Asuka and Rei fought about Shinji.
「ほら、シンジ、朝よ。」
「うーん、あ、アスカ、風邪は?」
「シンジのおかげでこの通り、よ。」
「よかった。」
「それより、早く準備しなさい。」
「わかったよ。」
そして、シンジは制服に着替えるのであった。
「「いただきまーす。」」
ユニゾンするシンジとアスカ。
「アスカ、今日は何があったっけ?」
「別に何もなかった・・・・・と思うわ。」
「アスカちゃん、風邪のほうは大丈夫?」
「ええ、シンジがいてくれたおかげですっかりよくなりましたわ。」
「シンジ、アスカちゃんに変なことしなかったでしょうね?」
「そ、そんなことするわけないよ!」
顔を赤くして反論するシンジ。
「大丈夫ですよ、おばさま。ね、シンジ。」
「う、うん。」
シンジはちょっとぎこちなく返事をする。
そうしているうちに、二人とも食べ終え、学校へ出かけていった。
「おはよう。」
「あ、アスカ、風邪って聞いたけど大丈夫?」
「もうばっちりよ。」
「でも、碇君はどうしたの?」
「いや、ちょっと、その・・・・・」
「もしかしてずる休みじゃないでしょうね?」
「そうじゃないんだよ。その・・・・」
「シンジがあたしを看病してくれたのよ。シンジの両親も家にいなくて
あたし一人だったのよ。だから・・・・」
「分かったわよ、アスカ。」
3人の会話を聞きつけたのか、トウジとケンスケもやってくる。
「シンジ、惣流の世話したってほんまか?」
「そ、そうだけど・・・・」
「どうやった?うるさかったんちゃうか?」
「誰がうるさいですって?」
「もちろんきまっとるやろ、惣流や。あいつは・・・・・・あっ!」
ようやくトウジは気づいたようだ、が、時すでに遅し。
どがっ!ばきっ!どごっ!
「シンジ〜、なんかゆうてくれ〜〜!」
「シンジが何を言ってももう許さないわ!」
どがっ!ばきっ!どごっ!
「・・・・・・・・」
「アスカ、トウジ気絶しちゃったよ。ちょっとやりすぎじゃない?」
「いいのよ、こいつが悪いんだから。」
「自業自得ってやつだね。」
「そうね、鈴原がアスカの悪口言うのが悪いのよね。」
なんだかみんな結構冷たい。そこへ、
「おっはよー。」
と明るい声で入ってくる人物がいた。レイだ。
「あ、綾波、おはよう。今日は大丈夫なの?」
「うん、最近調子がいいの。それより昨日はどうしたの?」
「いや、いろいろあってね。」
「ふーん、そうなんだ。」
「ちょっとシンジ、なんだかレイとなれなれしいんじゃない?」
「そ、そうかな?」
「あんたもシンジとあんまりなれなれしくしないでよね。」
「別にいいじゃないのよ、碇君は私の物だから。」
「な、なんですって!」
「だから、碇君は私の物よ。」
「シンジ、何とか言ったらどうなの!」
「ぼ、僕は・・・・」
「ああ、もうじれったいわね、言っておくけどシンジはあたしの物よ!」
「いいや、私の物よ。」
「あんたなんかにシンジを渡すものですか!」
「ちょ、ちょっと、二人ともやめてよ。」
「「シンジ(碇君)は黙ってて!」」
「・・・・・・」
そうして、アスカとレイのシンジ争奪戦は始まったのだ。
1時間目、社会の時間。
「あれ、どこいったんだろう・・・・」
「シンジ、どうしたの?」
「教科書忘れちゃったみたいなんだけど。」
「じゃあ、あたしが見せてあげる。」
「あ、ありがとう、アスカ。」
アスカは隣のシンジに教科書を見せる。
それを見ていたこれまたシンジの隣のレイは、
(くっそー、先手取られちゃったわね。まあいいわ。まだ始まったばかりだから。)
そう思っている。一方アスカは、
(これで一歩先へ行けたわね。この調子でがんがん行ってやるわ!)
