エンタープライズに着いてから割り当てられた船室は、客室と言う事もあるがそれでも
3人の予想を遥かに越えた豪華さであった。
「いかがですか?。」
声の出ない三人に案内してきたデイタは心配になって声をかけた。
「3人でここに?。」
シンジがかろうじて聞いた。
「いえ、一人部屋ですよ、なんでしたら3人部屋になさいますか。」
デイタは気を利かせていったのだが、シンジは照れながら言った。
「いえ、これでいいです。」
「そうですか、部屋はここと、この左右の部屋を使ってください。
食事はレプリケーターでも、自分で調理する事もできます。」
各人各様にデイタに礼の言葉を述べると、部屋の割り当てにうつった。
が、割とあっさりと決まった。
シンジを中央におき、右をアスカ、左をレイである。
もっとも、シンジが三人部屋を希望したらしたでもう少し波乱があっただろう。
加持は、ミサトにさらにデータディスクを渡してその日は帰っていった。
「加持、今度は本当にあの子達の為にうごくのね?。」
ミサトは、未だ加持の真意をはかりかねていた。
信じていたいが、裏切るような事があれば今度は自分の手で殺す事にするだろう。
「葛城、信じられないだろうが、今度は大丈夫だ。」
そう言うと、ミサトの額に軽く口付けをして夜の闇に消えていった。
リツコは、結局徹夜をするのをあきらめた。
どうあがいても、見つけられないのだ。
「絶対あの宇宙船は、敵ではありません!。」
マヤはそう言って出ていってから戻ってこない。
「そういうものを信じていたいのはわかるけどね。」
でも信じるには、自分は汚れてしまっているわ。
そう感じながら、端末の電源を落として帰路についた。
翌日、シンジはいつもと同じ時間に目覚めた。
とはいえ、エンタープライズ内の時間はすでに10時近い時間ではあったのだが。
普段とは違う光景に一瞬戸惑いを覚えはしたが、自分達が今いる場所を思い出した。
普段の自分の部屋に比べたら遥かに広い部屋に、やはり嬉しさは隠せない。
自然と、気持ちにゆとりが生まれてくる。
やはり広いバスルームで顔を洗うと、着替えてからすぐにアスカを起こしに行こうとした。
アスカの部屋に入ろうとして、気づいたのだがドアが開かない。
「困ったなぁ。」
アスカは別に低血圧でもないのだろうが、朝は弱い。
起こさなければ、きっといつまでも寝ているだろう。
しかたなく、コンピューターを呼び出してアスカの部屋の端末から起こすことにした。
だが、その程度では起きないだろう。
そう、思ったシンジの予想に反してアスカは以外に早く起きてきた。
が、少し眠そうである。
「アスカ、眠れなかったの?。」
「別にそういう事はなかったわよ。」
そっけなく答えるが、実は夜中に悪夢にうなされてなんどか目を覚ましてしまったのだ。
ビバリーの使った薬により残留薬物と暗示の効果が薄れてきた為に起きる一時的な事で
隠されていた物や抑えつけられていた物が一気に現れたから回復の兆しともいえる事で
あるので、ディアナに言わせれば良い兆候だろう。
「そう?、ならいいんだけど。」
シンジ達は次にレイを起こしにいった。
レイは、しっかりと起きて着替えも終えていた。
「おはよう。」
挨拶をすますと、三人はシンジの船室で食事をとった。
「ねえ、シンジ、船室やっぱ三人用に変えない?。」
「え、どうして。」
「だ、だって、ほら、朝とか起きるのが気になってよく眠れないじゃない。」
とても、悪夢が恐いからとはいえない。
「ね、ファーストだってそう思うでしょう?。」
「私は、別にかまわないわ。」
「じゃ、きまりね!。」
ゲンドウと冬月は朝になってもパイロット発見の報が入ってない事に苛立ちを募らせて
いた。
が、なにができるでもなくただじっと待つしかできなかった。
「ミサト、シンジくんたちは見つかったの?。」
珍しく、定時よりもはるかに早い時刻にネルフ本部内にいるミサトを見つけてリツコは
声をかけた。
