「ふあ,おはよう…おかーさん.」
「おはよう,シンちゃん.今日は早いわね.まだ寝ててもいいのよ.」
「ううん,もうおきる.」
「そう?」
朝晩の冷え込みが厳しくなってきた12月初旬の金曜の朝,シンジは紺と白の縦縞のパジャマ姿で台所のユイのもとに来ていた.普段は寝ぼすけで母ユイもしくはお隣のアスカに起こされているシンジだが今日は珍しく自分から起きていた.
「朝ご飯,もうちょっと待っててね.」
「はーい.」
ユイはまな板の上のねぎを刻みながらシンジに話し掛ける.シンジはそれに返事をすると着替えるために自分の寝室へと戻っていった.
『さ,さむい.』
寝室に戻って幼稚園の制服を手にしたのはいいのだが,朝の寒さにシンジはパジャマを脱ぐのをためらっていた.
「…今日は早いな,シンジ.」
「あ.おはよう,おとーさん.」
「おはよう.」
シンジの背後から突然,声が掛かる.色眼鏡をかけた190cm近くの大男,シンジの父ゲンドウだった.ゲンドウもまたパジャマ姿でシンジとお揃いだ.どちらかと言うと「いかつい」風貌のゲンドウだが見慣れてしまっているシンジは特に変わりなくおはようの挨拶をする.ゲンドウも短く挨拶を返した.
「…一緒にやるか?」
「うん.」
しばらくの間を置いた後,ゲンドウが口を開く.ゲンドウの言葉には「何を」が抜けていたのだがシンジはうなずいた.
『うんしょっ.うんしょっ.』
それからゲンドウとシンジ親子二人して「朝の体操」を開始する.ゲンドウは「朝の体操」を毎朝の日課としていた.しっかりと体の筋を伸ばすゲンドウに対してシンジのそれは阿波踊りに近い.こうしてシンジがゲンドウと朝一緒に体操をするのはシンジが寝ぼすけなこともあって年に数回の出来事だった.
『いっち,にー,さん,しっ.』
動きを合わせようとシンジはよたつきながらも体を動かす.ゲンドウはそんなシンジを見ながらニヤリと笑みを浮かべては体を動かしていた.
「シンちゃーん,納豆かき回すのやる?」
「うん,やるーっ.」
ユイがシンジに声を掛ける.体操を終えて体が暖まっていたシンジは水色の幼稚園の制服に着替えていた.シンジはユイの声を聞くと台所に駆け寄って行く.
「それじゃ,手に付かないように気を付けてやってね.」
「はーい.」
ユイはシンジに納豆が入った器と竹箸を渡す.シンジは竹箸を「グー」で持つとテーブルの上でぐりぐりかき混ぜ始める.かき混ぜるにつれて納豆は糸を引き始めてその粘度を増す.この納豆の糸引きの変化が面白くてシンジは機会があれば(早起きをしてかつ「納豆」の日には)いつもこの作業を行っていた.
「ねばねばひいたよーっ.」
「はーい.」
作業を終えたシンジがユイに告げる.ユイはシンジの持つ器の中に刻みねぎと醤油とからしを入れた.それが終わると,シンジはかき混ぜる作業を再び熱心に始める.
『毎日「納豆」にすれば早起きしてくれる朝も増えるかしら?…うーん,違うわよねえ.』
息子の「熱心ぶり」をちらっと眺めていたユイはシンジの朝寝坊のことに思いを馳せていた.
「いっただきーます.」
「はい,いただきます.」
「いただきます.」
朝食が出来上がって,シンジにユイ,ゲンドウ,親子三人がそろって「いただきます」をする.今朝はご飯に納豆,ねぎと油揚げのみそ汁,鮭の切り身の塩焼き,それに作り置きのほうれん草のお浸しである.お行儀良く箸の先2,3cmだけで食べ物を取るユイ,がつがつとご飯を平らげるゲンドウ,箸の使い方がぎこちないシンジ,それぞれ三者三様にテーブルの上の食事を片付けていった.
「ごちそさまーっ.」
「ああ.」
「はい,ごちそうさま.シンちゃん,『お弁当』付いてるわよ.」
最後に食事を終えたのはシンジだった.ゲンドウは朝刊を手にしたままシンジの言葉に応える.ユイはシンジの頬に付いたご飯粒を取っていた.
「…天気です.冬型の気圧配置に包まれた日本列島は今日も北の風が強く日中・・・」
朝食が終わってシンジの弁当作りも後片付けも終えたユイは朝のTV番組を眺めていた.TVからは今日の天気予報が流れている.ゲンドウは相変わらず新聞を手放そうとしない.いつもより早い朝,その早い朝の中でシンジは少し暇を持て余していた.
