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UN HOMME ET UNE FEMME
第10話 微熱
シンジとアスカが2人きりの生活をするようになって1カ月近くが過ぎていた。
最初は周りも何かと冷やかしの対象としてからかっていた。
シンジは言われることに恥ずかしさを感じていたが
アスカは「いいでしょ、一緒に暮らしているのよ」と誇りにすら思っていた。
ただ1カ月も過ぎるとそんなことをいうこともなくなり、
本人同志もいたって普通になっていた。
落ちついてきたということなんだが、アスカもシンジも。
朝の食事も最初のうちはアスカが作っていたが、
シンジの「ボクも手伝おうか?」という言葉を聞いて分担作業をするようになった。
お弁当を作ったり作らなかったりという状況になっていた。
お昼で講義が終われば、家に帰って作っていたということなのだが。
それでもサークルには毎日ちゃんと出ていた。
シンジはヒデキの下で確実にテクニックを身につけていた。
アスカとレイはマサコの直々の指導で、一緒に入ってきた同期よりも数段上達していた。
今日も放課後、講義が終わって3人は待ち合わせに使っている喫茶店で落ち合った。
サークルが始まる前にひととき、1杯のコーヒーを飲んでいた。
アスカとレイは最近出来たテーマパークが出来たから絶対に行こうとか
新番組のドラマのストーリーがどうこうなどと他愛もない話をしていた。
シンジもその話に参加していたが、話は聞き流していて上の空だった。
(いいのかなぁ、こんな調子で。最近は基礎練習しかしてないし。
才能あるのかなぁ、こんなボクにも。ヒデキさんはあると言っていたけど。
基礎練習が出来ないと何もできないといっていたけど...)
シンジはそんなことを考えながら、残りのコーヒーを飲み干した。
「「あえいうえおあお かけきくけこかこ.....」」
発声練習をしているアスカとレイの横をミキサを持っていたシンジが通り過ぎた。
(やっているな、早くボクも上達しないと置いてかれるな)
シンジはそう思いながら練習に励んでいた。
ミキサを部室から活動場所まで運び、そこで基礎練習をするためだった。
すでにDVDは運んであった。あとは結線をするだけだ。
1人で番組を作るならコンピュータでやればいいのだが、
放送という共同作業になると機械、ミキサでやるしかないのだ。
変わった点というのはイコライジングをコンピュータでやっているというぐらいだろう。
通常はディレクターがいて、ミキサーがいて、音効さんいて、タイムキーパーがいてと
最低でも4人いないと番組は出来ない。これは職業としての放送だ。
しかし、アマチュアでしかない大学レベルの放送では
これだけの人を割くことは出来ない。
したがって、全ての作業を1人でやるのだった。
DJに細かい指示を出しながら、マイクレベルを調節し、BGMを聞き易いレベルで流す。
なおかつ時間を考えながら、Qシートを見ながら進行をする。
押し引きを常に頭の中に入れながら、DJが指示した時間を守ってくれるか、
DJとの息が合わないと、流れに沿った番組はできない。
時は番組のQ出しが出来ない場合は、DJは空気を感じ取って話し始めたり、
DJが詰まったときは、いきなり曲でつなぐとか、感に頼る部分も大きい。
そういう練習をしていないから、シンジは不安になっていた。
アスカとレイは本気でDJになろうと練習をしている。
逆に自分はDJ相手をした練習はしてない。
本当にこの練習が実践において適切な練習なのか分からなくなっていた。
ミキサの操作で一番気をつけなければいけないのは
聞いている人に対して、適切なバランスで音量を調節しているかということだ。
