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すっかりモーフ仮面が気に入ったらしいシンちゃん。今日も今日とてテンフォワードで一人ホットミルクでキメキメだ。

「首筋に血のある人は、一生出血し続ける運命にあるからね。」
一人呟いている事が訳が分からないのは、シンちゃんが疲れているからか、作者がそろそろ壊れだしているからか。
 

シンジはこの前見た映画の事を思い返していた。
「(はあー。それしても映画版は凄かったな。ファンの人たちはどう思ったんだろう。まさかあんな展開になるとは…幾らなんでも、予想外だったよな。でもあのラストシーンは、結局どういう事だったんだろう。2人にとってあの終局はハッピーエンドだったんだろうか。…しょくぱんまんと、カレーパンマンにとって…)」
彼が思い返しているのは、言うまでもなく今話題の映画「それ行け! アンパンマン 虹のピラミッドを、君に」についてであった。

鼻歌を歌うシンジ。
らんらららん、らんらららん、らーららっららんらんらん、らんらららん、らんらららん、らーららっらーん。

シンジ・クラッシャーの周囲5mから生命反応が消えているように見えるのは気のせいか。

マコト・ラ=フォージはクローンミサトに頼まれて、バーのどこかにいるらしい本物ミサトを捜索にやって来た。しかし彼女は最近ゲル化が著しく、その気になればテーブルにでも床にでも化けられるようなので捜索は難航が予想される。

「ああ、ラ=フォージ!」
振り返る巨大ヘッド。

「ひいぃっ! あっ、シ、シンジ君か。まだその仮面付けてるのか。息苦しくないかい?」

「ちょっとね。でもそれも、モテモテライフの為なら我慢出来るって思うんだ。」

「(キャラ変わってないか?…)」

「無駄よ。お止めなさい。」
 

稟とした声がバーに響く。

「そ、その声は!」

「母さん! かあ…ふがっ」
「ドクター・リツコ・クラッシャー! 帰ってらっしゃってたんですか!」シンジに辞書を投げ付け、駆け寄るバーのマスター、マユミ・ガイナン。

「ええ。いつまでもここのドクター役を異臭のするばあさんに任せておく訳にはいかないわ。」

「「(へえ、ドクター・リツコ/母さんは、ばあさんじゃないんだ…)」」良い事を勉強したマコトとシンジ。
 

「地球のガラパゴス諸島にしばらくいたのは、実験の為よ。特にゾウガメの首の動きは、中々激しくて良かった…嫌だ、何を言わせるの。(ぽっ)」
両手を頬にあてがうドクター。

「とにかく実験も終了したし、そろそろシンジにも会いたいと思ったから。」

「か、母さん…(うるっ)」

「私の物置から変な物を引っ張りだして、勝手にいじくられると困るでしょ。」
 

「やばいぞ、シンジ君…」小声で言うマコト。

「え? 僕ここではマサルさんじゃないですよ?」

「じゃなくて!」
話が通じていない。
 

「シンジ。まさかやんちゃな子猫モードに触ったりは、してないわよね。」母性の微笑みでシンジに近付くリツコ、しかし何故かその背後に紅蓮の炎が見えている。

「ひ、いいいいいえええ、ななな何にも触ってませえん。筋肉が出来て耳や肉球が出て来たりなんか全然分かりません!」
あくまで巨大頭で微笑んでいるシンジ。

「そう、なら良いけど。…よいこっちモードに触ってないようだったら、構わないわ。」
また関東圏の人にしか通じない事を言いながら、マユミが(珍しい事に)入れた濃縮キリマンジャロコーヒーを一気に飲み干す。
 

「それからそのモーフ仮面。私の祖父が作ったパーティージョーク商品よ。「あくまで冗談で作ったのに、何故皆本気にするのだ、馬鹿者共め」とよく嘆いてたわ。ゼレンゴンの美的感覚には偶然合致したらしいけど…宇宙人によっては、その顔を見ただけで打ち殺したくなるという種族も居るらしいから、気を付けなさい。」

「うん…分かったよ母さん。外せば良いんだろ? はず…あれ? ちょっと、まさか、え? は、外れない!」

「無様ね。…そう、もう聞いたでしょうけど、例の救難信号の発信された惑星にそろそろ着くわ。2人ともブリッジに行きなさい。」

「はい。」
 

「外れない、外れないよ! 誰か僕を救ってよ!」でもあくまでも顔は微笑んでいるシンジ。
 


...Space, the final voluntier (sic). These are the voyages and detours of Starship Evangelion, on her cotinuing misson to explore strange new worlds and to seek out new civilizations. To bolderly go where no one has ever bothered to go, hopefully...