「ねえ,おかーさん.」
「なあに?シンちゃん?」
「アスカのところにいってもいい?」
手持ち無沙汰のシンジがお隣のアスカの家に行ってもいいのかをユイに尋ねる.幼稚園のある日はいつもアスカが碇家にお邪魔していることからも分かる通り,碇家と惣流家はお隣同士気軽に訪ねられる関係だった.それはユイとキョウコが学生時代からの親友ということもあったし,何よりもシンジとアスカの二人が誕生してからずっと一緒に育てられてきたも同様ということが大きく作用していた.
「あら?珍しいわね?そうね・・・」
シンジに話し掛けられたユイはTV上のテロップの時刻を見る.いつもアスカがシンジを訪ねてくる時間までまだ30分あった.
「・・・まだちょっと早いわね.あと10分くらい,待ちなさい.」
「はーい.」
時刻を見てユイはシンジに待つよう指示する.仲の良いお隣同士とはいえ,家を訪ねるにはまだ早すぎた.ユイの言葉にシンジは素直に従った.
「カバンは持ったわね?お弁当も入れたし・・・ハンカチとちり紙は持った?」
「うん,もった.」
「それじゃ,行ってらっしゃい.」
「いってきまーす.」
「ああ.」
「気をつけて行くのよ.」
「はーい.」
10分後,ユイがシンジに忘れ物をしていないか確認する.確認が終わって出かける挨拶をするシンジ.新聞を眺めながら応えるゲンドウ,いつものそしてありふれた言葉で送り出すユイ.それらに元気に返事をしてシンジはいそいそと玄関を出て行った.
「…あら?シンちゃんがアスカちゃんを迎えに行ったことってあったかしら?
ねえ,あなた.」
「さあな.」
シンジを送り出した後,ユイは突然湧き上がった疑問に首を傾げる.ユイは疑問をゲンドウにぶつけた.だが,ゲンドウは取り立てて考える様子も無く新聞を広げたままで応えるだけだった.
「おはようございます,キョウコおばさん.」
「おはよう,シンジくん.今日は早いわね.」
「うん!」
碇家の玄関を出てすぐ隣の惣流家の扉を叩くシンジ.程なく玄関に出てきたキョウコがエプロンを付けたままの格好でシンジを出迎えていた.
「ぼく,きょう,アスカむかえにきたの.」
「そうなの.アスカならリビングよ.さ,上がって.」
「はい.おじゃましまーす.」
シンジはキョウコに用件を告げる.キョウコはシンジに家に上がるようにうながした.キョウコの言葉を聞いてシンジは靴を脱ぎそれをきちんと揃えてから中に入っていく.
「パパ〜.」
「そんなにくっついていたらコーヒーが飲めないよ,アスカ.」
「パ〜パ.」
リビングのソファでは既に水色の園児服に着替えたアスカが父ゲンイチロウにひっついていた.アスカの父ゲンイチロウは仕事の都合で家を空けていることが多かったが10日程前に長期出張を終えて惣流家に戻っていた.
「アスカは甘えん坊さんだね.」
「だあって〜.」
ゲンイチロウはコーヒーカップから手を離し抱きついているアスカの頭を撫でる.ゲンイチロウが帰ってきてからというもの毎朝このような調子であった.
「…しんぶんとってくるねーっ,パパ.」
「ありがとう,アスカ.」
「うん!」
ゲンイチロウに頭を撫でられて上機嫌のアスカはソファから飛び降りてキッチンに置いてある朝刊を取りに行く.惣流家ではキョウコの方が先に朝刊に目を通していた.アスカが離れたところでゲンイチロウは再びコーヒーカップを手にした.
「おはよう,アスカ.」
シンジがリビングに入ってきたのはアスカが朝刊を取りにキッチンに向かって走ってきたまさにその時だった.二人はリビングの入り口で鉢合わせになった.シンジはニッコリとアスカに微笑む.
「シ,シンジ!?なんでアンタがここにいるよっ!?」
「うんとね,ぼく,はやおきしたからむかえにきたの.」
「な…」
シンジと突然鉢合わせになったことにアスカは驚いていた.いつもはアスカが「お寝坊さん」のシンジを迎えに来て(叩き)起こすなりせっつくなりしていたのに今日は違う.何だか自分が「お寝坊さん」になったみたいでゲンイチロウの手前もあってアスカの顔は恥ずかしさでたちまち赤くなった.
「な,なんでアンタがアタシをむかえにくんのよっ.アンタがアタシをむかえにくるなんて“10年”はやいわよっ.」
アスカは顔を真っ赤にして大声を張り上げていた.突然のアスカの大声にシンジはビクッと震えて固まる.だが,それよりもリアクションが大きかったのはソファに座っていたゲンイチロウだった.
ゲンイチロウは口にしていたコーヒーを噴いていた.
アスカの発言は大人の言い回しを真似たものであり深い意味は全く無い.だが,頭では理解していても愛娘の「爆弾(?)発言」にゲンイチロウは思わず反応していた.
「あー汚いわよ,パパ.」
「(けほっ)ご,ごめん.(けほっ)」
シンジの後ろについていたキョウコがゲンイチロウのもとに来てティッシュボックスから何枚かティッシュを取り出す.後で布巾できちんと拭わないとこびり付くだろうが今は取り敢えずティッシュで噴いた先を拭き取っていた.
