「あっれえ? もうレイちゃんグッズは卒業したのかしらあ?」
「え、ええ、ええ、もはや私もそういう年でもありませんしな。は、はは。架空の女性に溺れているようでは、宇宙船の指揮は務まりません。」
(ピカードが前日、丸井池袋店で買い揃えた)小奇麗なインテリアを眺めながら、提督は感慨に耽った。
「そうよね、昔の深夜12時20分台って、在京の全民放で丸井提供の別々の番組が流れていたのよね。」
「は、はあ…やはりレミ提督は、Catch Up!派でしたか。」
戸惑いながら返すピカード。
どことなくレイタに似た顔の、しかし非常にくだけた表情のレミ・ナチェフ提督は言下に否定した。
「私はチキチキバンバン派よ。まあzipも捨て難かったわね。ってそんなマニアックな話をしにここに来たのではないわ。」
「え、だって今、話振ったのって」
「コウちゃん。さっきバーマスターの女性から聞いたけど、あなた本当はレイちゃんから卒業なんて全然してないんでしょう。」
勝手にせり出しのステージ(がもちろん艦長室内にあったのだが)の上に行儀悪く座った提督は、腕組みをして問いただす。
「(ちっ)そ、そんな事はありません。何かのデマでしょう。」
「うそつきうーそつきー♪」突如歌いだすレミ提督。ステージの豆電球が歌に合わせて点滅する。
「な、な、な、」
「「「うそつきうーそーつきー♪」」」
バックステージから現れる踊り子達。
「ってあんたらどこから出てきた!!」
「話をそらしてるわね、コウちゃん。さあ正直に白状なさーい♪ グッズが艦長室に入りきらなくなって5ヘクタールの倉庫を船内に勝手に増設したわねー♪
証拠はあがっているのよー♪」
踊りながら追求する提督。
「くっ…(バラしたな…あんの眼鏡女、今度酷い目に会わしてやる…)」
危ない事を妄想しだす艦長。
「(…具体的には眼鏡を落っことして、「あわわ、あわわ」とやっさんネタをやらせてやる…)」
「そんな訳であんたはここをクビよー♪」
「(「あわわ、あわわ」だって…うぷぷぷ…)…え、何ですって?」
「クビよー♪」
歌うレミおばさん。
「誰が。」
レミ・アンド・ザ・ダンサーズは、くるくる回りながらピカードを取り囲んで指差した。
「「「「You!」」」」
「ゆ…え、ええ?」
「ゆう、ゆう、ジャヌメの湯ー名人♪」スイングを始める提督。
―宇宙。そこは最後のボランティア(意味不明)。これは、宇宙戦艦エバンゲリオン号が、新世代のクルーの下に、24世紀において概ね任務を続行し、未知の世界を探索して、新しい生命と文明を求めるふりをしつつ、人類未踏の宇宙に、アバウトに航海したりしなかったりする小話である―
屋台でやきそばを買ってきたレミ提督は、一しきりそれをかきこんでから箸を置き、作戦室の面々を真面目な表情で見回した。
「皆、もう知っているでしょうけど、宮村優子の裏ビデオはガセらしい事が分かったわ。」
「…それでも信じたいというのが女のロマンではないでしょうか?」質問するロー・マヤ。
「っていうかそれが話題じゃなかったんじゃ?」
「そうだったわ。」提督は沙南ちゃんのお面をかぶった副長に頷いた。
「話はごく簡単よ。及川光博の1年後を予測する位簡単な事ね。」
「いや、それは結構難しいんじゃ?…中途半端だし…」
レミはリョウジ・ライカーに咎めるような視線を見せた。
「一体何の話をしているの。まあ良いわ、私達の今回の使命は、アオバシアの連邦との国境地帯における不穏な動きを探る事なの。情報筋によると、彼等は国境地帯の紛争エリアへ襲撃の計画を持っているそうよ。ですからエバンゲリオンは国境まで赴き、そこでアオバシア側の大使を迎えて彼等の話を聞くわ。」
「それだけ?」
「ニンニク大図鑑」を熱心そうに眺めるレイタが聞く。
「そうね、それともう一つ。今後この船は、トシオ・ジェリコ大佐が指揮をとります。以上。」
「「「「へえー」」」」
椅子を立ち上がって帰るクルー達。
「ってあんた達少しはどういう人かとか聞いてよ!」
レミの顔を見るクルー達。
「じゃあ、どういう人なんですか。」
足の先の方が腐敗して虫がたかっている(しかし健康そのものの)マコトが尋ねる。
レミは気を取り直して話し始めた。
「え、ええ。彼はハーヴァーロ大学を卒業、艦隊でも指折りの天才で、ここ2年ほどはアオバシアとの和平交渉に尽力してきた人よ。」
「伝説のジェリコ大佐ね。」
「どういう事だ、レイタ。」
レイタは鼻の穴を膨らませ始めた。
「彼は12歳にして、ハーヴァーロ大学、裁縫部、ジェンカ学部、振袖着付け学部、ウニシャパッド学部を主席で卒業。伝説の天才児、24カ国語のジェスチャーで婦女子の顔を難なく赤らめさせ、12カ国で万引き犯と間違えられた経験を持っている。また三カ国で記憶を無くした。そして、惑星連邦最大の科学誌「ムー」の愛読者。2週間前におでんを食べた。」
「その通りよ。」
「そうですか…(別に誰が艦長になろうがどうでも良いけど…)ところで提督。ピカード艦長、ドクター、それにゲォーフ大尉は、一体どこへ行ったんですか。」
「ああ、彼等はクビよ。」
「クビ、とは…その、理由は、一体、なぜでしょうか。」
冷や汗をかく沙南ちゃん仮面。
「それはあなたに言う事ではないわ。解散。」
「これだから、おばさんの恐怖政治はな…」
捨て台詞を残し去ろうとしたリョウジの肩をおばさんの手ががっちりとつかんだ。
「おばさんって言ーうなー♪ そんな口の利き方じゃ、あなたもクビよー♪」(以下47分略)
ピカードは岸壁を見上げてニヤリ、と笑った。
「ゲォーフ、これからここを登るぞ。」
ピカードの隣で、ゲォーフはぜえぜえ息をしながらうずくまっている。時々ゲプ、ゲプと言っているように聞こえなくもナイ。
「はあ、ふう、はあ、はあ、はあ(訳:もういやだ、早く船へ戻らせろ)。」
「そういう訳にはいかん。これはまだ序の口だ。本番ではこんな物では無いぞ。」
「は、はあ、はあ、はあ、は、はあ(訳:ドクターは勝手に浮いて飛んでいるではないか)。」
5メートル上方から、ドクター・リツコ・クラッシャーがすーっと下降してきた。もちろんただの白衣で、何の装置も付けていない。
「ゲォーフ。あなた、つまり飛べる体になりたいのね。」
「は? はあ、はあ(訳:え、あ、いや、その)」