EvanTrek The Next Generation
新エヴァントレック

The Enema
第九話「宿敵ロミュラスカ帝国」
 
副音声英語版OPナレーションはすかちゃん@カナダさんに提供して頂きました。コープ・クン・マーク。ダスビダーニャ・モウマンタイ(それは違う)。


前回(まるで人の小説をパクったかのように)何故か突然ヤク中である事が発覚したリョウジ・ライカー。しかし今は意識がはっきりしているらしく、ゲォーフ、マコトと調査班を組み、問題の救難信号の発せられた星、ゲロンドン・コアに上陸していた。
 
 
 
惑星領域内にあるこの星は一応大気などの環境は生物の生息に適しているものの、気候は悪く、辺りは一面荒れ果てた岩の大地であった。

「嵐がひどいですね。」

「ああ。しかし不時着する時は、そうそう贅沢も言っていられないだろう。」

「確かに空気のある星に着いただけでも幸運でしょうけどねえ。…副長!」
マコトが前方を指差す。砂嵐の向こうに、宇宙船の残骸が見られる。
 

「あれは…」身を固くするゲォーフ。

「ロミュラスカ船だな。」

3人を重い空気が包み込んだ。
つまりこの船は中立地帯を越えて惑星連邦の領域に侵犯をしていたのだ。これは重大な条約違反だ。
 

 
近付くにつれ、ロミュラスカ船は事実上大破している事が分かった。小型の調査艇のようだが、これでは生存者は必ずしも期待できそうにない。

ラ=フォージが眉をひそめる。
「…ひどいですね。」

「ああ…とにかく、生存者がいないかどうか、徹底的に調べてくれ。ロミュラスカであろうと、遭難者は救助すべきだからな。」

「…」黙って従うゲォーフ。
 

しかし船内には生命反応は無かった。船を出て、周辺を捜索する3人。

ゲォーフは小さな岩の陰で横になっている彼女を見付けた。腹部から出血しており、動ける状態にはないようだ。

「生存者1名発見。 かなりの重傷だ。」やや離れている副長に通信機で話す。

「分かった。さっそく転送しろ。」
 

そのロミュラスカ兵はゲォーフに気付いたらしく、憎々しげに呟いた。
「な…によ…一思いに…殺しな…さい…よ…あんたゼレンゴン…でしょ…」

「…」何も答えないゲォーフ。

「…気持ち悪い…」ゲォーフとロミュラスカ兵は転送された。
 

リョウジ・ライカーはセンサーの残り時間を気にしていた。周りは激しい嵐で、これ以上の捜索は危険である。
「そろそろセンサーの電池が切れるな…俺も速い所ドクター・クラッシャーの新しい薬を試してみたいし…捜索は打ち切るか!」
センサーを折り畳んだ。

「転送室。1名収容だ。」
 



 
「ロミュラスカ帝国。惑星連邦、ゼレンゴン帝国と並ぶ銀河系の勢力。ロミュラスカ人は地球人を上回る科学技術を持ち非常に知的だが、同時に尊大で傲慢、常に軍事を優先する体制をしいているわ。惑星連邦のヴァルカスカ人とは民族的に同一、しかし文化的には大きく対立。理性を重んじるヴァルカスカに対してロミュラスカ人は常に感情的ね。」
カメラ目線で一気に言いきるレイタ大佐。
 

「誰に話してるの、レイタ。」何とか仮面を外したらしい血まみれシンジがレイタに聞く。

「いい。命令だから。」

「誰の? …ひいっ」

「…」無言でシンジに近付くレイタ。赤い目が交互に点滅しだしている。

「は、は、は、はーっ、ごぼごぼごぼ…」

「寝てしまったようね、クラッシャー君。」シンジは泡を吹いて目を回したまま「寝て」いる。
 

「それで、救助したロミュラスカ兵の容態はどうなのかね。」フユツキ・コウゾウ・ピカード艦長が通信機でドクター・リツコ・クラッシャーに尋ねた。

「ええ、思わしくありません。長い間星の空気にさらされていた結果、細胞が崩壊する病に冒されてしまったようなのですが…ロミュラスカの体の構造は良く分からないので、対処の仕様も無いのです。」

「全力を上げて、対処法を見付けてくれ。」

「ええ、努力はしているのですが。」
 

ライカーが艦長に話し掛ける。
「結局救助したのは1人だけでしたね。」

「既に大破していたからな。」

USSエバンゲリオンは今回の仕事を終えた。
 



 
シンジ・クラッシャーは首をかしげた。
「今回の話はまた、短かったな。あの作者さんでも映画にショックを受けたのかな。確かにしょくぱんまんが実は悪の組織ほかべん連合と密通していたシーンは衝撃的だったけど…」

ブリッジにやって来た女性が彼に声をかける。
「ああ、シンジ君。」

シンジは顔を上げた。
「あ、ミサトさん(のクローンさん)…」思わずもじもじするシンジ。
「いやだな、お、大人のキスの続きですか?…ぼ、僕は何時でも」「何変な事言ってんの、シンちゃん。」相手にしないカウンセラー。

「ところでシンジ君、マコト君知らない? 私の本物を探してくれって頼んだんだけど…」

「マコトですか? バーで会って…そうだ、その後副長とゲォーフと上陸班を組んで、ロミュラスカの生存者の救援活動をして…あれ、その後何処に行ったんだろう。レイタ、知らない?」

パネルを叩き現在位置を調べるレイタ。
「マコト・ラ=フォージ中尉の現在位置は不明。推定では、ゲロンドン・コア星に残ったままだと考えられるわ。」

「何だ、まだ星にいたのか…って、え、えええ?」



 
マコトは大声で叫んでいた。
「おーい! ゲォーフ! ライカー副長! おかしいな、まさかもう行っちゃったなんて事は無いよな?」

砂嵐がひどく、声は届きそうにない。問題はそれだけではない。どうやらこの星の地表の岩には特殊な成分があるらしく、通信機も壊れてしまっていた。更に大きな問題は、マコトが足を滑らせて大きなクレバスの下に落ちてしまっていたという事であった。

