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Project E

第十八話

「私と一つになりたくない?」


 「おい、碇。おまえの息子を明日貸してくれ」

 国際経営者会議という不可解な会合のあと、キール・ローレンツが碇ゲンドウに声を掛けたのは、日本に四季が残っていればちょうど桜が満開になる頃であった。突然のキールの言葉を受けたゲンドウは、色眼鏡の奥の険しい目を更に歪めるとにべもないといった調子で言い返した。

 「却下する」

 「どうしてだ?それほど邪険に言うことでもないだろう?」

 「キール・・・・。おまえにそういう趣味があったとは知らなかったぞ。てっきり真性のムッツリだと思っていたのだが、男色でしかも少年趣味とは超A級の変態親父の仲間入りだな」

 「な、何を勘違いしておるのだ。ワシにそんな趣味はない。ただ娘がおまえの息子に一目惚れしたらしくてな・・・・」

 娘という単語を発してからのキールのセリフは年甲斐もなくにやけていた。そこには経済界にその人有り、と恐れられているキール・ローレンツではなく、娘に没頭する一人の父親がいた。

 「母の母国、日本に行ってみたいというので先日転校させたのだが、転校先のクラスにおまえの息子がいてな、気に入ったそうなので明日デートをセッティングしてやろうと思ったのだ」

 懐から写真を取り出して頬ずりしているキールは吐き気がするくらい気持ちが悪かったが、このサンバイザー&歩き方がペンギン風男の娘がどんな顔をしているのか興味を覚えたゲンドウはこみ上げる嫌悪感を押さえて写真をのぞき込んだ。

 「キール・・・・」

 「どうした碇!かわいいだろう?ワシのレイちゃんはっ!?」

 「どこからさらって来たのだ?おまえの娘がこんなに美形であるわけがないだろう?やはりゼーレが国際的な人身売買に関わっているという噂は本当だったのか・・・・。悪いことは言わん。今すぐ親元へ返せ」

 「な、何だと!レイちゃんはれっきとしたワシの娘だ!」

 「それなら母親の名前を言ってみろ」

 ゲンドウの追求に容赦はなかった。今更オリジナルキャラを作るわけにもいかず、作者の設定にもなかったことを聞かれたキールはかなりうろたえていた。

 「は、母親の名前は・・・・」

 「名前は?」

 「い、碇ユイだっ!!」

 「なんだと?!」

 「今を遡ること15年前。ユイ君とワシは禁じられた愛の終着駅へと突き進み、失楽園の果てに生まれたのがレイちゃんなのだ!」

 「嘘をつくならもう少しまともな嘘をつくことだな。15年前、ユイはシンジを身ごもっていた。双子でもない同年代の子供をどうやって産むというのだ?」

 一瞬焦ったもののゲンドウは冷静であった。彼の明晰な頭脳は瞬時にキールの作り話を見破るとともに新たな思考を開始していた。
 (しかし不倫というシチュレーションは燃えるかもな・・・・。今夜はこれで攻めてみよう)

 「っぐ!母親の話はさておくとして・・・・。それで貴様の息子の件はどうなのだ?」

 「駄目だ。却下する」

 「ど、どうしてだ?!レイちゃんはこんなにかわいいんだぞ!おまえの息子とて嫌がるわけがあるまい!!」

 「理由その一、もしおまえの娘とシンジがうまくいった場合、私とおまえは親戚になる。そんなのに私は耐えらん。理由その二、シンジにはキョウコ君の娘・アスカちゃんがいる。キョウコ君にもくれぐれもよろしく、と頼まれていてな。おまえの娘にシンジを渡すわけにはいかん」

 「どうあってもか?」

 「どうあってもだ」

 長身から見下ろすゲンドウと猫背のままサンバイザーの角度を微妙に変えるキール。BGMに運命がかかりそうな二人の間には静かな火花が散っていた。

 「では勝手におまえの息子をいただくとしよう」

 「おまえの思惑通りに行かないこともあることを教えてやろう、キール議長」

 くだらない、余りにもくだらないことから端を発したゲンドウとキールの争いはここに始まり、シンジ・アスカ・レイ他、全ての登場人物を巻き込んで繰り広げられていくことになる。ちなみに三話完結予定であったProject Eが連載となったのは作者がこの裏設定を風呂に入りながら思い浮かべてしまったためである。




 「シンジ下見て!ほら大地が真っ白だよ!雪が見える!!」

 シンジ達、第三新東京市立第一中学第二学年の林間学校ご一行を乗せた飛行機は北海道上空にさしかかっていた。窓際のアスカの席からは、厚い灰色のヴェールの下に広がる北の大地が見下ろせる。セカンドインパクト以後一年の四分の三が冬になってしまった北海道は、本来は新緑の季節だというのに今ではあと一ヶ月は雪に閉ざされたままだ。

