BY秋月
「さあ、入ってらっしゃい!」
ミサトの声に合わせて教室の中に一人の少年がゆっくりと入ってくる。その姿に一瞬教室内は静まり、すぐにほぼ半数の生徒から次々と歓声が上がる。その少年は銀色の髪に女性であっても白すぎるような肌、印象的な紅い瞳、そして中性的な雰囲気を湛える整った容貌をしていた。
「うん、うん、元気があってよろしい。」
「感謝するように、私が見事引き当てたんだからね。」
「は〜〜い。」
おどけたようにそう言うミサトの声に元気な声が返ってくる。この生徒は担任に似るものなのかのりがいいようだ。見事にミサトと息があっている。
「じゃあ、自己紹介してもらおうかな。」
「僕はカヲル、渚カヲル。どうか、よろしく。」
カヲルは黒板に書き慣れていないのだろうか少しおぼつかない字で自分の名前を書き、微笑みを浮かべて言った。その声に教室中にざわめきがいっせいに広がっていく。教室のほぼ半数の生徒達は何かを期待したような表情を浮かべ教卓の前にいる二人に視線を向ける。中にはすでに小声で隣の子達と囁き始めている者もいる。そんな生徒達を代表するようにミサトがカヲルに話しかける。
「渚君、質問いいかな?」
「構いませんよ。」
「よ〜し、じゃあ、1時間目は私の授業だから、これから渚君への質問会とします。みんな、しっかり聞くんだぞ。こういう機会は大事にすること。いい!!」
「は〜〜い。」
「葛城先生!真面目にやって下さい!!」
歓声と元気の良い返事が上がる中、一人の女生徒が勢い良く立ち上がる。その拍子に椅子が大きな音を立てるがそれにも構わず声を荒げる。
「ほ、洞木さん。い、いいじゃない、ちょっとぐらい。」
「先生の授業が一番遅れているんですよ!」
「うっ、ま、まあ、そうだけど。せっかく転校生が来たんだから。」
「授業の遅れはどうするんですか?」
「だ、大丈夫よ。今度ちゃんとするから。ほら、みんな質問ないの?」」
ミサトはヒカリを苦手としているのかその口調に明らかに狼狽えながらも宥めようとしているが、ヒカリの追及は厳しかった。ミサトは説得が無理と早々と諦めると生徒達に発言を促した。担任がこうなら当然そのクラスの生徒達も割合呑気になるものである。教室の各地からいくつもの手が次々と上がる。それを見たヒカリは溜息をつきつつ席に座り直したが、まだミサトの方に責めるような視線を送り続けている。ミサトはその視線を感じるのか早口で生徒を指名していく。
「はい、じゃあ、そっちから一人ずつね。」
「はい、渚君は何処から来たんですか?」
「ドイツからだよ。」
その答えにまたまた騒がしさに拍車がかかる。
「日本語が上手そうだけど、何処で習ったの?」
「一時期、日本にいたことがあったんだ、短い間だったけどね。」
男子が面白くなさそうに見つめる中、女生徒の多くはカヲルに対して次々と熱心に質問を浴びせていく。「このクラスにはろくな男がいない」とはアスカの言であるが、実際のところ、シンジはその優しい性格と繊細そうな容貌により女子からかなりの人気がある。今朝、シンジの下駄箱に入っていた手紙もシンジへのラブレターであり、ほぼ毎日僅かずつではあるがアスカ、レイあてと共に途絶えたことがなかったのだが、二人の妨害や、その他大勢同士の監視、牽制によりシンジに届いた手紙はいまだに一通もない。それにいつも一緒にいる二人の美少女の存在が一種の諦めをほとんどの生徒に与えているのも一因といえよう。最も当のシンジは恋愛関係にはとても鈍く、また優柔不断なためか、はっきりとした態度をとっていない、このため女子達に僅かの希望と困惑を強めているのも確かである。その状況下でのこの美形の転校生の出現はこのクラス、いや学校中での注目を集めるのは当然であったろう。しぜん、質問する者達にも必要以上の熱が入る。
カヲルはそれらの質問に一つ一つきちんと返事を返す。そんな熱気に当てられそうなやり取りの中で、幾人かはその雰囲気に関わっていなかった。ヒカリはいまだにミサトの方を責めているかのように見続けていた。アスカは周囲の様子を面白そうに眺め、レイにいたっては顔さえ上げずに手元の文庫本を読んでいる。
そんな二人の間の席で唯一人シンジだけは他のどの反応とも違っていた。
(どこかで見たことがあるような。)