エヴァントレック(もとい、最近は「新」エヴァントレックと言わないと違う作品の名前になってしまう)最強の不死身キャラ、マコトゥエル最大の危機である。
 

「まいったな…まずはクレバスから抜け出さないと…ドクター・リツコのジャンピングシューズさえ履いていれば…」

ため息をつくマコト。センサーで周囲の地表を調査する。
調べて行くうちに、壁に鉄鉱石が含まれている事が分かった。

「そうだ。」
マコトはフェイザーで、慎重に鉄鉱石の部分を焼き切る。その塊を手頃な台状の岩の上に置き、何度かフェイザーで形を整える。
「これをアイゼン代わりにして登ぼって行けば良いんだ。俺って頭良い!」
 

岩を切って作った即席アイゼンを刺し、一歩一歩這い登ぼるラ=フォージ。数分後、ようやく地表に出る事が出来た。
 

「…どうやら本当に見捨てられたのか?」
周りに人影は無い。
「はははっ、いくら何でも、それは無いよな!」頭に手を当てるラ=フォージ、自分の立場を未だ理解していない。
 

その時マコトの頭に何かが触れた。
「動かないで。」

ロミュラスカ人兵士がフェイザーをマコトの頭に突き付けていた。
 



 
「別に星にいたままでも良いではないか。」

「わざわざ戻る程の事じゃないさ。」

「私も、そう思う…」

「僕もそう思います。」

ブリッジの面々は、わざわざマコトを助けに行くのに星に戻るのを面倒臭がっていた。良い仲間達である。
 

「あんたら、どうしてそう薄情なの! 本物私の居場所を数秒で探せるのは、アイツだけなのよ!」
クルーの薄情さに怒るミサト。
「あいつがいなかったら、どれだけ探すのが面倒になるか…今すぐマコト君を助けなさい。…ライカー。」

腕組みをして副長の方を見る。
「救助に行かないようなら、タマリアの新薬、融通しないわよ。」

態度を0.2秒で一変させる副長。
「クルーの生命を第一に考えるのが惑星連邦艦隊の規則だ。皆、そうだな。」
まるで抜き打ちで小単語テストが行なわれる事が判明した高校の如く、いやいやそうなため息の漏れるブリッジ。
 

ゲロンドン・コア付近まで戻るエバンゲリオン。
「しかし、星は砂嵐が酷いのだろう。見付けるのは、至難の技だぞ。」

「彼が、こちらの置いた目印にやって来るようにすれば良いわ。」
艦長に答えるレイタ。

「どういった目印だ? マコトが砂嵐の中、遠くからでも分かるような目印と言ったら…」

考え込む一同。シンジ・クラッシャーがひらめいて言った。
「そうだ! 本物のミサトさんを置けばいいんだ!」

「なるほど! レイタ、さっそくカウンセラーの現在位置を調べてくれ。」

「分かりました。」

「え、ちょ、ちょっと、どうしてそうなるの?」
 

数十分後ようやく競馬場内の厩舎で馬の鞍に化けて熟睡中のミサトが捕獲され、ゲロンドン・コアの地表に放出された。
 

「後はこれをマコト君が気付けば良いのだが…」不安気な艦長。

「ちょっと! 私の本物はどうなるのよ! 何時からビーコン代わりになったのよ本物はぁ!」怒り狂うクローン。
しかしマコトゥエルを遥かに凌ぐ生命力を持つゲルミサトの事など誰も心配はしないのであったっちゃ。
 
 
 
ゲォーフのパネルにシグナルが表示された。
「通信が入った。遭難船への救助信号だ。」ゲォーフが艦長に伝える。

「何からかね。」

「ロミュラスカ船だ。」

「至急こちらから通信を入れ給え。宇宙チャンネル・オン。」

スクリーンにロミュラスカ・ウォー・バーグの操縦室が現われる。
ちなみにロミュラスカ・ウォー・バーグはその名の通り彼等の主食であるハンバーグを型取った戦艦で、彼等の高い科学力を反映し大きさはUSSエバンゲリオンの約2倍、洗練された遮蔽装置と強力な武器を装備している。

「こちらは惑星連邦艦隊エバンゲリオンの艦長ピカードです。あなたがたの船は現在中立地帯を越えて我々惑星連邦の領域に侵犯しようとしています。直ちに引き換えして頂きたい。」

耳の尖り、眉がV字型の典型的なロミュラスカ人のウォー・バーグ艦長は、皮肉気に答えた。
「あら、これはこれは丁寧なご挨拶有難う、ピカードさん。惑星連邦の方々は博愛精神に満ちた方々だと聞いていたけど、味方を救助しに来る船すら拒否するとはねえー。申し遅れましたけどあたしは当艦の艦長、ラングレフです。以後お見知り置きを。」

「いずれにしても、ロミュラスカの惑星連邦領域への侵入は条約違反です。そもそも何故彼等は惑星領域の星で遭難していたのですか。」

「船をコントロールする力が無くなってから、惑星領域まで流されんでしょう。ああ、可愛そうに。彼等の事を思うと、涙が止まりませんわ。」
嘘泣きをしているウォー・バーグ艦長。