「いえ、まだよ。」
一瞬、本当のことを話そうかとも思ったが隠し通す事にした。
二人は歩きながらも黙って相手の様子を伺う事しかしなかった。
ピカードは、ネルフに接触する手段を考えていた。
やはり、ネルフの司令である碇ゲンドウには接触しておいた方が良いだろう。
だとすれば、行動は早いほうがいい。
艦長室からでると、すぐにライカーにたずねた。
「ナンバーワン、子供達の様子はどうだ?。」
「コンピューターによれば起きていますね。
今は、シンジ君の船室に全員集まっている様です。」
「そうか、では一緒にきてくれ。」
ピカードは、ライカーとともにシンジ達の船室に向かいはじめたが
ふと、思い出して
「おっと、ジョーディにも来てくれるように行ってくれ。
改良した彼らのコミュニケータ、何といったかな、そうだ、携帯電話を渡さなければ
ならないからな。」
こうして、機関部からラ・フォージュを加えた3人はシンジ達に会いに向かった。
結局、リツコはその後ミサトと話すことなく自分のラボにはいった。
入ろうとして、立ち止まりミサトを見た。
「な、なによ?。」
しばらく、黙ってみていたが軽く頭をふると
「あなた、なんか加持君に似てきたわよ。」
そう言って、自分のラボに入っていった。
後に、残されたミサトはキツネにつままれたような顔をしてそのドアを見ていたが
目的を思い出し、再びあるきだした。
「どうぞ!。」
シンジは突然の呼出しアラームに思わず大きな声で答えてしまった。
「おはよう、諸君、よく眠れたかね。」
そう、元気よく入ってきたピカードは三人を見回した。
「シンジ君もなかなかやるな。」
顔中に笑いを浮かべ顎の髭をなでながらライカーが言う。
シンジは意味がよく理解が出来なかったのか、あいまいに返事を返した。
これは、この子に惚れた女の子は苦労するぞ。
ピカードは、その様子を見て苦笑した。
「では、話をはじめようか。」
ピカードは、三人の向かいのソファにライカー達と共に座った。
ラ・フォージュはまず三人に各々の携帯電話をわたした。
「なにか、変わってるの?。」
アスカの質問に、ラ・フォージュは得意げに説明を始めた。
「見た目は、以前の携帯電話のままです。
ですが、中身はすごいですよ。」
そして、シンジの携帯電話を借りると機能の説明を始めた。
「まず、バッテリーはこちらのフェイザーの物をつかっています。
しかも、通信機能が主体だからおよそ5年の寿命がもちます。」
その他、電波到達範囲の拡大、緊急用の個人用シールド発生器などこの小さい機械の中に
詰め込んだのだった。
「それで、NCC1701Eと打ち込めばこのエンタープライズに直接つながるんだ。」
こうして、ラ・フォージュの熱心な説明が終わると三人は改めて自分の携帯をしげしげと
みつめた。
「これって、どこに居てもエンタープライズの中に、戻れるんですか?。」
シンジの質問にラ・フォージュは
「基本的にすぐ転送できるよ、ただ。」
「ただ?。」
三人が声をそろえて聞く。
「こちらが、戦闘態勢に入って防御スクリーンをはった時、特定の岩盤の下とか
ある種の金属だと無理な時もあるかな。」
ラ・フォージュはにこにこしながら説明をおえた。
ピカードは、シンジ達に話し掛けた。
「私は君達の司令である碇ゲンドウ氏にあってみようと思う。」
その言葉にシンジが一番驚いた。
なぜ、彼に会わねばならいのかシンジにはわからない。
「なぜ、あんな奴に!。」
シンジは思わず怒鳴った。
なぜか、裏切られたような気がしたのだ。
「だが、ここで一番権力を持っているのは彼だろう?。」
ピカードはシンジのその気持ちに気づきはしたが、有無を言わせぬ口調でシンジを制した。
シンジは、不承不承再び席についた。
ピカードはシンジが落ち着いたところで話を続けた。
「いいかね、君たちをもっとも必要としている人間は確実に碇ゲンドウ氏だろうと、私は
見ている。