「分かったわ。今度艦長とまとめて改造してあげましょう。」
「ちょっと待て、私は関係無いだろ!」
「でも今回の任務には間に合いそうにないわね。ここは、普通にロープで登ることよ。」
「はあ…」顔面蒼白の虚弱児ゲォーフちゃんは、「うっ」とお腹を押さえ出した。
「艦長、離れた方が良いわ。」
ドクターはすーっと浮き上がっていく。
「うわ、こら、離せゲォーフ、離さんか! う、わ、き、汚なっ!」
「あははは、段々すっきりしてきたぞ!」
急に爽やかな表情になるゲォーフ。
彼等3人は地下の洞窟内の岸壁(ホログラムらしい)で、何やら訓練をしていた。
「…ドイツ語だわ。」
マヤが呟く。
トシオはオーラ(イカ天キング)とチャクラ(イカリング)を光らせつつ、前方中央に進み出る。
トシオは両手を軽く上げた。
「…おっといけない、思わずドイツ語が出てしまった。ゴメニッヒ!(訳:ごめんなさい)
僕が、今日からこのエバンゲリオンの艦長をつとめさせてもらうトシオ・ジェリコです。皆よろしく。」
しばらく沈黙がブリッジを包んだ。
リョウジ・ライカーは馬鹿にしたように鼻をフン、と鳴らした。
「これはこれは御丁寧に。さすがに本部のお方は…」
密売人独特の鋭い勘で、雰囲気がおかしい事を察知したリョウジは言葉を止めて周囲を見回した。
リョウジの目は飛び出した。(そして落ちた。集めて食べた。)
「「「か、かっこEー!!」」」目が例のハート型になる女性陣(なのでR)。
「な、な、な、」
呆気に取られるリョウジの目の前で、ミサト、マヤ、レミが群がっている(のでR)。
「そ、そんな、照れるなあ。止めて下さいよ。あ、それより、ここの任務の行いかたを…」(R。)
「そんなの後でいいじゃないですかぁ! トシオ艦長ぉ、ここまで長旅疲れたでしょぉ? イブジョー式の、とっっっっっっっっっっても気持ちの良いマッサージがあるんですぅ。さあ、こっちへ…」
「何言ってんのよこの小娘が! 申し訳ありません、トシオ艦長。こんなしょんべん臭い女に纏わり付かれたら疲れも倍増ですよねえ。わ・た・し・が、そちらのお風呂でゆっくり背中を流しますねっ(きゃっ)」
「何猫被ってんのよこのビール生命体がぁ!」
「な、上官に向かってその口の利き方はどうかしらぁ? ロー・付け鼻少尉。」
「な、な、な、」
冷や汗をかくトシオの前で言い争う少尉とカウンセラーを、提督が手を叩いて止めた。
「はーいはいはい2人とも無益な争いはヤメール。」
「「…」」('_')
「私はどこでもかけたがーる。」何処からかアンテナとPHSを取り出すレミ提督。中々のボードビリアンぶりだ。
「「…」」(--)
「はーいはいはいはいはいはーい。そんな事で争っていてはトシオ新艦長もひいてしまいマース。」
お互いの顔を見合わせるローとトロイ。
「「ん、ま、まあ…」」
鼻メガネの提督が続ける。
「争いの後には何も生まれまセーン。昔アラバマのスティーブンは言いました。「ジェームス、お前と喧嘩をしても何の足しにもなりやしねえ。」ジェームスは尋ねました。「そいつぁどうしてだい。」スティーブンは答えましたア。「決まってるじゃねえか。それでまた女を1人惚れさせちまうからさ。」Oh、noォォウウ!
バットベリーファニー。やー。おう、おう、おう…」
「「…」」提督の様子に何故か唾を飲み込む2人。
レミ提督はふと素に返り、腕を組んでポーズを付けた。
「…とまあ、そういう具合よ。」
「ってどういう具合やねん!」
「ナイス突っ込みロー少尉。3点あげるわ。」手帳に何やら書き込む提督。
「やったあ!」「ちっ」
飛び跳ねる(17メートルほど)少尉は、提督に尋ねた。
「それで、提督のお考えは?」
レミはほがらかに微笑んだ。
「皆で取り合う必要は無いわ。順番っこすれば良いだけの話じゃない。」
「要は回すって事ね。」
「何か問題でも?」
ミサトに尋ねるレミ。
ミサトは腕を組み、深刻な表情で顔を上げた。
「…順番は?」
「そうねえ…艦長、じゅんば…」
既にトシオは消えていた。
「ち、ちょっと、ライカー、艦長はどこへ行ったの?」
「さっきレイタが「船とクルーのデータを紹介する」と言って自室へかつぎこんでいたぞ。」
つまらなさそうにプチプチシート潰しをしながらカウンセラーに答える沙南ちゃん(副長)。
「「「な、何ですって! あの色ボケアンドロイドがっ!! はっ、トシオ様の危機だわぁっ!!」」」
3人はどたどたとブリッジから走っていった。
途中で振り返るカウンセラー。
「副長、後はよろしく!」
「な…」
ブリッジは土埃のみが舞い、静寂に包まれた。
副長が見回すと、唯一残っていたマコトがニコ、と笑った。
トシオ・ジェリコ大佐がエバンゲリオンの新艦長に就任して数日が経っていた。
「全く、あの新艦長は手に負えませんよ。」
機関室で、マコト・ラ=フォージはパッドを軽く叩きながら頭を振った。
「どうしたマコト君。」隣でトランプハウス建設中のライカーが答える。
「どうしたもこうしたも。」マコトは肉片を撒き散らしながら持っていたパッドを副長に手渡す。
「乗船して以来のここ数日の彼の言動です。見てみて下さい。」
「なに…一日目、パチンコを潰して機関室に改造、理由そもそも機関室も無しに当船が今まで飛んでいたのが驚異である…」
マコトは熱い調子で頷く。
「ミサトさんもミサトさんです、すっかり骨抜きにされて、いやもともと骨は無いですけど、とにかく言いなりで、すんなりOKしちゃうんですから!」
「…二日目、イメクラと女装クラブを廃止。理由、惑星連邦を代表する船としてはこれらが船全体の面積の25%以上を占めるのは著しく不適当。」
「とんでもない話ですよ! あれこそが惑星連邦を代表する文化的設備じゃないですか!」
自分の顎のジョリジョリ感を楽しみつつリョウジは頷いた。
「確かにパチンコだけならともかく、イメクラ等の廃止はゼレンゴンのような他国の文化への侮辱にもとらえられかねないな。分かった、ビューティーに伝えておくよ。」
「お願いします。」
ぐじゅぐじゅと崩れながらマコトは答えた(もちろん全くの健康体だ)。
フユツキがやや疲れた表情でホロデッキから戻って来ると、既に中にいたリョウジが立ち上がった。
「…副長。一体どうしたっちゃ。」
「ビューティー、その…」