歯がみするピカード艦長。
「…そうですか。とにかく、中立地帯を越えられては困ります。これに例外は認められません。」

聡明そうなウォー・バーグ艦長は、ピカードに答えた。
「なるほど。…分かりました。それなら遭難船の生存者を、中立区域で引き渡して頂けるかしら。」

「生存者は1人のみ発見されました。現在当艦の医療チームが治療中です。しかしゲロンドン・コア星は嵐が酷く、これ以上の捜索活動は不可能なのです。」

「1人だけ? もう捜索しない?」元々怒り肩なのを更に怒らせて、湯気を出すロミュラスカ艦長。
「な、な、何ですってぇー! やっぱりあんた達地球人は、あたし達を陥れようとするのねえ!」

「そうではありません。私達のクルーの中でも、一人行方不明者が出ているのです。」

「どうせまたデタラメでしょっ。もう許せないわ、今からそっちに行ってやるから!!」
通信は唐突に切れた。

「参りましたね。」ライカーが艦長に声をかける。

「ああ…ロミュラスカ人との交渉は、やはり難しいな。」

 
「艦長。」通信機から声が届いた。

「何だね、ドクター。」

「今から艦長室に向かいます。お話があります。」
 


艦長室でシリアスモードのフユツキとリツコ。いつからか、部屋では無数の特大碇レイポスターが無邪気に微笑みかけている。
「艦長、良い知らせと悪い知らせと普通の知らせがあります。」

「欽ちゃんか?」

「欽という字は天子への尊称のはずなのに、いつから彼は皇族になったのでしょうか。」

「いかん、また話が靴ズレしているぞ。」作者に忠告する艦長。
 

「それでは、良い知らせから聞かせてくれ給え。」

「良い知らせは、ロミュラスカ兵の治療法が見つかったという事です。」

「本当か!」

「悪い知らせは、その治療法が、「ゲォーフの髭を煎じて飲む」という物だという事です。」
 

「…」
2人を沈黙が包む。
 

「…それで、普通の知らせとは何だね。」

ピンクサターンが知らない内に復活しています。」

「何だと! それは良い知らせではないかっ! ミドは健在か?」

「あら…そこまでは存じ上げませんが。(艦長の趣味は、清純派一辺倒という訳でも無いわけね。)」
一つ(無駄な)勉強をしたドクター。
 
 
 
ゲォーフは医療室に居た。ロミュラスカ兵の意識が戻ったようだ。しかしその目は濁りきっており、既に彼女が死の淵に立たされていることを印象づけた。

「…何よ…あんた…」

「…」

「あなたの病気の治療法が見付かったの。ゼレンゴン人の髭に含まれている因子であなたの細胞の崩壊を防ぐ事が出来るわ。だから彼の髭でお茶を飲んで欲しいの。」
説明するドクター・クラッシャー。
 

「…誰がそんな事…気持ち悪い…」顔を背けるロミュラスカ兵。

「私もお前の為に髭を剃るつもりなど無い。」彼女を見下ろすゲォーフ。

「ゲォーフ!」

「ゼレンゴンはロミュラスカを許さない。トダの大虐殺を忘れたとは言わせん。」

「ハン…あんたなんかの…新手の変態趣味じゃあるまいし…」目をつむる彼女。
 

そのロミュラスカ兵は5分後に息を引き取った。



 
両手を上げたまま、マコトは崖のそそり立つ場所に連れて行かれた。
「なあ、話し合おうよ。僕達は遭難者同士じゃないか。」

「あんたねえ。あんたの同僚は、とっとと船に戻って行ってたわよ。」

「(やっぱり…)」

「それに引き換え、あたしにはちゃんと救助船が来るはずだわあ。だからあんたとは、立場が全然違うのよ。」

「そうかなあ。この砂嵐じゃ、救助船が来ても捜索できないよ。一緒だと思うけど…」

「どうせまた、そうやってあたしを騙そうとしてるんでしょ。これだから地球人ってのは、あさましくてヤあねえ。」

「あ! 危ない! 上!」思わず指を指すマコト。

「ハッ。あんたバカぁ。そんな子供騙しにあたしが引っか…ウガッ」崖の上から降って来た岩石にプチっと押し潰されるロミュラスカ兵。「何なのよ、わざわざ出てやってるのに、さっきからのこの扱いのヒドさは…」
意味不明の事をボヤきながら意識を失った。
 
 
彼女が気付くと、2人は崖の窪みで腰掛けていた。マコトは彼女の足に触れていた。
「触らないで!」即座にフェイザーを向ける彼女。手を離すラ=フォージ。

「あ、ごめん。…足を折ったみたいだから、応急処置をしていたんだけど…」

見ると、自分の左足が棒で固定され、恐らく彼の服だったと思われる布で巻かれている。
「あ…ありが、とお…」ぎごちなく言うロミュラスカ兵。

「それくらいどうってことないさ。(僕が今まで受けて来た仕打ちに比べたらね。)」人気の無さの悲哀を括弧内に込めるマコト。

「僕はマコトって言うんだ。マコト・ラ=フォージ。USSエバンゲリオンに乗ってる。よろしく。」
手を差し出す。

ここでフラン研ちょっと良い話。
ある人の指摘で判明した事だが、「キーホルダー」では告白のシーンで必ず告白を受ける側が手を差し出しているらしい。作者の恋愛経験値の無さを痛切に感じさせるエピソードである。
 

