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ピカードが作戦室に入ると、すでに21世紀初頭の服装に身を包んだ上陸班のメンバーが

手渡された装備の説明を一通り聞き終えたところだった。

「準備はいいかな?、ナンバーワン。」

ピカードはライカーに声をかけた。

ライカーは、ふりむきながら答えた。

「いつでもどうぞ、艦長。」

ピカードは、いつもの席に着くと全員を軽く見まわした。

 

 

「あ、やだこんなとこに血?。」

女生徒の一人が声をあげる。

「やだ、ほんと。」

他の生徒も自然とそこに目が行く。

「誰か、鼻血でもだしたのかな?。」

量的に少ないため、誰もそれ以上の事を気にするでもなく通り過ぎて行った。

 

 

マヤとリツコは足早に、最下層部に向かって行った。

「先輩、大丈夫なんですか?、私たちだけでここまで来て?。」

不安そうに聞くマヤにリツコは、振り返らずに

「多分ね、今ならヘカテもここには来ていない筈よ。」

と、そう答えた。

「筈って…、もしいたらどうするんですか。」

「その時は、その時よ。」

今回は、一応監視システムも動いている。

それだけが、他の人間にしらせる為の唯一の手段ではあるが。

二人は、最下層部に向かってさらに歩を進めた。

 

 

 

第6章 最後のシ者、最初の試練 PARTU

 

 

エンタープライズから送られた護衛、スァヴァックとタオはとりあえずの危険が去った

と判断をした。

最も、だからといってこの場を離れるわけにはいかない。

「大尉、どうしますか?。」

タオは、スァヴァックに判断を仰いだ。

「そうだな、現状では危険はないだろう。

しかし、このままここから去るというわけにはいかないな。」

スァヴァックも、また判断を保留していた。

消えた反応、ヘカテだが、の動向も気がかりでもあるし、また新たな存在、渚カヲルの

動向も気がかりである。

かといって、このままここにいても埒が開かないで在ろう事は明白である。

 

 

マヤは、リツコの行動が理解できずにいた。

すでに破壊されたダミーシステム。

その、基部から端末などのあらゆるものをチェックしている。

「先輩、こんなことして何になるのでしょうか?。」

マヤはたまりかねて聞いた。

「そうね、そろそろ話してもいいでしょうね。」

リツコは、そう言うとマヤの方に振り返った。

「マヤ、人間の思考、いえ、生物の思考パターンと機械の思考パターンの違いは?。」

唐突に問題をマヤに与えた。

「なんですか?、急に。」

「答えて、マヤ。」

リツコは相変わらずこういう事に容赦ない。

「はい、ええと、複雑さですか?。」

「そうね、35点というところね。」

「たりないのですか?。」

マヤは、困ったように言う。

「ええ、普通の組織内でなら合格。

エンタープライズでは、失格。

ここでは、35点。」

にこやかにリツコは答える。

今迄とくらべて、こういう所が少し違うな、等と関係無いことを考えながら

マヤは、さらなる答えを探した。

 

 