「とうとう例の全くリスクの無い新ビジネスの話、乗ってくれるっちゃね?」
ビューティーは勢い込んでさっそく傍らからチラシを出す。
「見ての通り、このビジネスには怪しい所は全く無いっちゃ。まず会員になると出来るだけ多くの友人にこの化粧品の販売員になってもらうっちゃよ。彼等の売り上げの一部は当然副長の元にいくわけっちゃね。具体的には、月5万ラチナム円のコースで…」
「ああ、ビューティー、その話は多分、他の人にしていたんじゃないでしょうか。」
フユツキは顔を上げた。
「…そうか。最近訓練が大変でな。記憶が少し怪しくなっているのだよ。もう年かもしれんな。」
「いえ。それで…」
「分かった。例のシャブの話だな。確かに確実な新規ルート開拓は喉から手が出る程欲しい。しかしそのためには品質、つまり純度の裏付けが欲しいのだよ。残念だが、このフェレンスケルートの場合、」
「ビューティー。それも違います。」
「…分かったぞ、今年のプロカバディの予想だな? 今年はやはりハイデラバード・ヒゴモッコスが…」
「(…ヒゴモッコス?)違います。」
「ヒロミックスではないぞ。」
「違います。」
「ヒロミックスはそんなに悪いか? いやあここだけの話、私は結構アリだと思うぞ。フユツキさん的にはな。まあ自分の名前にミックス付けるセンスはまた置くとしても、だ、」
「あのー、艦長。」
デコをがっちり押さえられたフユツキはようやく我に返った。
「ああ、すまない。話があったんだな。一体何だね。」
「ええ、それなんですが、」
フユツキは焦った様子で手を前に出した。
「(はっ)ちょっと待ってくれ、心の準備が必要だ!」
「は?」
「(ぽっ)そ、そういう事は、それは最終的にはそうなるものなのかもしれんが、その、なあ、何事にも順番というか、心の準備が必要だという物だろう?」
「はあ?」
「そうか…確かに考えてみれば、君の視線は確かにいつも訴えていたな…そういう事とは知らなかった…」
「あのー」
「…しかし、やはり、なあ、いきなり部屋に来るというのは、そのだな、私のような老いぼれには少し、刺激が強すぎると言うか…それに、ゲォーフとの事もあるしな…」
「(知りたくないぞ…)」
フユツキはほんのりと頬を桜色に染めた。
「しかし、君がそんな目で私を見ていたとはな…さあ、来たまえ…」
普段の13.4倍(アメリカ統計事務局調べ)の力でがっちり手足を押え込むコウちゃん。
「あ、ぐ、が…」
「ふふふふ…」(*^^*)
「うぐわぁああああああああああああああああ」
「あれ、今のは何の音だろう。」
トシオ艦長は騒音に顔を上げた。
「あぁん、そんなこ・と・よ・り、これから一緒にマギデッキで楽しみましょうよう。」(=^^=)
どうやってかレイタからトシオを奪取したマヤがトシオの上に覆い被さった。
すうじかんご
ピカード、ドクター、ゲォーフの3人はシャトルの中にいた。
「今まで今回の任務の事は全く話していなかったが、そろそろ君達も説明が欲しい頃だろう。今回の任務を説明する。」
生真面目にビューティーを見るゲォーフ、モニタの仕手情報から目を離さないドクター。
ピカードは続ける。
「連邦の諜報部は最近、アオバシアがなれ鮨性兵器の実用化に成功したとの情報を得たのだ。」
「ナレズシ性兵器とは、何だ。」
「一種の酸性兵器で、標的となった目標は瞬時に溶解してしまうという兵器よ。範囲は広く、一発で惑星全体を殲滅可能。と言っても溶解するのはあくまで知的生命体のみで、その他の環境に直接の影響は無いわ。」
「…つまりビーフジャーキーしゃぶり放題という事か。」
「「…」」
「…それで、私達にどうしろと?」
良く分からないボケのゲォーフを無視して話を進めるドクター。
「ああ、これまでこの兵器は実用性が疑問視されてきた。何故なら当然、使用するに当って自分達に被害が及んでしまう危険性があるからな。しかし、」
「遠隔操作の技術が実用化された。」
「その通りだドクター。以前私がフェレンスケ人に脳波をコントロールされた事があったが、あれに近いテクノロジーの電波で遠隔操作が可能になったらしい。つまり今回私はその知識を買われたというわけだな。」
ふと2人がゲォーフを見ると、彼はいじけて蟻の行列を眺めていた。
「…私達はこれから彼等の秘密基地があるとされるガンズアンドローゼス3号星に侵入し、その兵器を破壊しようとしているのだよ。ゲォーフが上陸班に入った理由は言うまでもないだろう。ドクター、君には、彼等がここで研究を行っている物が確かになれ鮨性兵器なのかどうかを調査して欲しい。」
「分かったわ。」
3人(と蟻の行列)を乗せたシャトルはアオバシア領内に突入していった。
アオバシアとの国境地帯を航行中のエバンゲリオンは、アオバシア艦とランデブー、乗客を迎えていた。
「君達の艦長は、まだ来ないのかね。」
初老のアオバシア人が神経質そうにビンローを吐いた。
「…ええ…少し急用がありまして…」
何故かげっそりとし、そのままでは決して放送できない顔つきになっているリョウジ・ライカーが答える。
「(…って、いつまでダーリンは彼等を待たせるつもりなのかしら。)」
リョウジの隣のカウンセラーがテレパシーで伝える。ちなみにダーリンとは新艦長の事だ。
「全く、既に30分も待たせているではないか。一体両国の関係を…」
ぶばばばばばばば。
騒音に顔を上げる一同。向こうの壁が崩壊、がれきを飛び越えてバイクに跨った艦長が現れた。
「ちょっと失礼。俺は忙しい。しかも国際も級ライセンス(フナ釣り)を持っているので、こうして艦内はハーレー・ダビッドソン風のキャビーナで周っているのさ!!」
「「…」」(-o-;
親指を上げて男らしい微笑みを浮かべるトシオ艦長にアオバシア人達は目が釘付けになった。
「「お、お、男らしいー!! 師匠、弟子にして下さい!!」」
「「ええーっ」」
「はっはっは、これから一緒に、艦内をドライブしないか?」
「バイクはツーリングって言うんじゃ…」
「副長黙り給え。どうだい、君達?」
「「師匠、本当に良いっすか!!」」
アオバシア人達は喜びの涙を流している。
「でも、そのバイクに3人も乗れないと思うけど…」
トシオはミサトの言葉にカチンと来たように言い返した。
