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RHAPSODY

―プロローグ―


最後の戦いだと何と無く分かっていた。 夜間にジオフロントに進入してきた戦略自衛隊。
殺戮されるネルフ職員。
N2兵器でまるだしになったジオフロント。

僕は殺されそうになっているところを、
ミサトさんにぎりぎりのところで助けてもらった。

「何で助けたんですか?僕は死にたかったのに・・・」

「馬鹿っ!あんたが死にたいっていってもあたしが死なさせないわ。
せっかく手に入れた家族を、手放してたまるもんですか!!」


僕は、ミサトさんの車の中にいた。
ミサトさんが何か報告を受けた。

「アスカが一人で戦ってるわ」

「一人で!?」

「そうよ9体の量産エヴァとね」

「そんな・・・」

「あなたが行かなくちゃ誰が行くの?」

「・・・・」

「アスカを助けたくないの?」

「・・・助けたい・・・です」

「なら乗るのね、初号機に」

「・・・・」

「しっかりしなさいよ!また逃げるの!?」

「だって・・・僕が行っても敵の方が多いじゃないですか!
無理に決まってますよ・・・僕がいったって仕方ないんだ・・・助けられっこないよ・・・」

「やっても見ないうちからあきらめてどうするのよ!
死にたかったんでしょ!
なら、やることやってから死になさいよ!
今あなたしかできないことなのよ、もう後から後悔したっておそいんだからね・・・
おねがいよ・・・のってよ・・・おねがいだから」

そういってミサトさんは涙を流し始めた。

(今のミサトさんの涙は僕に止められるんじゃないのか?
僕にならできることが今はあるじゃないか。泣いているのを見ていた時とはこんどは違う。
できることはある・・・ならやらなきゃ・・・)

「ミサトさん・・・」

「ごめんね、こんなこと言える立場じゃないのにね・・・・」

「・・・乗ります。」

「シンジ君・・・乗ってくれるの?」

「僕しかできないんでしょ・・・乗りますよ・・・ミサトさんが泣いているところ見たくないし・・・
それに・・・僕は・・・アスカを・・・助けたい。」

「ごめんなさい・・・シンジ君、あなたに無理ばっかり言って保護者失格ね、
私たちがあなたを助けてあげなくちゃいけないのに・・・」

「いまはそんなこと言ってる場合じゃないですよ。
・・・そんなことは終わってからいくらだっていえますから。」

「・・・いうじゃない。」

「初号機はどうなってるんですか?」

「特殊ベークライトで固められてるわ。」

「どうするんですか?」

「どうにかするのよ。」

「・・・・・」


「もうすぐケイジに向かうエレベーターよ。」

「あれですよね。」

「ええ。」


そして僕らは車から降り、
エレベーターに乗りケイジに向かったんだ。
ケイジに着いて初号機を見ると、
なんとかエントリープラグの部分は埋まっていなかった。

「いける・・・か」

「なんかそのセリフまえも聞いたような気がするな。」

「そーお?」

「そーですよ。」

「そーかしら?」

「忘れたんですか?」

「やっ、やーねー忘れるわけないじゃないのー」

「ほんとですかー?」

「ほんとよー」


「おーい。そのへんにして乗ってくれませんかー」

「「へっ?」」

「じゃーん、オペレーター3人衆参上!!」

「待ってたよシンジ君。」

「シンジ君!!やっぱりきてくれたんだ!」

「青葉さん!日向さん!伊吹さん!」

「おいおい、私もいるんだがな。」

「副司令まで!!」

「葛城さん発進準備は整えておきました。」

「いつでもいけます。」

「みんな・・・」「あんたたち・・・それに副司令まで」

「さあ早く乗ってシンジ君」

「はい!ありがとうございます!」

「いいから、早く乗りたまえ。」

そうして僕は初号機に乗り込んだんだ。


久々に乗った初号機は懐かしい感じがした。
不思議な一体感が在ってなんでもできそうな気がした。

「初号機起動、実力でベークライトを除去し出撃します。
ミサトさん達は非難してください。」

「わかったわ、死なないでね。」

「いきます!!」


そして僕はベークライトから体をひきはがした。
苦労するかと思ったら、拍子抜けするほど簡単に抜けた。
そしてケイジを無理矢理出たまではよかった。
だが上に行く手段がないのだ。
射出口は破壊されてつかえない。
「早く行かなきゃ、早く行かなきゃ、
アスカが、アスカが!」