 「そ、そうだね。あれが雪なんだ・・・・」

 アスカの横に座ったシンジは余り乗り気でないような疲れた声で言い返した。シンジだって昨日は雪を見るのを楽しみにしていた。実際に見たことも触ったこともないが、図鑑で雪の結晶を調べたりして思いを馳せたものだ。しかし両サイドを固める二人の少女が朝から繰り広げている争いは、シンジのパワーを根こそぎ奪うのに十分なものであった。たとえそれが他人から見れば羨ましがられる状態であっても。

 「シンちゃん、そんなことより私と一つになりたくない?それはとってもとっても気持ちのいいことなのよ」

 「アンタ!真っ昼間からなんてこと言ってるのよ!!」

 「いけないことなの?」

 「あ、当たり前でしょ!」

 「そう・・・・。昼間はいけないなら今晩言うことにするわ」

 「そんなこと絶対にさせないわ!」


 ピンポンパンポン


 「当機はただいま着陸態勢に入りました。お客様はベルトをしっかりご着用の上、シュチュワーデスの指示に従って下さい」

 今にもつかみ合いになろうかというアスカとレイを機内アナウンスが止める。シンジはと言えばすでに止める気力もなくただ流れに身を任せているだけだ。彼にできることと言えば、過剰に分泌される胃酸の痛みに耐えることくらいだった。
 昨晩、林間学校の荷物を入れるトランクの中にシンジが真っ先に詰めたのは胃薬と鎮静剤であった。14歳にしてすでに胃痛持ち、その代わりに二人の美少女に囲まれているわけだから客観的に見れば胃痛くらいは適当な代価であるのかもしれない。とりあえずシンジの胃壁崩壊まであと3ミリ。
 中に乗せた人間の思惑はどうであれ、新日本航空65便は一時間あまりのフライトを終え第二新千歳空港に到着した。折しも飛行機の外は吹雪と斬りつけるような冷たい空気が支配していた。文字通り、嵐の林間学校の幕開けであった。




 「シンジ君、洞木さん。ちょっといい?」

 第二新千歳空港から専用バスに乗り換えて二時間余り、凍り付いた道を慎重に走ったバスは札幌市郊外のHOTEL・SEELEに到着していた。二年A組の担任である葛城ミサトがシンジとヒカリに声を掛けたのは、バスから降りた子供達がが寒さに驚き、雪とはしゃぎながら荷物を下ろしていた時であった。

 「あなた達の班の部屋のことなんだけどね。ホテル側の手違いで修理中で使えないそうなの。そこでホテルが新しい部屋を用意してくれたらしいから」

 怪訝そうな顔をしたミサトはそう言った。シンジとヒカリはキョトンとして曖昧に頷いただけである。一度も来たことのないホテルで、一度も泊まったことのない部屋が変更されたと急に告げられてもコメントのしようがない、というのが二人の心情である。ミサトにしても同じことなのであろうが。

 「それで葛城先生。新しい部屋はどこなんですか?」

 少し考え込むようにして黙っていたミサトを、ヒカリの言葉が動かす。顎に当てていた手をポケットに入れたミサトはホテルの見取り図を取り出すと、一室を指し示した。

 「えっとね。ここよ、ここ」

 シンジとヒカリは目の前にあるホテルと見取り図を比べて指し示された部屋の辺りを凝視する。二,三度見比べて確認したシンジはミサトの怪訝な表情の理由がわかるような気がした。
 HOTEL・SEELEの建物設計は二つに別れている。15階建てくらいの本館と5階建ての別館と。本館は豪華なレストランやホールが揃う個人客向けの建物であり、別館は大浴場や集会場、巨大な座敷などを完備した団体客用建物である。どちらにしても中学校の林間学校に使えるようなグレードのホテルではないのだが、第一中は団体用の別館を占拠する予定になっていた。
 ホテル側の説明では水道管の事故が起きたため5階全部と4階の一部が使用できなくなったとのことである。第一中の一行は総勢150名余りであったが、別館に空き部屋がなく泊まれなくなった10数名は本館に新しい部屋が用意されていた。
 ミサトが”林間学校のしおり”の地図を広げて指さした部屋はなんと本館の最上階の一室であった。別館と本館の間は連絡通路で結ばれており、大した距離ではないのだが最上階ということはシンジとヒカリを驚かせた
。  いくら世事に疎いシンジでも一流ホテルの最上階がスィートルームなのは知っている。ミサトから伝え聞いたホテル側の説明では、本館にはシングルとダブルしか部屋が空いてなく一班3,4人で構成されている客を止めるにはこの部屋しかないのだと言う。勿論追加料金などはない。
 ちなみに新館に移るのはシンジとヒカリの班に加えて、葛城ミサトと赤木リツコ、他にはB組の班が二つあるらしい。都会的で洗練されたリゾートホテルと怪訝そうなミサトを交互に見上げたシンジは、自分の幸運に感謝すると共に一抹の不安を感じずにはいられなかった。
 もっともミサトの悩みが”スィートに常備されている高価な酒を飲み干してもいいものだろうか?”というものであったが。