「ママー,パパ,だいじょうぶ?」
自分の発言がゲンイチロウの咳き込んだ原因だとは露知らず,アスカはソファのもとでキョウコに尋ねていた.
「だ,大丈夫よ,アスカ.パパはね,アスカがシンジくんに取られちゃうんじゃないかって心配したのよ.」
「パパ,アタシ,どこにもいかないからねっ.」
「ははっ,ありがとう.アスカ.」
キョウコは笑い出すの堪えながらアスカに答えた.キョウコの言葉を聞いてアスカは即座に反応する.娘の反応にゲンイチロウは微笑みながら応える.
「パ〜パ,だいすきっ.」
『アスカのバカァ…いじいじ.』
ゲンイチロウにひっついて甘えるアスカ.そんなアスカをゲンイチロウは背中をぽんぽんと叩きながら抱き止める.一人取り残されたシンジは床に「の」の字を書きながらちょっといじけていた.
「ごめんね.シンジくん.」
「え?」
いじけていたシンジのもとにキョウコが話し掛ける.話し掛けられて「の」の字を書いていたシンジは顔を上げる.キョウコは微笑んでいた.
「え,その,あの….」
先程までいじけてちょっとプリプリしていたシンジだったがキョウコに微笑まれてシンジはどうしたらいいか分からずに顔を赤くした.
「アスカのこと嫌いにならないでね.あの子,しっかりしているようだけど本当は寂しがりやなの.」
「うん…キライにならない.ぼく,アスカのこと…すきだもん.」
「ありがとう,シンジくん.」
アスカのフォローに入ったキョウコにシンジは微笑み返す.キョウコは屈み込んでシンジの頭を撫でた.
「これからもアスカと仲良くしてね,シンジくん.」
「うん!」
シンジは元気に返事をする.さっきまでいじけていたシンジだったが今はいつもの表情に戻っていた.
「アスカ,パパに甘えてないで早く支度しなさい.本当,甘えん坊さんなんだから.」
「ママー,アタシ,あまえんぼうさんじゃないっ.」
「あら?パパには言われても平気なのにママは駄目なの?」
「…ううっ.ママのいじわるーっ.」
シンジの元気な声を聞いたキョウコはアスカ達の方に向き直ってアスカに早く支度をするように急かした.「甘えん坊さん」という言葉にアスカは反発する.それから,キョウコの鋭い突っ込みにアスカは両手をぶんぶんと振りながら拗ねた視線をキョウコに向けた.
「はいはい.早く支度なさい.」
「はーいっ.じゃあ,パパ,したくするねっ.」
「はい.行きなさい,アスカ.」
「うん!」
キョウコはアスカの言葉と視線をさらりとかわす.アスカもまたいつまでも拗ねることなくゲンイチロウのもとを離れて幼稚園に出かける準備を始めた.
「「いってきまーすっ.」」
元気な子供の声が二人分,同時に惣流家の玄関で響きわたる.
「いってらっしゃい,気をつけてね.それじゃ,お願いしますね.パパ.」
「…ん,わかった.」
子供達…シンジとアスカにキョウコが応え,アスカの手を引くゲンイチロウに話し掛ける.背広姿のゲンイチロウは左手に今日の朝刊を入れたカバンを持ち,右手にアスカの手を引く.
「あなた…」
キョウコが思案げにゲンイチロウの顔を見る.キョウコの視線にゲンイチロウは一瞬真剣な表情で軽くうなずき,それから微笑む.キョウコもまた微笑み返した.
「…いってきます.」
「いってらっしゃい.」
ゲンイチロウはキョウコと出掛けの挨拶を交わすと,アスカとシンジを連れて玄関を出た.
「アスカ.」
「なあに?パパ?」
「ちょっと横に広がり過ぎてるからこっちに寄って.」
「はーいっ.シンジ!アタシのて,はなしちゃだめよっ.」
「う,うん.」
ゲンイチロウがアスカの,アスカがシンジの手を引く形で3人は送迎バスの停留所まで歩いていく.アスカは先程までの父親に「甘えていた」それと異なり,すっかりいつものシンジの「お姉ちゃん」になっていた.
「おはようごさいます.えーと…」
「アスカの父のゲンイチロウです.」
「ああ,アスカちゃんのお父さんですか.」
「ええ,そうです.」
停留所に着いてゲンイチロウは他にバスを待っている園児の母親達と二言三言交わす.何か珍しいものを見たかのような視線を受けてゲンイチロウは苦笑いを少し浮かべていた.確かにシンジの両親やキョウコと違ってゲンイチロウは二人を連れてくることは殆ど無い.だが,園児の母親達の好奇の視線はそれだけではなかった.
「失礼ですが,外国の方ですか?」
というのも,日本人の父親とドイツ系アメリカ人の母親との間に生まれたゲンイチロウは赤みがかった髪と彫りの深い顔立ちをしていて一般で言うところの日本人の容貌と少し異なっていた.また,ゲンドウには及ばないものの上背がありその整った顔立ちは園児の母親達の関心を集めるのに十分だった.
