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気になるあの子・第伍話

 
−あの子と遊園地 前編−


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 「ねえりっちゃん」
 「なあにシンちゃん」


 今日は月曜日。六月の梅雨時の晴れた日である。給食も終わって、昼休みの一時。


 「こんどのにちようび、みんなでゆうえんちいかない?」
 「だれと?」
 「ケンちゃんとミキちゃん。おとうさんがつれててってくれるんだ」
 「どこに行くの?」
 「でずねーらんど」
 「あ、行きたいわ」
 「じゃぁいっしょにいこ」
 「うん今日帰ったらお母さんに聞いてみる」
 「わかった。ぼくはケンちゃんとミキちゃんにもきいてみる」
 「うん。一緒に行けたらいいね」








 「ねえお母さん」
 「なあにりっちゃん」


 ここは赤木家。夕食後の一時。


 「今度の日曜日シンちゃん達とでずねーらんどに行ってもいい?」
 「でずねーらんど?誰と行くの?」
 「シンちゃんとケンちゃんとミキちゃん、それとシンちゃんのお父さん」
 「ふぅ〜〜〜〜ん。大人はシンちゃんのお父さんだけ?」
 「そうよ」
 「それだとシンちゃんのお父さん大変ね、じゃあ私も行くわ。今度の日曜日は休みだから」
 「じゃあ行ってもいいのね。うれしぃ〜〜。お母さん大好きぃ〜〜」


 リツコはナオコに飛びついた。


 「シンちゃんのお父さんには私から電話しといてあげるわ」
 「うん。ありがとう」
 「じゃあリツコ早速準備を始めないとね」
 「え、だって行くのは日曜日よ」
 「リツコ、甘いわよ。こういう事はきちっと用意しなければ駄目よ。言うなれば今度の遊園地行きはリツコとシンちゃんの初めてのデートよ」
 「えっデート。ポッ


 デートという言葉に思わず反応しゆでだこ状態になるリツコ。う〜〜んらぶりぃ


 「そう。いかに婚約したとはいえ男の子は浮気性なのよ。昔から男心と冬の海って言うでしょ」
 「なんか違う気がする」
 「ともかく、今度の日曜日の為に天候のシミュレーション、装備の確認、食料の確保、タイミングチャートの設定、服装の用意、同行者達の行動パターンチェック、移動手段の確保etcやる事がいっぱいあるわ。服装は土曜日に百貨店で買うにしてもその他は今の内から準備しないといけないわ。特に今は梅雨時だから雨対策も重要ね。もし降りそうだったらいろんな手を使って晴れさせないといけないし。そうだ今週は私早く帰ってくるからこれから一週間リツコは学校から帰ったら料理の特訓よ。男の子は手料理に弱いからね。よぉ〜〜しやるわよぉ〜〜〜〜」


 その時リツコはナオコの後ろに燃え上がる炎を見たという。


 「お母さんステキ」


 リツコは燃える母を見て感動していた。まさにこの親ありてこの子ありである。
 その日より「オペレーションでずね」日本語作戦名「シンちゃんのハートをがっちりキャッチ作戦」が始まった。








 翌日火曜日は晴れだった。
 今日も仲良く四人で登校である。


 「ねえりっちゃんもいけるんでしょ」


 ミキちゃんが聞く。


 「うん。お母さんも一緒についていくって」
 「へえ。そうなんだ」


 ケンジがナオコを思い出しながら話す。


 「楽しみだね」
 「うん」


 既に皆の頭の中は遊園地にワープしていた。








 その日、皆と遊ばずに早く帰って来たリツコに、待っていたナオコは言った。


 「計画にミスがあったわ」
 「えっ、どんな」
 「それはね、でずねーらんどはお弁当持ち込み禁止なの。だから代わりにリツコの手作りクッキーで攻めるのよ」
 「クッキー?」
 「作ったことあるでしょ」
 「うん」
 「ここは基本どおりシンちゃんにはハートの形のクッキー。他の人達にはクラブやスペード、ダイヤの形ね。シンちゃんのお父さんには少しハートを入れてもいいわ」
 「どうして?」
 「将を得んと欲すればまず馬を射よって言うでしょ」
 「なるほど」
 「リツコ今日はクッキー焼く練習よ。私は移動のタイミングチャート作成をするから」