そして、同時に最も権力を持っている者達の一人でもあるのだろう。」
ピカードは、一つ息をつくとさらに話を続けた。
「この世界で君たちを助けようとしたら、力のある大人を幾人かこちら側に付けておく
必要がある。
もしも、私たちが手を貸せないときに君達のことを守る事ができる存在の必要がある。」
ピカードにしてみればもしも自分達が、手を貸せない時の事を考えて彼らの守りのことを
考えての苦肉の作ではあったが贅沢は言えない。
「君たちの事を裏切ったり、傷つけたりするつもりは毛頭ない。
むしろ、君たちを傷つけないようにするために必要なことなのだよ。」
ピカードは優しく諭すように三人に話しをした。
「あいつら、今日くるんかいのう?。」
トウジは家に迎えにきたヒカリに聞いた。
別にヒカリが知っているとは思っていない。
「大丈夫よ、絶対、三人ともくるわよ。」
最も、ヒカリにも自信はない。
アスカは、ピカードがゲンドウに会うことに対して危惧は感じなかった。
「でも、どうしても司令でなければならないの?。」
しかし、彼女にとって見ればゲンドウはあっさりと自分を、それとトウジを見捨てた
人間である。
見ず知らずの自分達を助けるために危険をおかしたピカード達に対してどういう態度を
とるか理解できなかったし、また、ピカード達が心配でもあった。
「アスカくん、君の心配も最もだと思うが君達はネルフと言う組織の人間でもあるのだ。
その組織のトップに許可を得ておく必要もあるのではないかな?。」
ピカードはアスカの考えを察してか、悪戯っぽく微笑みながら答えた。
「大丈夫、君たちが思うほど艦長は正直でもないからな。」
ライカーがさらに続ける。
そのライカーの発言を聞き思わず笑い出す三人。
「では、君たちが本部に居る時を見計らって、私たちもお邪魔することにしよう。」
ピカードは、三人が納得したところで話をおえた。
ピカード達が出ていってからシンジ達は学校へと向かった。
転送により登校するため、その気になれば始業と同時に教室に現れる事も可能だが
そんなことをまだやるわけにはいかない。
「まって!。」
いざ、転送降下しようという段になって、ビバリーが入ってきた。
手には、ギプスを持っている。
「それ、どうすんの?。」
アスカの問いに
「少しの間治ってる事、隠しておいた方がいいでしょう?。」
と答えながら、アスカの足に擬似ギプスをつけた。
そして、後からついてきていたヴァルカン人ドクターから松葉杖を受け取りアスカに
渡した。
「この、松葉杖には簡易タイプのフェイザーが仕込んであるの。
もし、なにかあったらこれで相手を撃って。」
「こ、殺しちゃうんですか?。」
「だいじょうぶ、麻痺にしかなってないし、それ以上にも出来ないから。
あなた達に人殺しはさせないわ。」
それを、聞いてシンジは安心した。
「じゃ、いってらっしゃい。」
ビバリーの声とともに三人は第壱中学校にむかって転送された。
そのころ、ゲンドウは漆黒の部屋でモノリス達の相手をしていた。
だが、腹の探り合いも埒があかない。
「碇、ではパイロット達は無事だと言い張るのだな。」
「そうですよ、議長。」
「だが、昨夜よりネルフ内でパイロットの捜索が行われているのではないのかね?。」
他のモノリスの問いに隠した口元を歪める様に笑い、
「その様なことなぜおっしゃるのです?。」
慇懃無礼に答えた。
「まるで、あなたが攫ったような言い方ですな。」
とさらに続けた。
「なんだと!。」
いきり立つそのモノリスを01とナンバーのかかれたモノリスが制する。
「まぁ、よい。
だが、碇、我々の計画に一切の遅れも変更も、もはや認められぬ。
判っているな?。」
威圧的に話すそのモノリスにあくまでゲンドウは感情を感じさせないような声で
「判っております。」
とだけ、答えた。
そして、漆黒の部屋にはゲンドウだけがのこった。
「老人たちめ、苛立ってきたな。」
ゼーレに囚われたのであればまだ、奪い返すチャンスはある。