「…それは…いろいろと大変でしょう?」
「…はい.ええ,まあ.」
「ところで…」
「あ,バスが来たようですよ.」
園児の母親達に囲まれていささかたじたじとなっている所へ送迎バスが停留所に近づいてくる.ゲンイチロウはこれ幸いとばかりに話題を逸らした.程なくバスは停止して園児達がバスに乗り込む.
「それじゃ,パパー!いってきまーす.」
「いってらっしゃい,アスカ.」
「いってきます.」
「アスカをよろしく.シンジくん.」
「はい.おじさん.」
バスに乗り込もうとアスカがゲンイチロウの手を離してそれからゲンイチロウに手を振る.ゲンイチロウもまた手を振り返す.それからシンジがペコリとゲンイチロウに頭を下げる.それに対してゲンイチロウは今朝の小事件の時とはうって変わって平生の表情でシンジに言葉を返す.
「パパ!アタシがシンジをまもるんだから『よろしく』はアタシのほうよっ.」
「アスカ〜.」
「アスカはシンジくんに辛く当たりすぎてないかい?」
ゲンイチロウの言葉にアスカが突っ込みを入れる.アスカの発言に男の子としての面目丸つぶれ(?)のシンジは情けない声を出した.その光景を見たゲンイチロウは苦笑いと共にアスカをやんわりとたしなめる.普段からシンジ達と接しているキョウコや碇夫妻ならばアスカのシンジに対する「キツイ」言葉は大して気にも留めないのだがゲンイチロウには娘のシンジに対する態度が少し気になっていた.
「そ,そんなこと・・・」
「そんなことないです,おじさん.」
少しは思い当たるところがあるのかゲンイチロウの問いかけにアスカは答に詰まる.アスカが答える前にシンジがゲンイチロウの問いかけを否定した.今朝の惣流家での時とは異なるはっきりとしたシンジの態度にゲンイチロウはちょっと意外といった表情を浮かべる.
「・・・シンジくんは優しいんだね.ありがとう.」
シンジの顔をじっと見ていたゲンイチロウは微笑んでシンジの頭を撫でる.ゲンイチロウに頭を撫でられてシンジは嬉しさと照れが入り混じった笑みを浮かべた.
「パ〜パッ!」
「…アスカ,シンジくんと仲良くするんだよ.」
「う,うん.」
シンジに構うゲンイチロウにちょっとだけヤキモチを焼いたアスカが声を上げる.ゲンイチロウはアスカに向き直ると落ち着いた物腰でアスカに話す.すると,アスカはさっきまでとは打って変わってしおらしくうなずいた.
「「いってきまーすっ.」」
「いってらっしゃい.」
バスが幼稚園に向かって走り去るのを見届けたゲンイチロウは勤務先の会社へと歩を進めた.
「おはよう,レイっ.」
「おはよう,レイちゃん.」
「…おはよう,アスカちゃん,シンジくん.」
幼稚園に向かうバスの最後部ではレイとアスカ,シンジがそれぞれ朝の挨拶を交わしていた.送迎バスの最後部は今ではシンジ達3人の指定席と半ば化していた.
「…ねえ,アスカちゃん?」
「なあに?レイ?」
「さっきアスカちゃんのてをひいてたひとってアスカちゃんのおとうさん?」
「うん!アタシのパパよっ.」
バスの中からアスカ達の一部始終を見ていたレイはアスカ達を連れてきた見たことの無い大人について疑問をぶつける.レイの質問にアスカは嬉しそうに答えていた.
「そうなんだあ…アスカちゃんのおとうさんってモデルさんみたい.」
「でしょ!でも,パパ,そういわれるとなんだかこまったかおするのよ.」
「…そうなの.」
レイがゲンイチロウの容貌の印象を話す.それにうなずくアスカ.だが,ゲンイチロウは自分の容貌について語られることを苦手としていた.
「…アスカちゃん,おとうさんのことすき?」
「もちろん,だいすきっ.パパ,かっこいいしやさしいもんっ.」
「シンジくんは?」
「すき.みんな『こわい』っていうけどぼくおとーさんのことすき.レイちゃんは?」
「…わたし,おとうさんのこと,だいすき.」
「アタシね,あしたパパとママと3人で『おでかけ』するの.」
「そうなんだ…アスカちゃん.んとね…わたしもおとうさんと『おでかけ』なの.」
「そうなんだあ.アスカもレイちゃんもいいなあ.」
幼稚園行きのバスの中でとりとめのない会話が穏やかな雰囲気の下,3人の間で交わされていた.
「みんな,おはよーっ.」
「おはよーございまーす.」×多数
「おはよーっ.」×多数
(ざわざわ ざわざわ)
始業のベルが鳴って「さくら組」に先生が入ってきて朝の挨拶をする.席に戻って挨拶を返す園児達.だが,今日は挨拶の後になってから教室内は再びざわついていた.