ピカードは、上陸班の顔を一人づつみまわしながら話をはじめた。

「君たちの、上陸任務は前回と違い、この地球の組織ネルフに協力することになる。

もっとも、大半は彼等でことたりるだろう。

だが、我々が元の世界に戻るためにここでなにか行動を起さなければ帰れないらしい。

あるいは、我々が行動したために我々が帰れないか。

多分、両方の要素が絡んでいると思うが。」

あえて、説明をしなくても全員が判っているかもしれない。

タイム・パラドックス。

エンタープライズEはここに現われた時点でタイム・パラドックスに囚われている。

その事に関しては、すでにピカードも含め全員が気づき始めている。

もっとも、そのパラドックスを解く鍵を見つけることはまだできていない。

また、見つけてもそれが自分達の本意にそぐわぬ事になるとしたら。

そうまでして、自分達の世界に戻る意味があるのかと言う疑問もあった。

「それにもまして、新たな事態というのか、ヘカテなる存在もある。

この存在は、おおむねQのような能力をもっていると思われるが、それ以上の

能力を持っている可能性も捨て切れない。」

上陸班の顔に不安の色がよぎる。

このメンバーはほぼ全員がQの直接被害にあった者はいない。

「だが、幸いなことにその存在の狙いはエヴァンゲリオンのパイロットに限定され

とくに、他の存在に重要性を認めていないようだ。

したがって、君たちがその存在に注意するのはパイロット達を護るときだけに

なると思う。」

ピカードは、全員が必要以上の恐怖を持たぬように希望的観測を述べて話を締めくくる

事にした。

「君たち上陸班は、地上ではライカー中佐が指揮をとる。

私も、時々は下に降りることがあるかもしれないが、現場での判断は彼に一任する。」

そう、最後に付け加えると話をおえた。

「君達は、保安部や機関部からこの混成上陸班が組まれて疑問もあったろうが今までの

説明でおおよそ見当がついたと思う。

我々は、最低限の技術サポートと、最大限の護衛行動になると思う。」

ピカードの話のあとに、ライカーが上陸作戦の詳しい説明を行いはじめた。

「エンタープライズが、我々の世界と時代に戻れる時に我々はここに置いてきぼりを

食うことになるかもしれないが、それは覚悟しておいてくれ。」

ライカーは物騒な事を最初に言った。

が、またそれは捨て切れない可能性でもある。

今の所は。

 

 

マヤは、さらに思いつく答えをのべはじめた。

「生物の思考は、データ量が増えて正確にコピーが出来ないとか…。

いえ、そうじゃない、ええと、そう、量子的不確定性!!。」

マヤは、やっともっとも適当と思える語句をみつけた。

最も、急にそんなことを聞かれても普通は思い付くかどうかと言ったものだが。

「よくできました、マヤ。」

リツコはにっこり笑うと、話を続けた。

「MAGIがいかに人格をコピーしたといはいえ、所詮は機械の模倣によるわね。

そこには、ある一定の法則がながれているわ。」

「機械として処置しやすくなっていると言うことですね。」

「そうよ、そしてそれはコンピューター内での処理、演算、記録にも影響しているわ。

そのために、流れるデータにはつねに機械的な単調さが残るの。」

「でも、ヘカテは精神を直接データ内に流し込んでいるから量子パターンはつねに生物

の量子的変動をもっている!!。」

マヤが嬉々として続ける。

「そういうことよ、マヤ。

つまり、ヘカテが侵入してきてもそのパターンを識別する事で他のデータから切り離す

事が可能なのよ。」

リツコはそう言うと、さらにデータを調べ始めた。

「でも、そんな簡単に識別機能を創れるんですか?。」

「判らないわ、でもそれだけじゃ駄目よ。

対ヘカテ用の迎撃システムも創らないとね。」

あっさりとリツコはそう答えた。

 

 

ミサトは、加持をさがしてネルフ内をうろついていた。

別に迷ったわけではなく、本当に加持の所在がつかめなかっただけであった。

「まったくぅ、あの馬鹿、何処にしけこんでるのよ!。」

苛立たしげに独り言をいいながら、いい加減疲れてきたころふと思い出した。

おもむろに、携帯電話を取り出すと時間を確認して短縮ボタンをおした。

「あ、シンジ君、大した事じゃないんだけど、加持のスイカ畑ってどの辺り?。」

 

 

「何だってのよ、ミサトは?。」

休み時間に急に電話がなり、使徒がせめて来たのかと思った3人は電話の内容に

唖然としていた。

アスカが不機嫌そうにシンジに聞いた。

「なんか、加持さんのスイカ畑がどこか、って。」

「スイカ?。」

レイとヒカリが不思議そうに聞いた。

「あ、加持さんスイカそだててるんだ。」

シンジが簡単に説明した。

「なんや、あの人はネルフ内で仕事しとらんのかいな?。」

「なによ、加持さんを馬鹿にすんの!?。」

子供たち6人は、大人達の行動をしらずにひとときの安らぎを久しぶりに感じていた。

 

 