 「わかったわお母さん」


 母と娘はがっちりと握手をかわした。二人の瞳には炎が燃えていた。








 翌日水曜日は曇りだった。


 学校から帰ったリツコはナオコが恐い顔をしてディスプレイを覗いているのを見た。


 「どうしたのお母さん」
 「あ、お帰りリツコ。実は軍事衛星の画像見てたんだけど、やばいのよ」
 「何が?」
 「天気がよ」
 「どうなっているの?」
 「これを見て」


 ナオコが指し示すディスプレイには可視光、赤外線、マイクロ波など色々な波長で撮った日本近海及びアジア近郊の写真が写っていた。米軍の軍事偵察衛星からのデータである。赤木母子にとって米軍のデータプロテクトなど無いにも等しかった。


 「ほら梅雨前線が活発化しているわ。この調子で行くと週末は雨ね」
 「えっそんな!!!!折角のシンちゃんとのデートが…………」


 リツコは既にケンちゃんとミキちゃんの事は頭に残っていなかった。もちろんナオコやシンイチの父の事もそうである。


 「リツコ、さすがに私でも天候はいじれないわ。覚悟しといた方がいいかも」
 「そんなの…………


 リツコはかけ出すと自分の部屋に入ってしまった。
 ナオコはそっとしておく事にした。








 リツコは自分の机の前の椅子に座りぼーっとしていた。自分でも天候をいじれないのはわかっていた。


 「どうしよう。初めてのデートなのに…………」


 悩む。可愛い顔の眉間にしわをよせて考えていた。


 「そうだ。フラン研さんにどうにかしてもらおう。フラン研さぁ〜〜〜〜ん」


 彼女の呼び掛けに答えるように机の上に小人が現れた。
 フラン研だった。今日の彼は潜水服を着ていた。


 「りっちゃんこんばんわ」
 「フラン研さんこんばんわ。そのカッコどうしたんですか?」
 「ああこれね。最近気に入っているんで外出する時よく着るんだ」
 「そ、そうなの」


 フラン研折角の美男子がだいなしである。


 「今日はどうしたんだいりっちゃん」


 机の上の消しゴムに腰掛けてフラン研が聞く。


 「今度の日曜日皆で遊園地に行くの。これがシンちゃんとの初めてのデートなの。だけど雨が降りそうなの。お願いフラン研さん。天気を晴れにして」
 「そういう事か」


 フラン研は続ける。


 「りっちゃん可哀想だけどそれは出来ないよ」
 「何で?」


 りっちゃんの泣きそうな声に心苦しいフラン研であったがあえて続けた。


 「確かに私なら天気を変える事も出来るよ。だけど天気を変えることはとても大変な事なんだ。たとえば夏あついからと言って涼しくしたら、お米は育たない。冬寒いと言って暖かくしたら麦は育たない。秋や春のそよ風がいいといって一年中そうしたら、花は咲かない。同じように梅雨時に雨を降らせなかったら植物が育たなくなるんだ。だから僕は直接人の命がかかわる時以外は天気を変えたりはしないんだよ」
 「でも、でも」


 ぽたぽた


 上からフラン研を覗いていたリツコの瞳が涙で濡れた。眼鏡の縁からフラン研の上に滴ってくる。潜水服を着ててよかったとフラン研は思った。しかしさすがに冷たいので体の上に結界を張り涙を避けた。


 「それにりっちゃん、りっちゃんは技術者でしょ。技術者は最後まで自分の力を信じて一所懸命開発をして頑張らなくっちゃ。それでも駄目な時は神様にでも何でも祈ったりすればいいんだよ。ほらこの国には照る照るぼうずとか言う護符があるだろう。まずりっちゃんの出来る方法、いろいろな機械を作ってみるんだ。それでも駄目だったらいっしょに照る照るぼうずを作ってあげるよ」


