三人は、司令執務室前のドアで顔をあわせた。
「よう、りっちゃんもう大丈夫なのか?。」
開口一番、加持はリツコへの気遣いをみせた。
「ええ、なんとかね。
あなたも、生き返ったばかりでもういいの?。」
「この馬鹿は、死んでても生きててもかわんないわよ!。」
ミサトは苦々しげに、楽しそうに笑って言った。
「あら、ミサト、そんなこと言っていいの?。」
切羽詰まっていた、ミサトを間接的にでも知っているリツコは少しからかって返す。
「う、か、かまわないのよ、今は。」
バツがわるそうに、リツコの方を軽く睨んで呟くミサト。
「いや、ご婦人方二人にはとかく心労をおかけしたようで申し訳ない。」
加持は、おどけて言う。
「そう、思ったら少しは私たちを信じてほしいわねぇ。」
「葛城が昼間から飲まなくなったらな。」
「ミサト、太るわよ。」
「う、うるさい、行くわよ。」
そして、三人は肩を並べて司令執務室に入っていった。
「大尉、この数値は普通の地球人の数値ではないですよ。」
「そうだが、まだ敵と決まったわけではないだろう、中尉。」
そういうスァヴァックも、その数値がレイに近い事で困惑していた。
もし、味方であればレイと同様に創られた存在である。
だが、レイの予備の体を奪った者ならまた同じ数値がでるだろう。
「中尉、フェイザーを麻痺にして様子を見よう。」
二人は警戒を怠る事なく、彼等を見ていた。
「今月末日をもって、作戦部、技術部、情報部を解散。
各部署責任者は、その任を同時に解任する。」
ゲンドウは、顔を隠すポーズのまま三人に告げた。
「翌月1日をもって、葛城ミサト三佐は戦略作戦指揮部部長の任についてもらう。
同じく、赤木リツコ博士は戦技戦略技術開発部部長としての任についてもらう。
加持リョウジ、君は三佐として戦略作戦指揮部副部長としての任につくと同時に
統合保安情報部部長の任についてもらう。
同部副部長には、葛城ミサト三佐に兼任してもらう。」
黙って聞いている三人に、ゲンドウはその命令を伝えた。
「なにもなければ、各自任務に戻れ。」
愛想なくゲンドウは、一言最後に付け加えた。
ミサト、加持に続いてリツコが出ようとしたときゲンドウがおもむろに口を開いた。
「赤木博士、無事でなによりだった。」
「ありがとうございます、司令。」
一言、言葉を返すとリツコは、外に出ていった。
シンジは、それでも警戒の色を消さなかった。
これまで、2度も彼等は浚われかけた。
それを考えると無理も無いことだろう。
「そんなに警戒しなくていいよ、碇シンジ君、惣流・アスカ・ラングレー・君、
綾波レイ君。」
そう言いながら、その少年、渚カヲルは無防備な笑顔を見せた。
「なんで、僕たちの名前をしっているの?。」
「失礼ながら、君たちはもう少し自分たちの立場と言うものを理解した方が
いいと、思うよ。」
「どういう事さ。」
虚をつかれたような顔をしてシンジは聞いた。
「当然さ、君たちは有名人だからね。」
シンジはその言葉に、一瞬警戒の色を強くする。
カヲルは、また人を困惑させるような微笑みを浮かべていた。
「君の心は鋼のように純粋だね、碇シンジ君。
それでも、なお、好意にあたいするよ。」
「え?。」
「つまり、好きだってことさ。」
ピカードは、バークレイのその発言にしばし言葉を失っていた。
「なぜ、地上に降りたいのかね?。」
ここに来てから驚くことばかりだな、と思いながら聞いた。
「そ、それは、私なら地上の方達の力になれるかと思いまして。」
地上の方達ではなく、赤木博士の力にだろう、と心のなかで再度呟く。
すでに、ピカードの耳にもライカーを通じてリツコとバークレイのデートの件は
伝わっている。
「大尉、すでに上陸班のメンバーは決まっているし、第一君にはまだ艦内で行う作業が
残っているはずだと思ったが、違うかね?。」
ピカードは、バークレイの要請に答えてやりたいと思う反面それに答えてやれない現状を
照らし合わせて、事務的に切り出した。
「確かに、そうですが、艦長…。」
なおも食い下がるバークレイに、ピカードは
「君が、その作業を終了してくれなければ我々は彼等ネルフの人たちに力を貸すことが
できなくなる。
まず、艦内の作業を終える事が地上の人達の力になる事の第一歩だと思うのだが?。」