校舎内入りこみ、スァヴァックとタオはもう一つ別の反応があった所を調べていた。

「大尉、これは普通の人間の血液ですよ?。」

「ああ、たしかにそうだ。」

トリコーダーには、2種類の血である事が表示されたがそれは二人の人間の血という事で

別種の生物の血ではなかった。

「中尉、話に聞いた存在は人間以上の力をだしていたが、これで見る限り普通の人間だ。」

タオが頷く。

「そうなると、仮説としていた事が可能かもしれない。」

「そうですね、ライカー中佐に後で話を聞いてみないと。」

タオは、安堵の表情を浮かべてスァヴァックに答えた。

「あなたたち?!、だれ?。」

急に、黄色い叫び声を聞いて二人は顔を見合わせた。

女生徒が一人こちらを指差してさけんでいる。

「まずいな、転送室、建物の外に転送してくれ。」

スァヴァックの指示がでるとすぐに彼等の姿はかき消す様に消えていった。

「き、消えた?、ゆ、ゆうれい?。」

その女生徒は、しばらくそこに立ち尽くしていた。

 

 

ミサトがスイカ畑にいくと、そこには案の定加持がスイカに水をやっていた。

「加持!!。」

その声に振り返った加持は、満面に笑みを浮かべていた。

「よう、葛城、よく分かったな。」

「シンジ君に聞いたのよ!。」

「そうか、口止めすべきだったかな?。」

加持は悪びれもせずに言う。

「そんなこた、どうでもいいのよ、すぐにあたしと一緒にきてもらうわ!。」

ミサトの様子をみて、加持もなにか会ったことに気づいた。

「どうしたんだ?。」

「ヘカテが、シンジ君たちの側に現われたかもしれないのよ。

一人じゃ危険でしょ?。」

「かといって、他の奴にはまだしられたくないと。」

「だから、あんたが一緒にくんのよ。」

「へいへい。」

加持はそう言うとじょうろをそこに置きミサトのあとについて行く。

「シンジ君、アスカちゃんがこうならないように気をつけろ。」

小さく呟いたが、聞こえていたようだった。

そこらの小石が数個蹴り飛ばされてきていた。

 

 

「スァヴァックより、エンタープライズ。」

「こちら、エンタープライズ。」

端からみると、まるで怪しげな宗教団体の信者が携帯電話をしているように

見えなくもない状況でスァヴァックはエンタープライズに連絡をとった。

「こちらは、エンタープライズ。

なにかおきたのか?、大尉。」

エンタープライズから帰ってきた声は、デイタの声であった。

どうやら、艦長もライカー副長もそこにいないらしい。

「ライカー副長につないでいただきたいのですが?。」

「緊急の用件なのか?、大尉。」

「そうです。」

「判った、すぐにつなぐ。」

デイタは、手早くライカーへとつないだ。

 

 

「どうしたんだ?、大尉」

ライカーは、先に降りた二人から緊急通信に驚きながら返答をした。

「実は、中佐が以前にQの力を分け与えられたことがあると記録されており、

その件について確認を取りたいことができました。」

ライカーは、エンタープライズDに配属されたばかりの頃に事件であったので

言われるまで忘れていた。

「その件と、今回のケースでなにか共通点がみつかたのか?。」

当時のことを思い出しながらライカーは聞いた。

「まだ、判りませんが可能性はあるかと思います。」

少しの間、ライカーはその答えを聞いて黙って考えていた。

「私は、この後上陸班とともに現地時間13:00時にネルフ本部へと降下する予定だ。

それからでは、遅いのか?、大尉。」

「いえ、まだ当分は大丈夫だと思います。」

「判った、それでは現地で会おう。」

そういうと、通信を切った。

「あの二人はなにか糸口を見つけたようだな。」

ピカードがライカーに、というよりはこの場にいる全員に向かって語り掛けた。

「そうだといいんですが。」

ライカーは、少し不安げに答えた。

「わかっている、ナンバーワン。

確実な、手がかりであることを願うよ。」

 

 

リツコは、破壊され尽くしたその部屋の中からなんとかヘカテの足跡とも言うべき痕跡を

見つけようとしていた。

だが、このありさまでは探す以前に組み立て直さなければならないだろう。

だが、ここで諦めるわけにはいかないのだ。

まだ、行っていないこと見落としてることを考えながら入念にチェックを入れていく。

マヤもまた、リツコについて行動をおこしていた。

 

 

 

 