「あたしは、ソーリュック。ロミュラスカ・スカウトシップに乗ってた。でも」ソーリュックはフェイザーを向けたまま言った。
「あんたはあくまであたしの捕虜なのよ。忘れないでよね。」

「はあ…」諦めて手を下ろすマコト。

その時、空から「ひゅー」という落下音が聞こえた。続いてグニャッと、まるでゼラチンをアスファルトにぶつけたかのような音。

2人は顔を見合わせる。

次の瞬間、マコト・ラ=フォージは顔を輝かせた。「この反応は…ミサトさんだ!」

説明しよう! マコトのバイザーには、彼がリツコに頼んで月々19800円の36回払いで作ってもらった「ミサッちゃんセンサー」なる物が付いており、これによっていつでも本物ミサトの場所が捕捉可能なのだ。ちなみにクローンの場所を表示する機能は無い。マコトによると、「本当に兄貴として慕えるのはやはり本物ミサトさんだけだ」そうである。説明終了。
 

「ミサトさんが近くにいる。助けに来てくれたんだ!」

「動かないで。」鋭い声でマコトを制するソーリュック。

「しかし、このままでいたら、君も死ぬぞ!」

「さっきから言ってるでしょ、あたしには絶対救援船が来るの! …あいたたた」立ち上がったが、足の痛みに耐えきれずよろけかける。思わず支えるマコト。

「触らないでって言ってるでしょお!」

「…ごめん…」

「ハッ。根本的に内罰的過ぎるのよ、地球人はね。」痛みに顔をしかめながら、懸命に立っている。

「しかし救助はこの嵐の中では不可能なんだぞ!」

「じゃあ、そのミサトとかいうのは何で上陸出来たのよ。」

「か、彼女はかなり特殊なクルーだから…」あんな生命体をどう説明しろって言うんだ。口篭もるマコト。

「あんたも、相当嘘をつくのが下手ね。」やれやれ、という感じで両手を上げるソーリュック。

その途端にバランスを崩し、再びよろけた。今度は完全に倒れ、岩に頭をぶつける、寸前にマコトがかばった。
「無理をするな! 立てる状態じゃないだろ!」マコトに抱きかかえられた形のソーリュック。

彼女はやや赤らんだ顔をぷい、と背けた。
「フン。地球人に助けられるようになったら、あたしももうおしまいね。」
 
 
2人はまた座り込んでいた。

「君達ロミュラスカは、遠慮って物を知らないな。」
大きくため息をつくマコト。

「地球人なんかと違って、自分に自信を持っているからよ。それだけの才能、知性が備わっているという事ね。」

「でも、死んだら何もかもおしまいなんだぞ。」

「地球人にみすみす捕らえられるよりは、死を選ぶわ。」
しかし、ソーリュックは既にマコトに抵抗しようとしなくなっていた。
 

立ち上がったマコト。
「僕はまだ、死にたくない。ミサトさんの所へ行く。…来ないのかい。」

「………勝手にしなさいよ。」

「…やっぱり連れて行くよ。」ソーリュックをおんぶしてマコトは歩きだした。

「やだ、何やってんのよ、エッチ! あんた、射つわよ!」しかしもう力が残っていないらしく、しばらくもがいてから静かになった。
 

砂嵐の中を2人は歩いていた。(いや、歩いているのは1人だ。)

バイザーが示す「ココに注目!(はあと)」マークは刻々と近付いている。しかし、先ほどからある事がマコトはどうも気がかりだった。そしてその懸念はここで現実となった。

バイザーの表示が先ほどから薄れだしていたのだが、とうとう表示が消えてしまったのだ。やはりこの星の成分によって、バイザーの機能もやられてしまったらしい。
 

「く、くそう! こんな時に!」忌忌しく頭を降るマコト。「もう少しでミサトさんに会える所だったのに…」

「…どうしたのよ。」

「…ああ。僕は目が生まれつき見えなくて、いつもこのバイザーで視界を得ているんだ。でもこの星の空気はバイザーに悪いらしい。今、完全に機能が停止してしまった。…もう、終わりか…」
 

