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エヴァの世界のシンジ、アスカと区別するため平和な世界のシンジ(バカシンジ)アスカボールドで表示します。
シンジとアスカの「 」内の台詞も基本的に同様ですので御了承下さい。

 
 

その5  アスカシンジ、シンジとアスカ(まだ仮題)
 
 

一陣の風が屋上を横切った。
少女の栗色の髪が背中から前方に向けてなびいた。
彼女は空の一点を見つめたまま、身じろぎもせず立ち尽くしていた。
その顔にはまだ涙の軌跡が残っている。
風がやんだ。
なびいていた髪の毛がたれ下がり、何本かが濡れた頬に張り付いた。
少女は自分の顔にまとわり付いた髪など気にも留めないで、相変わらず空を見続けている・・・

彼女の背後、2、3m離れた所に3人の少年少女がその様子を伺っていた。
そしてもう一人、彼女の少し離れた横側に立っていた少年は3人に視線を移し、そちらに歩き出した。
助けを求める様な表情を浮かべながら。
その少年、碇シンジは3人の中から銀髪の少年を選んで話し掛けた。

「カヲル君・・・・・わからないよ・・・・」

どうしたらいいかわからない・・・どころか今、自分の置かれてる状況がまだよくわからない。
確かに自分とアスカがもう一人ずついる状態は理由を説明されても簡単に納得できるものじゃない。

「シンジ君・・・・理解するのは大変だろうけどさっき僕が言った事が真実さ」

いたわりの眼でシンジを見つめながら、カヲルは思う。

(無理だな・・・今のシンジ君にアスカ君を元気づけてもらう事は。彼も戸惑っているから・・・・・・自分を正気に戻してくれた母親が本当の母じゃないと気付いてしまったアスカ君はかなり傷付いている。気を落ち着かせるのは大変だろう・・・)

ではどうするか・・・・?

(そうだな、とりあえずシンジ君のほうは、と)

カヲルは表情を笑顔に戻すと傍らに立つもう一人のシンジを見た。

「まだ彼とは挨拶がまだだったね、シンジ君

シンジはシンジを見た・・・・・・シンジもシンジを見た。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

数瞬の間、同じ顔同士の緊迫感のないにらめっこが展開された。

「ほら、シンジ君」

カヲルが促すとやっとシンジは照れ臭そうにシンジに手を差し出した。

「よろしく・・・・な、なんだかおかしな気分だね」

差し出された手を恐る恐るシンジは握り返す。
目の前のもう一人の自分・・・まるで鏡を見ているみたいな。
しかし違和感はあっても不快感は特に感じなかった。
握った手を通してなんとなく彼の誠意が伝わって来るような気がしたからだ。

「こちらこそ・・・よろしく」

赤面しながらぎこちなく握手する二人の手の上に、もう一人の手がのった。

「うんうん、こうこなくっちゃ!」

満足げに二人のシンジを交互に見やるアスカ
のせられたアスカの手に反応してシンジはさらに赤くなった。
それを見たシンジの顔に?印が浮かぶ。

(ふーむ、微笑ましいねえ)

どうやら良好そうな3人の様子を見てカヲルは心の中で一息ついた。

(こっちは特に問題なさそうだな・・・・・さて)

カヲルは口元の笑みを消すとアスカのほうに振り向いた。
彼女はまるで時間が停止しているかのごとく、さっきと全く同じ状態で突っ立ている。
正気に戻ったアスカが事実を知った後、どのような反応を示すかはだいたいの予測はついていた。
なんとか彼女に現実を受け入れた上、前向きの意志を持ってもらわねば今までの苦労が水泡に帰する。
今のままではまた心を閉じてしまう可能性だってあるのだ。

(説得するにしてもどう言えばいいのかな・・・・・弱ったね、いっそシンジ君達に二人がかりでなだめてもらおうか・・・・ )

この考えはよけい事態が悪くなりそうな気がする。
やっかいな仕事だがまず、自分でやってみよう。
カヲルはゆっくりとアスカのほうに歩きだした。
アスカの背中越しに声をかける。

「アスカ君、聞いて欲しい」

「放っといてよ・・・」

振り向きもせずアスカはつれない返事を返す。

「こうするしか方法がなかったんだ・・」

「放っといてって言ってるでしょ!」

同じ言葉がボリュームを上げて返ってきた。
取りつく島がないとはこの事だろう。

「ふうっ・・・」

カヲルがこめかみに手を当ててため息をついた時、背後からするどい声が飛んで来た。

「なによそれ、あんた!」

ぴくりっ

その時、カヲルは見た!
背中を向けているアスカの耳だけがぴくりと動くのを。

「人が心配してやっているのをそんな言い方しなくていいでしょ!」

「なんですってぇ・・・・」

アスカがゆっくりと声のするほうに振り向いた。
反射的にカヲルは横に飛び退いた。
自分がアスカと声の主との間に立っていたからだ。
アスカの刺すような視線に応ずるかのように、彼女は力強い足取りで前進を始めた。
 

ずんずんずん・・・
 

アスカの手前50cmの所で彼女の前進は止り・・・・・二人は向き合った!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

シンジアスカの大冒険その5
 
 

 

壮絶!!アスカアスカ!!!