空を飛べたら行けるのに!
強く強く思った。
その瞬間、僕の背中に羽が生えた。(実際にはエヴァに生えたのだが、
この時の僕はそう思った。)

「飛べる!」

そういって僕は、12枚の羽を広げ飛び立った。


地上に上がった僕が見た物は、月の光と、
無残な姿の活動を停止した弐号機だった。
右腕は肘からちぎれ、アスカの自慢だった真紅のボディは傷だらけになり泥で汚れていた。

「アスカ!」

アスカに呼びかける。

「ねえアスカってば!!返事をしてよ!!ねえ!」

アスカからの返事はいっこうにない。

「こんなのってないよ・・・」

僕はあたりを見渡した。

5体までは倒したようだ、4体が無傷とはいかないものの残っていた。
おまけに、アスカが倒した5体も再生し始めている。

「・・・おまえらが・・・」

一方的な殺戮が始まった。


ここからあとはあまり覚えていない、
気がつくと最後のエヴァの頭をつかんでもう一方の手でコアを貫くところだった。


僕は初号機から降りると弐号機に駆け寄った。
エントリープラグは幸い半分出ている。
僕は横たわっている弐号機によじ登るとプラグのハッチを開けた。

「アスカ!!」

プラグを覗き込む、しかし暗くて何も見えないので中に入り込む。

「・・・誰が勝手に・・・入っていいって・・・いったのよ」

「アスカ?生きてるの!?」

「あったりまえじゃない。アタシを誰だと思ってるの。」

「アスカ・・・よかった、本当によかった・・・ひっく・・・よかった・・・」

「あっあんた、なに泣いてんのよ・・・見てるこっちが恥ずかしいじゃないのよ・・・」

「ひっく・・・ごめん・・・アスカに・・・ひっく・・・またあえたのが・・・うれしくて・・・ひっく・・・」

「なっ・・・なにいってんのよ・・・あんたは・・・本当に馬鹿なんだから・・・」

「だって・・・アスカも泣いてるじゃないか・・・」

「馬鹿ね・・・これは汗よ・・・」

「そうなの?」

「・・・そうよ、そうに決まってるじゃない。アタシが・・・アタシが泣くわけないじゃない・・・」

「泣いてもいいじゃないか、アスカは泣き虫だよ、
いつも泣いてる・・・見せないだけだよ。もっと泣き顔を見せてよ、せっかく出会ったんだから。」

「・・・・・いいの?」

「もちろん」

「じゃあちょっとだけお願いするね・・・」

それからアスカは僕に抱き着いてきてしばらく泣いたんだ。

「ねぇシンジ・・・ありがとね・・・その・・・助けてくれて。」

「いいよそんなこと、僕たち家族だろ。アスカとミサトさんと僕と、大切なたった一つの家族じゃないか。」

「家族ね・・・あんたって、ほーんとに大馬鹿ね。」

「なんで?」

「ふふ・・・そんなことも分からないのあんたは」

「だって・・・」

「まっいいわ、あんたが分かったら分かったで困るしね。
その方があんたらしいわ。」

「どういういみだよ〜」

「そのまんまよ。」

そうして僕らは笑ったんだ。
こんなに笑ったのはいつ以来だろう、そんなことも思い出せないほど長い間笑っていなかったのかもしれない。
僕らは笑いつかれるまで笑っていた。
まるでこれまでの分を取り戻すかのように・・・・

―そして物語は1年半後に始まる―


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ver.-1.00 1997-10/16公開
ご意見・感想・誤字情報などは masa01@big.or.jp まで。


あとがき
いちよう今回は、夏映画をいじっただけです。
今回の設定では、シンジのアスカ病室での悪行はしなかったという事にしました。
あれを入れると無理があると思ったんです。
シンジにはこれぐらいがんばってほしかったです。
それとレイが今回名前も出てこなかったですがそのうち出ます、それもメインとして。僕は綾波な人ですからね。
とりあえず当面はアスカとシンジのラブラブです。
それでは!


 連日のご入居が続きますね(^^)
 1ヶ月も新規凍結していたからか・・・(^^;

 再開後3人目、通算76人目の新住人、
 中田さんこんばんは(^^)

 
 

 何もできない、
 何もしなかったシンジが、

 きちんと活躍(^^)

 記憶が残っていないので、
 きちんとかは分からないけど(^^;
 

 1.5年後の物語。

 平和の世界なのかな?
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 感想メールで中田さんを歓迎しましょう!


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