「何だと。これはハーレー・ダビッドソン風だぞ。3人位乗って乗れない事はないさ。」
「へえへえ…」
「よい、さ、あらよっと…それでは諸君、しばらく失礼。」「「きゃー(はぁと)」」
ぼぼぼぼ…
3人を無理矢理詰め込んだピザ屋バイクは壁の穴から通路に向け消えていった。
ピカード、ドクター、ゲォーフは皆黒いスウェットスーツのような物に身を包み、ガンズアンドローゼス3号星の洞窟の中を進んでいた。高い湿度がビューティーの頭を光らせる。
暗闇の中、3人はビューティーの頭を明かりとして一歩一歩歩いている。
バタバタ…
ゲォーフは頭上の羽音に目を上げた。
「コウモリモドキタカハシヒデキだよ。まさか怖くあるまい?」
「…私はゼレンゴン人戦士だ。(怖いけど。)」
彼等がしばらく進むと、地下に巨大な空間が広がった。マギデッキのプログラムにあった物と良く似た洞窟内の10数メートルの岸壁だ。
「時間が無いわ。2人とも早くね。」
リツコはそう言うとすーっと浮かんで岸壁の向こうに行く。
ピカードとゲォーフは顔を見合わせて軽く溜息をつくと、電子ザイルを岩につけ、のたのたと岩を登り出した。
「遅いわね。女性を20分も待たせる物では無いわ。」
ようやく岩を登り終えた2人の前に不機嫌なようなどうでもいいような(つまりいつも通りの)表情を浮かべたリツコが現れた。
「「うえー。」」
ピカードとゲォーフは顔が真っ青だ。どうやらゲォーフが登る途中でまた吐き出し、それにピカードがつられたようだ。
リツコはデコを手で押さえると、頭を振った。
「仕方が無いわね、軽く栄養剤を…」
しゃきーん
「だだ大丈夫だドクター。さあ2人とも、後少しで基地だぞ!」
ドクターの言葉に急に回復したピカードがゲォーフを見ると、彼はお腹を押さえて泣きながら頭を振っている。
「うーうー。」
「げ、ゲォーフ!!(このままではドクターの餌食にい!!)」
「うー。うー。(涙)」
「産まれるのか!!」
「うーうー。」頭を振るゲォーフ。
「いやあ、素晴らしいハートブレイク・ロンリードライブでした。」
「そう言って頂けると嬉しいですね。」
ジェリコとアオバシア人達は談笑しあいながら会議室に戻ってきた。
「ところでガル・マンダ、そろそろ本題に入りたいのですが、よろしいですか。」
「どうぞ、艦長。」
どこかでバイクを壊したのか、なぜか徒歩で戻ってきた彼等はミサトとリョウジの待つ会議室の椅子に座った。
自分の前のバター茶を一飲みすと、トシオは本題を切り出し始めた。
「我々惑星連邦はアオバシアとの真の和平を常に望んできましたが、あなた方はどうもその意志が無いように見受けられますな。」
ガル・マンダと側近は顔を見合わせた。
「そ、それはどういう事ですか!」
トシオは黒い透き通った目でマンダを見つめる。思わず頬を赤らめるマンダ。
「こちらの情報によると、アオバシアは未だに連邦との国境地帯で戦闘を行っているようですが?」
マンダは顔をしかめた。
「それは誤解だ。私達が行う軍事行動はあくまで同胞を守る自衛行為に限られる。お確かめになれば分かるでしょうが、最近起きた幾つかの衝突は全て各惑星の住民が我々を攻撃した事から始まっているのです。」
口を挟むライカー。
「しかしそういった衝突はあなた方が住民を圧迫しているからこそ起こる物でしょう。」
「それは勘ぐりすぎですぞ副長。」
マンダは顔を上げた。
「艦長、これだけははっきりと言っておきたい。地球人の方々は時に私達を誤解しているように思える。私達を攻撃的で、野蛮で、好戦的な、ゼレンゴンやロミュラスカのような民族だと思っているようですな。それはとんでもない誤解ですぞ。私達は常に平和を求める種族だ。それだけは分かって頂きたい。」
「…ええ、もちろんです。」
トシオはそのカミソリのような鋭い顔で軽く頷いた。
マンダは足を組み替えて背もたれに寄りかかった。
「こちらもある話を聞きました。何でも最近、数人の惑星連邦の破壊活動チームが密かに我が国の領内に侵入したとか…もしそうならあなた方のほうこそ、本当に私達との平和を望んでいるのか大いに疑問ですな。まあ、ただの噂だろうと信じていますが。」
「賢明ですな。」
マンダはわざとらしい態度で、ふと気付いたように口を開いた。
「ところで…前の艦長のピカードさんはどうされたんですか。」
「現在は別の仕事をしていますが。」
「まあ、彼のような悪評高い人物なら、仮にスパイとして捕らえられたとしてもさほど連邦の損失にはならないかもしれませんなあ。」
マンダは勝ち誇った表情で言う。
「…そうかもしれませんな。」
トシオの言葉に、リョウジとミサトは無言で大きく頷いた。
「ドクター、上を見ろ!」
ドクターが上を見ると巨大な岩石が崩れ落ちてきた。
びりびりびり、ずごーん。
ドクターの目から光線が発射され、岩石は跡形も無く蒸発する。
「…へ?」
「あまりドクターを気にするなゲォーフ。そろそろ基地が近いはずだぞ。」
ピカードがゲォーフの肩をポンと叩きながら歩いていく。
今までに比べるとかなり小さな、明らかに人為的に作られたものと思われる通路を歩いていた3人の前に、ついに金属製の扉が現れた。
振り向いて2人に頷くピカード。ピカードが扉の横の電子ロックのカバーを外し、ハックしてロックを開かせる為の機具を取り付け、ゲォーフはフェイザーを構える。ドクターはいつも通りメンソールの煙をくゆらせている。
ぴ、ぴ、めー。
電子音とともにドアが開いた。通路中央に出てフェイザーを構えるゲォーフ。中にゆっくりと進入するが、誰もいないようだ。
ゲォーフの様子を確認したフユツキとリツコは部屋の中に入った。
フユツキとリツコはしばらく周囲を見回し、眉を上げた。
中は少なくとも実験室らしい机やコタツや雀卓はあるのだが、特にそれらしい薬品等は見られない。
「ドクター。」聞くピカード。
「トリコーダーには何の反応も出ていないわ。」
「…艦長、これは罠だ!」
ゲォーフが叫ぶと共にフェイザー光線が彼等の目の前をかすめる。
3人は素早く物陰に隠れた。ゲォーフがフェイザーで応戦する。
「…」
突然ドクターは目をつむり、聞こえないくらいの声で何か呟き始めた。
「何をやっているのだドクター。」
「集中しているのよ……くっ」
リツコが声を上げると、入り口にまで迫って来ていたアオバシア兵が倒れる。