音楽もそうだし、話をしている人の声も、抑揚があって、
小さければ聞こえないし、音が割れてしまえば聞きづらい。
あとはフェードアウトの時に音が切れないかだ。
抵抗で成り立っているミキサのフェーダは
抵抗が無限大になったところで音がでないようになっている。
早くフェーダを下げるとこのギリギリの部分で音が切れるのだ。
いかにゆっくりとフェーダを下げるのだが、ゆっくりすぎてもいけない。
放送っていうのは生物なだけに、こういう慎重さがミキサーに問われるのだ。
このミキサの感覚を身につけていないと、ディレクターは努まらないのだ。
これが基本的な操作で気をつけるべき問題である。
「じゃぁ碇、やってみようか。まずはフェーダ上げるところからだ」
「はい、こんな感じですか?」
シンジはフェーダの上げ下げを繰り返しながら音の感覚を掴んでいた。
いかに音を切れないように音を切るか、簡単そうに見えて結構難しい。
切れていないと思っても、切れていることが殆どだ。
切れていないと時間がかかっているとか、練習あるのみだ。
「碇、今切れていたぞ。切れないようにしてなおかつ早く下げる。
相反することをするのだから難しいに決まっている。
だけどな、これが出来ないといい番組とは言えない。
細部にどれだけのこだわりを見せるかというのも演出の1つだ。
DJの上手い下手も左右される要因だけど、
番組というのは全てのバランスがとれたときに最高に達するのだ」
ヒデキはそう説明しながら、練習を続けていた。
一方、アスカとレイは発声練習を終えたところで、
マサコはちょっとした課題を出した。
「じゃぁ2人には1分間のフリートークにチャレンジしてもらおうかな」
「「フリートーク?」」
「そう、1分間の間に自分が思っていることなどを話すの。
誰もカウントをしてくれないから、自分が思うところで話を止めるの。
それを繰り返していくと、1分っていう時間が分かるようになるから」
マサコはアスカとレイにそう言うと、さっそく練習に入った。
フリートークは時間を身につけるのには最適な練習方法だ。
1分という時間は話してみると分かるのだが、思ったより長いということだ。
アスカもレイも最初のうちは「ここで1分」と思ったところで
話をしめると、あと30秒残っていたりする。
本人達はうまくいかないことに苛立ちを感じていたが、
マサコは2人に「最初から上手くいく人はいないから大丈夫よ」と言って
手に取るような苛立ちを和らげていた。
マサコも入ってきた当初はうまくいかない自分に苛立ちを覚えて
先輩からいろいろと指導されてきたのだった。
「じゃぁこの辺にしておきましょうか」
「「はい。ありがとうございました」」
「でも着実に進歩しているわねぇ、
2人とも。この調子でいけば上手くなるわよ、きっと」
「本当ですか?マサコさん」
アスカは褒められたことに驚きながらもマサコに聞いた。
アスカは自分ではそんなに上手く話しているとは思っていなかったのだ。
「アスカもレイも進歩しているわよ。
放送っていうのは、見ている人、聞いている人に
自分の言いたいことを伝えるのが重要なのよ。
だから、原稿を読むということも重要だけど、生きた言葉じゃないと
その伝えたいことは絶対に伝わらないわ。
そのためにもフリートークは一番大切なのよ。
ヒデキの話によれば、確実に上達しているって言っていたわよ」
マサコの言葉を聞いてアスカの表情が変わった。
「良かったわねぇ、アスカ。これでラブラブな番組が出来るわねぇ」
「レイ...」
レイはアスカをひたすらからかうことに時間を割いていた。
アスカはそんなレイの言葉の1つ1つに反応していた。
(仲がいいのね、この2人は。
アスカは碇君の事が好きなのは分かるけど、レイも好きなのかな?