日本政府には、パイロットに手も足もだせないだろう。
だが、もし上空の宇宙船が攫ったのであればもはや手は出せない。
細くて冷たい管の中、ミサトはMAGIに対するクラッキングの準備を進めていた。
いくつかのケーブル、そしてノートタイプのPC。
「こんなものでMAGIにクラックかまそうってんだから。」
なかば、自嘲的な声でつぶやく。
もし、加持のくれたカプセルの情報がなければこんなことできはしなかっただろう。
この、滅多にひとのこないところだからこそこんな準備ができるのだ。
「さて、そろそろ戻らないとまずいわね。」
ミサトはパネルの裏に機材を隠すと周囲を警戒しつつそとにでた。
少し冷えた体をどこかで休めて暖めたかった。
だが、他人の目につかずにそんなことのできる所など、ネルフでは見つからないだろう。
シンジ達3人は、学校の人目につかない校舎の裏側に実体化した。
とりあえず、周囲を伺う。
だが、転送するときに人の反応のない所を選んだのだ。
「だけど、動物小屋の裏に出てくるなんて、かっこわるいぃ。」
アスカは半泣きのような声を出していったが、顔は笑っていた。
「さ、行きましょう。」
レイは二人を促して歩いていった。
玄関で驚いたのは、昨日のアスカを見ていた人達であった。
車椅子から一昼夜で松葉杖の生活に早変わりは、いくらネルフの関係者でもありえない
だろう。
クラスに向かう途中でも、やはり全員が振り返る。
「ねえ、アスカ。」
小声でささやくシンジにつられてアスカも小声で返してしまった。
「なによ?、シンジ。」
「みんな見てるよ、まだ今日位は車椅子の方がよかったんじゃないかな。」
「大丈夫よ、シンジ。
ネルフの関係者だから、少し位のことはみんな納得するわよ。」
「いくらなんでも無理ね。」
レイがあっさり否定した。
「なんでよ?、ファースト。」
「私だって、しばらくは休んでたりしたのよ。
怪しすぎよ、あなた。」
「う、そうかしら?。」
少し自信のなくなったアスカであった。
「思ったより大した事なくて済んだ事にしとけばいいんじゃ。」
「じゃ、あたしがバカみたいじゃない。」
「肋骨は骨折ではなくて、ヒビがはいっただけにしとけばいいのよ。」
なにか、三人がこそこそと話しながら歩いて行く姿に昨日の事件を知る者はまたなにか
あったのかと、想像をたくましくしている。
もっとも、ケンスケから写真を買った女生徒の想像は別の意味でたくましかった。
「なんですって?。」
「パイロット3名、学校に登校しました。」
リツコに聞き返され当直のオペレーターは同じ言葉を繰り返す。
「それで、誰も道では見ていないのね?。」
「そうです、突如学校に現れたとしか…。」
最後の声は消え入りそうであった。
リツコは黙って考えると、発令所をあとにした。
ミサトにどうしても問いたださないと。
作戦部長室にミサトはいた。
珍しく、紅茶をのんでいる。
「あら、珍しいわね、ダージリン?。」
「さあね、ティーバッグだもん。」
「アスカやシンジくん達と住んでるんだからちゃんとした紅茶の作り方ぐらい
教わりなさい。」
そういいながら、ミサトの机の前に椅子を持ってきてすわる。
長期戦の構えね。
ミサトは直感的にわかった。
「何の用?、私に紅茶の説教をしに来た訳じゃないんでしょう。」
しばらく、黙ってミサトを見つめてから話し出した。
「パイロットが見つかったわ、ミサト。」
「よかったじゃない、どうやって見つけたの赤木博士。」
あくまで気楽さを装うつもりだったが、最後の方に警戒の色がでてしまった。
「学校に彼らから来たの、突然ね。」
「ネルフの監視網も、地に落ちたものね。」
「あなた、なにか知ってるんでしょう?。」
リツコの目は真剣だった。
「いいえ、なにも知らないわ。」
「嘘。」
「仮に知っているなら、あなたも何か知ってるんじゃない?。」
二人は黙ってにらみ合った。
教室が近づいた時、レイは立ち止まってアスカとシンジに向かって振り向いた。
