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[ナベ]の部屋/
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夏のEOEで新世紀エヴァンゲリオンは完結した。しかし、あの世界から続編を作ることは物理的不可能だと自分は考える。それではどうするかという疑問がわいてくる。それならば、自分で別の結末を作ってしまおうという考えるに至った。どうするか?という自問に答えるため、手元にあるガイナックスの企画書を元にある程度自分の作品がエンターテイメント性をもてるように作り替えることをおもいあたった。これが本設定資料の制作意図である。
まずはガイナックスが作成したエヴァンゲリオンのプレゼンテーションのための企画書を下に示してある。見て貰えば理解してもらえるがある程度エヴァンゲリオンの作品にそったかたちがこの段階で提示されている。ある種原作のようなものではないだろうか。これを元にしてこの部屋の作品の世界観を構築していきたい。
話数 | 題名 | 内容 |
第一話 | 再会する人々 | のんびりと山間部をゆく二両列車。 車内には主人公の少年、碇シンジがあった。 彼は父親に呼ばれ、第三新東京市に向かっていた。 が、突然急停車する車両。山にこだまする警戒音。 全市に発令される非常事態。 山稜から姿を現す、二体の巨人。 降車したシンジの目前で繰り広げられる巨人同士の格闘戦。 彼を救う葛城ミサトの登場。 戦闘は機械的な巨人【エヴァンゲリオン零号機】が、辛うじて敵を撃退し、収拾される湖に沈降していく【使徒・ラジエル】。 いずこかへ回収される零号機。 ミサトの案内で街の地下深く作られた人工進化研究所に行くシンジ。 リツコやレイの出会い。数年ぶりの父親の再会。 再度上陸する【ラジエル】初号機の準備が進む中、 何も分からないまま父親や大人に従い操縦席に座るシンジ。 結果、満足に歩くこともできないまま、迎撃に向かう初号機。 深夜の要塞都市、第三新東京市で対峙するに体の巨人。 その直後に人々は、自ら作り出した【エヴァ】の持つ力に恐怖した。 |
第二話 | 見知らぬ天井 | 敵との戦闘中に制御不能になるエヴァ。それが予定以上の力を発揮する。シンジの切れた精神が敵を撃破したのだ。その後のエヴァと使徒襲来に対する人々の反応。シンジにとって、見知らぬ土地での知らない人達との新しい生活。蘇る戦闘の恐怖。ミサトとシンジの交流。 |
第三話 | 初めてのTEL | シンジの転校。そこで出来る初めての親友。第三東新京市での大規模な迎撃作戦 |
第四話 | 14歳、始まりの日 | シンジの誕生日。息子への祝いの言葉を持たぬ父親。シンジを思うミサトの決意。特務機関ネルフの人々のドラマ。 |
第五話 | レイ、心の向こうに | レイとシンジの交流。巨大な力を見せる使徒と恐怖。エヴァの敗北。研究所。 |
第六話 | 決戦、第三新東京市 | 使徒たい人類の総力戦。エヴァの逆襲。ネルフの人々を少し理解するシンジ。 |
第七話 | 人の、造りしもの | 民間企業により実用化されたエヴァ以外の人型兵器。その実験模様。ネルフの疎外感 |
第八話 | アスカ、来襲 | アスカとエヴァ二号機、そして加持の登場。戦艦対巨大ロボット。空母甲板上での格闘戦。 |
第九話 | 瞬間、心重ねて | 初の水際迎撃作戦。シンジとアスカの交流。2体のエヴァによる連携戦闘 |
第十話 | 制止した、闇の中で | 機能停止してしまった研究所。電力を失った現代文明の脆さ。使徒迎撃へのタイム・サスペンス。 |
第十一話 | マグマ・ダイバー | 使徒に対し、初の攻勢を見せるネルフ。使徒捕獲のための特殊装備で溶岩に潜るエヴァ。灼熱のマグマ内での戦闘。 |
第十二話 | 18秒の奇跡 | 第三新東京市に飛来する迎撃不能の使徒(大型爆弾)絶体絶命の危機。ミサト達の捨て身の攻撃。 |
第十三話 | 恐怖の後に来るものは | 増長したシンジを待ち受けていた大敗北。大破するエヴァ初号機機体内に閉じこめられるシンジ |
第十四話 | 死に至る病、そして | 大破した初号にからの救出劇。極限状態での人間劇。真の恐怖を知り、絶望するシンジ。 |
第十五話 | シンジふたたび | 放心状態からふたたび、自分の意志でエヴァに乗るシンジ。大改造される初号機 |
第十六話 | 敵の心の中で | 敵に捕獲され、初めて使徒と会話を交わすシンジ。使徒の目的等の一部が解明する。 |
第十七話 | アスカ初デート | 初めて遊園地に行くアスカ。ミサトの昔話など前編これ、ラブコメ話。 |
第十八話 | 命の、選択を | 使徒の謀略により、親友の乗ったエヴァ3号機と戦うシンジ。彼の取る選択。 |
