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「終焉の果てに」序章 僕のまごこころ

 

 

 

 

 

「さよなら、碇君。」

 

 

 

 

 

『………波の音………………海…………

 ………僕は帰ってきたのか?…………

 でも、ここは……………………………』

そこは、サードインパクトにより滅んだ世界だった。

人類補完計画の発動、サードインパクトの発生、地球上の生命体がすべてが、LCLとなり、魂が溶け合い一つとなりリリスの子宮へと帰っていった。

黒き月のもとで……

暖い世界、苦痛がない世界、傷つかない世界、すべてが一つの世界、そして……………………自分が無くなる世界。

『僕は人と生きていくことを望んだ、逃げないで生きていくことを望んだ。

 そして、帰ってきた。

 なにもない………

 LCLの海……みんな帰れなかったのか……』

それは、すべての生命のなれの果てだった。

『なんでだよ!!僕はこんなことを望んだんじゃない!僕しかいない世界なんて何の意味

 があるんだよ……』

その時、シンジは人の気配を感じた。

『誰かいる!誰…綾波!』

レイはLCLの海の上でシンジを見ていた。

『綾波!』

しかし、レイの姿は幻のように消えた。

 

 

 

 

『…ミサトさんのお墓を…』

シンジは木片で十字を造り、ミサトのペンダントかけた。

『…疲れたな…少し眠ろう…』

シンジは浅い眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと気がつくと、アスカがシンジの左側に横たわっていた。

アスカの姿は、初めてレイとあったときのことをシンジに思い出させた。

アスカの右目は、心が壊れたときの様に、ただ中を見つめていた。

 

『帰ってきたのは、アスカだけか…

 

 アスカ……。

 

 やっぱり、アスカの心は壊れたんだ……もういいよ…アスカ…もういい……楽になろう

 

 …辛いこと、悲しいこと、みんな忘れようよ…』

 

シンジはアスカに馬乗りになり首を絞めた。

シンジの心にあったのは、ただアスカを救うことだけだった。

 

アスカの手がそっとシンジの頬に添えられた。

 

そして……ゆっくりと手が落ちていった……アスカの死を示すように…

 

「……ううっっ……ひっっくっ…うっううっっっ………………」

 

『これでよかったはずなんだ…これでよかったんだ…これでよかったんだ…

 これでよかったんだ…こうするしかなかったんだ…僕も…逝くからね……』

 

アスカのシンジが僕をゆっくりと見つめた。

 

「……気持ち悪い……」

 

「ア…アスカ…」

 

アスカの頬へシンジは手をのばしていた。

 

「…さわらないで…」

 

「…ごめん。」

 

「…どいて…」

 

「う、うん……ごめん。」

 

シンジはアスカの隣に座った。

 

「…どこなの…」

 

「……ごめん…分からない…」

 

「そう……他に誰かいるの…」

 

「たぶん…いない。」

 

「どうして、アタシの首を絞めたの…」

 

「……だって…辛いだろ…こんなところで生きていても…アスカを楽にしてあげたかった

 嫌なことばっかりだったから…アスカを解放してあげたかったんだ…すべてから…

 僕も楽になりたかったかもしれない…結局、サードインパクトは起こったみたいだし…

 僕は結局、誰も受け入れなかったんだ…逃げてばっかりだった…今度もアスカに逃げた

 んだ。ごめんね、アスカ。ごめんね…」

 

「…殺して…」

 

「えっ」

 

「殺して…アタシを殺して…」

 

「…ごめん…もうできないよ…」

 

「…そう…ならいいわ…」

 

アスカの碧眼から輝きが消えた。

 

「ア、アスカ!ねえ、アスカ!!」

 

「……………………………………………………………………………………………………」

 

「…アスカ……」

 

シンジは、アスカがもう一度心を閉ざしたことを悟った。シンジはただ呆然と見つめるしかできなかった。

 

…この日から、シンジとアスカがもう一度、始まった…

 

 

 

 

 

 

 


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ver.-1.00 1997-10/12公開
ご意見・感想・誤字情報などは samon@nmt.ne.jp まで。

 

初めまして、佐門と言います。

一応、夏映画の続きです。

あんまり出来は良くないですけど、ちょっと書きたくなってしまいました。

一応、構想は出来てますけど、長くなりそうです。

最後までお付き合いいただけますよう、お願いします。

でわ、次回「第壱話 たった一つの贖罪」でお会いしましょう。

 

 


 【新規入居一時凍結】を【限定的解除(^^;】してから初の御入居者、
 めぞん通算74人目の新住人です(^^)

 佐門さんようこそ[めぞんEVA]へ!
 

 第一作『終焉の果てに』、公開です。
 

 あの映画のあのラストシーンからの続き・・

 そのまま重い空気を持ち続けた作品。
 LAS補完に持っていった作品。
 お笑いに移行した作品。

 色々ありますよね(^^)
 

 『終焉の果てに』はどう行くのでしょうか?

 感じとしては一番目っぽいけど??

 
 
 さあ、訪問者の皆さん。
 拡張工事を終わった参号館にやってきた佐門さんにメールを送りましょう!


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