「せんせーっ,マヤせんせいおやすみなんですかあ?」
園児達のざわつきの原因は教室に入ってきた先生がマヤではなかったからだ.その先生はマヤよりもさらに小柄で中分けにした髪は顔の輪郭を包み込んでいた.ジーンズにジージャンのそのラフないでたちは遠目で見るとやや長めの髪の少年の様に見えなくもないがれっきとした女性である.
「ええ,そうよ.」
「マヤせんせい,かぜひいたの?」
「違うわよ.マヤ先生,今日はご都合があってお休みしているだけよ.」
その先生の答えを聞いて別の園児が質問をした.彼女は園児の質問に答える.マヤは年次休暇を取得していた.ちなみに,「保健室の大魔神」「白衣の悪魔」リツコも今日はお休みである.
「ユリコせんせーっ,『エバン』ごっこやろーぜっ.」
「日課が終わった後でね,タカシくん.」
「ちぇーっ.」
「ふくれない,ふくれない.」
タカシがその先生に話し掛ける.タカシはその先生のことを他の大多数の園児達よりは多少は知っていた.彼女は横山ユリコ.普段は年少組の方の面倒を見ていた.先日,リツコ達と一緒に『エバン』ごっこをしていたマヤの同僚である.
「みんな,今日は何をやるかマヤ先生から聞いてるかな?」
(ざわざわ ざわざわ)
「せんせい,きいてませーん.」
ユリコからの問いかけに教室がまたざわめく.しばらくして,園児の一人が代表してユリコに告げた.マヤが今日休むことを園児達は知らなかったのだ.聞いてなくて当然である.
「それはそうよねえ.それじゃ,今日は先生が決めまーす.いいわね?」
「はーい」×多数
「おーっ」×多数
「はいっ.元気な返事でよろしい.」
園児達の反応を見てユリコが高らかに宣言する.ユリコの宣言に園児達は元気な声で返す.園児達の反応を見て取ったユリコは腕組みをしてうんうんとうなずいた後,ニッと笑みを浮かべて園児達に応えた.
「それじゃ,まず簡単に自己紹介するわね.私は横山ユリコ.普段は年少組の方を見てるの.よろしくねっ.」
「はーいっ」
「よろしくーっ」
「おーっ」
「よろしくなーっ」
「それじゃ,今日の日課を始めるわね.今日は人の『呼び方』について考えてみましょう.」
ユリコは自分の名を名乗ってから今日の日課を始める.ユリコが提示した今日の日課は「人の呼び方」だった.
「みんなは,お父さんやお母さんのことをどう呼んでるのかな?手を挙げて答えてね.」
「はいっ.」
「はーいっ.」
「はいはいはいはーいっ.」
ユリコが園児達に問いかける.すると,園児達の中の何人かが即座に手を挙げた.短く「はいっ」と言って手を直線に伸ばしている「正統派」の子,手を挙げた後左右にぶんぶん振る子,身を乗り出して自分を指してと言わんばかりに自己主張する子,手の挙げ方にも園児によって色々な個性が出ていた.
「はい.それじゃ,そこで身を乗り出して手を挙げている子ね.名前も名乗ってね.」
ユリコは椅子から腰を浮かせて手を挙げている女の子を指差した.
「はいっ.わたし,きりしまマナ.パパ,ママってよびまーす.」
「はい.そうよね.…パパ,ママっと.マナちゃーん,座っていいわよ.」
「はーい.」
ユリコが指したのはマナだった.担任じゃない先生がクラスを受け持つ時,先生に指されるのはどうしても自分をアピールする子が多くなる.そう言った意味でもマナは際立っていた.
「あー,マナ.さきこされたー.」
「へへーっ.」
「もう,マナったらちゃっかりしてるんだからっ.」
マナに「パパ」「ママ」と先に言われたことでアスカが悔しがる.それに対しマナはアスカに「ゴメンね」といった顔で舌をペロッと出して笑みを向ける.そんなマナの笑みにアスカは毒気を抜かれていた.
「他にはー?」
「はーい.」
「はい.シンジくん.」
ユリコは手を挙げていたシンジを指した.指されたシンジは椅子を引いて立ち上がる.
「はい.いかりシンジです…あれ?どうしてぼくのなまえ,ユリコせんせいしってるの?」
自分の名前を名乗ったところでシンジはある疑問に思い至る.確かに前に『エバン』ごっこを一緒にやったことがあったからユリコが覚えていても不思議ではなかったがシンジの中では取り立てて印象は強くなかった.
