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わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち
その電燈は失はれ)

宮沢 賢治 春と修羅<序>より


胡蝶と修羅 ―――プロローグ―――

WRITTEN BY TOMY'S BROTHER


 

蒼い空。

自分が天か、天が自分か…。

少女は空を見上げるのが好きだった。

自分の存在が消えるまでに一度は飛んでみたい……。

自分の力で飛んでみたい……。

少女の思考はそこで中断させられた。

 

或る少年の歌声によって………。

 

 


 

 

 

一体、私は何の為に生きているのだろう。

碇司令の為?

碇君の為?

違う…。

それは二人目の私………。

 

 

あぁ。

解けていく

融けていく

溶けていく

自分中の世界が壊れていく。

真空溶媒にトケテイク………。

いっそ消えてしまおうか?

 

 

私は何の為に生きてきたの?

感情を持たない女…。

愛を知らぬ女…。

いえ…

感情は碇君に教えてもらった。

愛って何?

『その人を大切に思うって事だよ』

碇君が教えてくれた。

私は碇君が好きなの?

そう。

それは二人目の私………。

 

碇君は、弐号機パイロットの事しか見ていない。

けれども、私は何にも感じない。

以前のような、胸の痛みはない。

二人目の記憶を持つ…、

私は三人目。

赤木博士に教えてもらった。

二人目とは違う。

生きる意味が無い。

生きる意志が無い。

いっそ消えてしまおうか?

 

私が死んで誰が泣くものか…………

 

 


 

 

突如、レイの思考の中に割り込んできた少年の歌声は………

「歌はいいね。リリンの生み出した文化の極みだよ。」

銀色の髪をした少年だった。

 

 

 

 

レイはその容姿にしばし目を奪われた。

 

 

そして言った……絞り出すように……

「あなた…………誰?」

少年は質問に答えない。 

「ファーストチルドレン、綾波レイ……か。
はじめまして、……………」

「…………フィフス?」

「そう。フィフスチルドレン、渚カヲルだよ。よろしく。」

少年は手を突き出した。

レイは顔に血液が集中し、胸が切り裂かれるような感覚を覚えた。

『……この感じは…………』

 

「知らないのかい?握手だよ。こうやって互いに手を握り合うんだ。
………どうしたんだい?手が震えているよ……。
それに顔が真っ赤だ………。」

 

「………………」

「くすっ。」

 

「君の心は硝子のように繊細だね。」

 

胡蝶と修羅の出会いだった……。

 

嗚呼、誰が祝福しようものか………。

残酷な神よ………。

 

 


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ver.-1.00 1997-12/12公開
ご意見・感想・誤字情報などは ----------まで。

後書

私はTOMYという大馬鹿者の兄である。

そういう私も充分に阿呆者である。

 

 

或る日、家に帰ると

弟が私の端末でパチパチと何やら文章を打ち込んでいたのである。

 

怪しい。そう思った私は、後ろから忍び寄り。

グサッ! ぎぇぇぇぇーーーーーー!

弟は『えヴぁしょうせつ』なるものを書いていたのだ!

何じゃそりゃ!

私はそう思った。

詳しくを弟から聞き、えヴぁなるものを一通り見た。

そして、今、めぞんEVAなるところに投稿している。

私は恋愛経験豊富の高校二年の文学少年。

日本語,English,Deutschのトライリンガルであります。

文章力には少々自信が有ります。

宜しく。めぇるは弟の、というか私の端末まで。

備考(本来TOMYは私のニックネェムなのです。)

じゃあ、この、みえみえで重いSSを読んでやってください。

 


 TOMYさんの・・ではなくて、TOMYさんの兄の・・
 『胡蝶と修羅』プロローグ、公開です。
 

 
 シンジではなく、
 レイと接触したカヲル。

 自己のあり方に惑う彼女に
 カヲルは何をもたらすのでしょうね。
 

 
 
 あとがきの自己紹介・・
 ナイスつかみです(^^)

 ギャグに厳しい大阪人の私が
 かなりはまりました(^^)/
 

 
 さあ、訪問者の皆さん。
 久しぶりにTOMYさんに感想メールを送りましょう!


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