ワタシはこんな同期に恵まれなかったから、ちょっと羨ましいなぁ。
ワタシが憧れて入った先輩達を見ているようね)
マサコは2人がじゃれあう姿を見ていてそんなことを思っていた。
「今度、DJコンテストがあるんだけど、出てみる?」
「「コンテスト?」」
「そう、いきなり本戦じゃなくて、予選があるから出てみたらって」
「でも先輩が本戦まで行くんじゃないですか?」
「ワタシは今年で引退だから、出場資格がないのよ」
「アスカ、どうしようか?」
「これは出るしかないでしょう。最初は上手くいかないかもしれないけど
目標は優勝あるのみよ」
「アスカとレイの言葉を聞いて安心したわ。
これでワタシの後は任せられるわ」
「「そんなぁ」」
「大丈夫よ、あとは碇君の腕にかかってくるしね。
練習なんかよりも、実戦でトレーニングした方が上達早いからね」
マサコはアスカとレイにコンテスト出場の話をした。
2人とも乗り気ではなかった。自信がなかったのだ。
でもマサコの言葉を借りれば「実戦でトレーニング」するには
もってこいの機会ということになる。
実戦に向けた練習をしていけば、型にはまらないDJが出来るかもしれないと思っていた。
シンジは基礎練習を終えると先に上がっていたマサコに声をかけられた。
「碇君、今度コンテストでアスカとレイが出ることになったから宜しくね」
「コンテストって何ですか?」
いきなりなことでびっくりしているシンジにヒデキが説明した。
「碇、今度なDJコンテストがあるんだよ。
そのコンテストにアスカちゃんとレイちゃんが出場するってことだよ。
基礎練習なんかするより、そっちの方が上達早いんだよ。
ディレクターの技術もミキサーのテクニックも実戦あるのみだからなぁ」
「そうなんですか?」
「そういうことよ。アスカもレイも本気だったから碇君も本気にならないとね」
「2人でやるDJだな、こういう形だと。久々じゃないか、2人でやるDJって。」
「あの伝説の先輩たち以降、2人のスタイルってないかったからねぇ」
「伝説の先輩って誰ですか?」
「いたのよ、碇君たちとは逆なんだけど、ものすごく上手かったというか
聞かせる雰囲気を自然に作り出しちゃう先輩だったの。
ワタシも最初に聞いて感動したくらいだから」
「マサコさんがそう思うなんて相当なレベルの人なんですね」
「ワタシもその先輩達には近づきたいとは思っているけど、
やっぱりまだまだって感じかな?」
「オレもディレクターはすごいと感じるからなぁ。
話に合わせて音楽かけて、Qシートはあるんだけど、ないような感じだし。
碇もそういう風なディレクターが出来るといいなっ」
「はい、頑張ります!」
「じゃぁお姫さま2人は待っているいるから早く上がってあげてね、碇君」
マサコの言葉に頬を赤らめながら、片づけをしているシンジだった。
「遅いじゃない、シンジ!」
「そんなこと言ったってしょうがないだろ、話すのは違うんだから」
「まぁ、アスカもその辺にしておきなさいよ。
碇君に嫌われちゃうじゃない。
でも碇君がアスカの事を嫌いになればレイちゃんのものになるかもね」
「レイ...」
「あらら、手をグーにして怒ることもないのにぃ。
アスカってからかいやすいよねぇ。中学の頃から変わってないよね」
シンジは、近くのコンビニで待っていたアスカとレイに話しかけた。
遅いことにアスカが怒り、シンジが謝って、レイがからかう構図は
ここ3ヶ月繰り広げられた光景である。
「そうそう、今度コンテストに出ることになったんだ」
「さっきマサコさんから聞いた、そうなんだってねぇ」
「で、レイとワタシで出るから、ネタを考えなければいけないのよ」
「それでなんだけど、今日、碇君の家に行ってもいい?」
「別にいいけど、アスカはいいの?」
「だってしょうがないじゃない、練習を早くから始めたいし」
「ワタシが泊まるって言ったらどうする?」
レイは意地悪くアスカに向かって言ってみた。
「べ、べ、べつにいいわよぉ。な、なんかあるわけじゃないしぃ」
「アスカ、動揺してない?」
「何をいうのよ、シンジも!」
「碇君、やっぱりそう思うよね、この態度は」
「だからー、いいって言っているでしょ。たまに泊まったって問題ないって」
「でも夜の生活の方を邪魔しちゃねぇ」
「「何言っているんだよ」」
「2人とも顔を赤くして怒らなくたっていいじゃない。