「それはね,シンジくんのことはミサトお姉さんからよーく聞いてるからよ.」
「ミサトおねーちゃんが?」
「そう.ミサトお姉ちゃん.それよりシンジくん,シンジくんはお父さんとお母さんどう呼んでいるのかな?」
「うんとね,おとーさん,おかーさん.」
「そうね.おとうさん,おかあさん…と.ありがとうね,シンジくん.」
「はい.」
ユリコはシンジのことはミサトから聞いたと答えた.シンジはミサトが何故自分のことをユリコに話すのかよく分からないといった表情でユリコに言葉を返す.それに対し,ユリコはシンジの疑問を逸らして本題に戻した.根が素直なシンジはユリコの意図通り,本題に戻って「呼び方」を答えた.
「他には…どうかな?」
「オレ,おやじにかーちゃん.」
「わたし,おとうさまにおかあさま.」
「あたい,とーちゃんにかーちゃん.」
「おれ,おっとうにおっかあ.」
「ぼくはちちうえにははうえです.」
ユリコは園児達に尋ねることを続けた.マナの「パパ」「ママ」,シンジの「おとうさん」「おかあさん」という呼び方は園児達の大多数をカバーしたがその範疇に入らない園児達も当然いるわけで,その呼び方は園児によって様々だった.
「はい,こうして聞いてみるといろんな呼び方があるわね.それじゃ,ちょっと声を出して言ってみましょう.」
ユリコは園児達が答えた「呼び方」をホワイトボードに書きつけていった.そして,園児達の手が挙がらなくなった所で最初から一つずつそれらを園児達と一緒になって声を出して読んでみる.一つ一つの呼び方の由来などを考えてみてもそれはそれで面白いのだがここは幼稚園.その様なややこしいことは行わない.いわゆる「ことば遊び」の一つとして今日の日課の意義があった.
「はい,よく出来ました.それじゃ,今度はお友達の呼び方について考えてみましょうね.」
「はいっ.」
「はいはーい.」
「それじゃ,タカシくん.」
「えーっと,おれは,さわきカズヒロをカズヒロってよぶよな.」
ユリコに指名されたタカシがカズヒロの名札を確認した後,少し悪ぶった口調でいつもつるんでいるカズヒロ(沢木カズヒロ)のことを挙げた.
「はい.タカシくん,ありがとう.つぎは…カズヒロくん,お願いね.」
「おれは・・・」
ユリコはタカシが挙げた園児を指名する.それに応えてカズヒロが他の子の呼び方を挙げる.その挙げられた子がまた・・・という形式で次々と園児達が指名されていった.
「わたし,あやなみレイちゃんをレイちゃんってよびまーす!」
「…わたし,そうりゅうアスカちゃんのこと,アスカちゃん,とよびます.」
「あら?アスカちゃんに戻っちゃったわね.それじゃ,まだ言ってない人は手を挙げてね.」
マナがレイのことを挙げて,レイがアスカのことを挙げる.アスカは既に指名されていたのでユリコが改めて仕切り直す.このようにして一回りするまでユリコは園児達に名前を呼ばせていた.
「はい,みんな,ありがとう.んー,まだ時間があるわね.それじゃ,今みんなが挙げた呼び方を参考にして近くの子といつも違う呼び方で呼んでみてね.」
「はーい.」×多数
ユリコの言葉に園児達は元気に返事をするとそれぞれご近所さんで固まってお互いにいつもと違う呼び名で呼びあった.
「い,いかり…くん.」
アスカは実に心底言いづらそうな表情でシンジと向かい合ってシンジを呼んだ.
「そ,そうりゅうさん.」
シンジもまた負けず劣らず引きつった顔でアスカを呼ぶ.というのも,二人共名字で呼んだことなど生まれてこのかた一度も無かったからである.
「ぶっ,ひゃははははっはははーっ.」
「(ぷっ くすっ)」
二人の様子を見ていたマナが腹を抱えて笑い出す.呼び方の違和感はもちろんなのだが何よりもおかしかったのは呼び合う時の二人の実に気まずい表情だった.レイもまた両手を口に当てて笑うまいと必死だった.
「ちょっとぉ,マナァ!アンタ,ちょっとわらすいぎよっ.あー,レイまでっ.」
「…ご,ごめんね.アスカちゃん.」
「だ,だあっておかしいんだもん.ひゃははははっははっはーっ.」
たまらずアスカがマナとレイを咎める.レイはすぐに笑うのを止めたがマナは既に笑い上戸に入っていて止まるまでそれからさらに1分を要した.
「それじゃ,マナ.こんどはアンタがやりなさいよっ.」
「いいわよ,アスカちゃん.」
それから組み合わせを変えて色々と互いに呼んでみる.レイとシンジが「いかり…くん」「あ,あやなみ・・・・・・さん」と呼んでお互い顔を真っ赤にしたとかマナとシンジがお互いに「呼び捨て」にしたらマナが柄にも無く顔を真っ赤にしてアスカにさんざん突っ込まれたとか・・・とにもかくにも普段と違う呼び方をして顔を真っ赤にしたり大笑いしたりする光景がクラスのあちこちで見受けられた.
「きょうはなんかへんだったね,アスカ.」
「そうよね,シンジ.」
「…やっぱり,シンジくん,アスカちゃんがいい….」
「アタシも.ね,シンジ,レイ.」
「…うん.」
「そうだね.アスカ,レイちゃん.」
幼稚園からの帰りのバスの中,シンジとアスカとレイは最後部座席で今日の日課について話していた.