転校生、渚カヲルが教室に現れたときシンジは何か奇妙な感覚に襲われた。それが何かは分からない。カヲルは以前に会ったことがあれば忘れることはできないと言えるほどの目立つ容貌を持っていた。何よりもその存在感が周りに与える印象を余計に強く見せる。しかし、シンジにはカヲルと会った記憶がなかった。少なくとも自分が覚えている限りにおいては。それにも関わらず、何か確信めいたものがシンジの中でカヲルの存在を肯定しているのを漠然と感じていた。
シンジは騒がしい教室の中でまるで別の世界にいるかのように呆然と転校生の顔だけを見つめていた。
そんなシンジの姿を遠くから見つめる一対の視線が存在した。
1限後の休み時間、カヲルに対する質問会は終わっていたが、カヲルはいまだに女生徒に囲まれている。席はつい1ヶ月程前に急に入院した子がいたためにずっと空いていた窓際の真ん中辺りの席である。ちなみにシンジの席は後ろから2列目の窓際から2つ目である。その左にレイ、右にアスカとこのクラスの、いや学校中の男子の羨望の的とも言える位置である。
カヲル達の様子を自分の席から何気なく眺めていたシンジは後ろから急に声をかけられた。赤みの強い肩の上までの髪、碧の瞳、そしてよく動く表情が印象的な少女である。容貌も整っており、ケンスケによればアスカ、レイと共に校内美少女ベスト10に入るという。名前は霧島マナ、弓道部の主将候補の一人である快活な性格の少女は自分から相手に話しかけることを避けがちなシンジが気軽に話せる女生徒の一人である。もっともほとんどからかわれてばかりといえるのだが。
「あ、霧島さん。知らないけど・・・」
「もう、シンジ、マナって呼んでっていつも言ってるのに。」
「き、霧島さん。」
「あ、真っ赤になって、かっわいい〜〜」
「も、もう、からかわないでよ。」
赤面してどもってしまうシンジをマナは楽しそうに見つめている。2年になってからほとんど習慣の挨拶とも言えるやり取りであるのだが、シンジはいまだにこのやり取りになれることが出来ないでいる。こんな時いつも割り込んでくるアスカは今は離れた席でレイ、ヒカリなどの数名の女生徒と共に雑談を交えながら転校生の様子を眺めている。
「ねえ、シンジ?」
「な、何?」
「本当に?」
「ほ、本当にって、何が?」
怪訝そうな様子シンジにもう一度繰り返して聞いてくる。
「転校生!渚君よ。知ってるんじゃないの?」
「どうして、そう思うのさ。」
「シンジの様子よ。おかしかったもん、朝、渚君を見てから。」
「そ、そうかな。」
「そう、見てた私が言うんだから間違いないわよ。で、どうなの?」
快活な面白がっているような口調の中に真剣な表情が僅かに現れているのだが、シンジは気がつかない。
「本当に知らないんだ。ただ・・・」
「ただ?」
「何か・・・何か、懐かしい、気がしたんだ。」
自分自身で整理しきれない思いを躊躇いがちに口にする。
「・・・懐かしい・・・」
今度はマナが怪訝そうな表情を見せる。その様子にシンジは慌てて言葉をつなぐが、その口調は歯切れが悪い。
「あ、あの、本当に知らないはずなんだ。懐かしい、っていうのもよく分からなくて・・・」
「ほら、何となくそう思うって言うか・・・その・・・会ったことが、あるような・・・」
「・・・デジャビュかな?」
「・・・そう、かもしれないね。」
マナの呟きに答えながらも、シンジには思考の中に沈んでいく。その存在が、その笑顔が見覚えのある気がする。ただ漠然とした感覚がシンジの中で渦を巻く。その中心に何があるのかシンジには見えない、いや見たくないだけかもしれない。それは今の生活を壊してしまう引き金であるような気もするし、本当の自分を見つける糸口であるようにも感じる。僅かな危機感と焦燥をシンジは感じていた。
そんな思いに沈むシンジを少し離れたところから2対の瞳が見つめていた。
「トウジ」
ケンスケはいまだに端末を操作し続けていた手を休めてトウジの方を向いた。
「これ、見てみろよ。」
「なんや、それ?」
「転校生のデータだよ。」
ケンスケの示す画面上にはカヲルの個人情報がいくつか表示されている。
「ケンスケ、お前、いつも思うんやけど何処からそんなもんとってくるんや?」
呆れたように聞いてくるトウジの問いにケンスケはいたって当然とばかりに答える。
「どこからって、学校のコンピューター内だけど。」
「そ、そうか。」
「でも、ほんとにこの学校のセキュリティは異常だよ。」
「この僕がこれぐらいのデーターを探し出すのに今までかかったんだぞ。」