昼休み。

彼ら6人は、昼食のためにそれぞれの場所に赴こうとしたとき、隣のクラスから

きた生徒の声が聞こえた。

「なんか、昼間からゆうれいがでたらしいのよ!。」

「ええ?、誰がみたの?。」

「1年の娘らしいんだけど、黒いマント着たゆうれいだって。」

別に他愛も無い話だと、ヒカリ達は思った。

だが、シンジ達は次のせりふで他愛のない話だとは思えなくなった。

「急に、消えていったんだってぇ、光線みたいになって。」

他の人たちは判らないだろうがシンジ、アスカ、レイの3人には思い当たる物がある。

転送ビーム。

エンタープライズから、誰かがここに来ている。

「なにか、あったのかな?。」

シンジがアスカとレイに問い掛ける。

「さあ、でも朝からなんかぴりぴりした感じがするわ。」

レイが、首をかしげながら答える。

「レイ、あんたも?。

あたしもなんか、こう、変な気分なのよね。

シンジ、あんたはどうなの?。」

アスカがシンジに聞き返す。

「え、僕は特に変な感じはしなけど、なんか寒気みたいのを感じるときはあるかな。」

3人が小声で話しているのをみて、ヒカリ達が怪訝に思って近寄ってきた。

「なんや、せんせ達心あたりでもあるんかいな?。」

トウジが話の口火を切った。

「ああ?!、す、少しね?。」

少々上ずった声で3人が同時に答える。

 

 

 

結局、リツコは幾つかのデータ・ディスクと端末を見つけそれを回収することにした。

これが、なにかの答えになるのかどうかは判らないがそれでも調べてみる価値はあるの

だろう。

 

 

 

スァヴァックは、タオのほうに向き

「もう一度、人がいなくなってから先ほどの階段の先を調べてみたいと思うのだが。」

確認の意味もあって、彼はそう聞いたが

「え?、階段ですか。

そのようなものは、無かったかと思いますが?。」

タオも内心階段をみたような気がしていたが、どうもさだかではない。

スァヴァックも、その答えを聞きあることに気が附いた。

朝から、誰一人としてあの階段を下ったものはいなかった。

そんな事は論理的にありえない。

スァヴァックがそう考えていたとき、かなたからかなり大きな爆音が響いてきていた。

 

 

 

それは、無骨な姿に似合わぬ猛スピードでこの中学校を目指していた。

 


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ver.-1.00 1998+05/07公開
ご意見・ご感想・辞世の句とかは ウルトラ警備隊本部まで!!


うう、肩が重い、ちゅうーの、だっちゅーの。

ばす!

痛いじゃないですか、アスカさん。(さとーあいこにあらず)

うるさい、肩が凝ってるならおとなしくしてなさい。

パイレーツのまねなんかしてないで!!、気持ち悪い!!!。

うう、不機嫌ですね、まさかあのひ…。

ごき、ばき、どか、

ふざけてんじゃないわよ(赤面)、私たちの出番へってるじゃない!!。

そうですよ、なんかカヲル君もでてから録にしゃべってないでしょう?。

いいんですか、SOUさん。

ああ、いいんじゃないのぉ。

よくないわ。

あうあう、レイさんまでーーー。

情けないわ、頼りないわ、泣き言ばっかだわ少しは男としての価値観をもったらどーなの!。

なんだってそんな発言を急に?。(ここの話だとシンジ君すこしだけ強いからかなー?。)

いいでしょう、お応えしましょう。

男の価値とは!!!!。

うんうんうん

げぼく。

俺は、かっこいくて、美人で、頭が切れて、強くて気の強いナイスバディで以下略な女の

人の下僕になるのだ!!。

わ、わざわざなんで?。

ふ、下僕っつったら、ご主人さまの命令を確実にこなす最高の人材よ。ふ。

なーら、あたしの言うこと聞くのよね(にやーーーっ)。

やだ、ないすばでぃじゃないもん。

がすっ

ふん、いくわよ二人とも!。




 SOUさんの『FIRST CONTACT』第6章PartU、公開です。




 アスカシンジレイの出番が少ない (;;)

 でもでも、リツコさんが格好良いのまんぞく〜♪



 冷静・冷徹。
 クールなイメージの彼女ですが、

 ニコッと笑ったりして・・・・


 クラクラ(*^^*)


 うむむ。
 最近好みのキャラが揺れているな


 でもでも、一番はやっぱり、ね。



 でもでもなのれす。




 さあ、訪問者の皆さん。
 私を揺すぶるSOUさんに感想メールを送りましょう!



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