 「わあっーーー!すごい!!」

 丁重で礼儀正しいが、マニュアル通りで今一つ人間味に書ける若いホテルマンに導かれたアスカは、荷物を放り出すと広い窓の外に広がる大自然の景色に感嘆の声を上げた。最上階からの眺めはこのホテルの最も誇るところであり、そのためにこの場所に建てられたのではないかと思えるほどだった。
 純白の化粧を施された山々の連なりは壮大且つ精妙であり、白き峰にその半身を埋めた夕陽の描き出す光線は全ての景観を損なうことなくライトアップしていた。関東地方より格段に澄んだ空気は色彩をより一層鮮やかに見せる。山々が織りなす影でさえ優美な黒に見えた。
 いつの世にあっても最も驚嘆すべき芸術作品を送り出すのは神と自然であり、人間はその模倣をしているに過ぎないと思わせるようなパノラマだった。

 「すごい景色だね・・・・」

 とりあえず全てのトランクを部屋の中に収めたヒカリは、窓に食いつくようにしているアスカの隣に並ぶとありふれた言葉を口にした。人は真に心を打たれたとき陳腐なセリフを言うか、黙りこくってしまうものだが、今の二人はまさにそんな状態だった。
 最後に部屋に入ってきた少女、綾波レイだけは景色に魅入られることなく淡々とトランクから着替えを取り出している。ただしこれはレイに感情の起伏がないからではなく、何度か見てしまっているからであったが。
 アスカとヒカリは外の景色に目を奪われて気づかなかったが、部屋の内装も窓外のパノラマがなければ十分に感嘆に値するものだった。ヴィクトリア調に統一された家具類は多少装飾過多ではあったが、部屋自体のスペースがあるために調和を崩していない。20畳はある広いリビングの奥にはベットルームと浴室がある。落ち着いたアースカラーの壁は安心感をもたらすようで好感が持てた。
 唯一このスィートに文句を付ける要素があるとすれば、急遽奥の部屋に持ち込まれたエクストラベットであろう。本来二つしかないベットが一つ増えているため、寝室は少し不満そうであった。
 それでも隣のベットルームに比べれば幾分ましであったであろう。シンジ達の班が泊まる部屋にはエクストラベットが2つも運び込まれていて、寝室はかなり窮屈そうに見えた。クラス人数の都合上アスカの班は3人、シンジの班は4人である。男子16人、女子15人で構成される2年A組で8つの班を作ろうとした結果だ。
 ちなみにクラス全体の人数が30人余りなのは、作者が不要なキャラをディラックの海に放り込んだためではなく、2015年には少数学級が実現されているためである。




 「とりあえずユイ君の写真が合成であったという件については納得できないぞ。しかも顔以外の部分は赤木ナオコ君だというではないか!写真にお顔をスリスリさせていたワシの身にもなってくれ。しかしナオコ君というのは人気のないキャラだな。まあ登場回数も少ないし、あの口紅の色だからしょうがないか・・・・。しかし碇はナオコ君と濃厚なKissをしていたが、あの趣味の悪い口紅は落ちないタイプのやつだったのかな?あれだけ濃厚にやれば普通ベットリつくものだからな。碇の髭顔に趣味の悪い口紅・・・・・、想像しただけでも吐き気がする」

 第一中の林間学校の一行が荷物を部屋に入れた後、ホテルの別館の一階にある集会場で聞かされた冬月校長のありがたいお話というのがこれであった。唐突で脈絡が無く、意味不明。要約すればボケ老人の戯言は、当然のことながら誰も真剣に聞いていなかった。
 壇上の脇にパイプ椅子を並べて座っている教師達もその例に漏れず、勝手なことをしている。ミサトは耳栓とアイマスクまで装備して居眠りを敢行し、リツコは冬月の存在自体を感覚から抹消してしまったかのごとく無視を決め込んでいる。生真面目なマヤでさ、足を組んで読書にふける有様だ。その他の二人については名前を出すのも面倒なので省略しておく。
 教師達の行動が伝染したのか、それとも自主的にであるかはさておくとして、生徒達も無駄話に花を咲かせていた。

 「どうしただよ?トウジ。そんな辛気くさい顔して」

 「シンジ・・・・。おまえ何もわかっとらんやつじゃのう。ワシらの部屋はみんなから離れすぎておる。これじゃあ、夜女子の部屋に忍び込むことも、風呂を除きに行くことも難しいんや!これでは林間学校の醍醐味が半減じゃ・・・・」

 「そ、そんなに落ち込むようなことじゃないと思うけど・・・・」

 「シンジ、おまえは恵まれとるからそんなことが言えるんじゃ。前々回では惣流の胸を揉み、その前では綾波と濃厚なKiss、しかもB組の暁カスミともデートしとるやないか!おまけに原作でも綾波の裸を覗いた上、押し倒しておるし、映画では惣流の裸をオカズにして・・・・」