と思っている。
2時間目、体育である。
その前の休み時間、
「シンジ、なんだか大変だな。」
「そうだよ、綾波もアスカも僕のことなんかどうでもいいのに。」
「そうやなあ、ま、今日一日がんばれよ。」
で、授業中。
男子の授業は自習である。だから、みんな女子の方を見ている。
女子はバレーボールをしている。
「シンジ、綾波と惣流は同じチームやな。」
「えっ!なんだかいやな予感が・・・・」
シンジはそういいながらゲームをしている二人の方を見た。
なんだか二人とも目が違う。
そして、終わってから、
「ちょっとあんた、あたしの邪魔しないでよ!」
「あなたこそ、わざわざ私の前に出てくる必要ないんじゃない?」
「あんただって、あたしの所に来たボールを横から打ち返さないでよ!」
「ちょっと、二人とも、やめなさいよ。」
「ごめん、ヒカリ。」
「ごめんなさい。」
二人のやりとりをシンジは呆れた顔で見ている。
そして、つぶやいた。
「もう、やめてよ・・・・」
3時間目も、4時間目もこの二人の争いは
つづいたのであった。
今は昼休み。
シンジは屋上で一人で食べている。
あの二人と一緒に食べることを断ったのだ。
「はぁ。」
シンジは弁当を食べながらため息をついていた。
「何であんなことになるんだろう?やっぱり僕が悪いのかな・・・・
僕が優柔不断なばかりに・・・・」
「シンジ、何しとるんや?」
「あ、トウジ。」
「なんや、暗い顔して。」
「そうかな?」
「別にええんちゃうか?あの二人が争っても。
別にシンジが気にすることあらへん。」
「でも、二人は僕のことで・・・・」
「だったらシンジが”やめてくれ”ってゆうたらええんや。」
「あ、そうか。そうすれば二人とも・・・・」
「そや。やめると思うで。」
「ありがとう、トウジ。」
「ええんや。友人が困ってるんやからな。」
そして、二人は教室へ戻った。
「綾波、アスカ、もうやめてくれないかな?」
「「どうして?」」
「僕は二人が争うところを見たくないんだ。だから・・・・・」
「シンジがそこまで言うならしょうがないわ。
分かったわ。一時休戦ね。あんたもいいでしょ。」
「碇君が言うなら・・・・」
そのシンジの一言で、二人は和解した。
放課後になった。
「もう、今日みたいなことしないでよ、アスカ。」
「分かったわよ。迷惑掛けたわね、シンジ。それより早く帰りましょ。」
二人は帰途へ着いた。
シンジが家に帰ると、リビングにはゲンドウがいた。
「あれ、父さん、帰ってたの?」
「ああ、今さっきな。」
そういうとゲンドウは箱を取り出す。
「これは?」
「出張の土産だ。」
「あ、ありがとう。」
「シンジ、それをあけるときは十分に注意しなさいよ。」
台所からユイが戻ってきた。
「あ、母さん、どうして?」
「何が入ってるか分からないわよ。」
ユイはゲンドウの方を見て言う。
「この人のことですからね、何があるか分からないわよ。」
なんだか図星をつかれたような表情のゲンドウ。
「ゆ、ユイ、それより夕食の支度はいいのか?」
「あら、珍しいわね、あなたが夕食の心配をするなんて。」
「そ、それより、は、は、早くしたらどうだ?」
この気まずい空気を感じたのか、シンジは、
「ぼ、僕は部屋にいるね。」
そういって部屋に戻っていった。そして、言った。
「あんなに取り乱した父さんを見たの、初めてだ。」
「シンジ、入るわよ。」
「あ、アスカ。遅かったね。」
「ちょっとね、明日の準備してたから。」
「明日?」
「もう忘れたの?ほら、温泉旅行よ。」
「あ、すっかり忘れてた・・・・・」
「じゃ、あたしも手伝ってあげるから、今夜しましょ。」
「うん、そうだね。」
「シンジ、アスカちゃん、ご飯よ。」
「「はーい。」」
「父さん、明日はいつ出発するの?」
「ああ、向こうから迎えが来ることになっている。」
「だから、何時頃なの?」
「確か、4時だったと思う。」
「じゃあ、学校は十分間に合うわね、シンジ。」
「そうだね。」
「シンジ、準備はしたの?」
「あ、今からするよ。・・・ごちそうさま。」
シンジは茶碗を台所へ持っていき、自分の部屋に行った。
アスカもそれにつづく。
「えっと、鞄はどこだったかな・・・・」
シンジは鞄を探している。
「アスカ、これでいいかな?」
「いいんじゃない、2泊するんだし。」
そしてシンジは下着や着替えを出してきて、詰め始めた。
「えっと、下着に、シャツに、ズボンにタオル・・・・
あとは洗面用具かな。」
シンジは洗面用具を出してきた。
「あとはウォークマンを持って行くだけかな。」
シンジは鞄の上にS−DATを置いた。
「さてと、アスカ、僕はお風呂入って来るね。」
「そういえば、さっき父さんに”土産”ってもらったんだけど・・・・」
「そうなの、ねぇ、あけてみない?」
「でも、なんだか怪しいんだよなぁ。」
「別にいいじゃないの。ほら、シンジ、あけてみて。」
「そうだね。」
そして、シンジは箱の包装をといた。
「何だろう?これ。」
そういいながらも、シンジは箱のふたを開ける。
すると・・・・・
「プラモデル?」
中に入っていたものはプラモデルだった。
「えっと、なになに・・・・エヴァンゲリオン初号機?」
「シンジ、よかったじゃない、これって超レア物よ。」
「そうなの?」
「そうよ、なかなか手に入らないのよ、これ。」
「何でアスカがこんなこと知ってるの?」
「そ、それは・・・・・別にいいじゃないの。とにかく、よかったわね。」
「う、うん・・・・」
実は、アスカはこの業界はかなり詳しい方であった。
毎月、月刊誌を購読している。
そのあと、二人は早速組み立てに取りかかったが、
なかなか難しく、この夜は二人にとって長い夜となった。
[Syuhei]さんの投稿、『シンジ達の一週間』第4日目。発表です!
シンジをめぐるアスカとレイの争奪戦。
優柔不断シンジの性格が問題を更にややこしくする。
これぞ「学園エヴァ」の王道ですよね!!
あぁ、私も早くレイちゃんを登場させたい−−−!!
シンジの荷物をかいがいしく整理するアスカ。
思わぬマニアぶりを発揮するアスカ。
やっぱりアスカは最高だ!
さあ、皆さん。Syuheiさんに応援のメールを!