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機動妖精
接触編・PART6

S-23 使徒専用ドック

『作戦発動を全艦に発令します』

「へーへー、了解っと」

そう言うとカジは、先に終わらせていた機体チェック

航空機パイロットは、機体《この場合、使徒》チェックが義務づけられている。
その理由は、整備の際のミスをチェックすることにある。
たった一つのボルトのトルクが足らないだけで死を招くこともある。
自分の命は自分で守らねばならないのだ。

を飛ばして、機関部の出力チェックを始めていた。

S-24 インディペンデンスデイ動力部

『第一種戦闘配置発令』

その声に主機関の『大型縮退炉』は、うなりをあげる。

S-25 Nerv所長室

「なに?そうか…。わかった、観測を続けてくれ」

ゲンドウは、内線を一度切り内線の短縮ボタンを押す。

「はい、こちら、コントロールルーム」

若い女性の声、マヤだ。

「伊吹君、第二種非常配置発令だ」

「どうしたんですか?」

「例の宇宙船の熱放出量が増大している」

「りょ、了解。第二種非常配置発令します」

「あと、エヴァ起動を発令。エヴァ起動を最優先するようにしてくれ。以上だ」

「了解」

ゲンドウは、内線を切った後ため息を吐いていた。

S-26 Nervコントロールルーム

ゲンドウからの指令の後、マヤは、非常事態を表すサイレンのボタンを押す。

「全館に発令。ただ今より、第二種非常配置を発令いたします」

S-27 Nerv本部喫茶コーナー『長ぐつをはいた猫』

「Nerv職員は」

S-28 Nerv本部A食堂

「非常事態マニュアルA−128項に従い」

S-29 Nerv本部A棟3階西トイレ

「非常配置につけ」

S-30 Nervエヴァプロジェクト、エヴァ格納庫

「なお、エヴァプロジェクト関係者は、現在の業務中断の後エヴァ起動準備をせよ。なお、エヴァ起動を最優先とする」

その放送を聞いていた、一人の中年男性。
マユミの父、山岸博士だ。

「やれやれ、テスト前だと言うのに出撃でもさせる気かな」

と、独り言。

「みんな聞いてたな!エヴァ起動準備!!まず、機関部のチェックからだ。ミノフスキー式熱核融合炉が暴走すると一大事だからな入念にチェックしろよ。制御コンピュータ『YUI』接続、オートチェック開始」