「「うあああ」」
「象さん魔法よ。」
「…そうか。」
至極真面目な表情のドクターに頷くピカード。3人は部屋から出るが、またもや陰からアオバシア兵がフェイザーを発射。
「ふんっ」
「「うああああ」」
「…最近通信講座で習った魔法なのよ。役に立って良かったわ。」ドクターはやや機嫌良さそうにアオバシア兵の屍の上をまたぐ。
びきゅーん。
「Ohhhh。」
その時逆の方向から隠れていたアオバシア兵がピカードを撃った。何故か英語でもだえるフユツキ。
「…」「艦長!」
アオバシア兵に部屋に連れ戻されるピカード。アオバシア兵はすぐに扉を閉めるボタンを押す。ゲォーフが走って戻って来たときにはドアは完全に閉まってしまった。
「かんちょおおおおおおお!!!!」
「…駄目よゲォーフ、今艦長を助ける暇は無いわ。」
「だ、だって、かんちょうしゃんがあ」
「ふんっ」
「ううっ」
ドクターは「ちっ」と舌打ちをすると、失神したゲォーフを引きずりながら洞窟を走り出した。
「先程、ガンズアンドローゼスからの信号が途絶えました。」
「つまり、とにかく作戦は遂行されたという事ね。後はそれが、成功した事を祈るのみだわ。」
「ええ、その通りです。」
トシオ・ジェリコ艦長は画面の向こうのレミ・ナチェフ提督に頷いた。
ナチェフ提督はいつも通りの朗らかな表情で艦長に微笑む。
「まあ、彼等がどうなったところで知った事でも無いけどね。あぁん、仕事とはいえトシちゃんのエバンゲリオンからすぐ帰らなきゃならなかったのは辛かったわあ。」
「そ、そうですか。」
ホスト見習いのような苦笑を見せるトシオ。
「そうよお。まあ、ピカードなんかはどう殺そうとしても死なないタイプだとは思うけどね。あ、ねえ、通信SEXって興味無い?」
トシオの笑顔が引きつり始めた。
ぶわっしゃー。
くしゃみで鼻水とよだれをまき散らしたピカードは、そのまま前のアオバシア人を睨み付けた。
「シゲック。一体どういうつもりだ。」
「…」
鼻水をティッシュでふくシゲック。
ピカードは地下洞窟から、秘密基地内のかなり広い部屋に連れてこられていた。アオバシア式建築の常として、非常に音響が良く声が響く。
ガル・シゲックは自慢のロン毛をかきあげると、椅子に座らされているピカードの前に歩み寄った。
「どういう? 俺達はあなたをここに招待したっす。ピカード大佐。俺達はあなたに来て欲しかった。」
「何だと?」
シゲックはピカードの椅子の周りを歩く。
「フユツキ・コウゾウ・ピカード、登録番号SB、666、6666(覚えかた:ムムム、66歳の老人17人のうち13人が元船乗り、ろく)、コブツキ・ピカードとゲンツキ・ピカードの子。フランス、バルベール生まれ。以前フェレンスケに同種のビームによる思考操作を受けた経験から、なれ鮨ビームに造詣が深い。」
「…目的は私だったのか。生物兵器の噂も、全て君が流したのだな。」
シゲックは勝ち誇った笑みを浮かべた。
「もちろんっす! お誕生会は驚かせる方が楽しいでしょう!!」
「……は?」
「そ、そうかね。」
誉められる事に慣れていないのか、妙に素で答えるフユツキ。
シゲックは熱っぽく頷いた。
「ええ。頭の光でマングースと戦った伝説や、アップリケ選手権徳島大会出場の話には泣かされたっすー!!
マジで熱いっす!」
「そ…いや、そういううまい事を言って、私から連邦の機密情報を引き出すつもりだな。そうはいくものか。」
「別に、そんなつもりは…」
「私を甘く見ない方が良いぞ。エバンゲリオンの自爆コードが「2429-ず」だだとか、この星系の第5惑星に連邦の秘密基地があるだとかは、死んでも口にはしないからな!!」
「そ、そうっすか…」
「ひひーん。」
今日は白馬にまたがっているトシオ艦長は、そのソリマチ(卒業写真にあなたはいたけれど、理由も無く、マチ、の略)並の精悍な顔をしかめた。ちなみに今のいななきは艦長ではなく馬の物だ。
「いや、大変残念なニュースが入りました。ガンズアンドローゼス3号星で、あなた方のピカード大佐が逮捕されたそうです。容疑は器物破損と年齢偽証。」
「冗談でしょう。」
「私が冗談を言う顔に見えますか。」ガル・マンダがトシオに聞き返す。
「こうなってしまった以上我々としてはあなた方にきちんと対価を支払って頂くほかありませんな。これ以上話す事も無いでしょう。それでは失礼。」
ガル・マンダと側近は会議室から出ていった。
はむはむはむ…
ニンジンを食べる白馬、に乗る艦長は、リョウジとミサトに説明を始めた。
「彼等の言っている事は正しい。ビューティー、ドクター、ゲォーフの3人はガンズアンドローゼス3号星でロン毛達の秘密基地の破壊活動に従事していたんだ。」
「それじゃ、ハゲがつかまったっていうのは…」
「事実の可能性もある。まだ何とも言えない。」カウンセラーに答えるトシオ。
「しかし、チームからの報告が途絶えているのは事実だ。副長、至急ランナバウトでガンズアンドローゼスまで行き、彼等の捜索をしてくれ。」
「…了解。」
リョウジは椅子から立ち上がり、部屋を出ようとした。
ミサトは白馬にまたがるトシオに近づく。
「…艦長、そんな秘密任務を抱えていたんですね。それじゃあストレスも大変だったでしょう。」
フラれた男のひがみか、リョウジは立ち止まって耳をそばだてている。
「ん、ま、まあね。」
「わたしがあ、愛情のたっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっぷり入ったカレーで疲れを吹き飛ばして差し上げますわ。」
「そ、そうか。」
ニヤリ
「それでは、艦長。」
「あ、ああ副長、頼んだよ。」
パン、パン、パン。
「「「お誕生日おめでとぉー。」」」
クラッカーを鳴らすアオバシア人達。
「「「はっぴばすでーとぅーゆー。はっぴばすでーとぅーゆー。はっぴばすでーとぅー・みっくす研究所…」」」
「何やら懐かしいな。」
「「「はっぴべすでぃーとーよ。」」」
ひゅーひゅー。
こぼれんばかりの笑顔を見せるアオバシア人達。
シゲックはピカードの前に5つの白熱球の並べられた物を出した。
「兄貴、ここにいくつの電球があるっすか。」
「…5つ。」