                   (正式タイトル)
 
 
 

 
両足を開き両手を腰に当てる、彼女にとってお決まりのポーズでアスカはアスカの顔を睨みつけた。
対するアスカは乱れた髪を両手で後ろにはらうと、同じポーズをとってアスカを睨み返す。
視線がぶつかり合い、火花がスパークしたかに思われた。
二人のアスカの周囲にただならぬ空気が漂いだしたのを、カヲルと二人のシンジ達は否応無しに感じさせられていた・・・・

「カヲル君・・・・
 カヲル君・・・・」

「少し様子を見よう、ちょっと手出し出来そうにないよ・・・これは」
 
カヲルの笑顔が引きつり、こめかみから汗が一雫つたい落ちていく・・・・・
 
 
 



 
 

 「あんたねえ、いつまでもそんな風にいじけてても始まらないじゃない」

「いじけてるですってえ!」

「そうよ、せっかく正気に戻ったんだからこれから先どうするかを考えなさいよ」

「ほっといてよ!なんでアンタなんかに言われなきゃいけないの!?」

「よく言うわね、あんたを正気にするのにみんなどれだけ苦労したと思ってるのよ!」

「よけいなお世話よ!!」

「ぬぁんですってぇ!」

「誰も頼んでないわよ、そんなこと!!」

ぶちっ

「・・・あんたなんか助けなきゃ良かったわよ!あのままずっと心がぶっ壊れたままベッドでおネンネしていりゃ良かったのよ!!」

「な、なんですってえ・・・!」

「シンジがどんな気持ちであんたを救おうとしたか・・・それを・・・恩を仇で返すってわけ?ふざけんなっての!!」

バカシンジなんかに救われたくないわよ!!なんであんなのに・・・」

バカシンジですってぇ?!」

バカシンジバカシンジと言って何がいけないのよ?!」

「あんたなんかにバカシンジバカシンジと言われたくないわよ!バカシンジバカシンジと言っていいのはあたしだけなの!!」

「なによ!それはアタシのセリフよ!!」

「そんなことを言うのはこの口か〜!!」

アスカは両手の人さし指をアスカの口に突っ込み、思いきり左右に引き裂いた!

むぎゅっ

「ハ、ハンハはひふんのよ〜!!」

アスカもやり返す!

むぎゅっ

「まんまもも、まみむんもよ〜!!」

「ふぉんの〜!!」「むぉんの〜!!」

「ハンハはんはひ、ハンハはんはひアハヒほひもひはははっへははるほんへふは!ヒヘホホほハハを本ほほほ思っへ・・・本ひへはいひゃっはほよ!!本ほひ、本ほひハハはもほっへひはほ思っはほひ・・・ほれは、ほれはひんはウホはっはのひょ!!」

「みょうみにももれままめめも、みょまっまみゃまいの!ものまめに、ままみのママをまみめやっまもよ!まんみゃみめもらっめも良いむまいまわ!!」

「ひゅるはい!はへはぁ〜」

「もも、ままらむ屋ー!」
 
 「はひ言っへんのはははんないほよ、アンハ!ほのへをははひははいよ!ほほヒヘホホ!!
 
 ミメモノ?ミメモノっめまみよ!あんまももあまみもま似めも似むままいメミモモマイよ!!
 
 「はんへふっへえ!!」「まんめむっめぇ!!」
 
「ハンハハハァ!?」「まんまママァ?!」
 
 



 
 

「カヲル君、僕には何を言っているのか判らないよ・・・」

「僕も・・・・」

それはカヲルも同様である。

「そうだね。でも本人同士はけっこう判ってるんじゃないかな・・・・」

でなければあんなに言い争いが続くわけがない、はずだ?
二人のシンジが不安げに、互いの口に両手の人さし指を突っ込んでののしりあっているアスカ達の攻防を眺めている。
それにひきかえ、カヲルは彼独特の微笑を復活させて、なんだか楽しむ様にアスカ達を見ている。

「カヲル君、あれでいいの?」

「シンジ君、今のアスカ君が再び心を閉ざしそうに見えるかい?」

「え?・・・・・」

「落ち込まれるよりはまだいいと思うよ」

「・・・・・・」

確かに今のアスカはもう一人の自分を相手に怒りの感情を吐き出している。
そしてその姿は実にパワフル、活力に満ちあふれているのだが・・・・

「このままじゃ、このままエスカレートしていったら・・・」

シンジが呟いた。

「だめだ!」

「あっシンジ君!」

カヲルが止めるより早くシンジは飛び出し、アスカとアスカの間に割って入ろうとした。

「やめてよ!二人とも!こんなことしたって仕方ないじゃないか」

「まみ言っめるもよ!もいむまままらむ屋ままらまむいんみゃまい!!」

ハハヒンヒ!アンハひゃはひょ!!」

どすん!