 「ちょ、ちょっと待ってよ!後半部分はこの話と関係ないじゃないか?!」

 「甘いなシンジ・・・・。読者が許してもこの俺のカメラが許さないぜ・・・・」

 「ケ、ケンスケまで・・・・」

 目の前でカメラのレンズの角度を調整をするケンスケを見たシンジは、背中に冷たいものを感じずにはいられなかった。トランク4つ分というケンスケの膨大な荷物の中身がカメラやビデオ、集音機などの怪しげな機械類であることは先程の荷ほどきで見せつけられている。
 それにしてもケンスケはいつ写真を撮っているのだろう?遊園地でケンスケがそばにいなかったプールでの写真を見せつけられていたシンジはふと疑問に思った。しかしその思考はすぐに中断した。いや、させられた。誰の手によって?勿論作者の手によって。

 なぜ?

 都合が悪いから。

 「そういやシンジ、ゆーはんの献立何やった?」

 「え、夕飯?えっとね・・・・」

 シンジは初日の配膳係であった。別に生徒がやらなくてもホテル側が全てやってくれるものであるが、”林間学校は遊びではない”という文部省のありがたい通達は2015年になってもまだ存続していた。今日の配膳係はシンジとレイである。同じく配膳係に立候補してくじ引きで敗れ去ったアスカは結果に文句を付け、三回やり直させたが結果は同じ。レイの悪運はアスカの情熱を凌駕していた。

 「ほっけと帆立貝の焼いたやつと、イクラと大根下ろしの和え物。それにブリと大根の煮物とカニ汁だったかな?あとはかすべの煮こごりがあったよ」

 「かすべって何や?」

 「確かエイみたいな魚だったと思うよ。ゼラチン質が豊富でコリコリしておいしいみたいだよ」

 気象の変化があったとはいえ、北海道は未だに魚介類の宝庫であった。海からの恵みを凝縮したようなメニューにトウジは舌なめずりで応えた。母親がいないトウジの家ではまともな献立が並ぶことが少ないだけにその感はひとしおであった。

 「ああーーー早く食いたいもんや!それにしても校長のくだらん話などサッサと終わらんかな?」

 「・・・・・まったくユイ君は完璧な女性だが、碇のことを好きになったのが唯一の欠点じゃな。それにしてもあの無口な碇がどうやってユイ君を口説いたんじゃろう?とりあえずつきあおう、今はそれでいい・・・・。又は婚約しろ、でなければ結婚しろといったところか・・・・。何しろ脅迫と買収が自分が人とつきあう手段だと公言して憚らない外道だからな。犯罪的行為なしにユイ君を落とせたとは思えん。ユイ君も髭眼鏡親父なんか見捨てて、ナイスミドルなワシと失楽園すればいいものを・・・・」

 教育とは全く関係ない冬月の戯言は未だに続いていた。




 「やっと片づけ終わったね、綾波」

 「そう?・・・・・」

 先程までの食堂は戦場同然であった。校長の無駄話で疲れ果てた生徒達は食欲旺盛な子供というより、欠食児童の群と化して別館二階の大食堂に殺到していた。特に奮戦したのは鈴原トウジで小食の女子からおかずをもらい、おかわりを連発し、ついにはカニ汁を鍋ごと飲み干してしまった。
 ヒカリは食べ過ぎではないかと心配していたが、心を痛めていたのはヒカリだけで、他の人々、例えばアスカに言わせるとこうなってしまう。

 「あのバカはカロリー消費が悪すぎるのよ。多分一言物事を考えるだけで他人の10倍エネルギーを使うんだわ!だから他人の10倍は食べなきゃ人並みに動けないのよ。食糧問題の敵ね!」

 トウジ以外の生徒も負けてはいなかった。食堂は荒れ放題になり、配膳係のシンジとレイが残った食器を片づけ、テーブルを拭き、椅子を整頓し終えた頃にはかなりの時間が過ぎていた。

 「ほら早くしなさい。お風呂の時間が終わるわよ」

 配膳担当の教師であった赤木リツコは、食堂の隅のテーブルで自前のコーヒーを飲みながら最後まで残っていたシンジとレイに声を掛けた。自分でいれないと納得しないのか、ホテルでも最高クラスのコーヒーが飲めるにも関わらず、わざわざコーヒーメイカーを持ち込んでいた。