「ええ。俺が今から兄貴の誕生日を祝して、ロックな歌を歌いますから、その後で5段階評価で点を付けてもらえますか。」
「あ、ああ…」
マイクを取りだすシゲック。
「OK! Let's Rock 'n' Rolllll!!」
シャウトしてからリモコンをピッピと操作しだすシゲック。
「ええっとまずは、リューイ・カワムクの「Love is...」だ!!」
「カラオケかい。しかもいきなりバラードか?…」
Love is... 作詞・ガル・メローイエロー 作曲・角田華子
湯沢温泉 一泊二日
大家族 バスチャーター
温泉つき 風呂の後
お湯の色 赤紫
落語家のイワン 僕の前では サンバを踊らない
邪馬台国の 話になると 口を止めない
イルカ国 訪問した 言い返したうちの父親
冗談と 聞き流すが 彼の部屋には 未知の通貨が
「さあ、何点っすか!!」
「う、ううう…」
何故か苦しそうに耳を押さえるピカードは、歯を食いしばりながらスイッチを押した。
ぽーん。
「い、一点んんん?」
「大丈夫でしたか。」
仮面(沙南ちゃん)でマントの男が医療室で語りかける。
「私は別に平気よ。ゲォーフは、吐いたり産んだり吐いたり産んだり大変だったわ。」
妙な目つきでゲォーフを見るリョウジ。
「ドクターは冗談を言っているだけだ。」
「取り敢えず大佐は持っていかれたわよ。諦めた方が良いわね。」
新聞に目を通しながら話すドクター。
「マンドラゴラ相場の変動が激しいわね…」
からからから…
「…」
肩のかざぐるまを回しながら難しい表情のライカー。
「ドクター、トライコーダーを貸してもらえるかな。ラ=フォージ少佐に調査してもらいたいと思うんだが。」
ライカーと共に医療室に来ていたジェリコ艦長がドクターに手をかける。
「あ…はい、艦長。」(*''*)
「「(な、何だあ? ドクターまでキャラが…)」」
ドクターは急にいそいそと新聞を畳み出した。
「アリサ、ちょっとここを頼んでいいかしら。」
「え、ええ…」
ドクターは立ち上がり、艦長の手をがっちりとつかんで引き寄せた。
「少し、報告の補足をしたいのですが、よろしいでしょうか。」
「あ、ああ、もちろん構わないが…」
「艦長。」
やや刺のある声で副長が遮る。
「一つ、お願いがあるのですが。」
「何だね。」
ライカーは息を吸った。
「私は以前から、あのハゲを殺す時は自分の手で、と思ってきました。ここでアオバシアの手に渡って拷問で死なれては困るのです。救出作戦を実行させて下さい。」
数秒考えて、首を振るジェリコ。
「駄目だ。危険すぎる。…副長、気持ちは分かるが、ピカード大佐は殉職したのだ。諦め給え。」
「艦長! し、しかし」
「副長。無駄話はそれ位にしてもらえるかしら。」トシオの肩を持つリツコがにっこりと微笑んだ。
「は…はい…あの、艦長、後一つだけ。」
「何だね。」
「カウンセラーの、カレーは、もう食べられたんですか?」
トシオは笑った。
「ああ、何でもまだ愛情が足りないとかで、数日後のお楽しみだそうだよ。」
ちっ
「そうですか…」
ドクターは眉をひそめた。
「カウンセラー、そんな事を…副長、情報ありがとう。」
「あ! くっ…」
リョウジはベッドのゲォーフと目を合わせた。
鯵を釣り、ふところにピチピチしのばせた
栄吉に、コクられる 恋愛シミュレーション
ぼやぼやぼやぼや 学校放火
ぼやぼやぼやぼや ハッピーエンド
「どうっすかーっ!」(><)/
ぽーん。
「いっ…てん…だ…」
頬がこけ、息も絶え絶えのピカードが頭を振る。
「くううう…厳しいっすねー。でも、5点満点を貰うまで絶対に返しませんよー!!」(><)
元気ハツラツのシゲック。
「み、水を…くれ…」
「水?」シゲックは怪訝そうに机の時計を見た。
「なーっ、もう朝じゃないっすか! 全く大佐、いつまで俺を歌わせれば気が済むっすか、参っちゃうなあ。」
「ま…ぐ…(訳:お前が勝手に歌ってるんだろ…)」
ピカードはヨロヨロとシゲックに歩み寄った。
「頼む、何でも話すからもう止めてくれ!」
「OK!! おつぎの曲はーっ!! 思いっきりロッケンローな所で、ユタ・オザックいこうか!!」
「話を聞け…」
15夜 作詞作曲・ユタ・オザック
落盤の恐れある道ばかり走るバス
山沿い国道の上の屋根 実は上が女人の国
前歯の無いいとこの夢壊したい
校舎の裏 油田を掘って見つかれば原油プシュー
学校沈没 でも先生は
給食途中で食べおわってないソフト麺と沈む
そして異世界から今度は山田まりや星人が吹き出る
とにかくもう オールナイフジ延長戦は放送されない
シャズナのファンが誰なのかさえ 解らず震えている
十五夜です。
盗んだ都電で走り出す 止まりかたも分からないまま(次は荒川遊園前ー。)
ぽーん。
「まだ途中っすよーっ!!」
「いっ…て…ん…」
バタ。
めー。
「本来は、ピカード大佐は明らかなテロ行為を行った危険な戦犯です。この点に異議はありませんな、ジェリコ艦長。」
(何故か)羊に乗った艦長は、返答を返さず無言でガル・マンダを睨む。
エバンゲリオンの会議室ではまた、ジェリコ、ライカー、カウンセラーとマンダ達との交渉が行われていた。
「私はさきほど、アオバシア上層部と話し合いました。いや、彼等は非常に慈悲深い。彼等はあなた方に、ある条件を飲んでさえ貰えば大佐を無条件で解放しても良いと言っています。」
余裕たっぷりのマンダに、苦り切った表情のトシオが聞く。
「条件とは何ですか。」
「この地区からの連邦の全面撤退です。」
顔を見合わせるトシオとリョウジとミサトと羊。
「もし連邦がこの、アオバシアに本質的に属する領域から手を引くというのであれば、我々も手を打ち、大佐をあなた方に送り返しましょう。いや正直、これでは我々が一方的に損をするも同然なのですが、我々のあなた方への友情を示さなければならないとの上層部の意向なのですよ。」
めー。
「…私も上と連絡を取りたいのですが。」
「どうぞ御自由に。」
マンダは手を広げる。マンダたちは会議室から出ていった。
リョウジは向き直った。
からからから。
「連絡を取りたい、って…艦長、答えは決まっているじゃないですか!」
めー。
「何を言いたいのかね。」
からからから。
「ピカード大佐は連邦にとっても、功罪含め重要な人物のはずでしょう?