「わっ」

アスカの肩がぶつかり、シンジは尻餅をついて倒れた。

どてっ

「痛たたた・・・・」

「ミンミ!まんまミンミみまにすんのよ!ってあんたあたしん世界のシンジ?」

「うん・・・」

「ひょへいはほころでしゃしゃり出ないでよ!バカシンジ!!」

二人の注意がシンジに向けられ、互いの指がはずれた。
起き上がりながらシンジアスカに訴えかけた。

「アスカ、あっちのアスカはついさっきまで心を閉じてたんだ!とても悲しい思いをしてたんだ・・・だからこれ以上きつい事言わないでよ!」

「う・・・だってこいつが・・・」

「アスカ!お願いだから・・・」

「・・・・わかったわよ」

人さし指をたてた両手をゆっくり下ろすアスカ

「判ってくれたんだね。ありがとう、アスカ」

シンジアスカに感謝の意をこめて微笑みかけた。
それを合図にアスカの顔から険が抜け落ちていく・・・・

「なにじゃれあってるのよ!」

ぴくっ

バカシンジなんかの言いなりになるなんて!」

「ぬあんですってぇ?!」

アスカの眉が再びつり上がる!

「アンタ、バカシンジなんかとデキてるわけ?」

「な、な、な何言ってんの、そんな訳ないでしょ!こいつとはただの幼なじみよ!!」

「なに顔真っ赤にしてるのよ!」

「・・・あんたに腹立てているからでしょ!!」

「アンタバカァ?バカシンジなんかとらぶらぶなんて!」

「だからただの幼なじみだと言ってるでしょが〜!!」

慌ててシンジアスカの手をつかむ。

「ア、アスカ落ち着いて・・・」

「これが落ち着いてられるか〜!!」

どんっ

「うわ!」

アスカにどつかれシンジは後方へ2、3m吹っ飛んだ。
カヲルとシンジがシンジを受け止めた。

「おっと!大丈夫かいシンジ君?」

「あ、ありがと・・・だめだ、止められなかった・・・・」

「アスカ君二人を相手ではね。無謀というもんだよ。まったく磁石のN極同士だ・・・」

「じゃあどうするの・・・?」

シンジがカヲルに尋ねる。

「もう少し待とう・・・・」
 

日が沈もうとしている。
あたりが夕焼けの朱に染められる気配は見られず、青い空はそのまま明度を落としてじわじわと夜へと移行する腹積もりらしい。
9月らしくない情景を背に二人のアスカの激闘は続く。
その様子をながめながらシンジはふと、さっきアスカに夕食までに帰ろうと言った事を思い出した。

(間に合うだろうか?・・・おばさん結構手早く作っちゃうから・・・・)
 
 



 
 
 
「アンタなんでバカシンジなんかとベタベタできんのよ?」

「だからベタベタなんかしてないわよ!それにバカシンジと呼べるのはあたしだけだと言ったでしょが!あんたみたいなサイテー女にバカシンジ呼ばわりされちゃバカシンジが迷惑なのよ!!」

「サイテー女ァ?!」

「そうよ、よくあんたみたいな女のために・・・シンジは・・・病室であたしがあんたの代わりをした時、本当にシンジは悲しんで泣きじゃくってた・・・・・あたしをあんたと思ってよ!!あたしが正気に戻ったふりしたら、喜んでやっぱり泣きじゃくった!こんなにあんたを心配してるシンジをなんだと思ってるのよ!!」

「なんですってえ!アンタどっちのシンジの話してるのよ?!」

「両方よ!確かめておいたわよ、あんたの世界のシンジもやっぱりバカシンジだってことを・・・あたし達の世界とあまりに違う世界で生まれ育ったからあんなになっちゃってるけど・・・・・・もしセカンドインパクトがなくって、平和な世界で暮らしてればきっとあたしんとこのシンジと同じ様なバカシンジになってたはずよ!!だけどあんたは何が変わろうとあたしの様にはならないわね、絶ぇ〜っ対!!」
 
「なりたかないわよ!そんなもの、死んだって!!」

 「なって欲しかないわよ!あんたなんかに!!」
 
「冗談じゃないわよ!アタシはね、今まで自分の力で生きてきたのよ!アンタみたいにママがいて、のんびりと暮らしてるのとはワケが違うんだから!!」

「自慢になんないわよ、そんなこと!一人ぼっちってことじゃない!」

「なんですってえ!!」

ごちんっ

アスカとアスカのおでこがぶつかり合い、くっついた。
頭の高さで手四つの状態になり憤怒の形相で間近にある互いの顔を睨みつける!