 「あ、はい分かりました」

 シンジはそこまでこだわる必要があるのかと疑問を感じながら食堂を後にした。


 ガチャ


 「あちゃーーー!!!またワイが大貧民や!!」

 部屋に戻ってきたシンジを迎えたのはトウジの絶叫であった。シンジの班の部屋では本館に急遽移動させられた生徒達を集めてトランプ大会が開催されていた。トランプは普段は全くやらないものだけに、旅先では熱中する類の遊びである。
 特に大貧民の場合様々なローカルルールが存在していて、これはこれでおもしろい。この日はローカルルールなしで行われていたが、負け続けているのは鈴原トウジで、勝ちっ放しがアスカ、ヒカリとケンスケは可もなく不可もなし、カオルはチャンスが来るまで静観といった具合であった。

 「こんばんは・・・・」

 部屋の中に思わぬ人物の姿を見つけたシンジは、無視するのも気は引けたので控えめな挨拶をした。

 「こんばんは・・・・。シンジ君・・・・」

 作為的としか思えないほど偶然に本館に移動していた暁カスミは、うつむきがちなシンジの視線を受けると少し顔を赤らめて答えた。しかしそれ以降の会話を続けることができずに二人の間には気まずい雰囲気が流れる。

 「ほらシンジ!ボサッとしてないでサッサとお風呂に行って来なさいよ!せっかく温泉がわいてるんだから部屋のシャワーなんかで済ませるんじゃないわよ」

 止 まった時を動かしたのは、見つめ合うシンジとカスミを不機嫌そうに眺めていたアスカであった。その言葉で自分が凍り付いたようになっていることをようやく悟ったシンジは、鞄から着替えとタオルを取り出し、まるで逃げるように部屋を駆け出していった。  カスミは伏し目がちにシンジの背中を見送り、アスカは眉をひそめてカスミを眺めて老いる。顔を赤くしているカスミを見ていた人物はもう二人いて、一人はポニーテールの控えめな少女に思いを寄せる相田ケンスケ、もう一人はカスミと一緒にトランプをしに来ていた三笠キョウコであった。
 微量な重さの加わった部屋全体を眺めているのは洞木ヒカリで、少し不機嫌そうなアスカと落ち込んでいるように見えなくもないカスミの様子を心配そうな表情で見ている。

 「ほら配ったで!今度は負けへんで!!」

 ただ一人、微妙な空気に反応しなかった恐竜並みの鈍感男・鈴原トウジは、負けた者の義務として定められたカードを配り終えると間の抜けた声を出した。トウジの声は部屋の雰囲気にそぐわないほど浮いた音質であったが、各人の心をゲームに向かわせるには十分な効果があった。
 配られたカードを取ったアスカ達は再び普段の明るさを取り戻していた。彼らはずっと悩んでいられるほど人生に絶望してはいなかったし、林間学校というロケーションは悩みを抱えるには明るすぎる場であった。




 清掃中

 部屋を駆け出しエレベーターに乗り、廊下を右折して別館への連絡通路を直進。別館のエントランスホールの脇の道を入って20mあまり行ったところでシンジの足は停止した。
 硫黄の匂いがムンムンとする大浴場の前には、無情とも言える看板が掛かっていてシンジの疲労感を増幅させた。

 「仕方ないな・・・・。今日は部屋のシャワーで我慢しよう」

 明日は配膳当番ではないから温泉につかれるだろうと自分を慰めたシンジは、トボトボとした足取りで部屋に戻り始めた。

 「あらどうしたの?シンジ君。暗い顔しちゃって」

 別館のエントランスまでシンジが戻ってきた時声を掛けたのは葛城ミサトであった。風呂上がりなのかシャンプーのいい香りをまき散らしながら歩いてきたミサトは、ホットパンツにタンクトップという挑発するような格好である。
 防寒処理が完璧に行われているHOTEL・SEELEの中はきっかり20度に保たれており、寒いと感じることはなかった。それにしてもミサトの服装は少し行きすぎだ。教師の格好とはとても思えない。ただこんな格好が妙にはまっているのがこの女性の魅力でもあったが。

 「大浴場に清掃中っていう看板がでていたんです。配膳係の仕事が長引いて、お風呂入りそびれちゃって・・・・」

 「なんだ。それならここの二階にある個室の温泉があるからそっちに入りなさいよ。教師用なんだけど今は誰も使っていないはずだから、使っていいわよ」

 「で、でも・・・・」

 「いいから!お風呂は命の洗濯よ」

 そういって片目をつぶって見せたミサトはシンジの肩をポンと叩くと本館にある自分とリツコの部屋に歩き出した。三分ほど前、リツコが同じ様なことを誰かに言ったとは知らずに。


 モアアッーーーー


 小浴場のドアを開けた瞬間、シンジに鼻孔は硫黄の匂いに刺激された。硫黄の匂いは普段嗅ぐと気持ちの悪いものだが、温泉に入ろうとする瞬間は心地よく感じることがある。人間は視覚・嗅覚・触覚という総合的な感覚で物事を判断する。硫黄の匂いというものは温泉を快適にするファクターの一つであった。