まったくこれだから外野はやめられないわぁ」
「じゃぁ決まりっと。なんか買って帰りましょ。
明日は休みだし、徹夜でネタ考えるわよ」
乗り気なアスカを先頭に、レイとシンジがあとからくっついていく状態で
コンビニで夜食になるような買い物をしていた。
荷物はシンジが持たされている。これだけのお菓子を買うのはいいのだが、
『これだけ食べて太らないよなぁ、結構食べるのにスタイルいいんだよなぁ、2人とも』
そう思いながらも『太るからさぁ』なんて2人に行ったら何を言われるか分からない。
ジュースとお菓子をカゴの中に入れて会計を済ませよとしていたところに
アスカが本棚から何冊かの本をカゴの中に入れた。
「情報収集よ」
アスカはそれだけいうと有無を言わさず、シンジに会計させていた。
3人はシンジの家に向かったが、
どうせ泊まるなら着替えくると言って家に帰った。
それを聞いたアスカはどうせ泊まるなら、
パジャマと明日の着替えも持ってくればと付け加えた。
先にシンジの家に着いた2人は、ラフなカッコに着替え、
シンジは夜食に近い、夕食の準備をしていた。
アスカはさっきコンビニで買ってきた本をソファーでゴロゴロしながら読んでいた。
「アスカ、何読んでいるの?」
「あぁ、花火大会の特集を組んでいたから、ちょっと気になって」
「花火大会?」
「浴衣着てさぁ、見るのっていいじゃない?風情があって。
新東京港花火大会なんか、港の見える丘公園から見るのがベストって書いてるし。
こう調べると花火大会って結構あるのね」
「アスカ、浴衣着たことなかったけ?」
「あるけど、あの時は...」
「そ、そうだったね。でも向こうじゃ着なかったの?」
「着る機会ないもの。浴衣って日本の文化じゃない。
着てもお披露目状態、着物着ているのと同じ様な感覚だから息苦しいのよね。
そういうお祭りもなかったし。盛り上がるのってクリスマスぐらいだし。
みんなカップル同志は2人きりの夜を過ごすし。
ワタシはそういう相手いなかったから」
シンジはアスカからドイツの話を聞くのは初めてだと思った。
帰ってきた当初は何かとはやし立てられ、
入学式では入学式で波乱があったし、サークルでもそんな話はしなかったし。
「ねぇアスカ、今度のDJってそういうのを織りまぜたらいいんじゃないの?」
「ドイツの話をするの?」
「そう、アスカからドイツの頃の話ってあんまり聞かないから」
「でも、ドイツにいたときって周り見えてなかったからねぇ」
「そうなの?」
「う〜ん、ワタシね今だから話すけど、
ママとの約束で大学を卒業しないと日本に来れなかったのよ。
で、シンジが大学入るのと一緒の年に大学に行きたっかから必死だったから」
「じゃぁアスカはボクと一緒に行きたかったから、日本に来たの?」
「そうよ、感謝しないさい。このワタシが一緒に行ってあげているだから」
アスカは怪訝そうに見ているシンジのおでこをデコピンした。
アスカがそんな思いで日本に来たなんてシンジには信じられなかった。
でもシンジはアスカがそんな思いまでして来てくれたことが嬉しかった。
アスカの事はスキだけど、アスカはどう思っているのか分からなかったから
どう行動を起こしていいのか分からなかったのだ。
再会したときもいなくなって気がついた自分の気持ちを
ちゃんとアスカに伝えなければと思っていたのだったが、
いろいろなドタバタでどっかにいってしまったのだ。
アスカも「相変わらず鈍感なヤツだな、シンジ」はと思っていた。
ワタシからスキだなんて言っちゃいけないっと思っているので
シンジから「アスカ、スキだよ」っていう一言を言ってもらいたいのだ。
まぁお互い様という感じはあるのだが、この関係がいい関係でもあった。
今も一緒に暮らしているいるが、部屋は別々のままだ。
アスカからシンジの部屋に行き、一緒に寝ることもないし、
シンジがアスカを誘って自分のベットで一緒に寝ることもないのだった。
レイもアスカから散々聞かされていた。
半分のろけ話だから、聞いていてうんざりはしていたのだが、
からかうには面白い材料を提供してくれるので、ちゃんと聞いていたのだった。
レイはアスカにアスカらしくないねと言ったが、
「そんなことを出来るわけないでしょ、そういうのは男の方から言ってもらわなくては」
とアスカはと言っていた。
ドイツの話を盛り込んだらとかいう話をしている時にレイが碇家を訪れた。