「こんの〜!!」「こんの〜!!」
 



 

「まだ疲れないか・・・」

力くらべをしている二人のアスカを観察しながら、ため息まじりに言葉をもらすカヲル。
両脇のシンジ達にささやいた。

「アスカ君達が体力を消耗させた時に止めに入ることにしよう。その時は二人とも頼むよ・・・」

「え?・・・うん・・・でもそれっていつ?」

「さあ・・・・」

「さあ・・・って、そんな呑気な」
 
「あの・・・」

 二人の会話にシンジが入ってきた。

「疲れる前にシャレにならないレベルの暴力を振い出したらどうしよう・・・」

「・・・・・・その時は覚悟を決めて三人がかりで制止するしかないね・・・・」

「・・・・・・」「・・・・・・」

二人のシンジはこわばった表情で互いに顔を見合わせ、押し黙ってしまう。
カヲルもかろうじて口元に笑みを保っていたが、自分の言った言葉の重みはずっしりと感じている。
逆上して本気で潰し合いをするアスカとアスカ・・・・本人達も止める側も相当な危険を伴うだろう。
それでも今は見守るしかないのか・・・・?
 



 

それはまるで合わせ鏡を見ているのかと錯覚してしまいそうな光景だった。
 
「ぬう〜」「うぬぬぬ」

組まれた両手が肩の高さまで下がり、ぶるぶると震えている。
互角の力競べが続いていた。
くっ付き合ったおでこにさらに圧力が加わり、顔が真っ赤に湯だっていく。
こんな状態になっても二人の言葉の応酬は止む事はない。

「あんたねえ、天才少女かなんか知んないけど、それがなんの役にも立ってないじゃない!エヴァを動かす?それで幸せにでもなれるっての!?」

「なんですってえ?アンタの世界と違ってアタシの世界は使徒が滅ぼそうとしてるのよ!アンタのとこみたいにタダで平和をむさぼって生きてるのと訳が違うのよ!!アンタがバカシンジとちちくりあってる間もアタシは命がけでエヴァで戦ってたのよ!!」
 
ちちくり合ってるですって!?誰がそんな事するかっ!!第一あんた、エヴァで戦う事にしか価値を見いだせなかったから、あげくにぶっ壊れたんじゃない!それをせっかく、あたし達が助けてやったのに、価値観変えなきゃ又あんた壊れちゃうわよ!!」
 
「だ、誰が〜!二度と壊れてたまるもんか〜!!

ぐぐっ

叫びと共にアスカの両手に力が入り、のしかかりながらアスカを押し付ける!
アスカもすぐに押し返し、五分の状態に戻す!
くっついたおでこから、おびただしい量の汗が流れ落ちていく。
組み合った手の指の間も汗でねとついていた。

「はあっはあっいつまで強情張ってるのよ〜」

「はあっはあっアンタこそ〜」

「あんたねえ、いいこと教えたげるわ、使徒はもういないのよ!」

「?っな、なんですってぇ?!」

「言った通りよ、エヴァの世界の渚カヲルが最後の使徒だったのよ!おじさま、じゃない、ネルフの総司令も知ってる事よ!嘘じゃないわよ、カヲルの窓の力を使えばエヴァの世界の事なんか筒抜けなんだから!!」

アスカの言葉はアスカの心を動揺させるに十分だった。
合わせ鏡状態が崩れ、アスカの顔が怒りの形相から惑いの表情に変化していく。

「・・・・・そんな・・・」

「驚いた?たとえまたあんたがエヴァを動かせるようになったとしても、戦う相手はいないのよ。判った?」

「・・・・・」

「あんたがどうなったってあたしの知った事じゃないわよ!だけどシンジが放っとけないって言うから仕方なく救う事にしたのよ、それがこんな判らず屋じゃ良い迷惑よ」

「・・・・・・」

アスカの手から徐々に力が抜けてゆくのをアスカは感じていた。

(ふふ、勝った!知ってる者の強みね)

勝利をアスカが確信したその瞬間!

「うぬおおおおおおお!!」

再び急激にアスカの手に力が入りアスカを押し返していく!

「うあ!あんたまだやる気?」

「ふざけるな〜!使徒がいない?それがどーしたのよ!!そんなのカンケーないわよ!!」

「じゃ、なによ!」

「アンタよ!」

「なんですってえ?」

「アンタ見てるとイライラすんのよ〜〜!!」

ずるっ

力の入り過ぎた手が汗ですべり、それと同時にくっ付いたおでこも横すべりした!

「うわっ」「あっ」

力のバランスが崩れ、二人の体が前のめりに泳いだ!
二人ともつんのめりながら、踏みとどまろうとする。
アスカが一瞬早く体勢を立て直し、アスカの頭を右脇に抱え込んだ!
そのままフロントヘッドロックの状態になりアスカの頭部を絞り上げる!

「ぬおおおお〜」

「ぐぎぎいい〜」

「アンタの言う事やる事なす事・・・・存在自体ムカつくのよ〜!!

「ぎゃんげぐっげえ!」
 
 頭部を絞められながらもアスカの右手がするするとアスカの胸元をつたい、首をとらえた。
そのまま喉輪の要領でぐいぐい押し付ける!