「なによ?。」
「今日、一緒に来てもらいたい所があるの。」
「でも、今日は本部に行かなきゃならない日だよ。」
シンジの言葉にレイは微笑みながら答えた。
「大丈夫、本部の中だから。」
「どう言う事よ、ファースト。」
「お願い、どうしても二人には知って欲しい事があるの。」
その、全てをかけた紅い瞳の懇願に二人はその事を了承した。
「いいわ、ファースト、今日から同じ部屋の住人ですもんね。
行ってあげるわ。」
アスカは、努めて明るく答えた。
ファーストは、なにか決心したんだ。
そう確信したのだ。
それは、シンジも感じていた。
リツコは、結局しばらくミサトとにらみ合ったままでいたがついに折れる事にした。
ゲンドウは自分を捨て駒にしたのだし、ゼーレならともかくミサトになら話しても
かまわないだろう、そう判断した。
だが、ここではまずい。
「いいわ、ミサト、あなたがその気ならこちらもそうする。」
「リツコ…。」
ミサトは呆気にとられた。
もう少し、長引くと思ったからだ。
「でも、今ここではまずいわ。
あとで、適当な時に私と一緒にある所へ行ってもらうわ。」
「そこなら、安全ってわけね。」
「ある程度よ。」
護身用に銃は必要ね。
ミサトは危険な香を感じたが、真実へ一歩近づいた事も感じた。
もし、自分の身になにかあっても今ならあの子達は安心だ。
そして、ミサトは死んだときに備えての行動を開始した。
そう考えていた時に、ミサトの携帯電話がなった。
「はい。」
そこから入ってきた声は、
「エンタープライズ、ピカードだ。」
ちょうどいいときにかけてくれた。
心のそこから安堵するとともに
「どうしてこの番号に!?。」
当然の疑問が、口からでた。
「すまなかった、シンジ君たちからきいておいたのだよ。」
笑いながら答えるピカード。
ミサトは少し憤慨して言う。
「それなら、一言いうべきよ。」
「起きていたら言うつもりだったのだがね。」
ミサトは昨夜早々に眠っている。
少し、不利だ。
「でも、ここに直接かけてくるのはまずいわ。」
ミサトは盗聴されている可能性を告げた。
「そうだな、ただ今日、そちらにお邪魔すると言っておこうとおもってね。」
「お邪魔って、ネルフに。」
「ああ、その予定だ、では。」
これは、さらに大変な事になりそうね。
ミサトは、エンタープライズクルーの行動になかばあきれていた。
まさか、自分達には不可能はないとでも思ってるのかしら。
「でも、どこでかけたのよ?。」
「ジョーディ、上出来だったな。」
ライカーの声にラ・フォージュはエンジニアスペースからこちらに向かって歩きながら
「このレベルの通信機ならすぐに中継器に割り込むのは簡単です。」
「だが、番号ってのが判らなかったらお手上げだろう。」
「それは、まあ、そうですが、時間をかければ大丈夫ですよ。」
そのそばで、ウォーフはピカードに向かって
「保安部員を連れていかれないのですか?、艦長。」
と、意見していた。
「ウォーフ少佐、我々は戦争しに行くわけではないぞ。」
「判っております。
しかし、その組織の司令官はあまり信用できないと聞きました。
したがって、艦長の身を護るためにも保安部員を一人は付けてください。」
「判った、では、ウォーフ少佐、君に頼もう。」
「は?、私で大丈夫なのですか?。」
「なに、そんな人前に出る予定はない、君なら私も安心だ。
別に、問題は無いな?、ナンバーワン。」
「別に、ありません艦長。」
「では、少佐、この時代の地球で、君に似合う服を選び給え。」
そうにこやかに言うと、ピカードは艦長室に入っていった。
「艦長は遊びはじめたな。」
ライカーが楽しそうに言う。
「私は遊びに付き合うのですか?!。」
ウォーフが憮然として言う。
「言葉のアヤってやつだよ、ウォーフ。」
ウォーフは、不機嫌そうに唸り声をだした。
放課後、シンジ達三人はネルフ本部に向かって歩いていた。