そう、バークレイに言った。
バークレイも、そう言われては引き下がるしかなかった。
「判りました、艦長、失礼します。」
そう言うとバークレイは艦長控え室から出て行こうとした。
「大尉、艦内の作業が終了したらすぐ報告したまえ。」
ピカードは、そう声をかけた。
「判りました、艦長。」
バークレイはうってかわって明るい声で答えた。
「恋は盲目か…。」
ピカードはバークレイが出て扉がしまると笑いながら小さく呟いた。
リツコは、司令執務室をでると早速MAGIのモニタをしているマヤの所ヘ向かった。
途中で、驚いた顔の職員に出会ったが特に声をかけてくる者はいなかった。
もっとも前日までの赤木リツコとどこか違ってると皆が感じてはいるようだが。
「マヤ、調子はどう?。」
リツコは、扉を開けるとマヤに向かって声をかける。
「せんぱい!!、もういいんですか??。」
うわの空で作業を行っていたマヤは、びっくりした顔で振り返った。
「マヤ、その様子だともう一度最初からチェックのやり直しかしら?。」
からかうよにリツコが言うと
「そんな、先輩…。」
とはいえ、自信はない。
「じゃあ、最初からチェックを…。」
そう言ってモニタに軽く目を通した時、再びノイズがモニタを一瞬かすめた。
「先輩?、どうしたんですか?。」
そのノイズを睨み付けるように見ていたリツコにマヤは恐る恐る声をかけた。
「なんでもないわ、マヤ。」
カスパーの様子をあらわすモニタを睨みながらリツコは答えた。
シンジは、その突拍子もない言葉に面食らっていた。
が、アスカもレイも同様のようであった。
「あ、その、どうも、えっと…。」
どう言っていいものかシンジはしどろもどろになっていた。
「カヲルでいいよ、碇シンジ君。」
「そ、そう、じゃあ、僕の事もシンジでいいよ。」
「じゃあ、あとの二人はどう呼べばいいのかな?。」
呆気にとられていた、二人に向かってカヲルは聞いた。
「す、好きに呼べばいいじゃない?。」
アスカがどう答えていいのか判らないというようなアクセントで答える。
レイは、ほんとうにどうこたえたものか判らずに黙っていた。
「じゃあ、二人はとりあえず名字で呼ばせてもらうよ、惣流さん、綾波さん。」
こうして、4人は奇妙な雰囲気をかもしだしつつ学校に向かって行った。
「大尉、とりあえず危険な存在ではないようですね?。」
タオは、スァヴァックに確認するように聞いた。
「いや、少し奇妙な感情がうごいているように見える。」
感情を否定し、表に出さないヴァルカン人の目にはなにか不自然な感情の動きが
感じられるようであった。
ヘカテは、再びかりそめの体に戻っていた。
起き上がると、階段を登り校舎のなかにでた。
その目に正門から入ってくる4人の姿を見とめた時、彼女は顔に邪悪な微笑みを浮かべた。
「あれが、フィフスか。
人間は、私のためにいろいろ創ってくれる。」
狂笑をあげながら、さらに進もうとした時ヘカテの目前数メートル先の廊下にミサが
立っていた。
「マヤ、今のノイズのまえにも一回でてるわね?。」
「あ、はい、たしかに。」
その答えを聞くと、リツコはにやっと笑って
「ヘカテ、あなた割と間抜けね。」
と一言言う。
「ヘカテ?。」
マヤは、リツコに聞き返した。
ヘカテとミサは、廊下で睨み合っていた。
「ミサ、私がここにいるとよく分かったね。」
その妖眼で見下すように見ながら言う。
「あんな、下品な笑いで気づかないとでも思ったの?。」
憐れむような目で答えるミサ。
シンジ達が教室に入ると、ヒカリとトウジとケンスケ達が集まってきた。
三人ともよくあることなので、昨日の欠席理由は聞かない。
「三人とも今迄と雰囲気が違うけどなにかあったの?。」
そういう事に目ざといヒカリが、最初に質問をした。
ピカードのもとにライカーからの報告が入った。
それは、上陸班の準備が整ったとの報告であった。
「判った、ナンバーワン。」
簡潔に答えると、ピカードは上陸班の集合している作戦室に向かった。
「大尉、この表示ではこの建物内に綾波レイと同様の能力を持つ者が他にも1名います。」
タオは、トリコーダーの表示値をみて叫んだ。
「落ち着きたまえ、中尉、まだ騒ぎが起きていない。」