 「疲れたし早く入ろうっと!」

 今日は温泉に入り損ねたと思っていただけにシンジの心はウキウキしている。浮かれていたシンジは脱衣所の隅に自分以外の着替えがることにも気づかなかった。


 ガラッ


 冷えた身体をさすりながらドアを開け、鼻歌を歌いながら入っていったシンジが凍り付く。タオルとシャンプーなどをつめたビニール袋を手に持ったシンジの目の前には、硫黄の湯煙に包まれた空色の髪の少女が湯船に浸っていた。

 「あ、綾波・・・・」

 「シンちゃん・・・・」

 マッハの速度で顔を真っ赤にしたシンジはタオルで前を隠しながら体の向きを変えた。

 「ど、どどどどうして綾波がここに?!」

 「大浴場が清掃中だったから赤木先生がこっちに入っていいって・・・・。シンちゃんは?」

 「ぼ、ぼぼぼくもミサトさんがこっちは誰も使っていないからって・・・・」

 レイは耳まで真っ赤にしているシンジの後ろ姿を眺めながらタオルに手を伸ばした。まるでシンジが入ってくるのを知っていたかのごとく落ち着いているレイは、準備よく用意して会った大きめのタオルを身体にまいた。

 「もうこっちを向いて大丈夫よ。タオルを巻いたから・・・・」

 「ぼ、僕はあがるから!」

 「私ももうあがるところだから、その必要はないわ。タオルも巻いてるから一緒にプールに入っているようなものよ」

 「で、でもっ!」

 「この前アスカと一緒にプールに行ったんでしょう?アスカは一緒でもいいけど私は駄目なの?・・・・」

 心は平静であるにもかかわらず、声だけ裏返したレイはドアに手を掛けて出ていこうとするシンジにすがりつくような声を出した。あいかわらず泣き落としに弱いシンジ。半分浴場から出かかっていたシンジであったが、泣きそうな声に恐る恐る振り向いてレイがタオルをキッチリ巻いていることを確認すると自分も腰にタオルを巻いて風呂場に入っていった。

 「先に身体を洗ったら?私はもう少し湯船に浸っているから・・・・」

 熱い温泉に当てられたのか、レイの声はいつもより熱気を帯びていて妙に色っぽかった。なるべくレイの方を見ないようにして水道の前に腰を下ろしたシンジは、とりあえずボディシャンプーを取り出してスポンジにつける。

 (見ちゃ駄目だ!見ちゃ駄目だ!!見ちゃ駄目だ!!!)

 自分の理性に向かって必死に叫んでいたシンジだが、浴場の設備はシンジの言葉を裏切った。洗い場の前に設置された鏡は曇り止め仕様のガラスであり、シンジの目の前の鏡には湯船につかるレイの艶やかな身体がハッキリと映し出されている。
 白というより透明に近いようなレイの肌が火照っている。小さめのもう一つのタオルで汗ばむうなじを拭いたレイの仕草は14歳とは思えないほどの色気をはらんでおり、シンジの神経を激しく刺激した。
 シンジはせかされるように身体を洗い、目を堅くつぶってシャンプーで髪を洗う。だが視覚が閉じられただけにさきほどのレイの裸体がシンジの頭を占拠する。
 入ってきたときに見たレイの身体は、アスカほど肉感はないが、同年代の女の子と違って幼児体形を微塵も感じさせない滑らかなものだった。さほど大きくないが形の良い胸に折れそうなくらい細いウェスト。ヒップラインは見えなかったがおそらく身体の曲線はアスカに負けず劣らず優美なものであろう。
 特にうなじから首筋、鎖骨にいたる上半身のラインの美しさは震えが来るくらい綺麗だった。意識しまいと思えば思うほどシンジの思考はレイの裸に集中し、血液が下腹部に集まっていく。

 (膨張しちゃ駄目だ!膨張しちゃ駄目だ!!膨張しちゃ駄目だ!!!)

 しかしシンジの意識とは裏腹に、身体の高まりは収まる様子はなかった。できればレイが上がるまで身体を洗っていようと思ったシンジだが、せかされるように洗ったため、もう洗うところはどこにもない。髪も身体も顔も、足の裏さえ綺麗にしてしまったシンジは鏡の前で途方に暮れていた。

 「シンちゃんも入りなさいよ。とっても気持ちのいいお湯よ」

 唐突に掛けられたレイの言葉にシンジは背中を振るわせた。寒気が走るというわけではないが、肩から首筋にかけてむずかゆいような感覚がする。だが、いつまでも鏡の前にいても不自然なのでうつむきながら立ち上がったシンジはシャンプーなどがはいった袋で前を更に隠すようにしながら湯船に浸かった。

 チャポッ

 なるべくレイの方を向かないようにしていたシンジだが、湯船が微妙に揺れて音と波が伝わってくる度に、心臓が高鳴る。見ないようにしよう、と意識すればするほど心臓の音は高鳴る。その音がお湯を伝ってレイに伝わるのではないかと思うくらいに。