 じっとフラン研を見ていたリツコは、左手で眼鏡を外すと右手で顔を拭った。一瞬美しい緑の瞳でフラン研を見た後眼鏡をかけた。


 「フラン研さん、わかったわ。私頑張ってみる。それにフラン研さんを見ていいアイデアが浮かんだわ。よお〜〜しやるわ」


 リツコは気合いが入って来た。


 「その意気だりっちゃん。頑張るんだよ」
 「うん」
 「じゃ僕は帰るからね。さようなら」
 「フラン研さん、さようなら」


 フラン研はすう〜〜と消えた。
 リツコはごそごそと工具をいじり始めた。








 ナオコは真夜中になってもリツコの部屋から光が漏れているのが気になっていた。音をたてずにそぉ〜〜と部屋に入ってみると、リツコが椅子に座り机にもたれ掛かって寝ていた。机の上には六つのブレスレットと工具が転がっていた。リツコは微笑んだまま寝ていた。ナオコはおこさないように静かにリツコを抱きかかえ、布団に寝かしつけた。リツコは幸せそうに寝ていた。








 翌日の木曜日は昼から雨だった。シンイチは寝坊寸前で家を出た為傘を忘れていた。放課後帰る時になって彼は困っていた。


 「う〜〜ん。どうしよう」
 「シンちゃんどうしたの」


 リツコが下駄箱の所でシンちゃんに聞く。


 「きょうかさもってきていないんだ」
 「そう…………じゃあ私の傘で一緒に帰らない?ポッ
 「え、なあに」
 「だから、その…………一緒の傘で帰らない?」


 言いつつ真っ赤になるリツコ。お風呂に一緒に入るより相合い傘の方が恥ずかしいらしい。う〜〜〜〜んらぶりぃ


 「ありがとう」


 シンちゃんはリツコに向かって微笑んだ。リツコはますます真っ赤になった。


 「どういたしまして」
 「りっちゃんかおあかいよ。どうしたの」
 「なんでもないわ」


 リツコはランドセルに手を入れると、ピンク地にひまわりの絵柄が入った大きな傘を引きずり出した。


 (どうやってはいってるんだろう)


 シンイチは思ったが口にしない。りっちゃんがやる事なのでそれでもいいと思った。


 「じゃいっしょに行きましょ」
 「うん」


 二人は靴を履き変えた後、校舎のひさしの下へ移動した。雨はいかにも梅雨らしく、しとしとと降っていた。リツコは大きな傘を開くと言った。


 「はいシンちゃん。そっち側に入って」
 「うん、ありがとう」


 リツコは右手で傘を持ち、開いている方にシンイチを入れた。


 「りっちゃんかさもってあげるよ」
 「あ、いいわ」
 「いれてくれたんだからぼくがもつよ」


 シンイチはそう言って傘の柄をつかもうとした。が歩いているせいで、リツコの手を握ってしまった。


 (りっちゃんのてってやっぱりちっちゃくってかわいいなぁ〜〜)


 とシンイチは思った。リツコは真っ赤になりつつ言った。


 「じゃこのまま二人で持って帰りましょう」
 「うんそうだね」


 相合い傘で、手をつないだまま、しとしと雨の中を帰っていく二人。絵に描きたいぐらい可愛い光景である。








 ちょうどそのころ、ケンジとミキが下駄箱までやって来た。


 「あ、りっちゃんとシンちゃんだ。お〜〜いムギュ」


 ケンジが二人を呼び止めようとする所をミキが口を塞いで邪魔をした。


 「ミキちゃんなにするんだよ」
 「ほんとおとこのこってでりかしーがないんだから」
 「でりかしー?なにそれ」
 「わかんないならいいの、とにかくふたりっきりにしといてあげるの。あいあいがさはおんなのろまんなのよ」


 ミキちゃんお得意の女のロマンである。


 「よくわかんないけどそれじゃいいや。ぼくたちもかえろうよ」
 「うんかえりましょ。わたしかさもってきてないからいっしょにいれてよ」
 「え〜〜〜いっしょに」
 「わたしじゃいやなの」