スァヴァックは、彼等の居る2ヶ所の教室以外の反応場所に目を凝らしながら落ち着いた
調子で答える。
リツコは、マヤを伴ってミサトの居る作戦部長室に向かって行った。
「ミサト!、シンジ君たちの様子はどうなの?。」
ドアが開くと同時にミサトに向かって叫ぶ。
「今は、大丈夫よ。
それに、エンタープライズも護衛を付けてくれているみたいだしね。」
机に向かい、書類の整理をしていたミサトは、顔をあげて答える。
「そうなの?、なら大丈夫だと思うけれど。」
「どうしたの?。」
ミサトはリツコの様子に、いぶかしんで聞く。
「ヘカテがまた、少しの間カスパーに戻っていたみたいなのよ。」
その答えを危機、険しい顔をするミサト。
「なんで判ったの?。」
「まだ確信は持てないわ、でも普通はアクセスされない所からアクセスされていた
ようなのよ。」
「ようとは、またたよりないわね。」
ミサトは不安げに聞いた。
「まだ、確実にヘカテと見分ける手段はないわ、でも今迄アクセスされるはずの無い所
からのアクセスよ、疑ってしかるべきね。」
「どこよ?。」
「第壱中学校、地下室よ。」
そう答えるとリツコは、部屋をでていこうとしたが立ち止まってから聞いた。
「エンタープライズの護衛って、連絡でもあったの?。」
振り向いて聞く。
「ちがうわ、報告で奇妙な2人組を確認したと言ってきたのよ。」
「ふうん、ヘカテに対する威嚇行動ね。」
「そう思うわ。」
そうでなければ、間抜けな護衛だわ。
ミサトもリツコもその言葉を表にはださない。
「ミサ、もうお前に邪魔はさせないよ。」
ヘカテはそう言うと足元の床に魔法陣を現出させた。
「私が、いないときも手を出せなかったじゃないか、ヘカテ。」
ミサは、スカートの中から短剣をだし一振りさせると短剣の刀身が伸びる。
「そんなことはないさ、いつでもてを出せるさ!。」
そう言うと、魔法陣のなかに溶け込むように消えはじめた。
「手を出せなかった癖によく言うわ。」
ミサは、魔法陣の中心に刀を突き立てる。
叫び声とともに魔法陣は消えて行く。
だが、ヘカテを倒したわけではない。
ミサもまた、腹部を切り裂かれていた。
「えー、天谷は朝から行方がわからないようだ。
誰か、もし見かけたら連絡してくれ、警察にも捜索願いはだしてあります。」
ホームルームがほぼ同時に終了していた。
だが、シンジ達はそんなことが起きているとは気づいていない。
ただ、妙にぴりぴりするような感覚を味わっていた。
「反応が一人消えたな、中尉。」
スァヴァックは、タオに確認するかのように言った。
彼等の存在は、微弱ながら護衛として役には立っているようであった。
だが、いつまで持つかはわからない。
と、ゆうえわけでファーストコンタクトの本編久々更新でございます。
ずいぶん間があいたわねぇ?、何やってたのよ。
あう、ミサさんこんなとこまででてきてまた、魔術合戦でもやるつもり
ですか?、
ここまで来てそんなことしないわよ。
それよりも何だってこんなに時間がかかったの?。
いや、何度も何処でも言ってるじゃないですか、量子魚雷の仕切り直し
だって。
ふーん、4月5日に伊豆近辺を徘徊してたわよね。
あ、あれは、あ、そう!、ロケハンですよ、ロケハン。
戦略自衛隊が、ネルフを責める時にほらどうするかなーって。
あなた、うろたえてるわね、責めるってなってるわよ、攻めるでしょ。
うう、すいません、花見でバイクでした。
まあ、いいわ、最近血がすきね。
いや、だってこれからねえ、あーなるし、こーなるし。
ねえ?。
なにが、ねえよ、少しはしっかりしなさいよ、31歳でしょ。
いやー、そうなんですよね。
あれ?。
なに?。
ラブアンドピースってのの明日香ってまんまアスカさんですね。
(しばし、ビデオを見る、なぜにというに、野波麻帆がでてる)
そうね、なんかよく似た性格設定ね。
なんで、綾波さんなキャラクタってテレビに少ないんですかね。
あら?。
なんですか?。
このテロメアって…。
うっ。
(しばし、テレビをみる。)
なんか、アスカさんと綾波さんなキャラクタですね。
そうね…。
(ふ、へっぽこ魔女め、うまくごまかせたぜ。)←妙に最近生意気
べれすといあ(ぼそっ)
ぐはあっ。