「…そのミサトっていうのは、地球人なの?」尋ねるソーリュック。

「いや、違う。かなり特殊な人だよ、とにかく。」

「…向かって右に20度、約2キロだわ。」

「え?」

「…そこに、オレンジ色の餅みたいな物体が見えるわ。ピカピカ光ってる。」

「ミサトさんだ!」
 

ソーリュックが目となり、マコトが足となって(何故か光っていた)本物ミサトの所まで辿り着いたのだった。


「ミサトさんの地点に生命反応!」シンジ・クラッシャーが叫ぶ。

「至急転送しろ。」

転送されて来たのは、傷だらけのマコト・ラ=フォージと足を怪我したロミュラスカ兵だった。

「艦長。ロミュラスカ艦の存在を確認。」レイタが言う。

「ゲォーフ、防御スクリーン張れ! 第1種警戒体制。」

「第1種警戒体制に移行。」

遮蔽装置が消え、何も見えなかった空間からロミュラスカ・ウォー・バーグが現われた。

ラングレフ艦長からの宇宙通信が入る。
「エバンゲリオンのピカード艦長はいらっしゃるかしら?」
あくまで皮肉気な調子を変えていない。

「ええ、ここにいます。」無意識にシンジ・クラッシャーの手をぎゅっと握る艦長(何でやねん)。

「わざわざこのあたし達が来てやったのよ。早いところ1人残った生存者を引き渡して頂けるかしら。」

「残念ですが、その生存者は懸命の治療の甲斐無く、先程亡くなってしまいました。」

「な、何ですってぇー! さては、ここまであたし達をおびき寄せる為の罠だったのねえ! 全艦攻撃体制!」

「ちょっとお待ちください! しかし、それとは別に新たな生存者が発見されたのです。」

やや混乱した表情のウォー・バーグ艦長。
「何よ、それ。」

「入りなさい。」

ブリッジに入る時、ソーリュックにはある考えがあった。
「(どうせ助けてもらった物的証拠が残ってる訳じゃないし、ウォー・バーグに帰ってからエバンゲリオンを撃破して貰えば良いんだわあ。ウフ、何て完璧な計画なのかしら!)」

ソーリュックはブリッジに上がった。

「彼女が発見された生存者です。」ピカードが紹介する。

「あんた、大丈夫だった? 地球人に虐待されなかった?」心配気に聞くラングレフ艦長。
 

しかしその時、ソーリュックは大きな衝撃を受けてそれどころではなかった。

あの、艦長が手を握っている少年。な、何てくぁわゆぃーのかしら! くーっ、殺人的な無垢な表情だわぁ。

「あんた、聞いてんの?」

「…あ、はい。バカ地球人達には、何も漏らしていません。」しかし目がどうしても前方の席に向いてしまうソーリュック。

「どうしたの。」

「…あ、いや…べ、別に、前の男の子が、ちょっと可愛いかなあ、なんて、思ったりしてない、です…」耳まで真っ赤になりながら、途切れ途切れの言葉を話す。

「ふーん。」ラングレフ艦長は、ジト目でシンジ・クラッシャーとソーリュックを見比べた。

「駄目よ。そこのボケボケっとしたお子様なんかより、そおねえ…ああ、後ろの席に居る、しぶぅいお兄様なんか良いじゃなぁい。」
副長席を指差すラングレフ。

「え。」ソーリュックが見ると、そこにはうつむいて渋く決めている(簡単に言うと寝ている)ヤサ男が。
 

「で、でも。そこの少年の方が、純真そうだし…」

「そういう奴に限って、裏でスケベな事やってんのよ。悪い事言わないからそっちの縛り髪のお兄様の方にしておきなさい。」
 

戸惑いと沈黙(と部屋とYシャツと私)で包まれるエバンゲリオンブリッジ。

「あ、あの…」おずおずと切り出すシンジ。
「僕のフィギュアで良ければ、大量にストックがあるみたいだし分けても構わないけど…」
 

「「な、ななななな何言ってんのよ!」」何故か真っ赤になって、声を揃える2人のロミュラスカ人。
 

「そうね。惑星連邦とロミュラスカの友好の為にはそれ位はいくらでもあげるわ。生身のクローンを作っても良くってよ。」
いつの間にか医療室をブッチしてブリッジに遊びに来ていたドクター・リツコ・クラッシャーが付け足す。

「「な、なな生身のクローン…(ゴクリ)」」顔が本気(と書いてマジと読む)になる2人。

「でも、部分は感度を重視して柔らか目に作ってあるから、ロミュラスカの激しい使用に耐えられるかどうか…」
呟くドクター。
 
 

「わわ、私達は誇り高いロミュラスカ人よ。誰が地球人のクローンなんか!」目を逸らすラングレフ。何故か声が上ずっている。

「艦長ぉ…」
「あら、そう。」半泣きのソーリュック、意外そうなリツコ。

「ま、まあ、どうしてもって言うんなら、フィギュア位は貰ってやっても良いわ。あんた、」ロミュラスカ船艦長はソーリュックに呼びかける。「その代わり…良いわね。」

「…分かりました。艦長。」何やらアイコンタクトを交わす2人。
 
 

「惑星連邦の皆さん、救助活動有難う。ピカード艦長、それじゃ彼女を引き渡して頂戴。」死んだ兵士の事などとうに忘れて、ラングレフはピカードに呼びかけた。

「分かりました。転送室にお連れしろ。」
 

しばらくの後、ウォー・バーグは中立地帯に向けて飛び立って行った。
 

(今度こそ)エバンゲリオンは今回の仕事を終えた。


シンジ・クラッシャーは首をかしげた。
「最後にあのロミュラスカ兵が僕に「自惚れるんじゃないわよ、ハウィー・ヴェルール」って言ってたけど、どういう意味なんだろう。」

「Hwiiy veruul、ロミュラスカ語口語で「あなたは愚か者か?」の意味ね。」答えるレイタ。

ブリッジにやって来た女性が彼に声をかける。
「ああ、シンジ君。」

シンジは顔を上げた。
「あ、ミサトさん(のクローンさん)…」思わずもじもじするシンジ。
「やっぱり、お、大人のキスの続きですか?…ぼ、僕は何時でも」「何変な事言ってんの、シンちゃん。」左ストレートをかますカウンセラー。