 プリプリと怒るミキちゃん。


 「じゃいいよ」
 「ふむ。よろしい」


 すっかりミキちゃんの尻に轢かれているケンちゃんであった。








 りつこはシンイチを家まで送るとルンルン気分のスキップで福音荘まで帰って来た。


 「お母さんただいま」
 「お帰りリツコ。あらやたら機嫌いいわね」
 「うん。さぁ早速クッキーの特訓よ」
 「そう思って原料一杯買い込んだわ。さあランドセル置いて服着替えて手を洗ってらっしゃい。お母さんがバシバシしごいてあげるわ」


 赤木家のその日の夕食の主食はクッキーだった。








 翌金曜日も雨である。昼休み教室ではリツコが窓際でため息ばかりついていた。


 「りっちゃんどうしたの。げんきないわね」
 「うんミキちゃん。この雨何時になったら止むのかなぁと思って」
 「そうね。ほんとにこまったわ。せっかくにちようびのためにおでかけようのふくかってもらったのに」
 「ミキちゃんも?私も土曜日にお母さんと買いに行くの」
 「そうよね。だってりっちゃんシンちゃんとはじめてのデートだものね。ニヤリ」
 「ギク!!そ、そうゆう訳じゃないのよ。ただやっぱりどっか行く時には新しい服で行きたいわ」


 婚約しているのに妙な所で意地を張るものである。


 「シンちゃんとケンちゃんはどこ?」
 「たいいくかんであそんでいるらしいわ」
 「男の子って気楽よねぇ〜〜」
 「ほんとそうよねぇ〜〜」


 ちっちゃいレディー達の悩みは尽きないようだ。








 その日帰宅したリツコは、ナオコが全ての服を出して眺めているのを見た。


 「お母さん何やってるの?」
 「私とリツコの服装の組み合わせを考えているのよ」
 「でも全部出さなくても……」
 「甘いわリツコ。服装と化粧は女の最大の武器よ。使える戦力は全て使わないとだめよ」
 「わかったわお母さん。で、どのような戦略をとるの?」


 何か会話の質がおかしい母子である。


 「まず私はラフな中にも大人の上品さを見せる服装ね。あまり新しくはないけどそんなに使い古していないジーンズのパンツに、男物のシャツその上に軽く何かをはおるわ。化粧は薄めでスポーティーさを演出ね。可愛いサングラスとサンバイザーなんかも付けちゃいましょう。これでばっちりよ。リツコあなたは動き易さと可愛らしさを重点に置く事にしましょう」
 「どれがいいかなぁ」
 「実物は明日買うとして、今日は明日の買い物の為に今ある服でいろいろ確かめて見ましょう。まずミニスカートを基調にしたフリルがいっぱいある服。これは可愛いけど動きにくいわ。次ワンピースこれは比較的動き易いけど風に弱いわね。最後に私とおそろいで柔らかいGパンに男物のシャツ、眼鏡も少し色の入ったおしゃれな奴。この三種類のどれかを考えているわ」


 その日は大着せ変え大会となった。








 翌土曜日も雨であった。学校で休み時間リツコはせっせと照る照ぼうずを作っていた。ランドセルから紙と糸を出す。一枚を丸めて頭にし、それをもう一枚の紙でくるんで首を糸でぐるぐる巻く。頭にマジックで顔を書く。一つ当たり20秒の早業である。シンちゃんも一緒に一所懸命に作っている。シンちゃんは一つ当たり30秒ほどかかるみたいだ。りっちゃんの机の上が見る間に照る照ぼうずの山となる。


 「りっちゃんシンちゃんきあいがはいってるわねぇ〜〜」
 「うんミキちゃん。ある人に自分で出来る努力を出来るだけしたらその後は神頼みもいいって言われたの」
 「そうだよ。ぼくもりっちゃんほどうまくないけどつくってるんだ」
 「そうねわたしもてつだうわ」