「あした,アスカもレイちゃんも『おでかけ』なの?」
「そうよ.」
「うん.」
「それじゃ,にちようびは?」
「アタシはママとおかいものでやっぱり『おでかけ』よ.」
「わたしも…おとーさんとおかーさんと『おでかけ』なの.」
「…そうなんだ.じゃ,げつようびまであえないね.」
「ごめんね,シンジくん.」
「ううん,レイちゃんがあやまることじゃないよ.」
「そうだ,シンジ!アンタもおじさまやおばさまにおねがいしてみたら?」
「…う,うん.」
週末の「予定」について話す3人.一人どこにも出かける予定が無いシンジにアスカが提案する.アスカの提案にシンジは曖昧にうなずいていた.
「ねーおとーさーん,あしたどっかいこー.」
「駄目だ.」
碇家ではアスカに触発されたシンジがゲンドウにいわゆる「お願い」を繰り返すという光景が繰り広げられていた.ちなみにゲンドウもユイも明日は出勤日ではないし在宅で仕事をするという訳でもない.だが,ゲンドウはシンジのお願いを却下していた.
「おとーさーん.」
「駄目だ.」
「おとーさーん.」
「明日は家でゆっくりすると決めたのだ.」
「うう〜.」
シンジはゲンドウのひじを引っ張って繰り返しどこか出かけようと持ち掛けるがゲンドウは取り合わなかった.
「アスカもレイちゃんもしゅうまつはでかけるんだよ〜.」
「アスカちゃん家はアスカちゃん家,レイちゃん家はレイちゃん家.うちはうちだ.」
シンジは仲良し二人のことを引き合いに出すがゲンドウは実に簡潔で短い言葉で撥ね付けた.
「おか〜さ〜ん.」
「母さんに頼んでも駄目だぞ.(ニヤリ)」
「ごめんね,シンちゃん.お母さんも明日は家でゆっくりしたいの.」
「う〜.」
ゲンドウではらちがあかなくてお願いする先を母ユイに変えようとしたシンジだったがゲンドウが先回りする.ユイもまた明日は休みたかったらしくこれもまた駄目だった.
「パ〜パッ.」
「…ア,アスカちゃんのまねをしたって駄目だぞ.」
両親に却下されたシンジは急に呼び方を変えてゲンドウに寄り付く.今朝の惣流家の光景を見たからなのか,今日の日課の影響なのかは今一つ不明である.だが,呼び方を変えたシンジにゲンドウはなぜか動揺していた.
「ママ〜.」
「あら,シンちゃん,可愛いっ.女の子の服でも着せてみようかしらっ.」
同じ様にユイに寄っていくシンジ.そんなシンジにゲンドウはうろたえていたがユイはゲンドウよりも上手だった.
「え〜や〜だ〜.」
「まちなさ〜いっ.シ〜ンちゃんっ.」
ユイの言葉にシンジは慌てて家の中を逃げ出す.追いかけるユイ.逃げるシンジは真剣だったがユイの方は目が笑っていた.だいいち,本当にシンジに女の子の服を着せるとしたらそれこそお隣から借りてくるでもするしかないのである.
「つ〜かまえたっと.」
「やだやだやだ〜っ.」
「シンちゃん,か〜わいっ.(ハアト)」
必死で逃げるシンジだったがユイはあっさりと捕まえる.ユイに捕まって手足をばたつかせるシンジ.シンジを捕まえたユイはシンジに頬擦りをしていた.
ユイにさんざんじゃれつかれた金曜の夜のシンジだったが,結局シンジは週末どこかに連れられて出かけるということは無かった.
外にお出かけできなかったシンジがちょっとばかり拗ねていた土曜日,お隣の惣流家ではアスカとキョウコそれにゲンイチロウの一家三人は第三新東京市内にあるテーマパークの敷地内を散策していた.
「さ,寒くない?ママ.」
「私は大丈夫.それよりあなたこそ震えてない?」
12月に入り日本の例年の冬型の気圧配置も定着して,ここ第三新東京市でも北風が一日中吹きつけて体感温度を下げていた.キョウコは全身をすっぽりと包み込むコートを,ゲンイチロウは皮革製のジャンパーを身にまとっていたがそれでも空気の冷たさを感じるのを禁じ得なかった.
「パパー,ママー,はやくはやくーっ.」
大人二人とは対照的にアスカは北風も寒さも関係ないといった感じで元気そのものだった.アスカもまた風除けにジャンパーを羽織っていたが下はミニスカートにハイソックスといった格好で完全武装のキョウコ達に比べればはるかに薄着だった.
「僕達もアスカの年の頃は平気で外を走り回っていたのに,不思議だね.」
「そうね.何でかしら?」
先行するアスカをゲンイチロウとキョウコはゆっくりと後からついて行く.風にまかれた枯れ葉が赤レンガで敷き詰められた道の上を転がる.