「うぇっ!」

「ぐがげんな〜!ごんなギャグを、ごんなギャグをがぐげるがげに、ギンギがいっぎょうげんげいぎゃっげぎがっげの?げぇっがい、ぎゅるががい!!」

「だまで〜ごの〜!」

ぎゅうっ

「ぐぎ!」

ぐいっ

「うげ!」

「がぎがあんがをごんなガイゲーおんがにぎがの?言っげごがんながいよ!」

「うるざい!アダジばママがじんでがだびどりでいぎでがなぎゃなだながっだ・・・だっだびどりで・・・ずっど今まで!」

「あんががぎごりなのが、あんがが原因げぎょ。ガガぎが愛ごうごぎながっががらよ!」

「なんでずっでぇ!アンダ!!アダジがごでまでどんなぎもぢでいぎでぎだど思うど!びどりがどんなにづらいごどが!どでだげないだごどが!!ばっアダジ何言っでるど?」

「がぎよ!?あんがが言っげるんげぎょが!」

「だ、だまで〜ごの〜〜」

ぎゅぎゅぎゅうっ

「がげげががるが〜」

ぐいぐいぐいっ

「ごの〜」「ごの〜」

ぎゅうぐいぎゅうぐいぎゅうぐいぎゅうぐい・・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 

ぱたり・・・・・・・・
ぱたり・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ひとりはいや・・・・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

なんで、なんでシンジはこんな奴を救おうとするのよ・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 
 

アスカの頭を絞り上げていたアスカ腕がだらりと垂れ下がっていた。
アスカの咽を押しつけていたアスカの腕がだらりと垂れ下がっていた。
精も魂も尽き果てたのか、それともすでに意識がないのか・・・それでも二人は立っていた。
さっき二人の腕がぱたりと落ちてから全く動く気配がない・・・・・

二人の足元からは奇妙な形の影が伸びている。
まるで4本足の動物(なんの動物かは判らないが)みたいな・・・・・
あたりはもう二人の姿をシルエットにしてしまいそうな位、暗くなっていた。

(終わったのか・・・・?)

カヲルは用心深くアスカ達を観察しながらシンジ達に声をかけた。

「様子を見てはもらえないかい?どうやらもう動けないみたいだから」

シンジが問うた。

「カヲルくんは?」

「君達にまかせるよ。アスカ君達の事は君達でやるほうがいいと思うよ。今なら大丈夫じゃないかな?」

シンジとシンジは顔を見合わせた。
互いの頬につたっている汗が冷や汗だと解る。
自分がそうなんだから・・・・
ついさっきまで壮絶なアスカ同士の戦いを目の当たりにした所だから気後れするのは仕方ない。
しかしいつまでもあのままにしておく訳にもいかない・・・シンジは意を決した。

「そ、それじゃ行くよ!」

「う、うん・・・」

頼り無さそうに答えるシンジ。
二人はおっかなびっくりとそれぞれ自分の世界のアスカに近づいて行く。

そぉ〜

抜き足差し足でシンジ達はアスカ達の背後に回り・・・・そっと背中に触れた!
 

むくっ!むくっ!
 

「ひっ」「わっ」

突如、アスカとアスカが体を起こし、仁王立ちとなった!

「こんの〜!」「こんの〜!」
 
「うわああああ」「うわああああ」

蜘蛛の子を散らす様に退散するシンジ達!

「まだやる気か・・・・」

冷静につぶやくカヲルの元へシンジ達が逃げ戻った。

「カ、カヲル君、話が違うよ!」

声がユニゾンしてしまった。
だがカヲルの目はシンジ達でなく二人のアスカに向けられている。
彼女達が軽快なフットワークを使い出したからだ。

「打撃技に出るつもりか・・・・」

「え〜〜!!」

シンジの顔がみるみる蒼白になってゆく。

「アスカは、アスカは、よっぽどの事がないと蹴りを使わないんだ!もし使ったら・・・・大変だ!!」

「そ、そうなの!?」

思わず聞き返すシンジ。

うん、アスカの喧嘩のパターンは最初は口で、次は平手か締め技極め技で、それでも相手が音を上げなかったら最後の手段として蹴りを使うんだ!」

「そんなに凄いの?」

「うん、あれをやられたら、目を覚ますどころか気絶しちゃうよ・・・・」

「??・・・・」

「僕にだけは遠慮なく使うんだから・・・・」

「?・・・・・わかんないよ・・・・」

「君のとこのアスカはどうなの?」

「へ?そ、そんなこと言われても・・・・」

「あ、そうか・・・・」

シンジは口をつぐんだ。
彼はアスカと幼なじみではなかったのだ。
同じ姿をしていても自分の常識が彼には当てはまらない。

(幼なじみじゃないアスカなんて・・・・想像もつかないや・・・)

思いながらシンジは今まさに打ち合わんとする二人のアスカを見つめた。

(こんな・・・・止めさせなきゃ!アスカが、アスカが怪我しちゃうよ!!だけどどうすりゃいいの?)