 ミキちゃんも照る照ぼうずを作り始める。リツコほど早くないが一所懸命に作り出す。

 「ありっちゃんシンちゃんミキちゃんてるてるぼうずつくってるの」
 「そうよ」
 「よぉ〜〜しぼくもつくるぞぉ〜〜」


 ケンちゃんも作り始めた。
 学校が終わる時間までに400個程の照る照ぼうずが出来た。四人で大体100個ずつを、リツコがランドセルより出した大きなビニールの手提げに入れそれぞれが持ち帰った。




 家に帰るとナオコは外出の支度をして待っていた。


 「リツコ早速服を買いに行くわよ」
 「うん。わかったわ」




 百貨店から大きな紙袋を抱えて家に戻ったリツコはナオコに言う。


 「これで後はクッキーを焼けば大丈夫ね」
 「そうね。ただこの雨が心配ね」


 外はまだ雨が降っていた。


 「お母さん、私照る照ぼうずいっぱい作ったの。吊るすの手伝って」


 リツコは部屋から100個以上も照る照ぼうずが入った袋を持ってくる。ナオコは目を丸くして見ていたが、優しい顔つきになると言った。


 「わかったわ。家じゅうに吊るしましょう」
 「うん。紐とってくる」


 パタパタとリツコは部屋に戻る。


 「あの子ほんとにシンちゃんと遊園地行くの楽しみなのね」


 ナオコは呟いた。


 「よお〜〜し。娘の初恋の為頑張るぞぉ〜〜」


 ナオコは腕まくりをすると照る照ぼうずをつるす場所を物色し始めた。








 とうとう遊園地へと行く当日がやって来た。少し雲はあったがよい天気であった。午前八時十分前、シンイチの家の前には既にシンイチとシンイチのお父さん、ケンジとミキが集まっていた。見送りに来たケンジとミキの親と挨拶をかわした後4人は福音荘へと向かった。








 「ケンジ君はいつもジャージなのかい?」
 「ううん。きょうはゆうえんちだからうごきやすいほうがいいっておとうさんが……」

 父親の名はトウジかもしれない。


 「ミキちゃんはその帽子お気に入りだね」
 「そうなの。とってもおきにいりなの」


 ミキちゃんの今日のファッションは赤い靴に白い靴下、ピンクのミニスカートにフリルが一杯付いた上着と、黄色い帽子だった。ミキはケンジの腕をむんずと掴み、うでを絡ませると言う。


 「こおいうときおとこのこはれでぃーのえすこーとをするものなのよ」
 「そうなのぉ〜〜おもいよぉ〜〜」
 「まあしつれいね」


 二人が仲良く歩いていく。後ろを半ズボンにTシャツ姿のシンイチとジーンズパンツにポロシャツ姿のシンイチのお父さんが続く。


 「それにしても昨日はびっくりしたな。帰宅するといきなり家中が照る照ぼうずだらけだったからな」
 「うん。みんなでいっぱいつくったんだ」
 「そうか。そのせいか今日は見事に雨が止んだな。よかったな」
 「うん。よかったね」




 てくてくてくてく




 みんなでわいわいと歩いて行く。ちょうど午前八時に福音荘の前に到着した。そこには一台のワンボックスカーがアイドリングをして止まっていた。


 「どうやらあの車みたいだな」


 コウイチが言うとシンイチが駆け出していった。


 「りっちゃん。おはよう」


 シンちゃんの大声の挨拶に車の中から返事があった。


 「おはよう。シンちゃん」




 がちゃっ




 ワンボックスの助手席のドアが開いた。


 「…………」


 シンイチはおもわず息を飲んだ。








        
つづく





NEXT
ver.-1.00 1997-09/10公開
ご意見・感想・誤字情報・らぶりぃりっちゃん情報などは akagi-labo@NERV.TOまでお送り下さい!