「おじゃまします」
「遅かったじゃない、レイ」
「ちょっとね。愛しの碇君と一夜を過ごすんですもの、
ちゃんとおめかしして来なくてはねっ」
レイは屈託のない笑顔でシンジにウインクをした。
アスカは今日2度目のからかいにあきらめを感じ、つっこみすらしなくなった。
レイにしてみれば、アスカから突っ込みをしてくれるから
面白いのにと思ってただけに、反応がなかったことが意外だった。
ちょっと面白くないレイだった。
「...つまんない。アスカが突っ込んでくれると思ったのにぃ」
「たまには反応しないのもいいかなぁと思って」
「綾波も食事まだでしょ。綾波の分も作ってあるから一緒に食べようよ」
3人でワイワイやりながら夕飯を取った。
久々に2人以外で食事をすることはすごく久々な事だった。
最初のうちは意識はしていなかったが、ぎこちない食事だった。
相手を意識してしまうばかりに、新婚ホヤホヤな感じの初々しさが残っていたが
時が経てばその初々しさもなくなり、
いつも2人きりっていうのが当たり前になってきてた。
お互いを意識していた2人だったが、
非日常が日常になってドキドキすることもなくなっていた。
そんなような生活の中でレイと一緒に食事することは
ちょっとした非日常を感じさせる出来事だった。
他愛もない話をしながら、ちょっといつもとは違った夕食を済ませると
リビングでさっきアスカとレイは雑誌を読んでいた。
「そうそうさっき買ってきた本に花火大会の事が載っていたんだけど」
「新東京港花火大会?」
「そうそう。あれ見に行かない?」
「やっぱ浴衣着てでしょ。そうじゃないと風情でないしねぇ」
「レイって浴衣持っていたっけ?」
「昔着ていたことあったけど、最近は着てないから欲しいかったのよね。
そういうアスカは持っているの?」
「前に買ってもらったことあったけど、今年の夏は新調したいなぁって」
「誰に買ってもらったのかなぁ〜。もしかして碇君?」
「バカシンジが買ってくれるわけないでしょうが」
「はいはい、そういうことにしておきましょうか。
じゃぁ今年は2人の浴衣を選んでもらうというのは?」
「どうしてそうなるのぉ?」
「碇君は素直にワタシとアスカの浴衣を選んでくればいいのよ」
「そうよ、シンジ。シンジのセンスに期待してねっ」
アスカとレイはネタを決めるとうより花火大会に行くことがメインになっていた。
確かに、花火大会をネタにしても1つにしかならず、
季節ものであるだけに、旬を逃してしまう危険性は大いにあった。
雑誌には同時にテーマパークの特集を組んでいた。
「ねぇアスカ、今日言っていたテーマパークだけど載っているじゃない?」
「どれどれ?結構面白そうだねぇ。世界一の観覧車があるんだぁ。
あとはヴァーチャルリアリティのシューティングゲームねぇ」
「でもテーマパークっていっても遊園地だもんねぇ。
観覧車とかジェットコースターとかはなくならないのね」
「でもワタシがドイツに行っている間に結構出来ているのね。
これなんかなかったし」
「そうだねぇ、ここ2年ぐらい建設ラッシュだったから。
アスカは引っ越してから4カ所ぐらいかな、出来たのって」
「そんなもんなんだぁ」
アスカとレイは買ってきたお菓子を頬張りながら話をしていた。
あとは「遊園地っていったらメリーゴーランドは外せないよねぇ」とアスカがいうと、
レイが「やっぱりお姫様は王子様のエスコートで乗るの?」と
相変わらずの反応をしていた。
レイはアスカをからかうに飽きたらず、シンジにも
「碇君もこんなお姫様じゃ、大変よねぇ。
ワガママだしぃ。愛情あればなのかなぁ」
と言って、シンジを困らせていた。
シンジとアスカは見事なユニゾンで否定すれば相手の思うツボで、
2人は「レイってミサトさんが乗り移ったような」感じを受けていた。
中学時代は何かにつけては、ミサトが2人をからかっていた。
先生らしからぬ先生だったために、人気は結構あった。
授業中にシンジはぼーっとアスカのことを見ていると
「あらぁ、シンちゃん、そんなにアスカの事が気になるのかなぁ。
だったらいつでも見ていられるように真後ろの席にしてあげようかなぁ」
なんて言ったりする。そのたびに2人は顔を真っ赤にしていたのだった。
ちょうど2人がそんな事を考えていた頃、ミサトは加持をお酒を飲んでいた。
「はっくしゅん。あれ、風邪引いたかな?