第十九話 | 男の戦い | シンジをかばい重傷を負ってしまうアスカ。彼女に対し、男、自覚してしまうしシンジ。エヴァ初の空中戦闘。加持の死。 |
第二十話 | ネルフ誕生 | 独国から届くエヴァ五号機。15年前からの回想。ネルフやエヴァの開発秘話。シンジの父親の話。 |
第二十一話 | せめて、人間らしく | 海底で朽ち果て戦艦を舞台にした水中戦。敵の精神攻撃を受けるシンジ。シンジの母親の話。 |
第二十二話 | 猫と転校生 | 初登場する等身大人間型の使徒。(猫を連れた美少年)研究所内の進入を許してしまうネルフ。人型使徒の破壊にとまどうシンジ。明らかにされる研究所の隠された秘話 |
第二十三話 | 人類補完計画 | 明かされる人類補完計画の秘密。リツコと父親の真の目的を知る |
第二十四話 | 今、契約の時 | 倒れるレイ。明かされる彼女の秘密。ついに目覚め、月より飛来する最強の十二使徒。米大陸ごと蒸発してしまうエヴァ六号機。その圧倒的な力の前に無力を自覚する人類。人がむに帰る約束の時が迫る。絶望の中での人間ドラマ |
第二十五話 | アルカ、約束の地 | キーとなっている古代遺跡アルカを要する研究所。十二使徒を止めるために【人類補完計画】を破棄し、その破壊を決意する国連上層部。反対する父親。レイのために研究所にとどまるシンジ達。異なった目的のために衝突する人間達のドラマ。 |
最終回 | たった一つの、冴えたやり方 | 終局である。破壊された研究所を舞台に全ての謎とドラマに決着が付く。ラストは大団円。 |
上記の「たった一つの冴えたやり方」に準ずるものであるとする。大団円という言葉信じてその後日談としてパラレルの興味深さを出せることを目的として「水の鏡」の連載目的とする。
上記とテレビ版が相似するところはそのままとする。異なる点に関しては、以下補足説明する。
テレビ版23話「涙」の第十六使徒との接触をさす。ここでは、シンジがテレビと同じニュアンスの会話をする。自爆はせず、突然姿を見せる綾波レイによって使徒殲滅は終了する。綾波レイの神秘性の強調。
アスカの初デート。ミサトの過去に関してはテレビ版に準ずる。何故南極にという疑問は後ほど。テレビ版16話「嘘と沈黙」の名残が窺われる。日常生活レベルでの幸せを表現するエピソード。後に至る日常と乖離する極限状態との対比。
シンジをかばい重傷を負うアスカ。身体的重傷であり、精神崩壊でないとしたい。アスカは二十四話「今、契約の時」まで退場。ずっと入院中。空中戦闘はテレビ版22話「せめて人間らしく」のロンギヌスの槍で殲滅。加持の死に関してはテレビ版と同じ。
水中戦闘は文字通り水中戦闘。テレビ版でアスカがやられることになる可視波長のATフィールドの攻撃をシンジが受けることになる。エヴァ初号機に存在する母親を感じてシンジは辛うじて使徒殲滅。新しいATフィールドの可能性を示唆する。アンチフィールドの存在。
これは渚カオルのことだろう。カオルは人間に一番近い。アンドロギュヌス(両性具有体)。そして、猫はシュレーディンガーのねこであるとかんがえる。テレビでのカオルの台詞「生と死は等価値」とはこれの名残であると考えられる。「導入部」にシュレーディンガーの猫を登場させたのはこれがあるからである。観測されている猫の状態がいまの世界であるとして、選ばれる(観測される)のが人類であるか使徒であるのかという作品の一つの命題が提示される。「新世紀」という題名がこれに当たる。
最終回まで続き物。月から飛来した最強の十二使徒との戦い。十二使徒を恐れるため国連は【人類補完計画】の破棄、及び破壊を示唆する。ゲンドウの反旗。国連とゼーレとゲンドウのそれぞれの補完計画。国連に関しては虚偽の報告がなされているため、その言及はない。レイの秘密。アスカの復活。それぞれの人間のドラマが展開される。明らかになる使徒の目的。レイ、アスカの決死に意志により開かれた最終場面での第十二使徒の対決。人工進化に対するアンチテーゼ。大団円。
ゼーレがもくろむ人類補完計画は映画のEOEが物理的な目的で正しいとする。この世界観では中ではそれは失敗に終わる。さらに、碇ゲンドウのゼーレと違う補完計画を自作の世界観の中で提示したいと思う。
古代遺跡アルカのこととする。シンジ達のいる研究所がそれである。セカンドインパクトで消滅した南極大陸にはアルカと対称なす古代遺跡が存在しているものとする。これは、「不思議の海のナディア」にでてきた補給基地をイメージしていただきたい。勿論、アトランティス人は存在していません。使徒の保存がなされいる場所である。
生命の種。単体での意志はこの時点では存在していない。古代遺跡アルカに安置してあり、その体液はLCLとして、エヴァの神経接続補助に活用されている。LCLは進化過程におけるミッシングリングである。
リリスとの融合が目的ではない。目的は知恵の実の摂取である。知恵の実とは何か?