 あとがき


 まっこう「うんうん最近は「らぶりぃりっちゃん」も定着したなぁ〜〜。大家さんも使ってくれるし、きーてつさんも引用してくれたし、あっでもメゾンから引退なんだ。残念だなぁ〜〜もっと読みたいなァ〜〜。きっと新タイガーマスクみたいに復活してくれるよねぇ〜〜。最近はリツコさんも可愛い女性として書いてくれる人が多いし。うれしいなぁ。VISIさんの描いたリツコ先生って可愛いし。ディオネアさんのリツコさんって妖艶だし。たまらないなぁ〜〜。早く私も「らぶりぃりっちゃん」のお部屋を立ち上げて「りっちゃんの研究所」の所員を募集しよっと。あっとそうだフラン研さんがエヴァトレの中でリアクションしてくれるって言ってなぁ。よし見に行こっと…………603号室の「エヴァントレック」のどれどれ第十二話後ろから編……ふむふむ……さすがうまいなぁ……おっとあとがきだぁ……ん?……んんんん?……………………






 ふふふふふふふふ






 裏切ったぁなぁ〜〜〜〜
  僕の気持ちを裏切ったぁなぁ〜〜〜〜


 ぼ、僕のデビュー作を……僕よりうまいだけに余計腹が立つ!!!!


 どうしてくれよう」


 りっちゃん「まっこうさんどうしたの」
 ま「りっちゃんこれ読んでよ」
 り「かばてぃだぁ。まっこうさんの作品より面白い」
 ま「う、りっちゃんまで。だいたいりっちゃんは僕とフラン研のどっちの味方なんだい」
 り「どっちかと言うとフラン研さん。だってフラン研さんシンちゃんの命の恩人だけど、まっこうさんってやたら私の裸見たがるし、シンちゃんを苛めるし、お母さんを変な人に書くし」
 ま「り、りっちゃん……ひどいよぉ〜〜わぁ〜〜んぐれてやる〜〜」




 ドタドタドタドタ




 リ「あっ泣いてどっか行っちゃった…………ふふふふ…………はははは、騙されたな」




 がば




 フラン研「私の変装とも知らずに。私に復讐など5万年早いわ。わっはははは」




 フラン研は去っていった。








 一方




 ま「うぁ〜〜〜〜ん、ぼくはなんて不幸な作家なんだ。主人公にまで見捨てられてしまった」
 アスカ「天罰よ」
 ま「あっアスカちゃん」
 ア「アンタ前回みんなで私を苛めたから罰が当たったのよ。でも私は心が女神のように広いスーパーヒロイン。アンタとアンタのりっちゃんは許してあげるわ」
 ま「ああ、アスカちゃんってほんと優しいんだね。今度可愛いアスカちゃんが主人公のSS投稿したからね。もちシンジくんとはラブラブにしてあげたから」
 ア「シ、シンジなんてどうでもいいけどね」
 り「まっこうさん。こんにちは」
 ま「あ、りっちゃんさっきはひどいよ」
 り「さっきはって?私きょうはまっこうさんと始めて会うわよ」
 ま「えっ、じゃさっきのりっちゃんは?」
 り「そういえばフラン研さんがさっき変装の練習をしていたわ」
 ま「そうか。そういうことかリリンじゃなくてフラン研。一度ならぬ二度までも」
 ア「やっぱりフラン研はそういう性格みたいね」
 り「どうしたのまっこうさん」
 ま「実は……なんだよ」
 り「それはまっこうさん可哀想。フラン研さんにお仕置きしなくっちゃいけないわ」
 ア「それ面白そう私もやる〜〜」


 三人はひそひそと相談を始めた。


 つづく





 次回は




 「あの子と遊園地 後編」





 合言葉は「らぶりぃりっちゃん」





 ではまた



 まっこうさんの『気になるあの子』第伍話、公開です。
 

 うむ。
 まっこうさんは東日本の人だな!

 なぜなら・・
 ”雨はいかにも梅雨らしく、しとしとと降っていた。”
 と言っているからだぁ!!

 西日本の梅雨は晴れ・雨がハッキリしていて
 降るときはザーザーと降るんだぁぁぁ!!

   ・・だからどうした(^^;

 

 

 初デートにかける”女”の執念。

 そう、りっちゃんも”女”なんですね(^^)
 

 服装チェック。
 おやつの用意。

 そして、雨対策。

 今は晴れていますが、
 降り出したときは・・・あのブレスレットが・・
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 ついにりっちゃんHPを開いたまっこうさんにメールを送りましょう!


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