それとも誰かにウワサされているのかな?」
「葛城ぃ、恨まれているんじゃないのか?」
「このワタシが誰に恨まれているっていうのよぉ」
「シンジ君やアスカちゃんじゃないにかな?」
加持はちょっとからかうように言うと、
ミサトはそんなことないわよ、否定していた。
「まったく自分がどんなことをしてきたのか分かってないのか?」
と加持は思っていたが、その思った言葉はミサトには言わなかった。
どうせ否定されるとが分かっていたからだ。
(まぁあの2人なら、恨まれてもしょがないか。
恨むっていっても、憎んでいるわけじゃないしな)
加持は口に出そうと思った言葉を飲み込んだ。
レイはこのテーマにしようと持ちかけた。
アスカも新しく出来たテーマパークに行ってみたいと思っていたし、
一石二鳥かしらね、という感じでテーマは決まった。
2人はネタが決まったことで、最初にどこに行こうかしらと
レイとアスカは雑誌を食い入るように見ていた。
『私たちが考えたアトラクションの面白いテーマパークはここ』
など、いろいろ考えていた。
シンジも話に参加していた。実際に原稿を書くからだ。
シンジにしてみれば、この2人がちゃんとした原稿を書いてくれることはないな
と思って話を聞いていたのだった。
善は急げとばかりに、サークルにも出なくてはいけなかったが、
取材と言うことで半分ぐらい休んで、取材にいそしんでいた。
取材とは名ばかりに2人は殆ど遠足気分で遊んでいたのだが...
結局シンジが調べていたりしていたのだった。
そんなシンジを2人は取り合うように連れまわしていた。
『情報は足で稼ぐ。生きた自分の言葉で話す』というのがジャーナリズムだ。
3人はいつのまにか、その言葉を実行に移していた。
LAGERですぅ。
この話書いているうちに長くなってしまって、
前回同様に収集が完全につかなくなって2話に分けました(笑)
伝説の先輩っていうのはもうバレバレですね(^^;;
仕事中のちょっとした時間に書いていたんですけど、
そんな時間を最近はなくなってしまい、結局ノートを買ってしまいました。
モバイルやってみたかったし、この小説だけじゃなく
物を書いていたいって気はあったのでいいんですがね。
やっぱりシンジはアスカのワガママに振り回されるのでしょうね。
今は2人きりで住んでいるけど、レイが居着いて3人で暮らすっていうのもいいかも(笑)
この後の話、何にも考えてないんで、当分の間外伝を充実させます(^^;;
LAGERさんの『UN HOMME ET UNE FEMME』第10話、公開です。
コンテストという一つの目標。
それを目指しての1歩1歩。
DJ&ディレクターが
次第に形になっていきますね(^^)
シンジとアスカの家(イヤーン[笑])にやってきたレイ・・・
ミサトノリが可愛いです。
さあ、訪問者の皆さん。
二桁連載を達成したLAGERさんに激励のメールを!
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