「しかも、なにかプロテクトされているものもありそうなんだ。」
「なんや、これで全部とちゃうんか?」
「しかたないだろ。頑強すぎて手が出ないんだから。」
トウジの問いかけにケンスケは機嫌が悪そうに答える。
「まあ、ええんやないか。いつもなら男なんか気にせえへんのにどうしたんや?」
「トウジ、あの転校生は僕の情報網に事前に引っかからなかったんだぜ。きっと何かあるんだよ。」
「何があるっちゅうんや?」
「それが分からないから苦労してるんじゃないか。」
不満そうな顔をしているケンスケを見ながら、トウジはすでに興味が薄れているようだ。彼の幼なじみは自分の情報網に人によっては理解されないプライドを持っているのだ。トウジは慣れているのか気のない声ながらも聞き返す。
「何もわからんかったんか?」
「一つだけ、分かったよ。」
「なんや?」
「どうやらこのクラスへの転校は今朝急に決まったらしい。」
「今朝やと?」
「そう、どういういきさつがあったのかまでは分からないけど、昨日の時点では渚カヲルは一つ上の学年に転入するはずだったらしい。」
「どういうことなんやそれは?」
「だから、それが分かれば苦労しないって言ってるだろう。」
「結局わからんちゅうことか。」
「そうだよ。」
ケンスケはつまらなそうに答えると、またキーボードに指を走らせ始めた。
(トウジの瞬発力はこの時間にもっとも発揮されるな)
などと呑気なことを考えながらも席を動かしていく。アスカもレイもシンジと共に机を移動させる。シンジ達は2年になってからほとんどシンジ、レイ、アスカ、トウジ、ケンスケ、ヒカリそしてマナの7人で食事をしている。シンジとトウジ、ケンスケは中学校に入った頃から知り合った。元々はケンスケがレイ、アスカといつも共にいるシンジに接触したことが始まりであるが、いつの間にかアスカの言うところの三バカトリオの呼称を授けられるほど親密な間柄になっていた。
一方、ヒカリとマナそれにトウジ、ケンスケも幼なじみといえる関係であり、責任感の強いヒカリとアスカが何故か意気投合したために自然とこの7人組が集まって食べることが習慣となっている。
食事の内容としてはシンジ、レイ、アスカがユイの作った弁当で、ヒカリは自分で作った弁当、トウジ、ケンスケ、マナは購買のパンである。アスカがユイの作った弁当を食べているのはユイがアスカの母親と古くからの知り合いらしく、惣流家の内情に通じているために彼女の分までもいつも用意している。
シンジ達が机を並べ終えた頃トウジとケンスケ、マナが手に手に購買の袋を持って帰ってきた。
中学生にとってこの昼休みが一番楽しい時間といえるだろう。実際トウジはこの時間のために学校に来ていると言ってはばからない。
今日もいつも道理の騒がしい、そして楽しい食事が始まった。
いまだに訪れる何か得体の知れない感覚がシンジを苛んでいる。シンジ自身この感覚は時々訪れるために慣れてはいたのだが、それでもこのようなときに人の多い中にいるのは耐えられなかった。何が何なのか分からない焦燥が普段よりもきつく自分を締め上げているのが分かる。澄んだ青空の下で、それに不釣り合いな沈んだ顔をしていたシンジの背中に急に声がかけられた。
「君が碇シンジ君だね。」
声の主は転校生、渚カヲルであった。シンジはまだ彼と話をしていなかった。休み時間中には他のクラスからも訪れる女生徒達に囲まれる彼にシンジが話しかけられるはずもなかった。当然、カヲルに自分の名前を言ったはずがない。シンジには戸惑うしかない状況である。
「え、あ、あの何で僕の名前を?」
「失礼だが君は自分の立場をもう少しは知った方が良いと思うよ。この学校で君達のことを知らない者はいないようだから。」
「え、どういうこと?」
「君達三人は有名だってことさ、特に君はね。」
「そ、そうなの?」
「本当に知らなかったのかい。さっき僕と話していた子達からもよく君の名前は出てきたよ。」
「僕の名前が?」
「相変わらずだね。シンジ君。」
カヲルはシンジの困惑した様子を見ながら小声で呟いたが、その声はあまりにも小さくシンジの耳には届くことはなかった。
「え、何か言った?渚君。」
「いや、何でもないよ。それより僕のことはカヲルでいいよ。碇シンジ君。」
カヲルはシンジの方に人なつっこい微笑みを向けた。シンジはその真っ直ぐに向けられた笑顔に思わず赤面し、そのことに狼狽えながらもカヲルに答えた。