カヲルも含めて三人がかりでも止められるだろうか?
自信は小指の先程もなかった。
アスカとアスカは互いに両手をアップライトに構え、間合いを取りながら打ち込む隙を伺っている。
いつ均衡が破られるかわからない。

シンジ君!」

カヲルの声にシンジの思考が中断された。

「二人とも覚悟はいいね・・・・」
 



 
 
 じり・・・・じり・・・・

少しずつ間をつめながら睨み合うアスカとアスカ

「なんでよ・・・なんでアンタ見てるだけでこんなに腹が立つの?!」

「それはこっちのセリフよ!あんたみたいなろくでなしがあたしとそっくりってだけで気分悪いわ!!」

「言ったわね〜!このニセモノ!!」

ぶんっ

アスカが右手を振り回した!
アスカは顔面スレスレで軽くバックステップを踏んでかわす。
もちろん、これはフェイントだ。
アスカは間を置かずに右足を繰り出す。
相手の側頭部めがけての回し蹴りだ!

びゅっ

アスカはこれを読んでいた。
身を縮めてこれをかわした、が、アスカの足はアスカの頭上でピタリと止まり、カカトが真下に振り下ろされた!

しゅっ

首を傾け、間一髪かわしたアスカの肩をアスカのカカトがかすった。

「む!」

肩に垂れていた髪が数本ちぎれて黄金色に煌めきながら宙を舞った。

「やったわね!」

叫びながら体勢を立て直すと、無造作に間合いを一歩詰める。
ハイキックを狙い膝を突き出した!
それはアスカから見て単調きわまりない攻撃でしかなかった。
だが!高く上がった膝を軸に繰り出されたハイキックは速いのみならず、あまりにも変則的な軌道を描いた!
アスカの足は真正面に立つアスカの後頭部めがけて曲線を描く!

ばしゅっ

アスカの回避行動が一瞬間に合わず、頭頂部をつま先がかすり、髪の毛をかき上げた!
アスカの付けていた赤い髪止めが数メートル先へ吹っ飛ぶ!!

「ぬう!」

脳天に手を触れながら後ずさるアスカ。

「このぉ〜・・・」

顔をしかめながら間合いを取る。
再び睨み合うアスカとアスカ
今度は容易に踏み込まない。
互いに刺す様な視線を向けたまま微動だにしない。
二人の間の空気がどんどん張りつめていく・・・・・
 
 
 
 

(次の一発で・・・)(・・・決めてやる!)
 



 

「おそらく次で勝負を決する気だ」

「どうして分かるの?」

アスカと幼なじみの自分ですら分からない事を、カヲルが何故分かるのかシンジには疑問だった。
自信たっぷりにカヲルが答える。

「こういう状態の時はそういうものなんだよ」

「そ、そうなの・・・・」

シンジはカヲルの自信の根拠が前世紀の某ボクシング漫画である事など知る由もなかった。

「このままじゃ二人とも無事ではすまないよ」

「そんな!」

「止めたいかい?」

「うん、アスカ同士が傷つきあうなんていやだよ!」

「代わりに自分が傷付いてもいいのかい?」

「・・・・・・かまわない!」

満足そうにカヲルは微笑んだ。

「そうか、わかったよシンジ君。シンジ君のほうはどうなんだい?」

カヲルはシンジに笑みを向けた。

「え?・・・・・僕は・・・・」

「恐いかい?二人を止めるって事は代わりに自分が攻撃を受け止めるって事だよ」

「・・・・うん・・・恐い」

「でもそれは所詮、体の傷にすぎない。心じゃなく。シンジ君、君が恐れるのは心が傷付く事じゃなかったのかい?」

「・・・・それは」

「大丈夫だよ、やってごらん」

そう言うと、カヲルは笑顔の中からさらにとびきっりの笑顔をシンジに見せた。
シンジは自分の気持ちが不思議と安らいでいくのを感じた・・・

(カヲル君・・・僕の知ってるカヲル君じゃないのに・・・・そうか、彼もカヲル君なんだ!)

ここには自分を元気づけてくれる人がいる・・・シンジの心に勇気が沸き上がる。
シンジもカヲルに微笑み返した。

「わかったよ、やる!」

「ありがとう、その言葉を聞きたかった!」

カヲルはまだ睨み合ってるアスカ達を振り返った。

「アスカ君、よくぞ今まで待っててくれた!最終ラウンドまでじっくり気合いをためているってとこか・・・シンジ君、彼女らは僕がとめるよ。実は手はあるんだ。扉を二人の間に広げれば・・・・扉の向こうを谷底にでもすれば壁代わりに使えるだろう」

「カ、カヲル君?」

「ごめんよ、君を試してしまった・・・せこいね、エヴァの世界の僕はこんなことしないだろうに」

「あっ」

突然、シンジが声を漏らした。
アスカの体がほんの僅かだけピクリと動いたのだ。
長年幼なじみとしてつき合ってきたシンジの感覚にその意味がつたわる!

ぐいっ

シンジはとっさにシンジの手をつかみ、二人のアスカの間めがけて突っ込んだ!
 
 



 

高まるだけ高まった緊張感が二人を取り巻く空気を硬直させ、いよいよ最後の一撃を放たんとする直前、アスカとアスカの体がピクリと震えた!
 
 

(くらえ!!)(いけえ!!)

全く同時に二人の右足が、互いの側頭部を狙って斬りつけられた!
目にも止まらぬ速さで二本の足が交錯する!
 