「ところでシンジ君、本物の私知らない? マコト君は今、医療室だし…」

「本物のミサトさんですか? マコトの救援の為に放出されて…あれ、その後何処に行ったんだろう。レイタ、知らない?」

パネルを叩き現在位置を調べるレイタ。
「カウンセラー・ミサト・トロイの現在位置は不明。推定では、ゲロンドン・コア星に残ったままだと考えられるわ。」

「何だ、まだ星にいたのか…って、え、えええ?」
 

その頃、一段と激しくなる砂嵐の中、光りながら眠りこけるゼラチン生命体がいた。
 
 

一方ソーリュックに秘密裏に(シンジのフィギュアと共に)拉致されていたリョウジ・ライカーは、実はヤク中で意識すら朦朧としていた事が分かり、すぐに船から追放され、大宇宙に漂っていた。

つづく


次回に続くよどこまでも
 
ver.-1.00 1997-07/30公開
 
感想・質問・誤字情報・27時間テレビを完全に見続けた人等は こちらまで!

次回予告
 
孤立したシンジは逃げるかのように教室を出る。雨の中、レイは見つからず、シンジは体育館で雨宿りをする。偶然そこでシンジと会うアスカ。クラスメイトは既に下校、2人は大雨で体育館に閉じ込められる。改めてアスカ・レイへの思いを話し選択が出来ない事を告げるシンジ。アスカは「それでも良いから、私を抱いて欲しい」と迫る。逃げ場の無い2人。降り続ける雨が全ての音をかき消す。次回「真夏の子供達」 第10話、「雨」。御期待下さい。

本当の次回予告:参号機が出るかな。
 



 
後書きコーナー(何故か今頃第3話のネタの続き)・管理人ではない人たちのコメント
 
アスカ:「くぉら! 一体何なの! このストーリーはぁ!」

カヲル:「今回はあの不死身の作者も逃げたらしいよ。まあ、君ほどまでに凶暴な女性は珍しいからねえ。」

アスカ:「な、ナルシスホモ! 何でアンタがここにいんのよ。」

カヲル:「カヲル、という名前が僕にはあるんだけどね・・・・汗」

アスカ:「名前なんかどうでも良いけど・・・・アンタも何なの! 巨大レイから脱皮しちゃってさあ。気持ち悪いったらありゃしなかったわよ。こんな化け物に気持ち良さそうにしているなんて、あんのバカシンジがーっ!! 本当に変態じゃないのぉ!」

カヲル:「どうしてそこでシンジ君が出て来るんだい? やっぱりシンジ君が・・・・にやり」

アスカ:「それ以上言ったら、ここの巨悪とまとめて葬り去ってやるわよ!」

ぼこっ

カヲル:「ぐはっ、もう既に攻撃をしてるじゃないか・・・・しかし確かにここの作者は、アスカ君に冷たい、とよく言われているらしいね。もう一本の小説「キーホルダー」はアスカ君が主人公のはずなのに、ASUKA NO○EL LINKでも完全に無視されているらしいからねえ。」

注:しかも「真実のエヴァンゲリオン」「すちゃらかぼっと」は登録されている…ここのページの人、良い仕事してる。

アスカ:「どうせあの小説もヤツの嫌がらせでしょう? ヒゲの映画とおんなじよ。」

カヲル:「手厳しいね、アスカ君・・・・汗」

アスカ:「ところで、「真実のエヴァンゲリオン」っていう下らない連載で、またここの作者、バカを発揮したらしいわよ。何でも「サターン」は木星の事だと思ってたらしいわ。」

カヲル:「まさか! いくらここの作者でも、それは無いだろう? 彼は一応大学生らしいし・・・・そもそもセガのゲーム機のマークだってちゃんと土星を型取ってるじゃないか。」

アスカ:「そうよね。いくら何でも、小学生でも絶対間違えないような事ですものね。」

すんすん・・・・すんすん(物影から聞こえて来る、すするような泣き声)

アスカ:「何かしら?」

カヲル:「人間の行動は間抜けさに満ち溢れているねえ。・・・・嘲笑に値するよ。・・・・バカって事さ。」

アスカ:「つまんないし、帰ろーっと。」


後書きコーナーその2・映画ネタバレ!(充分上でバレてるっつーの)