「う、うん。僕も、あの、シ、シンジでいいよ。」
「じゃあ、シンジ君。今日の放課後、時間あいているかい?」
「特に予定はないけど・・・何?」
「校内を案内して欲しいんだ。」
「あ、そ、そうだね。ごめん、気がつかなくて・・・」
「いいんだよ。じゃあ、お願いできるね。」
「うん、いいよ。」
「ありがとう、シンジ君。」
シンジはカヲルと話している間にあの得体の知れない感覚が薄れたことに気づいていなかった。
「シンジ〜、ほら、さっさとしなさい。帰るわよ。」
「アスカ、綾波、ゴメン。カヲル君に校内の案内を頼まれたんだ。」
「先に帰っていてよ。」
「何であんたが転校生の案内なんてするのよ。あいつならいくらでも案内してくれそうな子がいるでしょうが。」
「カヲル君から頼まれたんだよ。しょうがないじゃないか。」
「私も行く。」
「あ、綾波?」
「私も行っていいでしょ、碇君。」
「う、うん。いいよ。」
シンジは珍しく強い調子で言うレイに困惑しながらも答えた。
「シンジ、アタシも行く。」
「え、アスカも?」
「何よ!こんな美少女が案内してあげようって言ってんのよ。不満を言うやつがいるはずないでしょ?」
「い、いや、そ、そうかもしれないけど・・・」
シンジはアスカのいつもの勢いに押されながらもその自信が何処から来るのかいまだに分からなかった。確かにアスカが美少女なのはシンジも認めているのだが、いかんせん、急に押し掛けてきて居丈高な態度に出られて喜ぶ人が何人いるのか疑問も持っているのだ。もっともそれをそのまま言えるほどアスカとのつきあいは短くない。結局は曖昧に言うしかシンジにはできなかった。
「なら、行くわよ!渚のやつは何処に行ったのよ。」
「僕なら、ここだよ。」
「あ、カヲル君。」
カヲルはいつの間にかシンジ達の後ろに来て、微笑んでいる。
「ふんっ、さっさと行くわよ。ほら、早く来なさいよ。バカシンジ!」
アスカは案内するはずのカヲルを放って行きかねない勢いでシンジを引きずり歩き出す。レイはいつものようにその後を追うように無言でついて来る。カヲルもその後に続く。教室からはいまだに騒がしい声が響いていた。
「碇、どうする気だ。」
「何のことだ?」
それに対して問われた男の方はいたって感情を感じさせない口調で返してくる。冬月はゲンドウとはもう10年以上の付き合いになるがこの男の表情を全て読み取ることはいまだに難しかった。それは色眼鏡とその口元を隠す手のためだけではなく、全てを拒んでいるようなその男を包む硬質な雰囲気のためでもあっただろう。
「ゼ−レからチルドレンが送られて来たそうではないか。」
「ああ、そのことか、問題ない。」
本当に何でもないと考えているような答えに冬月は顔をしかめて言葉を足す。
「しかし、こちらの用意は何も整っていないのだぞ。」
「ファ−ストチルドレンがいる。」
「しかし、今のファ−ストはまだ不完全過ぎるぞ。」
「セカンドはいまだに調整中だろう。それにサード以下のチルドレンには未だEVAとのシンクロ実験すら行なわれていないではないか。」
「ここでゼ−レの老人達が封印を解けば・・・」
「構わんさ。」
「碇!」
ゲンドウのあっさりした返答に冬月の声に咎めるような響きが含まれる。
「安心しろ、冬月。老人たちといえどもまだ軽々しく解き放つことはできんよ。」
「それにEVA01をサ−ドに持たせる。」
「01だと!本気なのか。」
「ああ。」
「あれは危険すぎるぞ。」
冬月の声に苦々しい響きが混じる。
「いずれは使うことになる、それが少し早まるだけに過ぎんよ。」
「それに封印は付けてある。チルドレンとの融合を行なうにはまだ早すぎるからな。」
「02は使えんのか?」
「ああ、お前も聞いているだろう。」
「・・・・制御にはまだ時間がかかる、か?しかし、下手をすれば15年前の二の舞だぞ。」
「そうはさせんよ。」
「・・・ユイ君も反対するぞ。」
「・・・今のユイには反対できんよ。」
「・・・そう、かもな・・・いいのか?」
「仕方あるまい。人類の未来がかかっているのだ。」
「お前はいつもそうだな。」
「・・・・」
「こんなことでしか会いにいけんのか?」
「・・・・」
反応を示さないゲンドウに冬月は小さく溜め息をつき、話題を変える。
「しかし、送られて来たチルドレンがどの程度の力を持つかも分からんのでは対処もできんだろう。」
「それこそ問題ない。老人達にはまだ我々が必要だ。」