 「シンちゃんは温泉が好き?」

 突然の問いかけであった。シンジは居眠りをたたき起こされた学生のようにビクッと肩を震わした。

 「う、うん。母さんが好きなんだ。だから時々家族でも行くし・・・・」

 「そう。ならいいのかな?」

 「へ?何を?」

 まぬけな声を出したシンジは恐る恐るレイの方を向いた。ゆっくりと身体を回転させてタオルが腰から外れないように、自分の心臓の鼓動が伝わらないように、と思いながら。

 「な、何する気なの?綾波?!」

 灰色の液体の入った小瓶を手にしたレイに向かってシンジが聞く。

 「温泉のブレンドよ。ワインでもフランスのボルドー地方では葡萄をブレンドしてワインを作るでしょう」

 「それはどこの温泉?」

 「別府よ」

 「別府ってあの泥温泉で有名な?じゃあそれって?・・・・」

 「ええ、これを入れるとここが泥風呂になるわ」

 こともなげに言ったレイは小瓶を湯船の中に入れようとする。それはツムラの日本の名湯シリーズの進化バージョンで1本の小瓶でこの湯船が全部泥になるくらいの威力を秘めていた。

 「だ、駄目だよ!勝手にそんなことしちゃ!!」

 慌てたシンジは立ち上がってレイの手から小瓶を取り上げる。しかし次の瞬間もっと慌てるようなことが発生した。腰に巻いて会ったタオルが急に立ち上がったシンジの動きについていけずにはだけたのである。レイの目の前にはまだ血液が集まったままであるシンジのものが突きつけられた。
 シンジは動けなくなった。顔は火が出るくらい熱いのであるが、首から下は凍傷にかかってしまったのごとく微動だにしない。レイは固まってしまったシンジを眺めながらまばたきを二回後、こう言った。

 「シンちゃんのって意外に大きいのね。始めての時ちょっと痛いかしら?」

 シンジはレイの言葉が理解できなかった。いや理解するのを身体全体で拒否しようとしていたのかもしれない。固まったままのシンジがしたことといえば、手にした小瓶を岩肌をモチーフにしたタイル張りの床に落とすことだけだった。


 ガッッチャーーーン!!


 ガラスが粉粉に砕け散る音がシンジのい時を動かす。油の切れたブリキ人形のようなぎこちない動きでタオルを拾ったシンジは、足をふらつかせながら浴室を出ていった。

 「あ、ぼぼぼ僕雑巾もってくるね!泥を拭き取らなくちゃ!!」




 「ふーー。いいお湯だったわ。リツコも入ってくれば?」

 最上階の一番端にあるスィートに入ってきたミサトは、まだ濡れた髪を拭いながらリツコに声を掛けた。食堂からいつのまにやら部屋に移動していたリツコは窓際で優美なラインの足を組みながら本を読んでいる。

 「ええ、でもレイがまだ入っているだろうからもう少し後にするわ」

 「レイ?!シンジ君じゃなくて?」

 「シンジ君?大浴場が清掃中だったからレイに教師用のお風呂に入っていいとは言ったけど?」

 「私はさっきシンジ君に同じことを言ったわ」

 ミサトの意外な言葉に顔を上げたリツコは、すばやく眼鏡をはずすと立ち上がった。

 「ミサト!それは一大事だわ!!」

 「そうね早く行かなくちゃ!!」


 「「こんなおいしい場面は見逃せないわ!覗きにいかなくっちゃ!!!」」


 ユニゾンしながらそう叫んだ三十路女二人は、顔を見合わせて頷くとものすごい勢いで駆け出していった。林間学校のしおりにある”ホテル内は走らないように”という注意書きを作ったのは一体誰なのであろうか?




 (ちょっとリツコ!押さないでよ)

 (そんなこといってもよく見えないのよ)

 (お得意の七つ道具はどうしたの?)

 (時間がなかったのよ。用意する暇がなかったわ)

 妙にカンの鋭いレイは不躾な来訪者に気づいていた。既に着替え終わったシンジは床にぶちまけた泥とガラスの掃除のため浴室に入っている。レイ自身もパジャマの上にカーディガンを羽織った服装に着替え終えていた。
 少し考え込んだレイだが、音もなく立ち上がるとスタスタと歩いて入り口の所に行き、勢い良くドアを開けた。のぞき込むようにしていた二人の教師は蝶番がはずされて無様に床にはいつくばる。レイは倒れ込んだミサトとリツコをいつも通り冷ややかな視線で見下ろしていた。

