードは、少し黙ったあと
「わかった、気をつけてみておいてくれ。」
その一斉射撃も、結局はヘカテに届かなかった。
空間には、揺らめく水のような歪みが出たかと思うとフェイザーも銃弾もその場で力を
失い消散、あるいは床にと落ちていった。
「いったい、どんな仕掛けなんだ?。」
珍しく、加持が苛立たしげに呟く。
ATフィールドでもないその障壁が存在することはこれ以上になく不利だ。
ATフィールドだけでも、持て余し気味だというのに。
そんな悪態を心の内で呟く。
前方に携帯型転送機の弱々しい光が見えた。
だが、ここに人が増えたとしても役に立つのかどうかはその場にいる全員が自信を持つ
事はできなかった。
むしろ、犠牲者がふえるのではないか?、という不安の方が先立っていた。
ブリッジでは、センサーの再稼動により地表面の監視を再開した。
探査状況を表示するモニター画面には第三新東京市が映し出された。
少々雲に覆われている以外なんの問題もなさそうであった。
『バークレイより、ブリッジ、状況は。』
基幹クルーの不在の中、当直の士官はセンサーの表示値を見た。
「異常は無いようです、正常に機能しています。」
顔を上げて報告する。
確かに、正常に機能はしていた。
だが、第三新東京市のセンサー表示値の変化はその後もなにもおきなかった。
他の地域のセンサー表示は、正常な数値変位を記録している。
しかし、第三新東京市の事に関しては全員気にする事もなく勤務を続けていた。
「ふん、こんなことだと思った。」
黒井サトルは、愛用の眼球模型を右手でかちゃかちゃともてあそびながら半壊した
建物の前で、にやっと笑いながら言った。
傍らの助手に目配せするとその中にずかずかと進んでいった。
入り口の張り紙をはがすと無造作にそれを投げ捨てる。
風に舞って、飛んで行く紙の裏側には奇妙な紋様が描かれていた。
「しかしピカード艦長、よく彼ら3人に最終判断をさせましたな。
もし、彼らが」
「断った場合どうするのか?、と言う事ですか?。」
話の輪にもどってきたピカードに語り掛けた冬月の言葉を引き継いでピカードは
「こちらの希望やそちらの希望がどうであれ、最後はあの3人に決断して欲しい。
そう思っただけですよ、冬月副司令。」
ピカードは外交スマイルを浮かべて冬月に答えた。
そこに、転送されたリツコやエンタープライズのスタッフ達をみてもヘカテはにやにやと
した、獲物をなぶるような笑いは止めなかった。
むしろ、ますます嘲るように笑う。
「赤木リツコ、またやられに来たのかい?。」
とリツコを、見下して言う。
がそのとたん、彼女の顔から笑いが消えた。
ふと、遠方を見るように眼を細める。
その隙を逃す加持ではなかった。
アーウィンに目で合図を送ると間髪入れずにヘカテめがけて引き金を引く。
それを合図のように、マヤは隠れていたカヲルを連れて奥にかけて行く。
リツコとデイビス達も同時に攻撃の手を加える。
銃火は中心のヘカテを包んだ。
デイタは、ラ・フォージュと共にレイやアスカ達と話ていた。
「でも、感情チップを切らなければならないなんて。
どうして?。」
先ほどまでの無表情なデイタを見ていたレイは、その質問の答えに新たな疑問を覚え
再びデイタに聞いた。
「まだサプライズパーティになれてないんだよ、な、デイタ。」
ラ・フォージュが代りに答えをいう。
「そんなに慣れてないわけじゃないよ、ジョーディ。」
少々不満気にデイタが答える。
「わかったわかった、ただいつ新しい感情がでてパーティをだいなしにするか心配。
それだけだよな。」
デイタの肩を軽く叩きながら、笑ってラ・フォージュは言うが
「新しい感情?。」
レイには、さらに不思議な事だったようである。
「そうなんだ、感情チップを取り付けてからいままで数え切れない程の感情のパターンを
を経験しましたが、日々新しい経験がおきます。
これはとても、」
「魅力的なんだろ。」
そう言いながらライカーがウォーフとシンジも引き連れてやってきた。
どうやら、デイタとはこのような会話はよくやっている事なのだ、とレイもアスカも
考えた。
「なにが魅力的なんですか?。」
シンジは状況がわからずに聞いた。
「人生日々これ発見、と言う奴さ。」
ライカーがぽんと肩を叩いて、シンジに言った。
意味がとれずにきょとんとした顔のシンジに
「お前にも、すぐわかる。
とくに、つぎからはクリンゴン武術の…」
「ちょっと、クリンゴン武術ってなによ、シンジ。」
ウォーフのその言葉が最後まで終わらない内にアスカが騒ぐ。
「え、いや、そのぉ。」
シンジは相変わらず、口篭もってしまった。
だが、その銃撃を今度は障壁が包む事はなかった。
無論だからといって、ヘカテに大した傷を負わせたわけではないのだが。
(ふ、ぬかったわ。)
「今日はこのへんにしておこう、楽しみはとっておいた方がよいからな。」
そう言うと高らかに笑い、空間の闇に法陣を浮かばせると激しい光とともにその場から
姿をけした。
「ふん、大掛かりなわりには効率の悪い呪法だ。」
その様子をみて黒井サトルは馬鹿にするように言った。
そこには、14、5歳程の少女が魔法陣の中に横たわっていた。
だが、著しく消耗しているその少女はまるでミイラのようであった。
すうっと風が吹き抜ける。
「来たか。」
振り返った背後には、ヘカテが黒い影となって立っていた。
ver.-1.00 1999_06/14公開
ご意見・ご感想・あいだ(not Kensuke)開きすぎとかはウルトラ警備隊極東本部まで!!
また、ずいぶんと間をけたもんねえ。
んん〜、まその間ホームページ開いたりアダルトCDな仕事したりでいろいろとねえ。
ほかにもいろいろあるんだけどさあ、ま、今は金になることなら援助交際でもやりかねん。
馬鹿な事いってないでくださいよ。
そうよ、とうとう魔術合戦のようになってきて。
あんたもホラーな展開にして血まみれの話にするんじゃないでしょうね。
って、そんなこといったってすでに、何度も血ながれてるし。
それに、ガメラも血をながしたんです。
訳のわかんない事いってごまかすな!
あんたもまさか、このまま
魔物が出てきて、アスカさんが魔獣になったりとかシンジ君殺しちゃったりとか?。
そ、そんな事考えてるの!?。
そんなのは、使○圏の奴だけで充分よ!。
だって、続きでないし、結構すきなんだけどなあ、ああいうの。
やややや、やめなさいよね、そんな展開!!。
って、慌てなくてもそんな展開には多分なりませんよ、スタートレックなんだから。
た、多分?
怪しいわねー。
あ、スタートレックでもべつの生物に寄生されたり退化したりってあったな。
そういえば。
ボーグも最近は、ほとんど瞬間変身だしなあ。
おいおい。