「何もできんよ、今はまだ、な。」
「直接行動を起こすことはないということか?」
「ああ。」
「では、どのように扱うのだ?」
「フィフスチルドレンとして登録、後は他のチルドレン候補と変わらんよ。」
「他の候補はどうする?」
「今までどおりで構わんさ。」
「チルドレンもか?」
「ああ。」
「そうか、もう行くのか?」
「ああ、後は頼む。」
「分かった。」
ゲンドウは立ち上がり、闇の中に消えていった。
「あの男は変わらんな。君ならなにかできるのかな?いや、君がいればこのようなことにはなっていないか。」
冬月は虚空を見上げ呟くと、一つ溜息をついてゲンドウと同じようにその場から立ち去った。大きな机だけが孤独の闇の中に取り残されていた。
「どうも、訪問者の方々お久しぶりです。ほぼ1ヶ月ぶりになりますね。」
マナ「忘れられてるんじゃないですか?」
「そ、それは酷いよ。マナ君。」
「何を言ってるんですか、連載の第1話を出したとたんに雲隠れしておいて。」
「そ、それはそうなんですが・・・」(汗)
「ある人には『入居して、すぐに行方不明になった』何て言われているじゃないですか。」
「な、何故それを・・・」(大汗)
「私達に隠し事なんて出来ると思ってるんですか?」
「うっ、学生の身の上ですから、長期の休みには実家の方に帰らないといけないんですよ」(泣)
「わざわざ、連載にしなくても良かったと言ってるんですよ!」
「あの頃にはこの話の準備しかできてなかったんです。悪気があったわけではないんです。」
「・・・ところで、どうして私がコメントに呼ばれたんですか?」
「ああ、僕のSSで登場するの初めてなので一番に来てもらったんです。」
「他の方々は?」
「そのうち出てもらいますよ。今回は一人一人出てもらおうか、何て考えていますから。」
「そうなんですか?」
「はい。」
「私がヒロインというわけではないんですか?」
「はい。」(あっさりと)
「そう、ですか。私がシンジと結ばれることはないの?」(どんより)
「現在のところ分かりません。しかし、しかしですよ。マナ君は候補の一人です。」
「本当ですか?」
「ええ、本当です。」
「・・・候補って何人いるんですか?」
「ええと、レイ、アスカ、マナ、カヲル(笑)、・・・・9人ですね。」
「・・・主要人物がそんなにいるんですか?」(ジト目)
「いいえ」
「(この作者は・・・怒)ところで、前回の後書きのゲームって何なんですか?」
「あれですか?あれは気にしないで下さい。」
「気にしないでって・・・このSSの元ネタじゃないんですか?」
「違います。書き方が悪かったんですが、設定での役振りに少し移植しただけですから、話自体には関係ないはずですよ。」
「そうですか・・・私だけには話してくれませんか?」
「どうしてもですか?」
「はい。」
「後悔しません?」
「・・・するかもしれませんが、聞かないともっと後悔しそうですから。」
「そうですか、分かりした。・・・・(小声)」
「え〜〜〜そ、そんなのダメですよ。」(真っ赤)
「大丈夫、ストーリー自体には関係ないはずですから。時々使うかもしれませんが。いや、まず使わないでしょう。」
「そ、そうなんですか・・・(ちょっと残念かも)」
「今、何を考えました?」
「な、何でもありませんよ。本当です。本当ですよ。」
「はい、はい、分かりました。ああ、前回の予告と全然違う話になってしまって申し訳ありません。前回後書き書いたときはカヲルがクラスメートの前で『好意に値するよ。好きってことさ。』とかいって大騒ぎになる予定だったんですが、実家に帰っている間に少し変更してしまったものですから。あと、感想、批評、意見、叱責のメール待っています。どうかお気軽に送って下さい。でも、剃刀メールとウイルスだけはご容赦下さい。では、このぐらいで・・・」
「本当ですってば、本当なんです。信じて下さい〜〜。」(涙声)
「はい、はい」
秋月さんの『朧の刻』第2話、公開です。
オカエリナサイ、秋月さん(^^)
カヲル登場。
マナ、登場(^^)
ここでのカヲルくんはお約束の”モーホー”色が薄いですね?!
さっそくシンジ君に接触しましたが(^^;
マナちゃんもシンジに興味がありそうだし、
シンジくんは大忙しですね。
学校だけでなく、
外でも色々動いていて・・・
シンジくん、大忙し!
さあ、訪問者の皆さん。
帰ってきた秋月さんにメールを送りましょう!