 「何をしてるの?」

 「何って・・・・」

 まさか覗きに来ましたとも言えず、素早く頭を回転させながら立ち上がったミサトは、不意に心配そうな表情を作った。

 「それより、大丈夫だったの?シンジ君は?」

 「碇君は中で少し片づけをしています。ちょっと激しかったもので・・・」

 「激しかったって何が?!まさかアンタ達!!!」

 「碇君が中で出してしまいました」

 シンジが?中で?何を?主語と修飾語を微妙に省いたレイの発言は衝撃的だった。ミサトとリツコはたいして脳味噌を働かせることなく、レイが意図した答えにたどり着いた。

 ガラッ

 「あ、ミサトさん、リツコさん・・・・・」

 泥を流してガラスを全て集めたシンジが浴場から出てきた。レイと向かい合っている二人の教師を無視するわけにもいかず、声を掛けたシンジだが、その後何を言ったらいいか分からない。重い空気が脱衣所の中に流れた。

 「シンジ君・・・・大変なことをしたわね」

 「ええっ?!」

 「中で出してしまったんでしょう?」

 沈黙を破ったリツコに理知的な口調で問いつめられたシンジはここでとんでもない勘違いをした。シンジの頭の中に残るうろ覚えで不完全な化学の知識が動転した心と反応し、普段では考えられないような答えを導き出してしまったのだ。
 温泉といえば硫黄。全く関係ないけど火薬=硫黄+硝石。もしかして別府温泉の素には硝石に近い成分のものが含まれていて、温泉の硫黄と反応してとんでもないことをしてしまったのではないか?
 シンジの思考は順序も論理も現実も無視した無茶苦茶なものであったが、シンジは先程の余韻と風呂の熱気に当てられて既に赤かった顔を更に真っ赤にした。ミサトとリツコがそれをどういう風に受け取ったかは想像に難くない。

 「で、でもちゃんときれいに拭きましたよ!」

 「そういう問題じゃないでしょう?授業で習わなかったの?」

 「これは私と碇君の問題です。幸いにして今日は安全日でしたし、大丈夫です」

 レイはここではじめて嘘を付いた。あと二言三言話せば双方の誤解は解けるのであるが、レイはここで議論を打ち切るようにミサトとリツコの前に立ちはだかった。

 「そうね。今時の子供は進んでいるものね・・・・。このことは私とリツコの胸の中だけにしまっておくわ。でもシンジ君、今度からはちゃんとつけるのよ」

 レイの態度があまりにも強固だったため、ミサトとリツコは少し後ずさりした。ここでシンジは二度目の勘違いをする。リツコのような理性的な人間に大変なこととまで言われたシンジの頭はパニック状態に陥り、ミサトのセリフを語尾しか聞いていなかったシンジは、かろうじて聞こえた”つけるのよ”と言う部分を”今度からはビンを落とさないように気を付けるのよ”というふうに解釈した。

 「はい、今度から気を付けます・・・・」

 うなだれて言ったシンジの姿を見たミサトとリツコの誤解は決定的なものとなった。気まずい雰囲気を察知して小浴場の前を離れるミサトの足取りは重い。それは覗きに来たという罪悪感でも、教師としての倫理観のためではなく、このことをどうやって広めてやろうかと色々画策しているためであった。

 (アスカがリードしていると思ったけど、レイもなかなかやるわね!それともアスカともそこまで進んじゃってるのかしら?)

 (旅行というシュチュレーションは普段にない情動を爆発させる、まあ予想通りね。奥手と思っていたシンジ君があんな大胆な行動をとるなんて・・・・。これはデータの洗い直しが必要ね)

 嵐の林間学校は初日から最も口が軽く、危険な人物の手に爆弾が渡るという結果になった。何も知らずに大貧民に熱中するアスカ。巻き返しに出たレイ。まだあきらめきれていないようなカスミ。心配そうなヒカリと暗躍するケンスケとカオル。何も知らないトウジと相変わらず暴走中の冬月。
 未だうなだれたまま小浴場の脱衣所に立ちつくすシンジの周りにはかなり濃いめの暗雲が立ちこめていた。

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ver.-1.00 1997-08/26 公開
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 Project Eの十八話です。やっとたどり着いた林間学校編。一応ここで完結という予定なんですが果たしてどうなるのでしょう?素から収拾がついていないドタバタ小説なんですが、完結と謳った以上なんらかの結果を付けなければいけませんね。
 優柔不断なシンジが選ぶのは一体誰か?じつはまだ決めていません(笑)。本命はアスカ、対抗はレイ、黒三角でカスミ、大穴でミサト・マヤ・カオルが並んでいるといった状態でしょうか?いやもしかしたらヒカリかも・・・・・。
 ではまた


 MEGURUさんの『Project E』第18話、公開です。
 

 男子16人、女子15人の二年A組。
 思いっきり完璧にカップリングが進んだとき、
 あぶれる男子は・・・・

   ・
   ・
   ・

 ケンスケだ。
 ・・・・絶対に・・・ (;;)
 

 そんな自明の理は置いといて(^^;
 

 初日からいきなり大事件が・・・

 まんまとレイの策略にハマるおバカな3人。
 あのリツコまでもが・・・

 イヤと言えないシンジ、
 どうなっちゃうんでしょう。
 

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