人命がかかっているんですよ!」
めー。
「これは交渉だ。そう簡単にイエスと答える訳にはいかないんだよ、副長。コレダカラヤクチュウマントオトコハコマリマース。(ラテン語)」
ぐじゅぐじゅぐじゅ。
「まあまあ2人とも、落ち着いて…」
からからから。
「この際だから言わせてもらいますが、あなたの船の指揮は独断専行に過ぎる。この船には培われてきた、この船なりの仕事の進め方という物があるんですよ。」
ぐじゅぐじゅぐじゅ。
「って、私の擬音は一体何なのよ!」
めー。
「君の気持ちは分からないではない。しかしこれはまず連邦の船であり、連邦の規則では部下は艦長の言う事には絶対服従のはずだ。それはこの船でも変わらないはずだが?」
からからから。
「私は艦長が間違った判断を下す時と借りた金を返さない時は、艦長に適確なアドバイスを下す(もしくは金をむしり取る)のも副長のつとめだと思いますが。」
めー。
トシオは溜息をつき、厳しい表情を崩さずにからからから。に宣告した。
「…それでは、君は副長という職務には向いていないのかもしれないな。」
「…失礼します。」
仮面は会議室を出ていった。
すうじかんご
艦長(ようやく羊から降りた)はラ=フォージ、レイタと機関室にいた。
「副長。何か意見はあるか。」
レイタはしばらく首を傾けてから、口を開いた。
「論理的に推測を展開すれば、アオバシア人達は最初から大佐を狙っていたものと思われるわ。」
「でしょうね。でも、どうして、艦長、あ、いや、ピカード大佐が、彼等に捕らえられるんでしょう。…大佐から、まともな情報を聞き出せるとでも思ってるんでしょうかね。」
「でも、仮に何も考えていなくても、大佐の行動は結果として連邦の利益、つまり彼等の大きな「脅威」になる事が多いわ。」
「その通りだな、仮にバカでも捕える意味は充分ある訳だ。」レイタに頷くトシオ艦長。
ハエ柱(マコト)は壁の表示板を指しながら説明する。
「もう一つの可能性も考えられます。ドクターのトライコーダーの分析結果ですが、微量ながらザザムシ菌の反応がありました。つまり大佐達の行った基地では、確かになれ鮨ビームの開発は行われていたんです。」
「開発の終了した後で情報をリークしたのね。」
「そんなところでしょう。」(R。)
トシオがまとめる。
「話を総合しよう。彼等はやはり兵器を開発していた、そして彼等の脅威となるピカード大佐を拘束、交換条件にこの地区からの撤退を提示…」
「彼等がこの地区で大規模な戦闘を起すつもりである可能性は極めて高いと言えるわ。」
「その通りだ副長。マコト君、至急マンダの船をスキャンして調べてみてくれないか。何か分かるかもしれない。」
「了解。」
あきらめて 作詞:タカク・オカムック 作曲:国際発明家協会
穴井夕子の 将来性に
社運を賭けると ベルギーじゃ死刑…
ぽーん。
5つのライトのうちの1つだけが光る。
「な、何でっすか! これは5点でしょう!」
首をふるフユツキ。
「い…ん…」
「くううううううううう。ここまで辛口の審査員さんは初めてっすよ。じゃあ次(ネクストロッケンロー)、GLEYで「這えばー」!!」
「たす…け…」
がく。
「大丈夫っすか!!」
フユツキに駆け寄るシゲック。何かに納得して頷く。
「分かりました、アップテンポの方が良かったっすね!! じゃあレヴォレヴォリューションで「CD買う意味どこにある」ーっ!!」
白目をむいたまま答えないフユツキ。
「スキャンの結果によると、彼等の船は最近シンシモノセキ星雲にいたようです。あの場所特有のフグチリールが検出されています。」
機関室で柱(マコト)は艦長に報告する。
「シンシモノセキ星雲…」
トシオは腕組みをした。
「奴等は艦隊をあそこに潜ませているな。」
「え?」
トシオは胸の通信機を叩く。
「レイタ副長。船をシンシモノセキ星雲の区域に向かわせてくれ。」
「はい。」
「…艦長、しかし、現在星雲付近に艦隊がいるという確たる証拠はありませんが…」
「何だと。君はハーヴァーロ大学出の私の頭脳が信じられないというのかね。ついでに言うと愛車はハレー・ダビッドッソン風だぞ。100メートルを8秒で走る夢を見た事があるぞ。」
「はあ、すいません…」
頭を下げるマコト。
「ところで少佐。この作戦には腕の良いパイロットが必要なのだが、誰か知っているか。」
「パイロットなら、やっぱり…ライカーふく…中佐かと。」
トシオは頭を振った。
「…彼は信用出来ない。何だかからから言ってるしな。」
「しかし、彼に優るパイロットはこの船にはいません。」
「いや…私には1人、心当たりがあるよ。」
トシオはその美しすぎる顔で微笑んだ。
また朝が巡ってきていた。
ピカードはややヒゲが伸びた騙し絵状態の顔で、シゲックに弱々しい声を上げた。
「これは、いつまで続くのかね。」
「いいぇーーーーーーーーーーーーーーーいいいいいい!!!! へ、何がっすか?」
「これだ! この拷問だ!」
「な、お誕生記念ギグに何て言いかたするっすか!! 拷問だなんて、きっびしいなあー。」
「厳しいとかじゃなくて…」
「大体大佐が5点を出してくれないから、俺だってずっと歌ってるんじゃないっすか。5点さえ出してくれれば、いつでも止めるって2日前に言ったでしょう?」
「お前の歌は1点だ…」
「これだもんなあ。」
既に50時間近く歌い続けているシゲックは、テーブルの菓子をフユツキにすすめる。
「アオバシアミドリサンゴの油揚げっす。うまいっすよ。」
「…」
「あれ、食わず嫌いは良くないっすよー。俺が子供の頃なんて、これを食べ過ぎてよく尿道結石になったっす。」
がり、がじ、がり。
どう見ても岩にしか見えない物体をうまそうにかじるシゲック。
「OKえええええいいいいい!!! ねくすとろーる。(ネクストロッケンローの略)
お次のナンバーは、しっとりしたバラードナンバーさ。この曲は俺達がまだメジャーデビューする前、ベースのジョニーがバイクで事故って、その後で喉に餅をつまらせて死んだ時、それとは無関係に俺達の狂牛病への想いをつづった歌です。聞いて下さい。「クリスマス・慰撫」。」
クリスマス・慰撫 作詞:タツタ・ヤマック 作曲:卓球温泉制作委員会
アリクイの頭脳で 体は課長補佐 うう
そんな 連ドラ
カザフの消印の この謎の小包 ああん
一文字 (Oh yeah) 「危」の字が
まだ開けてない だけど時々
位置がどうも変わっている…
ぽーん。
「止めてくれえええ!!」ピカードは耳を押さえて倒れ込んだ。
トシオ艦長は小惑星の間を抜けながら、冷静にランナバウトを操縦していた。
「さすが艦長! ランナバウトの操縦もお手の物ですねえ。」
機械を操作しながら感心して見せるマコト。
「大した事は無いさ。まあ、こう見えても国際づ級ライセンス(東海道線の駅名暗記)の持ち主だからね。」
「そうですか…」
「…よし。これで敵艦への時限爆弾設置は完了だ。それではエバンゲリオンへ戻ろう。」
「ガル・マンダ。例の条件の件だが、我々としては条件を飲む事は出来ない。しかし、ピカード大佐は返してもらおう。」
リョウジの言葉に、画面の向こうのマンダは激昂した。
「な、何だと!! 君は一体自分が何を言っているのか分かっているのか?」
自分の個室で、ライカーはポーカーフェイスを見せる。
「ああ分かっているとも。しかし、君達は断る事は出来ないぞ。我々は、既にシンシモノセキ星雲の君達の船に全て時限爆弾をしかけたからな。」
「な!…」何やらアオバシア語で部下に命令を下すマンダ。
「我がトシオ艦長は連邦でも一、二を争うパイロットだ。…今も星雲内でランナバウトを操っているはずだが…あっ」
「聞いたぞライカー!! そうか、まだいるんだな、おい、至急スキャンだ!」
ニヤリ…
沙南ちゃん仮面の下で黒い笑みを浮かべる元副長。
ちゅどーん。
「なあ、あのガル・シゲック、もう60時間以上マイクを握っているけど、のど痛めないのかな。」
シゲックのシャウトが響き渡る室内。ドアに立っているガードのアオバシア兵が、もう1人に小声で話し掛けた。
「彼はガルになるだけあって、そんな物はパッションで乗り切るんだよ。」
相手の答えにアオバシア兵は頷いた。
「そうか。しかし彼は全くの善意のつもりでも、「お祝い」される側にとってはこれ以上の拷問は無いだろうな。」
「上層部はガルの事を分かっていないんだろう。「連邦とは交戦状態にはないので、あくまで丁重に、ゲストとしてもてなすように」と言われているんだが…」
「まあ、ガルとしては最高(Happy Birthday!なみ)のおもてなしをしているんだろうけどな。」
「さあネクストナンバーズは、ナム・アムロットで「ようやくP-kiesから名前が消えました」だ!!」
「うう…」
憔悴しきった顔つきのフユツキ。
その時部屋のドアが開いた。ドアの向こうからパッドを持ったアオバシア兵が現れる。
「ガル・シゲック。アオバシア政府からの通達で、お客様を帰すようにとの事です。」
「なんだって。しかし、まだ…」
慇懃な態度のアオバシア兵はシゲックの言葉を遮って続けた。
「政府からの通達です。ピカード大佐は直ちにお帰りになります。」
彼の指令で後ろから来たアオバシア兵達が、死んだ表情で何も答えないフユツキに肩を貸して立ち上がらせた。
「…」
「ピカード大佐、答えて下さい!! 本当の事を! 今の俺のシャウトは5点だったっすよね?」
「…」
「大佐!!」
フユツキはしばらく連れて行かれるがままにしていたが、部屋の出口まで来て急に気持ちが高ぶったかのように振り返った。
「お前の歌は1点だ!! 全部1点!! どれもさんま以上中居未満!! 1点だ!!