「今度こそ、映画を見て来ました。」
「あれ? フラン研さん、何で目が赤くなってるんですか?」
「な、何でもないんだシンジ君、あははは…」
「はあ…ところで映画ですけど…」
「そうねえ」
「アンパンマンが、って言うのはナシですよ。」
「うぐ。…まいいや、エヴァだけど、私はあの映画、取り敢えず絵はきれいだし、充分良かったと思うんだ。70点くらいかな。肯定的な意見はかなり少数派みたいだけど。」
「でも…25話でアスカがあんな事になっちゃうなんて…僕も食べたかった、もとい僕が助けたかったのに…」
「まあでもああなったのは80パーセント位君の責任だな。」
「だ、だって、しょうがなかったんじゃないか! 303病室で精力を使い果たして、もう動けなくなってたんだっ!」
「つくづくサイテーな…でも、アスカも確かにかわいそうだったけど、それを言うならあの映画、アヤナミストはもっと衝撃を受けていると思うんだ。」
「あ…」
「(日刊によると)アヤナミストにも種類があるらしいけど、少なくとも人間の女の子としてのレイのファンはね。あんな化け物化したら、もうショックを通り越して笑うしかないぞ。…って言うか私、放映中ずっとニヤニヤしっぱなしだったんだけど。」
「やっぱり冷血だったんですね、フラン研さん…」
「うっさい! キャラクターに関する話で言えば、私が一番萌えーなのはミサトさんだから、何の文句も無いんだ。彼女の最期、めっちゃ格好良かったしね。」
「そ、そうだ。ミサトさん…もうミサトさんとも…(あんな事も、こんな事も出来ないなんて!)」
「ご、ごめんシンジ君、悲しませるつもりは無かったんだ。…でも、とにかく良かったじゃないか、最終的にアスカと一緒になれて。」
「ぜえぜえ…探したわ全く。」
「アスカ!」
「あ、ああああああアスカ様!」(既に逃げる体勢)
「今は上のバカ小説の事は言及しないわよ。ところでシンジ! 何なのよあのラストは! あんなのハッピーエンドでも何でも無いじゃん!」
「ぼ、僕はただ、アスカと2人っきりになりたくて…アスカこそひどいや、僕の事を「気持ち悪い」って…」
「目が覚めたら知人が馬乗りになって泣きながら首絞めてるのよ。気持ち悪いに決まってるでしょ。」
「私もあれは変な感じしなかったんですよ。…いや、アスカ様は確かに表情も言葉も拒絶的でしたけど、シンジ君を触れる手はとても優しい感じがして、そっちが本心かな…と、別に希望とかじゃなくて、私は見て自然にそう感じたんです。」
「だ、だだ誰がシンジなんか…それにしても、あのエンディングも唐突だったわよねえ。」
「あれも結構、格好良いなって…何とも言えない不快感が逆に格好良いような。」
「あんた、マゾ? 随分ヒゲメガネの肩持つわね。」
「いや、私も実写シーンのオタク総括とかはやっぱりムカつきましたよ。そもそも、「エヴァとはシンジ君の心の成長の話だ」みたいな事よく言いますけど、シンジ君くらい病的な子が成長したところで「普通の人」にレベルアップするだけでしょ。そういう意味では別に見る価値のある話じゃないっすよ。」
「ふ、フラン研さん厳しい…」
「でも、もうそういう部分は諦めてたっていうか、テレビの後半から既にそのテのメッセージはずっと織り込まれていた訳じゃないですか。それでもエヴァという話の結末は結局どうなるんだ、って事で映画が出来た訳で、そういう各種のメッセージがメインになるであろう事は(肯定はしないにしても)予測済みでしたからね。それでも続きが見れれば、ファンとしてはもう充分。まあ、私の評価が比較的好意的になるのは一つには私が暗い話好きだ、って事もあるのかもしれませんけど。…第九話みたいなラブコメが見たい人は鋼鉄やればいいし、ちゃんとした謎解きが見たい人はここでも見ればいいんですよ。いずれにしても、あのラストシーン以上のエンディングは私はちょっと思い付かないです。何と言うか、「最悪のハッピーエンド」って感じで。今までのエヴァの話の展開の後で、幸せな大団円だったら却ってしらけるでしょ。デカレイのおもしろ補完シーンだけは、本当に何とかして欲しかったですけど。」
「(飽きたらしく、既に聞いていない)とにかくシンジ、早いとこ海に浮かんでる化け物へぼレイの残骸を片付けてよね。あたしは今身体中怪我してて、あんまり動けないんだから。」
「はっ、動けないって事は、今なら何やっても…(襲いかかろうとする)」
「何するのよ変態!」ばきっ
「は、ハイキック…ぐはっ(失神)」
「きゃ、キャー、シンジ、起きて! あんたがいなかったら食料調達とか大変じゃない! こら! 起きなさい!」ぼこっ
「がぁっ…(昏睡状態)」
「キャー!!」
「アスカ様、強すぎ…(また失禁)」7秒後人類滅亡。

以下次回


 フラン研さんの『エヴァントレック』第9話、公開です。
 

 Javaスクリプトを使った1行日記がでましたね。
 「めぞんEVA」初のテクニック!
 そういえば、自動的に次ページがロードされる機能を使ったのもフラン研さんでしたね。

 となると、次はあれかな?

 

 

 『真実のエヴァンゲリオン』その5のコメントで
 「J−WESTが勝った」と書いたのですが、
 J−WESTって何? と何人かに聞かれました・・・(^^;

 みんなー! J-リーグを忘れないでぇぇ (;;)
 J-リーグオールスターは東軍、西軍に別れて戦っていたんですよ・・・

 大阪人の私は当然西軍であるJ−WESTを応援していたわけで。

 ちなみに私のクレジットカードは[ニコス J-リーグ オフィシャルサポーターズ]です。
 ・・・しかも、裏には[ガンバ大阪]のロゴが・・・
 ・・・・・このカード、その内にプレミアが付くんじゃないだろうか(^^;
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 フラン研さんに「エデンバージョンありがとう」のメールを!


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