 
 
 
 
 
 

ばきっ
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

「あっ!」「ああ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 

二本の足に二つの頭がサンドイッチにされていた・・・・・・・・
 
 

「シンジ?」「シンジ!!」
 

狼狽の表情と共にアスカ達が足を下ろすと、シンジ達の体はゆっくりと崩れ落ちていった・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

・・・・・・・ンジ!シンジ!バカシンジ!!」

「〜〜ん、なんだ、アスカか・・・・・」

シンジはゆっくり目を開くとあくびをした。

「シンジ、なんか勘違いしてない?あんた寝てたんじゃなくて気絶してたのよ!」

「へ?あいた・・・」

後頭部のあたりから鈍痛がじわっと拡がってくる。
この痛みでシンジは事態を把握した。
顔をしかめながらシンジは上体を起こすと、傍らに付き添うアスカに尋ねた。

「どれだけ寝てたの?」

「ほんの1、2分よ。無茶するんだから、ほんと、バカシンジね!」

口調のきつさとは裏腹に、アスカの表情からは安堵の色が見受けられる。
それを確認すると、シンジは痛みに耐えながら首を横にひねった。
シンジの様子を見ようとしたのだ。
彼の眼に飛び込んだのは、白目をむいて横たわるシンジに膝枕をしている渚カヲルの姿だった。

「・・・・・カヲル君なにしてるの?」

ジト目を向けるシンジに、まんざらでもないといった風情のカヲルが答える。

「やあ、無事のようだね。こっちはまだ起きないんだ。本当はアスカ君が介抱してくれると有り難いんだけど・・・・」

カヲルは背後に立つアスカをちらりと見やった。
腰に手を当てシンジをじっと見下ろしているアスカ・・・・その顔にはまだ怒気が残っている。
髪止めは取れたままだ。

(こいつ、なんで・・・・・・)
 

「シンジ、一応聞いとくわ、なんであんな危険なマネしたの?」

「え?だってあのままじゃ二人とも怪我すると思って・・・・」

「それであんたが気絶しちゃ、世話ないわよ!」

「・・・・・ごめん」
 

アスカはシンジに視線を合わせたままで、もう一つの世界の自分とその幼なじみの会話をぼんやりと聞いていた。

(こいつもあっちのシンジと同じ理由で・・・・?)

「アスカ君」

「!っ」

カヲルの声が思いをめぐらすアスカを現実に引き戻す。
ちょっと驚いてしまったアスカはごまかすようにきついトーンで聞き返した。

「な、なによ!!」

「シンジ君達が止めに入らなきゃ君達がこうなっていたんだ・・・・」

カヲルは自分の膝の上にのっかっているシンジの頭をなでさすった。
相変わらずシンジは白目をむいている。

「な、なんですってぇ?そんなわけないでしょ!シンジが邪魔しなきゃアタシの蹴りがあいつをぶっ倒してたわよ!!」

びくっ

すかさずアスカが反応する!

「なんですってえ!あんたまだそんなこと言ってるの?」

「何よ!やる気!?」

「・・・・やめてよ・・・」

「えっ?」

「誰?」

「やめてよもう・・・・」

「シンジィ?!」

なんとシンジが白目のまま声を発していたのだ。
カヲルは自分の膝に置かれたシンジの顔を覗き込み、少しの間観察すると呟いた。

「まだ半分程気絶してるみたいだ・・・」

はあ〜・・・

緊張感が切れて間の抜けたため息がもれる。
気を取り直してアスカがシンジに話し掛けた。

「半分でいいわよ!アンタなんで止めに入ったの?」

「・・・・・手を引っぱられた」

「何よ、それ?」

シンジが頭をかかえた。

(黙ってりゃいいのに・・・・バカシンジってこういう事を言うのかな?)

第三者の目で見て、初めてバカシンジの意味を知るシンジだった・・・・
そのバカシンジはさらに話し続けた。

「・・・・カヲル君が言ったんだ・・・心が傷付くのに比べれば体が傷付くのなんて・・・だから・・・僕はどうなっても・・・・止めようと・・・」

「・・・・・・」

「僕には・・・・それくらいしか・・・・」

シンジの目がくるっと回り、黒目が出た。
カヲルの膝枕からぎこちなく起き上がり、ぼそっと呟いた。

「・・・・・・ここはどこだろ・・・?」

アスカが答えた。

「さあ・・・よく知らないわ・・・・」

「・・・・・そう・・」

シンジはのろのろと立ち上がった。
たまたま自分の視線の先に微かに光るものが見えている。

「・・・・・星だ・・・・」

シンジの見る方向にみんなも向いた。
灰色の夕暮れ空にたぶん一番星と思われる瞬きが見えた。
いつの間にか、といった感じで。
みんななんとなく見入ってしまい、しばしの間、静粛の時が持たらされた。
さっきまでの死闘がうそのように・・・・
 
 