その、後ろについた数人の人影。
傍目にも正業についている者とは思えない。
彼らは三人を奪う為に日本政府から送りこまれた連中であった。
二手に別れた彼らは、前後をふさぐ様にたちはだかった。
「綾波レイ、碇シンジ、惣流アスカラングレー、間違いないな。」
そのリーダーと思しき男が聞く。
三人は答えない。
「答えなくてもこちらには判っている。」
「なら、聞かなきゃいいじゃない。」
間髪を入れずアスカが言う。
瞬間、その男はアスカを殴った。
倒れるアスカを助け起こすシンジ。
アスカの口から血が流れている。
「余計な事を喋ると痛い目をみるぞ。」
シンジはアスカの松葉杖の一つを取るとその男に向けた。
その目は憎悪に燃えていた。
「そんな杖で俺…。」
言葉が終わらない内に杖の先端部から放たれたフェイザーでその男は倒れた。
一瞬ひるんだ男達のすきをついてレイがもう一本の方で残りを倒した。
「アスカ、エンタープライズに戻る?。」
シンジは自分たちがかなり危険な状態である事を悟った。
「大丈夫、少し口の中を切っただけみたい。」
だが、右の頬が少しあざになっている。
「無理しない方がいいわ。」
レイも心配していう。
「ファースト、あんたの話を聞いてからでも大丈夫よ。」
今は、自分の事よりもレイの事を優先させるべきだと思ったからだ。
三人が立ち去ったあと、しばらくして意識を取り戻したリーダーの男は目の前に立つ
一人の男に気づいた。
「君たちの車を先に片づけている時に、少々手荒な事をしてくれたな。」
加持リョウジは、かなり不機嫌である。
「何者だおまえは?。」
「誰でもいい、二度とあの子達に手をだすな、次には、命はない。」
加持は振り向くと、後ろから襲おうとした連中をためらわずに撃ち殺した。
「まだ、死に急ぐかい?。」
残った連中も、忠告を聞かなかった為にその寿命をまっとうすることはなかった。
「ナンバーワン、艦を頼んだぞ。」
そう言い置いて、ピカードは上陸するメンバー、ウォーフ、ディアナを連れて転送室へ
向かった。
ミサトは、時間が近づいて来たのを確認し、作戦部長室をでた。
慎重に行動しなければならない。
三人はジオフロントへの入り口に立っていた。
「ファースト、いいのね。」
「ええ。」
「じゃ、行こう。」
三人はジオフロントへの入り口に入って行った。
皆様、長い間御声援…
ばきっ
ぐはぁっ、なにするんですか!。
なに途中で止めようとしてんのよ!
大体、あたしはぶたれるし!。
違いますよ、また来年って挨拶しようと思ったのに。
第一ぶった奴はあの、シンジくんに打ち倒されて加持さんに撃ち殺されたじゃないすか
なんだ、アスカの早とちりかぁ。
でもあのってなんです、あのって。
でもさー、来年は更新そうそうできないかも。
な、なによそれ、あんた最近調子こいてんじゃないの。
いや、転職するかもしれなくて。
は、あんたみたいなの拾ってくれる所なんてあるの?。
大方、今の会社やめさせられるんでしょう。
ぎくー、いやそれは無いんですけどぉ、いやそうなのかな?。
で、転職するならどうだってのよ。
いや、忙しくなるのかな、とかさ、もうこのメールアドレス使えないかなとか。
いろいろです。
いい加減自分のアドレスもったらどうなの!。
その前に自宅にマシン買わなきゃ。
ほんっとうに愚か者ね。
うう、そんなぁ。
SOUさんの『FIRST CONTACT』第4章 PARTT、公開です。
ゲンドウに接触するピカード達、
話が動き出しそうですね。
スタトレって戦闘よりも政治的な駆け引きが
肝になっていますから、
「ピカードvsゲンドウ」
楽しみです。
アスカとシンジを連れていくレイと、
ミサトを誘ったリツコと。
秘密・謎
そういうものが大きく明かされ、
更なる謎が生まれてきそうで・・・
こちらの動きも目が離せません(^^)
さあ、訪問者の皆さん。
新年早々、激動(?)のSOUさんに感想メールを送りましょう!