…いってん…だ…」
呆然とするシゲックを残し、フユツキは連れられて行った。
「そう、亡くなったの…いつも良い人が先に亡くなるのね…」
画面の向こうのレミ提督は普段は表に見せない、少なくともフユツキが見捨てられていた間は絶対に見せなかった表情で呟いた。
かーなしいかなしー。
悲しみの踊りを画面の向こうで踊る踊り子達。
再びエバンゲリオンの艦長室の椅子に座る事になったフユツキは(素直に)頷いた。
「ええ。私は彼を詳しく知る時間はありませんでしたが…副長の報告によると、最後は偶然アオバシアに発見されてラ=フォージ少佐と共に撃墜されたそうで…」
「頭が良く、行動が勇敢で、言語に堪能、アレが大きくて走るのが速い、おまけに大のアリ好きでお天気お姉さんマニア。あの彼を亡くすだなんて、連邦にとっては、これ以上の損失は考えられないわ。」
「ええ…」
レミは鼻をすすり、微笑んで見せた。
「まあ、いつまでもうじうじしていたらトシオ君も浮かばれないわよね。結局4回しか出来なかったけど(裁縫縫いあいっこを)…私達は自分達の職務を全うしましょう。」
「そうですな。」
「じゃ。」
通信は終了した。
ぽろろん。
「入り給え。」
ピカードは少し意外そうな顔を見せた。
「カウンセラー。」
ミサトもレミ同様、普段からは考えられない沈んだ表情である。女性クルー(と一部の男性クルー)達は皆、彼の死にショックを受けたようだ。
「もう、体調の方はいいですか。」
「ああ、まあ、問題は無いよ。」
ミサトがソファーに座るのに合わせ、隣に腰掛けるフユツキ。
「…しかし、一つだけ、報告書には書かなかった事がある。」
「ええ。」
「拷問の最後の日、シゲックは私が「5点だ」と言いさえすれば私を解放するつもりだった。」
「…でも、言わなかったんでしょう?」
「ああ。しかし…実は、私の耳は、既に彼の歌が5点満点に聞こえるようになっていたんだ。」
「…」
ピカードの言葉に考え込むようにしていたトロイはふと思い出して、ピカードに告げた。
「あの、艦長。」
「何だね。」
ミサトは沈んだ表情で言った。
「亡くなったトシオ大佐に代わって、食べて欲しい物があるんですが…」
−今回執筆時のBGM-CD 「携帯哀歌」 by 東京プリン
づつき
次回予告
アスカは軽傷を負う。シンジは夏休みの間中病院に通うが、彼女は彼に口をきかない。彼女の様子がおかしいので話を聞き出そうとするヒカリ。アスカは最初話題を避けるが、気持ちが高ぶり全てを告白する。それはヒカリにはあまりに衝撃的な内容だった。自分ではどうしたら良いのか判断できない彼女はトウジに相談をする。しかしその行為は彼をシンジに対し怒り狂わせるだけだった。次回「真夏の子供達」第23話、「関係」。御期待下さい。
本当の次回予告:最初で最後の副長メインの話。
「何なんっすかこれはあ!!」
「お、最近珍しい「まともな」後書きの始まりかただね。」
「あのねえ…いや、とにかく、これじゃ俺、まるでジャイアンみたいじゃないですか!!」
「「みたい」じゃなくてその通りなの。」
「何でっすかー!! 第15話「嘘と沈黙」後半の、俺のギグシーンを見ていないとは言わせないっすよ!」
「作らない、作らない。」(^^;
「全く…それにしても、今更っすけど、最近とみに壊れてますよね、この連載。」
「更新ペースも貞本エヴァ並に落ちてるしね。同人誌作ってる訳でも無いのに。」
「え、ええ。」
「訳分かんないよね。」
「自分で言うっすか。」
「うん、書いたその時は面白くてゲラゲラ笑ったりする事もあるんだけど、後から読み返すと「一体この人は何が言いたいんだろう」って不思議で不思議で。」
「電波っすね…それに、そもそも全くエヴァ小説じゃなくなってるっすよね、これ。原作の面影どこにも残っていないし。」
「作者が他の小説とか最近あんまり読んでないしね。そのうちちゃんと勉強しなきゃと思ってはいるんだけどね。」
「何だか偉そうかつ本末転倒っぽいっすね。(^^;
大体、別にそんな事誰からも望まれていないじゃないっすか。」
「あ、私そう言う事言われるとやる気出るんだわ。」
「うわあ。(性格悪ぅ…)」
「そんなエヴァトレですが、ここで一つ朗報があります。」
「あ、はあ。」
「実は、ついに上の「真夏の子供達」が、最終話(正確にはラス2)分まで完成したんですよ。さっき。まあ、まだプロットだけですが。」
「でも、公開の為には本文を書かないと。」
「そうよね。」
「このペースだとこのサイト(めぞんEVA)とどっちが先に終わるか分からない、ような状況じゃないっすか。」
「そうよね。」
「もう既にここまで壊れてるし…」
「そうよね…」
「…」
「あ、る、晴れた、ひ、る、下がり…」
「歌わなくて良いっす…」(TT)
6秒後作者死亡。(死因ロスト・ユニバース。)
以下次回