第二使徒である。詳しくは作品の中で述べていきたい。セカンドインパクトによって強制的に覚醒させられてしまった二十七体の使徒が存在する。テレビ版の十七体の使徒および、最終話に登場する十二体の使徒である。最終話に登場した十二体の使徒はそれぞれが一体のみ異なり他は同一体であり、それぞれがセフィロトの樹の構成部分を担うかたちに存在している。十のパーツ(セフィロト)と地にむかった根で構成される形(魂の座)に知恵の実を摂取した十二体めを設置する(これが天に向かった枝)。逆さまの樹として生物として完全体を目指す。この世界観での使徒はそれぞれの特性によって方法は異なるが最終的には知恵の実の摂取が目的であったとする。その知恵の実を摂取した使徒が存在したときに十一の使徒が月から舞い降りて、福音を告げるという設定である。
葛城南極調査隊による二十七体の使徒の強制覚醒、及びアダム殲滅作戦、および知恵の実の窃盗を目的とした作戦。空であるガフの部屋を強制的にあけることにより、南極大陸は膨大な熱量とともに消滅。
セカンドインパクトにより予測される使徒を殲滅するための兵器。四号機までが使徒殲滅専用兵器として設計。五号機より十三号機に関しては、使徒と同じ能力を有している。S2器官(セフィロトの生命)内蔵である。ゼーレの目指したものはセフィロトの樹そのものである。使徒の逆さまの樹と、ゼーレのセフィロトの樹のどちらが正しいものであるかという疑問は碇シンジの介入により水泡に帰しており詳細不明である。
人間の人工進化を目論む政治結社。セフィロトの樹の秘密を有する組織である。何故、使徒を強制覚醒してまでセカンドインパクトを起こさなくてはならなかったのか?政治的背景もさることながら一点につきる。元々人類は完全体になる要素を持たない地球生命体であるという事実である。完全体がなんであるかは別にしてそれが自然の公理であることを知ってしまった人類がおこす、自然イコール地球のクーデターという一面を有している物語である。ゆえに人工進化研究所の設置。および南極でのでーた採集が、セカンドインパクトの見えざる側面である。地球が危機に瀕した際、南極の使徒達が目覚めその中から完全体になる使徒が選ばれるといった事になる。故にカオルのような人間に似た使徒が含まれているのである。カオルは両性具有であり、人類のサンプル的存在である。しかし、現存している人類の原罪の性により天の竈から火を奪うように南極から知恵の実とアダムを奪い去り、十五年後に訪れる使徒襲来に備え人工進化とエヴァの建造に力を入れることになる。
何故使徒を殲滅しなければならないのか。それは時間的制限もさることながら、完全体と人工進化した人類が使徒と拮抗するような力をもてることに疑問を抱いていたからである。使徒の力をコピーしたエヴァンゲリオンで使徒を全て殲滅した後、改めて進化させようと言うのがゼーレの基本方針である。さらに、エヴァの制御に研究が必要であったことも否めない。いわば、シンジらパイロットはダミープラグ製造のためのマウスであった面も見逃すことは出来ない。
なんと言われようと、この世界観では主人公である。いわゆる無気力少年で登場したこの少年の成長物語で自己の存在の意義を見いだすまでを描いた作品である。数々の大人達の出会いと別れ、親友とのであいによって成長した人物である。
作品上の鍵。クローンという設定はそのまま。ゲンドウとリツコの愛憎劇によりクローンは消去してしまっている。身代わりで自爆という設定はここではなかったものとする。しかし、碇を思う気持ちによって人間らしくなるという設定はテレビ版と準拠する。誰のクローンであるかという問題が残るがそれについては後の作品発表を待たれたし。使徒。
この世界観でのエヴァンゲリオンはハッピーエンドである。何故か?それは、自分の連載が続かないためである。最初に述べたように自分の連載にエンターテイメント性を付けるためにかってに構築した虚偽のストーリーであること明言したい。幾つかあえて述べない点が存在しているのはそのためである。ご考慮頂きたい。
参考資料「NEWTYPE100%COLLECTION エヴァンゲリオン」 角川書店
取り敢えずの基本設定です。
連載を続けていくうちに増えていくと思います。
なんかこれだけでも作品が書けそうな気がしますね。
誰か書いてくれないかな。
上の企画書を読むとエヴァのシナリオがどんどん後に行くにつれてどん詰まりになっていくようが見えて興味深いと思いませんか?
かといって、テレビ版の「雨、逃げ出した後に」「使徒、進入」とかなかったり、レイが自爆したり、アスカが壊れたりしなかったらエヴァは見ることはなかったと思いますが。
夏のEOEはあれでよかったと思っています。
スプラッターは駄目ですけど。
じぶんは極度のスプラッター嫌いです。