「もうこんな時間か・・・・そろそろだな」

カヲルが沈黙を破った。
その言葉にシンジアスカが反応する。
 
「カヲル君、じゃあ・・」

「シンジ、あたしにまかせて」

シンジに請け合うとアスカはアスカに向き直った。
その口元には相手を馬鹿にするような笑みを浮かべている。

「何よ!やる気?」

「そうしたいのは山々だけどそんな時間はないわ。これからやる事があるし・・・・」

「やる事って何よ!」

「聞きたい?じゃ、教えたげる。シンジも聞いて・・・」

いつの間にか5人はエヴァの世界の二人と平和な世界の三人に分かれていた。

「あたしの家はパパもママも健在なんだけど、シンジの家も両親とも生きてるの。あたしん家の隣に住んでいるんだけど、おじさまはおばさまの尻にしかれてるみたい。あのヒゲづらでよ!ふふふ・・・・」

「アンタ何が言いたいのよ!」

「だからね、シンジは寝ぼすけで毎朝あたしが起こしに行ってるのよ。いつも遅刻ぎりぎりで走って登校してる。あたし達が通ってる学校はあんた達の学校と同じよ。行く道筋も。クラスの生徒までいっしょなの。ただし先生が違う。担任の先生がなんとミサトなの!!」

「ええっ!」

シンジは素直に驚いたがアスカはアスカの意図が読めず、イラついている。

「だから何が言いたいのよ!」

「理科がリツコで数学はマヤなの。そうそうミサトは遅刻魔でいつも例のルノーでぶっ飛ばして来るのよね〜。よくあれで先生が勤まるもんね。まあ、色々あるけど楽しいところよ」

「何が言いたいのって聞いてるのよ〜!!」

キレるアスカの怒鳴り声を全く意に返さず、アスカは余裕の笑みで答えた。

「つまり・・・・こういう事よ!!シンジ!」

アスカシンジはポケットに手を突っ込み、取り出した物をシンジとアスカの足元に投げつけた!

チャリンッ

金属音を立てたそれに二人は目を向ける。

「!?」

投げられた物は両方とも鍵だった。

「家の鍵よ!」

アスカの声に二人が向き直ると、そこには青白く輝く扉が完成されていた。
驚く間もなくカヲルが扉をくぐり抜けた。
シンジがそれに続く。

「しばらくこっちでのんびりしたら?殺伐とした事は忘れてね!」

言いながらアスカも扉を通り抜けた!

「!」

呆然とするアスカに扉の向こうからアスカがあかんべえをする。

「あ、あいつらぁ!」

怒りに蒼い瞳をぎらつかせ、猛然と飛びかかるアスカの目前で扉は一気に縮小し、消えた。
アスカの体は虚しく空を切り、アスファルトの地面に着地した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

シンジとアスカは今日、初めて知った世界に取り残された・・・・・・・
 
 
 

その5終わり
 



 

次回予告

エヴァの世界で行動を開始するシンジとアスカ。
ゲンドウがカヲルの存在を知った時、ゼーレのシナリオでもなく、ネルフのシナリオでもないカヲルのシナリオが動き出す。
一方、とまどいながら平和な世界での生活を始めるシンジとアスカ。
彼らを待ち受ける物は・・・・?
次回シンジアスカの大冒険?その6、

ハリセンとシナリオ

「悪いけど貴方達のシナリオ、遅らしていただきます・・・」
 



 

すんません、実はこれがやりたくて書き始めたんです。
長いネタフリやった・・・・・
大ぼけエヴァ第六話書いた後、これ以上インパクトあるネタが浮かばず考えた末、アスカ同士の壮絶な戦いにたどり着いたちゅう訳で・・・・・
エヴァ小説を読むと、本編エヴァなのに性格が学園エヴァのアスカだったり結構作者が自由に変えてるので、それならいっそ本編エヴァと学園エヴァのアスカをそのままぶつけてみようと考えたんやけど、なかなかうまく書けへんのよ。
喜劇にするのがやっかいで・・・・なんで喜劇や。
で、これから先はというと、やわらかい話にするため映画版に近付けて・・・・どういう理屈じゃ!!
背景色変えました。
見にくいようなので。
それにしても暑いの〜、自転車で職場に行きたいけど暑くてその気になれん。
下鴨の家から局までだいぶあるから・・・・なんで京都は夏暑くて冬冷たいんじゃ!
ほなこれで。

ver.-1.00  1998+8/24公開

ご意見、御感想、誤字、なんでやねんなどの突っ込みは m-irie@mbox.kyoto-inet.or.jp までおこしやす
 





 えいりさんの『シンジアスカの大冒険?』その5、公開です。



 アスカ対アスカ・・・考えるだけでクラクラする対決だ〜



 あのアスカの性格vsあのアスカの性格

 あのアスカの攻撃力vsあのアスカの攻撃力

 あのアスカの精神力vsあのアスカの精神力


 ・・あぁ・・クラクラするほどステキ〜(*^^*)



 華麗なる戦い♪


 2人のイライラの原因とかもいいよね。



 リングサイドで見てみたいっす



 さあ訪問者の皆さん。
 えいりさんに、
  作品の感想とか
  学園シンジとEVAシンジの区別表記方法のアイデア
 とかを送りましょう!




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