「パパー!ママー!はやくしないとおいってっちゃうよー.」
お目当ての施設に早く行きたがっているアスカは話をしながらゆっくりと歩くゲンイチロウとキョウコに焦れて両手を腰に当てる格好で向き直る.アスカが立ち止まっている間にアスカとキョウコ達の距離が縮まる.それを見て取るとアスカはまた前に駆け出す.
「パパ!ママ!はやくきてよーっ.」
「はいはい.建物は逃げないわよ,アスカ.」
何度目かのアスカの両親を呼ぶ声がテーマパーク内に響き渡る.その度にアスカはキョウコ達を急かしたり先に行くと言っていたりしたが,必ず二人からある一定以上の距離は離れないでいた.
「アスカは…幸せなのかな?」
歩きながら,アスカが駆け出したり立ち止まったりする光景を眺めながらゲンイチロウは呟いた.それは何の気無しに呟いた一言だった.だが,それはゲンイチロウ達にとってある意味重い言葉だった.
「それは…アスカにしか分からないわ.でも,だからこそアスカを見続けていくしかないと思うの.見失わないように.特に私達は…ね.」
ゲンイチロウの呟きにキョウコはゆっくりとそしてアスカが駆けている前方を見据えながら応えた.それからゲンイチロウの方を見て微笑む.
「…そうだね.僕達の方もアスカに見てもらえるようにしないとね.特に僕は…ね.」
キョウコの言葉にゲンイチロウはうなずく.それからゲンイチロウは少しだけ悲しげな笑みをキョウコに向けた.おそらく来年もまた家を留守にすることが多いだろうから.
「おとーさんっ.おかーさんっ.」
「「え?」」
「あーやっぱり,パパ,ママ,へんなかおしたーっ.」
二人を引き離しそうになったアスカがまた立ち止まって振り返る.アスカの口から出た普段聞きなれない『呼び方』にキョウコとゲンイチロウはきょとんとした顔になる.それからゲンイチロウが「何事か」といった顔でアスカのもとに駆け寄った.
「どうしたんだい?アスカ?」
ゲンイチロウは娘の突然の行動の理由が分からなくて体を屈めてアスカに問いかけた.
「あのね,パパ,きのうようちえんでね,いろんなよびかたをはなしたの.」
「そうなんだ,アスカ.どんなのがあったんだい?」
「パパは,『おとうさん』でしょ,『おやじーっ』でしょ,『おっとう』でしょ,『ちちうえ』でしょ,それに『とーちゃん』っていろいろあったの.」
「そうだね.沢山あるね.」
ゲンイチロウに訊ねられてアスカは待ってましたとばかりに嬉々として昨日の幼稚園でのことを話し始める.それをゲンイチロウはじっと聞いていた.
「でもね,やっぱりパパは『パパ』がいちばんいいっ.」
「ありがとう,アスカ.」
いろんな呼び方を列挙した後でアスカはその中でいつも使っているパパが一番良いとゲンイチロウに満面の笑みで話す.「『パパ』が一番」というアスカの言葉がゲンイチロウには何故か嬉しくて感謝の言葉と共にアスカの頭を撫でていた.
「ママにも呼び方,教えてくれる?アスカ.」
「うん!えーとね,『おかあさん』でしょ,『おふくろ』でしょ,『おっかあ』でしょ,『おかん』でしょっ….」
ゲンイチロウの後に続いていたキョウコがアスカに話し掛ける.キョウコのお願いにアスカはゲンイチロウに話していた時と同じように応えていた.キョウコもまた微笑みながらアスカの話を聞いていた.
『「おとうさん,おかあさん.」…か.』
アスカがキョウコに一生懸命話すのを見ながらゲンイチロウは先程のアスカの呼び声をリフレインしていた.
筆者の両親の呼び方ですが面と向かって話す時は「父さん」「母さん」です.幼い頃は「お父さん」「お母さん」だったのですが.いつから「お」が抜けるようになったのか・・・ちょっと思い出せないでいます.(本当にいつだったんだろう?)
ご意見・ご感想お待ちしております.今回などは「あからさま」ですが,作品に対するちょっとした一言が時には続きを書く時のとっかかりになりますので(^^;
)よろしくお願いします.
誤字・脱字・文章・設定の突っ込み等は,
VISI.さんの『私立第三新東京幼稚園A.D.2007』第二十話、公開です。
パパに甘えるアスカちゃん、かっわいいですよね(^^)
普段は
ボケボケっとしているシンジくんの”お姉ちゃん”している、しっかり者の彼女が、
パパの前では甘えん坊さんになって・・
う〜ん、かわいい(^^)/
そのパパの方も
すり寄られたり、
爆弾発言に焦ったり、
いつもと違う呼び方に驚いたり・・・
娘にメロメロです。
やっぱり男親は娘に弱い?!
さあ、訪問者の皆さん。
VISI.さんに沢山メールを送って下さい!