「「「「「了解」」」」」

山岸博士の周りにいた研究員、作業員は、ユニゾンで返答する。

S-31 使徒専用ドック

「こちら、ドック中の『サキエル』、ブリッジ応答してくれ」

「こちらブリッジ。メリット5で受信中」

若い女性のブリッジ管制官の声が聞こえてきた。

「使徒『サキエル』、オールチェック終了。コンディショングリーン。フライトデッキ使用を要請する」

「ブリッジ了解。フライトデッキAが空いている。使用を許可する」

「サキエル了解」

カジは、サキエルをエレベータに載せる操作をする。

「頑張ってくださいね。カジ先輩」

「やっぱり、ユミ君だったか。帰ってきたら、酒でもいっしょにどうだい?」

「えー、いいんですかぁ?でもおにーちゃんが…」

「カジ…」

声だけが聞こえているが、間違いなくミサトだ。

「あっと、艦長殿が怒ってるみたいだ」

「ふふっ、そーですね。では、通信を切ります」

「おお、酒の話忘れないでくれよ」

「ふふふ、了解」

と、おしゃべりをしているうちに、フライトデッキに到着した。

「さーて、発進するとするか」

と、言いつつ、カタパルトにサキエルの足を固定する。

「サキエル、カジ。出る」

その声と共に、スーパーリニアカタパルトで、一瞬で矢になったサキエルが放たれる。

S-32 Nerv C棟、航空宇宙工学研究部門観測班

「『ガミラス』より、物体の放出を確認」

例の宇宙船のNerv内コードネームは『ガミラス』だった。
名前の由来は、言わなくてもわかるだろう。

「了解、軌道計算を開始する」

S-33 Nerv所長室

「わかった。一応、軌道の再計算しておいてくれ」

すぐさま、内線を切りかえるゲンドウ。

「伊吹君、第一種非常配置発令頼む」

「了解!第一種非常配置発令します」

「あと、その場所を洞木君に代わってもらって、パイロット達を呼んできてくれ」

「了解…、所長、これって、宇宙人が…」

「ああ、未確認飛行物体を発射させた」

「そうですか…、戦争になるんですね」

「そうだな…。では、済まんが、ウチの悪ガキ共を頼むぞ」

「はい」

そして、ゲンドウは、内線を次に切りかえた。

「はい、山岸です」

「山岸君、エヴァ起動の準備はどうだ?」

「ええ、現在、80%終了。20分で、起動可能です」

「わかった。では、出撃の準備をしてくれ」

「それは、どういうことです」

「『ガミラス』より未確認飛行物体の発射を確認した。軌道計算によると、第三新東京市に落ちてくるそうだ」

「迎撃ミサイルの方がよいのではないですか?」

「ああ、それについては、戦自に連絡してある…が無駄だろうな」

「そうですね。あれだけ巨大な物体をあの低高度で飛ばせるテクノロジーを持つ宇宙人の兵器ですから、並大抵のものではないでしょうね」

S-34 自衛隊の対応

戦略自衛隊は、Nervからの連絡を受け、迎撃ミサイルを発射した。
すでに、宇宙人を敵性体と認識していたからだ。
が、射ち落とせなかった。
ミサイルは、敵の兵器の手前で何か得体の知れない力で破壊されていた。
怒った戦略自衛隊の管轄省庁である防衛庁のお偉方は、全迎撃ミサイルの一斉発射を命じた。
が、結果は同じだった。
次の対処として、航空自衛隊は、全国に配備してある、主力要撃戦闘機F23Jを発進させたが、相手は、マッハ10で大気圏内を飛ぶ機体である。
全く追いつけないわ、マッハ10の極超音速で飛ぶことによる、超音速衝撃波(ソニックブーム)により、大半の機体は空中分解するわ、と全くいいことなく塵になった。
海上自衛隊は、巡洋艦搭載の対艦ミサイルを設定変更して、敵兵器に発射したが、結果は、迎撃ミサイルと同様だった。
陸上自衛隊の兵器は、陸戦主体である。
迎撃には向かないため、予想落下地域に10式戦車、11式メーサー殺獣砲車、AH‐8Sメーサーヘリ等、最新兵器を配備した。
その、落下地域に予定通り、敵兵器は、降りてきた。

S-35 サキエルのコクピット

「出迎え、ご苦労ご苦労」

そう、言いながら、カジは、サキエルを軟着陸させる。

「さて、自動操縦に切り替えて、脱出しとくかな」

そういうと、操縦席のイジェクトレバーを引く。

サキエルの機体の腿の部分のエラ状の器官から

プシューーッ

と、煙幕が出てくる。

S-36 陸自指揮車

「敵兵器、煙幕放出。ガスの可能性あり」

オペレータの声に、現場の指揮官が

「マスク着用命令発令」

を宣言する。

「了解、マスク着用命令発令します」

その声に、別のオペレータが発令する。
その数瞬後、最初のオペレータが叫ぶ。

「敵兵器の存在消失!!煙幕がレーダー波を撹乱しています」

「赤外線スコープを使え」

「だめです。可視光線、紫外線、赤外線、X線等、全電磁波、全て煙幕に吸収されています。敵兵器存在確認不可能。味方機との通信もカットされていきます」

「音波スコープは?」

「音波スコープは、使えそうですが、煙幕が音も吸収するため可視距離100m切ってます」

「よし、音波スコープで、索敵を続けろ。敵が動くまで現状維持だ」

グシャッ

「おい、なんの音だ?」

「確認できません」

グシャグシャッ

「音波スコープにより確認、僚機が敵兵器に踏み潰されています…ああ、こっちに来る!!うわぁー!!!」

グシャッ

次回に続く

ver.-1.00 1997-09/08公開

ご意見・感想・誤字情報などは masaya@mars.interq.or.jpまでお送り下さい!


どうも、峯マサヤです。
第六話いかがでしたでしょうか?
いよいよ始まった宇宙人の攻撃。
果たして現れたサキエルを倒せるのか。
次回を乞うご期待。
とかなんとか言って次回では、終わんないだろーな(^^;;

 峯さんの『機動妖精接』触編・PART6 、公開です。
 

 地球に降りてきたサキエル。
 

 やっぱりと言うか、
 当然というか、
 あったり前と言うか(^^;

 戦自の兵器は無駄に終わり・・・
 人命も成果を残せず消えていく・・・

 明るい・軽いノリでも、
 死は重く苦しいですね。
 

 エヴァ。
 この苦しさを吹き飛ばしてくれるのか!?
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 感想を・メールに書いて・送りましょ  [季語が無いので0点(^^;]


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